【01 農産活動報告】
2008-11-04
勉強会直前、まさかの突風被害! タイバナナ生産者勉強会inバンラート報告
2008年10月14日(火)、タイのペッブリー県バンラート郡においてホムトンバナナでおなじみのPTJ(パシフィック・トレード・ジャパン)さん主催のバナナ勉強会が開催されました。
勉強会で話をするのはRadixの会員さんでもある小川孝郎さん(グリーンファーム山梨)、らでぃっしゅぼーや農産課の島田さんです。
左が小川さん、右はPPFCの小山さん バナナの消費動向などを説明する島田さん
(※PPFCはPTJのタイ現地組織の名前)
小川さんが話すテーマは、「強風対策」と「化学肥料の削減」、
島田さんのテーマは、「日本の消費者動向」についてです。
ちなみにブドウ生産者でもある小川さんにとって、タイでの勉強会
(※技術交流会)は今回で3回目。
記念すべき第1回目は、3年前の2005年11月「乾期におけるホムトンバナナの栽培技術セミナー」として開催されました。
さて勉強会前日、小川さん、島田さん、後藤事務局長と私(成田)は突風被害を受けたばかりのバナナ圃場を視察することになりました。
じつは視察直前の11日夕方、非常に強い突風がバンラートのバナナ圃場を襲ったのです。
被害のあったバナナ圃場(左がワンナーさんの圃場、右がバーンオームさんの圃場)
収穫前のバナナがほぼ壊滅状態・・・。 圃場ではバナナがほぼ同じ高さで折れています。
被害圃場を調査する小川さん 収穫直前に倒れたバナナを前に状況を聞いている
風に強いの椰子やマンゴーの木も倒れてしまったほどの突風(もはや『烈風』というべきか)。
収穫直前のバナナがそんな突風に耐えられるはずもなく、視察した多くの圃場では、茎が無惨にも折れてほぼ全滅した姿が・・・。
収穫を楽しみにしていた生産者は・・・言わずもがな大ショック。
(ちなみにバンラートではこれほど大きな突風被害はかつてなかった
そうです)
小川さんは、なぜ倒れたバナナは風に弱かったのか、風に強い(理想的な)バナナとはなんぞやと圃場視察をしながら自問されていました。
被害状況などを記録している小川さん バナナの茎を段ボールの構造に例えて説明中
突風被害を大きく受けている圃場、あまり被害を受けていない圃場、その違いはなんなのか・・・。
倒れているバナナはどのように倒れているのか、どの高さで折れているのか・・・。
突風はどのように吹いてきたのか・・・。
バナナの近くに寄っては考え、少し離れては考え、バナナの茎を揺らしては考え、圃場で土を掘っては考え・・・。
そして導き出された答えのひとつが、「土(耕土)」と「バナナの根」にありました。
倒伏が多かった圃場と少なかった圃場では、耕土の深さの違い、根張りの違いが見られたのです。
(※耕土が浅く、根張りが不十分なバナナほど倒れやすい)
発達した積乱雲から突風が発生するメカニズムを説明する小川さん。
勉強会では突風が起きるメカニズムの話から、視察圃場の被害状況の説明、そして被害を軽減するにはどうしたらよいのかという具体的な話へとつながっていきます。
そこで強風対策の具体例として下記のような提案をされました。
1.バナナの根張りをよくする
収穫後のバナナの株は掘り出す。掘り出した跡にできた穴に
土を埋め戻し、次作のバナナの根張りがよくなるようにする。
2.土づくりを考える
化学肥料を控えて良質な有機物を入れる 。
腐植を増やして耕土を深くする。
3.バナナの密植を避ける
バナナを密植するとバナナの茎が上に伸びて背丈が高くなり、
根張りも貧弱となり突風に弱くなる。
根張りのしっかりしているバナナを確認中 圃場の一部を掘りさげて土壌調査
バナナの根をチェック
小川さんの話は、わかりやすく身近な内容にあふれて、時に笑いが起きるなどタイのバナナ生産者に好評でした。
難しい話をするのではなく、同じ生産者の立場・視点での話はやはり通じやすいものだと感じました。
単に指導するのではなく、お互いに学びあおうという姿勢こそが大切なんだと感じた次第です。
最後に、PTJの山本さん、岸さん、PPFCの小山さん、木村さん、それに現地スタッフの方々、視察では大変お世話になりました。
また短い滞在期間でしたが、暑い圃場を一緒にめぐり、各地でお話をしていただいた小川さん、お疲れ様でした。
1日12圃場の視察は、さすがにきついところもありましたが、被害を受けられた生産者の心の中に何か残ってくれればと思います。
