ワザを極めよう!……農産畜産Blog このページでは、農産部会、畜産部会の技術向上についての活動、関連する情報を事務局より報告しています。

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【10 からだをほぐす こころをゆるめる】

2010-01-12

からだをほぐず こころをゆるめる(第4回) 『腰のはなし②』

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  毎年のことですが、私のいる東京でも寒さが厳しくなってくると、今までなんともなかったのに急に腰が痛くなって私の施術所に来られる方が増えてきます。

  重いものを持ち上げた、長時間立っていた、がんばって掃除をした、あるいは何も特別なことをしていない等々、腰痛が起きたきっかけはいろいろですが、皆さんに共通して見られるのは『冷えです。特に下半身の冷えが原因になって腰が痛くなる方が多いようです。

  東洋医学では季節によってからだに負担のかかる場所が変わるとされ、冬のこの季節に一番負担がかかるのは腎臓や膀胱をはじめとする泌尿器であると考えています。

  冬になり気温が下がり、大気だけでなく大地も冷えてきます。そうなると当然人のからだも足から冷え、健康の原則である「頭寒足熱」とは反対の状態になります。

  腎臓と膀胱といった泌尿器は特にこの足からの冷えをきらいます。というのは、腎臓の経絡は足から始まり、膀胱の経絡は足の小指に終わることが一つの理由です。そして腰の周辺の筋肉は泌尿器の反応がとてもよく表れる場所なのです。
  つまりこの季節の腰の痛みは、足の冷えが泌尿器に負担をかけ、そのため泌尿器に深く関係する腰の筋肉がこわばり、腰の痛みが起きるという流れが考えられます。

  少しでも腰の痛みを楽にしたり、あるいは腰痛の予防にできることはまず、足を冷やさないことです。毎日お風呂にゆっくり入ることはもちろん、近くに温泉があればぜひ足しげく通ってみてください。
  長時間お風呂にはのぼせて入っていられないという方は、足湯がおすすめです。大きめの洗面器かタライを用意して、ちょっと熱めのお湯をいれ、くるぶしまで足をつけてください。
  ぬるくなったら差し湯をしましょう。1日10分ぐらいやると良いと思います。

  寝る時に湯たんぽを入れるのも一つの手です。低温やけどの恐れがありますので、体にくっつけないようにしながら、太ももやふくらはぎの間、足元においたりして下半身を暖めながらお休みください。
  寒中での作業の場合、足裏や腰、下腹部などの気持ちが良いと感じた位置に作業の邪魔にならないように下着の上からカイロを貼るようにしてください。

  お医者さんに椎間板ヘルニアがあると言われた方にも下半身をよく暖めることをおすすめします。というのは、東洋医学では泌尿器が骨をコントロールしていると考えているからです。下半身をよく暖めることで泌尿器への負担を減らし、泌尿器と深く関係する骨を少しでも助けることができます。

  まだまだこれから数ヶ月は寒い日々が続くと思います。
  ぜひ下半身を積極的に暖めることによって、腰痛がこれ以上ひどくならないよう、あるいは腰痛にならないよう予防して、この寒い季節を乗り切ってください。


(開音堂 姿勢保健均整師 中野史朗)

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【01 農産活動報告】

2009-12-29

丸山塾in千葉 開催報告【宮城さん堆肥場・圃場見学編】

2009年11月13日(金)、千葉県香取市にて丸山塾を開催しました。
講師は、あゆみの会の丸山訓さん。 
(丸山さんは、あゆみの会の生産者の施肥設計や現場指導などを幅広くご担当されています。また丸山さんのDr.ソイルによる土壌分析数は日本有数だと思います)

今回の勉強会では、丸山さんから土壌分析の活用、土づくりや腐植の大切さについてお話をいただきました。
同時に、あゆみの会を代表する生産者の一人、宮城さんの堆肥場・圃場を見学しながら宮城さんの種菌堆肥の活用法と土づくりについてのお話をいただきました。

それでは、午前中の宮城さんの堆肥場・圃場見学編よりスタートです。
(※丸山さんの講義と蒸気除草機の実演概要については丸山塾in千葉 開催報告【講義編】にて報告します)

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宮城さんの堆肥場見学

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 (宮城さんの堆肥場  右写真の左下に見ているのがエコキッチンクラブの乾燥残さ)

【丸山さん】
左側の堆肥置き場では、らでぃっしゅぼーや会員さんからのエコキッチンクラブの乾燥残さと、首都圏・神奈川センターから出た乾燥残さが持ち込まれて活用されています。これが種菌堆肥の原料となります。
1週間に400~500kgぐらい持ち込まれます。
そのため切り返しは頻繁に行われています。
乾燥残さが雨にあたると生に戻り虫などが発生してしまうので、すばやく種菌堆肥と混ぜて良好な発酵をすすめています。

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(エコキッチンクラブの乾燥残さと拡大写真)


左の堆肥置き場には今回の勉強会のため、乾燥残さを混ぜないで置いてあります。その上の部分は3日前に切り返ししたものです。

IMG_5757(参加者に説明する丸山さん)  

