水産食品Blog

【01 食品部会】

2008-10-14

Radixの会 衛生講習会in大阪 報告

P1010962

日時: 10月3日(金) 午後1時 ~5時
会場: 新梅田研修センター
(大阪府大阪市福島区福島6-22-20

内容: らでぃっしゅぼーや品質管理課顧問 大野隆司さんによる講義
5Sとはなにか、5Sを徹底させるには
毛髪混入を防ぐには
(らでぃっしゅぼーやスタッフによる会員さんの声やクレーム傾向の
説明、代表生産者を交えたパネルディスカッション )
------------------------------------------------------------------

水産・加工部会として初めて参加することになりました。
現在、Radixの会の事務局に研修している狩野隆行です。

成田先輩について、お手伝いとして「衛生講習会in大阪」にいってきました!

最初に、らでぃっしゅぼーやから会社の情勢についての説明がありました。
目標は品質向上・会員拡大。
「クレームをゼロ」にすることで品質を向上していき、その結果としてらでぃっしゅぼーやへ安心して入会でき会員拡大に繋がる、という流れをつくるべく、行動中ということです。
会員さんの入会のきっかけや、会員さんがどういうことを期待して入会しているかなどが語られ、「安全な食品」を提供することがい かに求められているか分析をもとにした説明がありました。

ここ数年の間に報道された社会を騒がせている食品の問題が、消費者に何が安全で何を信用すればいいのか判らなくなるほど混乱を招 いているのかと思います。
個人的な感想ですが、消費者自身が野菜などの食材や加工食品を手にした時どこでどういう工程を経てきたのか把握する事が必要な時代になったということでしょうか。

 

------------------------------------------------
P1010990

■らでぃっしゅぼーや品質管理課顧問 大野先生の講義


大野先生の講義を資料とプロジェクターによる映像を参考に、衛生についての講習を受けました。食品の安全が揺らぐなか、ますます「食品の安全、品質の保証」は必要になり、これが信用になります。 また、今は商品だけでなく加工している会社の組織としても、消費者に見られています。

○商品として
・お客様が安心して食べられる食品。
・安全で安心、おいしく食べられる。

○組織として
・社会的な責任を考える
・会社への影響を考える

衛生を良い状態にするには、品質管理が必要です。
品質管理することで、誰が見ても綺麗な状態にしましょう。
そのための最大のポイントは作業場として工場に置いてある余計なもの「捨てること
これは、意外と工場内に多く、余計なものがあると埃がたまりやすく、作業も手狭になっていきます。
逆によけいなものがなければ、余裕ある作業空間もできますし、工場内を全体で点検しやすくなります。
掃除も平面が増えても作業効率があがるのでより清潔に保つことができるようになります。

 ○「5S活動しよう」
1 整理
必要のあるものと無いものを区別し、撤去していく。

2 整頓
使用する道具を分類して収納し、使い終わったら元に戻す。
※収納場所にイラストを展示することで、例えば日本語の苦手な外国からの
研修生なども元に戻せるようになった工場があるようです  

3 清掃
自己流ではなく、マニュアル化してチェックをしつつ清掃。ゴミの分類をしていく。

4 清潔
清掃したあと、汚さないようピカピカを保っていく。

5 習慣づけ
自力本願、最終目的、重要項目、相互得失、相互理解、共有利益を意識し、習慣づけていく。
P1020012

○「チェックシートをつけよう」
5S活動の次は定期清掃周期を設け、マニュアル化して誰でも出来るようにしチェックを付けることで記録していきます。 スケジュールをカレンダー方式にしていくことで、わかりやすくなります。 チェックの必要性は、5S活動だけでなく食品表示についても一括表示内容のチェックなどリスト化していきます。

 ○「原因を突き止めて改善しよう」
衛生状態を保つには意識の改善はもちろんのこと、工場内の設備などの見直しも必要です。
※とある工場で、エアシャワー設備で気分の悪くなる症状が多発し、フィルター部分を確認したところ埃が箱一杯に溜まりあふれ出て いて、交換したところ機能するようになったという例がありました。
細菌が発生するのは、活動しやすい「温度」と「水分」と増えるための「栄養」が必要です。
作業施設は「低温」、「乾燥」、「清掃」を心がけ細菌繁殖を防ぎましょう。

 