次のバナナ収穫時に、バナナ生産者の笑顔がみれることを期待したいと思います。
【付記】
10月15日以降、他のバナナ産地でも同様の勉強会が開催されて
います。
詳細についてはパシフィック・トレード・ジャパンさんの下記HPを
ご参照ください。
2008年10月13~17日 「三産地で小川孝郎氏の勉強会を実施」
なお、パシフィック・トレード・ジャパンさんのホムトンバナナ
メインHPはこちらです → http://www.homton.com/ )
【01 農産お知らせ】
2008-10-28
「WEST 小祝塾中級編&仕入れ説明会in大阪」のご案内
らでぃっしゅぼーや & Radixの会共催
小祝塾中級編&仕入れ説明会
WESTブロック
開催会場ご案内
Radixの会事務局長 後藤和明
らでぃっしゅぼーや㈱MD部農産課長 森﨑秀峰
午前に、「ドクターソイル使用による土壌分析・施肥設計することの意味。多量・微量要素の欠乏や過剰を観察診断で生育状態の見極め。農業資材コストダウンの効果など堆肥の活用術について」、㈱ジャパンバイオファームの小祝政明氏に講義をお願いします。
午後からは、らでぃっしゅぼーや㈱MD部 農産課から仕入れに関する説明会を開催します。
懇親会にて、生産者間での情報交流をらでぃっしゅぼーや関係者も交えて行います。
ふるってご参加くださいますよう、よろしくお願いします。
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日時 12月12日(金)10時00分受付開始 10時30分 講義開始
会場 大東市立市民会館 3階第2会議室
〒574-0076
大阪府大東市曙町4番6号 TEL 072-871-0001 FAX 072-871-0004
内容 〔1〕小祝塾中級編 (10時30分~13時00分)
講師㈱ジャパンバイオファーム 小祝政明
・ ドクターソイルを使おう
・ 生育状態の見極め
・ 堆肥の活用術
・ 質問応答
……昼 食 (各自)……
〔2〕仕入れに関する説明(14時00分~17時00分)
らでぃっしゅぼーや㈱MD部農産課より
〔3〕懇親交流会 (18時00分~20時00分)
※懇親会費は5000円程度を予定
※センター見学(希望者) 大阪配送センター前
8時00分集合 見学時間:8時00分~9時30分
お問合せ先 Radixの会事務局
〒175-0081 東京都板橋区新河岸1-15-9 らでぃっしゅぼーや内
TEL:03(5399)4631 FAX:03(5399)4634 E-Mail:info@radix-jp.org
※今後の予定 WESTブロック開催後、北海道ブロック、関東ブロック、九州ブロックにて開催を予定
しております。
【01 農産アンテナ】
2008-10-21
『農業経営者』セミナー 「生産調整の廃止と直接支払いの導入が日本農業を再生する」
去る10月10日に開催された『農業経営者』主催の定例セミナーに参加しました。講師は、農水省ガット室長、農林水産省農村振興局次長を歴任された元農水官僚で経済産業研究所上席研究員の山下一仁氏。講演の大きなテーマは「グローバル化と人口減少時代の農政改革」。具体的な演題は「生産調整の廃止と直接支払いの導入が日本農業を再生する」です。
主催者によれば、このセミナーの主張は、「農水省OBが、あるべき農政を喝破!まず生産調整の撤廃だ。コメの生産量を増やし、米価を下げてコメ市場の拡大を図る。生産増とコスト減を実現すれば、コメ粉、飼料米、工業原料など国産米の需要は拡大できる。次に、主業農家を育成する構造改革。一定規模以上の農家には面積に応じた直接支払いを交付して、農地を副業的農家から主業農家に集める!」です。
http://www.farm-biz.co.jp/2007/09/01-070015.php
【背景説明】
農業経済学者であり、農業政策の立案担当者でもあった山下一仁氏の講演は、EUやアメリカなど他国の政策を参考に、数式やグラフも用いてその有効性を説明する場面もあり、かなり専門的な内容でした。講演では、最初に“専業農家が増えないことや高齢化の進行”により、農業の衰退に歯止めがかからない日本の状況(65歳以上の農業者割合が6割に、耕作放棄地は東京都の2倍弱になった)を概観し、WTOやFTA交渉において例外品目である米などの“関税引き下げを主張する”ことで消費量の5%に相当する“大幅なミニマム・アクセス米の輸入が要求”されて、食料自給率がさらに低下するという仕組みの説明。さらに“少子高齢化の影響で米の消費量が過去40年間で半減”したが、今後は人口減少の影響でさらに減少するであろうこと。この状況に合わせるなら、さらなる生産調整(減反)が必要になり日本の農業は大幅に縮小せざるを得ない状況になるであろうことなどを、講演テーマの背景として説明されました。