乾燥残さと近くの養豚場からもらってきた豚糞に放線菌が繁殖している種菌堆肥を混ぜて発酵させています。
養豚場でも堆肥化処理をしていますが、堆肥になる前のものをもらってきて、この種菌堆肥を混ぜるようにしています。

IMG_5763 (参加者に種菌堆肥を説明する丸山さん)

右側の堆肥置き場の堆肥は完成した種菌堆肥。
白っぽく見えるのが放線菌のかたまりです。

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宮城さんは堆肥にエアレーションをかけていません。
エアレーションをしなくてもこのような(乾燥した)種菌堆肥ができます。

このように宮城さんの種菌堆肥はかなり乾燥しています。
これは宮城さんがわざと発酵を止めているところがあるからです。

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現代農業の宮城さんの紹介記事にもある通り、近くに養豚場があるので、そこからの豚糞をもらってきて、種菌堆肥と1:1ぐらいの割合に混ぜて発酵をかけます。
その際、屋根のある堆肥場の中にいれるのではなくて、屋根のない堆肥場で発酵をおこないます。
(※屋根がなくても堆肥の上部にシートが覆われます)

発酵が進むと放線菌が表層で繁殖しはじめます。
表層から少し内側に入ったところに放線菌が繁殖するので、ある程度繁殖したらその表層をけずりとって種菌堆肥の中にもどします。
表層が削られると内部が表に出て酸素が供給されることによって放線菌の層が再びできます。そしてその部分を削って種菌堆肥場へもどす、その繰り返しで種菌堆肥
を確保しています。
そのため屋根のある堆肥場の中は放線菌豊富な種菌堆肥となるわけです。 

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畑に入れる堆肥は新鮮な豚糞堆肥に種菌堆肥を混ぜて1週間ぐらい発酵をかけてから畑に入れます。畑に入れてしばらく時間をおいたり、太陽熱処理をしたりして、十分に土になじませてから播種をする流れになっています。

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現在の種菌堆肥の温度は60度前後です。
乾燥残さの扱いが難しく、いかにうまく種菌を仕込むか、種菌の量と餌の新鮮具合がキーポイントになっているのではと思っています。

農学の先生がよく完熟堆肥を使いなさいと言いますが、現場の農家の方々は「完熟では力がない」とか「効かない」という声が多くて、どうしても生の力のある堆肥を入れたいと思う傾向があります。

宮城さんも同じ考え方です。
種菌堆肥をそのまま畑に入れても力がないと判断しています。
宮城さんの場合、生糞と種菌堆肥を混ぜて少し寝かせて施用することで活用しています。

IMG_5753 (参加者に種菌堆肥を説明する宮城さん)

【宮城さん】
原料は籾殻入りの豚糞と乾燥残さです。これを混ぜているだけ。
(ここにある堆肥は)種菌堆肥だと思っています。
皆さんは堆肥は畑にまくもんだと思っているかもしれませんが、うちは種菌堆肥として使っています。あくまで土壌改良材をつくりたくてこれをやっています。

土壌改良材として優良な菌がふんだんにある堆肥を作りたくて、考えて考えて、四苦八苦してこうなっています。
最初はサカタのバイオ21という微生物資材から始まりました。
バイオ21は高温菌が主体だということだったので太陽熱処理と併用できるかなと考えたわけです。米ぬかと堆肥を使って増やして活用していました。
それ以降、自分で種菌を増やして活用する今のスタイルになってきました。
今では鉄、マンガン、FTEなども堆肥に入れています。

(※宮城さんの種菌堆肥は肥料成分の補給ではなく、中熟堆肥をつくる際の優良な菌の補給源として活用されています)

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堆肥を作る場所が十分にない方は、種菌堆肥の(菌)密度を高くして、米ぬかなどを入れて発酵させてやればOKです。緑肥をすき混むときに一緒にやればすごくよくなります。はっきりわかるほど圃場の改善になります。
緑肥をうないこんだときにもさらっと土が変わるような感じになります。
この種菌堆肥でもいいんですけど、緑肥と一緒に入れてあげると全然違う。
春先から夏にかけてロータリーをかけて2日ぐらいおいて雨が降ったその後を見てみると畑の状態が変わります。
毎年毎年少しずつ良くなってきています
大きな間違いもなく改善できる、そう感じています。

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住宅街の中では堆肥場はつくれません。
そのためこの種菌堆肥を少し持っていって米ぬかとまぜて少量ずつ堆肥をつくれば迷惑もかからない。
そして緑肥をすきこむときに使う種菌として使えば畑が変わってくると思います。

あくまで土壌改良をする堆肥を作りたいと考えています。
肥料的につかう生糞に種菌堆肥をまぜて使用していますが、自分が力を入れているのは種菌堆肥づくりです。 

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【質問】
土壌改良を目的にというお話でしたが、そういう気持ちになったという原因が圃場の方にあったということでしょうか? 