○「毛髪対策」

入出時のルール表
1着用の順番を守る(マスクと帽子が白衣より先)
2ローラーがけ順番(帽子の上から下へ)
3ローラーの使い方(限度四回で交換)
4写真を提示する(ローラーのかけかたの見本を写真で提示する)
5休憩時=白衣・帽子の着脱をルールとする

・検査は1000ルックス以上の明るいところで。
・全身が映る鏡の前で(ガラスの鏡は使わない)
・チェック表に記入
・現場責任者が立会いチェックを行なう

衛生問題で、「毛髪」は大きい割合を占めています。
しかし、毛髪は健常者で一日55本程度も自然脱毛していきます。
常に抜けると考えると簡単にはいきません。
この毛髪がいつ脱毛し、作業場に落ちるのか確認したところ、午前仕事はじめ、午後仕事はじめが、もっとも多く落ちていました。
このため、統計を取りながら対処したところ、「課長以上の立会い」、「アルバイト員もチェック」を行なうことで毛髪の散乱は半数以上に減りました。

が、それでも脱毛数ゼロにはならず、まだ落ちてる状態でした。

その後、ユニホームを変更後、脱毛数0ないし1という効果的な結果が出ました。
※ただし、ユニフォーム変更の効果かどうかは不明とする。
このユニフォームは、再生ペットボトル製ポリエステル100%ダブルファイン・テトラ製法というのが特徴で、埃や毛髪が付きにくく、汗を吸収、蒸発させる効果をもっています。

ほかにも、原料についてくる毛髪対策として。
必要のないものは場内に入れない。洗えるものは洗い、内装品も開けてから持ち込まないなどの対処方法があります。

以上、衛生について実例や実験をもとに出した効果的な工夫の講義でした。

 

 

------------------------------------------------

■パネルディスカッション

 

P1020234
グリンリーフ株式会社代表 澤浦 彰治氏

コンニャクの加工の話

コンニャクを作っている中で、固まらないコンニャクという問題にたいする取り組みについて話を頂きました。
当時はまだ、固まらないコンニャクにたいして、品質という概念が強くなく、
「有機で手作りだから」という認識が強い時期でしたが、全てのコンニャクが溶けているような事まで発生し、「これはおかしい」と思うようになった。 

○原因の追究
機械メーカーに問い合わせても「そんなこと、起こるわけが無い」と断言されてしまった。 では、自分でできることをしていこうと調査を始めることになった。
機械メーカーからは、「洗浄はマニュアルどおりでいい」といわれたが、疑いを持って調べてみると、原因と思われる場所がイモ摺り部分で発見することができた。

イモ摺り部分を分解してみると、摺り残しのヘドロがあった。
これを毎回分解し洗浄することで、問題解決への対策になったが、今度は分解した機械を自分たちではしっかり組み立てれなくなってきたため、洗浄のできる機械を再度購入することになり、さらに商品に触れる部分は全てステンレスにするなど多大な投資をした。
効果は充分にあり、品質面でのクレームは激減させることができた。

しかし、激減はしたが、それでもクレームゼロということにはならずさらに問題がないか探すことになった。

○シールを洗浄
あたたかい時期の六月ごろに、まだコンニャクが溶けるので、ある時、内部をよく確認すると、材料を混ぜ合わせる機械ギアの部分にシールがはってあり、一年すると古くなりトラブルの発生原因 となることがわかり、毎年張り替えるようにした。

毎日掃除する部分、毎月メンテナンスする部分、シーズンごとにメンテナンスする部分があるということがわかり対処することでコンニャクが溶けるというクレームはさらに減った。 この事から、ハードの問題で発生する問題は多いと強く感じるようになった。 人為的にクレームを止めるという意味でも、流れをきちんと把握していれば、自主検査で異常が認められた場合には、出荷先(らでぃっしゅぼーやなど)に連絡し、すでにセンターにある商品も出荷を止めて貰うという体制も整えている。

 

クレームというものはとても嫌なもの。
自分の商品がこれこれこうなっているという説明をしなければならない。しかし、隠蔽するなど隠したりすることなく勇気もって改善・対処していかないと次へいけなくなる。

 

 

 

P1020164

■ファーマーズクラブ赤とんぼ代表 伊藤幸蔵氏

七色オモ
チと意識改革

赤とんぼは、米を生産し、精米してお届け。 加工として、モチの加工もしている。 モチは生ものなので、届いたらすぐ食べて欲しい。 いま思い出すと恥ずかしいが、当時は「モチはカビる」ということが常識だと思っていた。