【EUなどの成功例】
そして、本題である「生産調整の廃止と直接支払いの導入」に関しては、日本では米価を上げたことで米が過剰になり、40年近くも生産調整(減反:水田面積の4割)を実施してきたことで、食料自給率が1960年の79%から2007年の40%に半減したこと。これは関税依存型で消費者負担型の農政であること。それに対してEUやアメリカでは、消費者負担による高関税(高価格)による農業保護政策を1986年から2006年にかけて財政による直接支払い制度(米価を下げた分の農家の所得補償制度)に転換したことで、その負担率は37%→17%(アメリカ)、86%→45%(EU)と半減に成功したことを紹介。その結果、国際相場よりも安い値段になったお米は輸出競争力を持ち、ミニマム・アクセス米を輸入する必要もなくなり、これまで家畜用飼料として輸入していた穀物を国内在庫の米に切り替えることでその在庫も減り、財政的な負担も大きく減らせたということでした。
【日本での展開】
このことから、山下氏は日本においても米の生産調整(減反)や価格支持政策を段階的に廃止して、一定規模以上の農家に直接支払い制度を導入することを提案しています(零細・兼業農家は農地を貸し出すことで地代収入を獲得)。そのことが、規模拡大による生産効率の向上とコスト・ダウンにつながり、米の価格が下がります。すると国内需要と輸出による国産農産物の需要が拡大して、耕作放棄問題が解消、食料安全保障や(地下水の涵養など)多面的機能の基礎である水田の保全と確保が可能になるといいます。また、現在生産調整にかけている金額と同じ金額で米の直接支払い用の費用が賄えることから、米の価格低下により4兆円あった農業保護の消費者負担は消滅し、しかも事故米の原因ともなったWTO・FTAによるミニマム・アクセス米を輸入しなくて済むようになり、在庫米の保管料もかからないので財政負担を大きく減らすことにつながるそうです。また、農業に専念できる専業農家が増えることで、結果的に環境保全型農業が増えることにもつながるともいうのが、講演の大まかな内容でした。
【講演を聞いて】
このセミナーが行われたのが、ちょうど「事故米」騒動が起きた直後だったというのは、日本人の主食であるお米の生産に深く関わる「減反と直接支払い」というテーマを考えるにはすごくタイムリーなタイミングだったと思いました。というのも、お米に高い関税をかけていることの代償として受け入れざるを得なくなり、積み上がったミニマム・アクセス米(1994年~)の在庫をどうにか捌くために農水省が輸入されたお米を関連業者に販売していたことが、この事故米騒ぎの原因のひとつだったからです。
当たり前のように自分の頭にも刷り込まれていた「高齢化による担い手不足などの影響で国際競争力のない、この先夢も希望もない日本の農業を守るためには、ひたすら高い関税をかけて米の輸入を防ぐしかない。」という考えを、①グローバル化した金融と経済の影響による投機マネーの流入などで“異常に価格が高騰した世界の原油と穀物市場”の問題、②経済成長の著しい中国やブラジルなど新興国の消費増大などにより始まったと言われる“国家間による食料争奪戦”、③“40%を切ってさらに下がると言われている日本の食料自給率”をベースに考え直してみると、山下氏の提唱する「生産調整の廃止と直接支払いの導入が日本農業を再生する」という主張は、意外と論理的で説得力があり、自立した明るい農業の未来につながる考えであるように感じました。
【山下一仁氏の略歴】
東京大学卒業、同博士(農学)。1977年農林省入省。ミシガン大学大学院を経て、02年国際部参事官、OECD農業委員会副議長を最後に退官。03年経済産業研究所上席研究員に着任、現在に至る。主な研究分野は、食料・農業政策、中山間地域問題、WTO農業交渉、貿易と環境、貿易と食品の安全性等。
http://www.rieti.go.jp/users/yamashita-kazuhito/index.html
Radixの会事務局
郡山昌也
【01 農産アンテナ】
2008-10-09
有機農業の目指す世界2008