農産加工は大手メーカーできちんと衛生管理されていたが、昔は小規模なところというのは農家でつくるモチの延長みたいなものだった。 こういうこともあって、当時は「モチはカビる」ということを伝えていくことが使命感にさえ感じることもあったが、結局それが原因でなかなか意識改善へと結びつかなかった。
働いているパートと意識改革を話し合い改善してきたが、取り組みづらい原因は常に常識だった。

例えば、コメにはカメムシというのがつくが、これに吸われると黒い色がついてしまう。
これもクレームになるもので、原料選びから難しいものがあった。コメ袋にカメムシが入っていたというクレームもあった。 これは実際に精米してる人間からみれば黒い色がつくるのは当たり前のことと考えてしまう。

・業界の常識 ≠消費者の常識 (同じじゃない)

この2つの常識の間に差異があり、これがクレームになっていると気が付くことで改善することができた。
業界では「あたりまえ」と、おかしいことをおかしいと気がつけないほど習慣化してるモノがあり、改善を困難にしている。そもそもできない理由ばかり見つけている、ということに気が付いてからは改善できるようになってきた。例としては、コメもカビます。(一般的に)
これは水分13%台のコメにしているため乾燥させ、カビ対策している。

商品として、カビさせたくはない。けれど、コメの食味は水分16%より乾燥すると落ちてしまう。主食であるコメは食味が重要だし、消費者も毎日たべるものでありコメには敏感。

コメの生産者に食味を少しでも落とさないために水分15%で調整を頼んだが、そのままではカビの原因になる。 現在も、少しでも水分を減らさずに食味を維持しつつ、カビを発生させないか研究中。

商品をつくるからには、少しでもよいものを送り出したい。
これは、「こちらを立てれば、あちらが立たず」というジレンマになるが、悩みながらもバランスを調整しながら改善していきたい。

 ------------------------------------------------
最後に感想として
これまで農産部会として小祝塾・生産者塾や経営勉強会という農業関係の勉強会に参加し、自分自身の出身も農業生産なので自分活動圏内であり理解できる範囲でしたが、今回の水産・加工を対象とした衛生講習は無知でしたので頭に入るのか不安もありました。

…ですがよくよく考えてみると、
「北海道の生産者はただ生産ばかりして利益多く取ろうとしないから体力がなくなる。加工をしなければならない」
父が北海道の農産を語るとき必ず語るこのセリフの意味はわかるものの、難しさについてはそれほど考えていませんでした。

地元の加工業者と栄養剤を研究してみたり、タマネギの皮によるサプリメントを作ったり、大豆を炒ったお菓子や練り菓子などをしているため、外部発注ですが加工して、外装デザイン考えたり食品表示に問題がないか調べたりと多少ながらも関わってました。

ボク自身、本業をストップして家内工業的に野菜の葉を煎じて茶に加工して販売するため、葉を摘んで乾燥させて炒って袋詰めしていくという作業をしていたので、毛髪混入するという問題でかなり神経を使いましたし、商品として形が悪いなどのクレームがついたこともあって、かなり神経質に気をつけながら手探りで苦闘していた記憶があります。
(現在は、売れ行きが下火になったので事実上、解放されましたが)

そういう意味もあって、今回の講習会はとても勉強になりました。
パネリストの澤浦氏・伊藤氏の体験談は、生産者が生産したものを加工し、商品にしていくという話で、農業生産者としては悩みどころもわかり、頭に入りやすい内容でした。

(まず本業に戻ったら、最初に倉庫の不用品を粗大ゴミとして処分してから掃除して、ユニフォーム購入してチェックシートを作って・・・)

 

カリノタカユキ


この記事へのコメント

1.Posted by島田奈津子2008-10-16 12:57

衛生講習会に参加いただいた皆様

お忙しい中、たくさんの方に参加していただきありがとうございました。
皆さんが、真剣に日々の仕事に取り組まれている事が、ひしひしと伝わってきました。
私たちもがんばります!
ありがとうございました。

この記事にコメントする

名前:
メール:
URL:
コメント:

RadixWebトップページへ

RSS2.0 /  Atom

Copyright 2009 Association of Radix. All rights reserved.