本日農水省からRadixの会あてに、標記の案内が届きました。ご存知のとおり、有機農業推進法、方針を受け、国では現在、有機農業の推進に向けた取組を進めています。農水省の「消費者の部屋」での特別展示は、その一環として、昨年に引き続いての開催です。開催にあたっては、NPO法人全国有機農業推進協議会(代表・金子美登氏)が協力しています。
パンフレットでは…「有機農業者が作った自慢の農産物の試食もあるよ!」…と、一般の方に呼びかけ! 国が進める有機農業推進の取組には、直接間接に関わっておられる方も多いと思います。各都道府県では様々に活動を組み立てていますから、皆様にとって身近なのはそちらの方かとも思います。その上で、農水省の「消費者の部屋」での展示の意義、有機農業をどんな方法で推進するかについて、様々にご意見もあろうかと思います。6月にご案内した全有協さんの「みんなで語ろう!有機農業第Ⅱ世紀」のその後の動きも良く見えてきていません。
しかし、すばらしいではないですか。。。「消費者の部屋」のある場所は、農水省の玄関口すぐ。そこで有機農業の展示をするようになったのですね。時代は少しずつ変化しています。私たちは、その時代の歴史に立ち会い、参加しているのですね! 有機JAS法では足りない!広く有機農業を定着させるべきだ!と運動を展開してこられた皆さんが獲得したともいえる法律。定義付け方針も定まりました。いろんな事情取り払って考えれば、有機農業は広がっていくしかないでしょう。らでぃっしゅぼーやも、Radixの生産者の皆さんも含めて、様々な生産者、専門流通団体が、そのような農産物を食品を消費者の皆さんに食べていただこうと、日々努力を重ねています。
農水省については昨今というか、引き続きというか、様々に問題が露見し、指摘され、あきれてもしまうのですが、ぜひ有機農業を積極的に推進していただきたい、心ある農水の方々にはがんばっていただきたい、と思う次第で紹介させていただきました。ご興味ある方はぜひ!
(事務局竹内)
NPO法人全国有機農業推進協議会の掲載関連情報…
※全国有機農業推進協議会のオフィシャルサイトは見あたりませんでした (^^;
6月16日の「農畜blog記事(みんなで語ろう!有機農業第Ⅱ世紀」案内記事
東京ボランティア・市民活動センターの記事
【01 農産お知らせ】
2008-10-07
生産者塾 第3回「めだかの学校」のご案内
第3回『めだかの学校』
~新井塾~
より高品質な作物栽培のために
開催ご案内
生産者から実地を学びたい! とのご意見から始まった『めだかの学校』。
「全国で研鑽している諸先輩、夢多き若手も含めて、有機農業の野菜作りを語り合える、
そんな場づくりになれば、また新しい仲間のネットワークが広がるよね……」新井俊春さんの、そんな仲間づくりの夢を『めだかの学校』に託し、第3回が開催されます。有機農業ロマン!
匠の技を語り合い、生産力をアップさせましょう!
また、懇親会「めだかの学校パート3」にて、生産者同士で夢や悩みを語り合い、新しい発見をしていきましょう!
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開催日時 2008年11月14日(金)13時00分から (12時 45までにお集まり下さい)
※電車にて参加の方は上信電鉄・上州福島駅12時10分集合
※昼食は各自済ませておいてください
集合場所 甘楽ふるさと農園 群馬県甘楽郡甘楽町上野834 TEL:0274-74-7428
講 師 新井俊春さん(甘楽町有機農業研究会)
内 容
●13時00分~13時30分 圃場見学
●13時40分~17時30分 室内勉強会
テーマ1:「土づくりを改めて考えてみる(土質・肥効・要素)」
・ 野菜の種類に応じた施肥パターンの研究 他
テーマ2:「病害虫防除について考えてみる」
・ 病原菌等の性質を考えた防除対策
・ 害虫の特性を考えた防除対策
・ 有機JAS許容農薬等について
テーマ3:「作物の変質防止を考えてみる」
・ 栽培・収穫・保管・輸送等におけるコツの確認
会 場 甘楽町文化会館大会議室 群馬県甘楽郡甘楽町大字白倉1322-1
TEL:0274-74-7000
●18時~20時 懇親勉強会『めだかの学校パート3』
テーマ「日本の脳業を語るかい(会?)」 ※参加費別途
参 加 費 Radix会員:¥1,000 (資料代として)
Radixの会員でない方は別途参加費3000円を申し受けます。
申し込み締切