【宮城さん】
あゆみの会、らでぃっしゅさんとのおつきあいをきっかけに有機栽培を始めて2年ぐらいはまあまあとれたんですよ。3年目からガタガタということで資材代ばかりかかって収入が少ないということに・・。
これで本当にやっていけるのかなというぐらいになったんですよ。
一時は有機栽培をやめようかなと思ったことも・・。
まわりに聞いてみると有機でうまくいっている人もいるので、どうにかしようと思いたって始めたのがきっかけです。 

良い畑にしようと思って市販の菌体を買ったりもしましたが、それにお金をかけすぎるよりも自分で培養した方がよいと思うようになりました。
微生物って培養できるじゃないですか。
だからこのように始めました。

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【質問】
堆肥の原料となる豚糞の窒素・リン酸・カリの成分比などは、どれぐらいのものを使っていますか?

【宮城さん】
低いよ。
自分の圃場にやってあうかどうか、やってみないとわからない部分もある。
百姓ならわかると思う。
肥料をあげたってそれだけのことができないし、逆に徒長しすぎてしまったり、良いものがとれなかったり・・。
やはり自分の観察、前回こうなったからこうだな、というようなことをやっていかないとうまくいかないと思うんだね。

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 (宮城さん(右)と中部・関西のエコキッチンクラブを受けて入れている、ゆうき伊賀の里の福広さん(左)のツーショット)

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宮城さんの圃場見学

宮城さんの圃場で団粒の確認を行いました。
丸山さんが団粒の塊を参加者に見せながら、団粒化が進むと保水性、排水性が良好になり、根張りも促進することなどの話を行います。 

また2mほどの棒を参加者自ら圃場に刺していただいて、宮城さんのふかふかで柔らかい圃場の様子を体験していただきました。
上の写真のように2mの棒がすーと全部入ってしまいます。 

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続いて宮城さんが実践している太陽熱処理についての話。

【宮城さん】
太陽熱処理につかうマルチは1m80cm幅のもの。
実際に張る幅は1m60cmぐらい(※両サイドは畝に沿って折り曲げるため)
マルチを張って太陽熱処理をしたところは草がなくて、マルチをしていない通路部分に少し草が残る感じになっています。
そのため通路は草取りをしています。

太陽熱処理したところだけに播種しています。
ニンジンとネギには堆肥を入れるけど、カブやジャガイモの前にには入れない。
主にネギとニンジンを交互に作付け(例:ニンジン2年やった後でネギ1年とか)
堆肥(生豚糞+種菌堆肥)の施用量は反あたり5t弱ぐらいです。

堆肥をつくるタイミングは自分の作業の合間を見ながら養豚農家さんから豚糞をもらってきて種菌堆肥とまぜて準備をします。
雨が降りそうだとブルーシートをかぶせます。
ブルーシートを直接堆肥にかぶせてしまうとたぶんウジがわくと思うので、風が通るように堆肥の上にシートをかぶせるようにしています。

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作付けされているニンジンの品種は愛紅(あいこう)、パワフルレッドなど。  

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【丸山さん】  
太陽熱処理で草取りがだいぶ省力化できています。
また宮城さんは発芽がそろうように灌水にかなり気を遣っています。 
 


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区民センターにて

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【丸山さん】
土の表層で団粒ができやすく、特に太陽熱処理をした後は団粒ができやすいと思います。
団粒は力を加えるとぽろぽろと崩れます。
団粒が増えることで保水性・排水性・根張りが良くなり、肥料成分もうまく吸着しています。

圃場視察質疑応答

【質問】
畑の耕盤ですが、あれは機械で崩したということはないんですか?
サブソイラーなどを入れていますか?

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【宮城さん】
サブソイラーはやります。
以前はトラクターが動かなくなるぐらいまで目一杯入れて引っ張っていました。
今は普通走行の1~2速ぐらいで十分です。

【質問】 
連作・輪作の話などを聞かせていただけますか?

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【宮城さん】
ネギ、ニンジン、ジャガイモとカブを栽培しています。
秋冬ニンジンと秋冬カブの前に太陽熱処理をします。 
その後にネギ。うちらの方ではネギをつくると畑を荒らします。
畑をこわすので、その後に太陽熱処理をしたニンジンを作付けし、カブという流れです。
 
緑肥は入れます。
春夏ニンジンの場合はどうしても太陽熱処理ができないので、緑肥を栽培してそれを鍬き込む時に堆肥をいれています。

今年はヘイオーツなど。
緑肥は生長してくると自然と倒れてくるので、浅く軽くロータリーでうなってしまいます。(土の中に入れるのではなく、倒して少し土が被さるような感じに)
もうじき雨が降るなというタイミングでロータリーをかけると良い感じになります。

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【福広さん】 
宮城さんの堆肥づくりの話があるということで参加しました。
棒があそこまで刺さるのにはびっくりしました。
以前、浅く耕すだけの栽培方法だったんですが、新井さんの影響などもありまして去年プラソイラーを購入し深耕でやるようになっています。
入れた後は少し水はけが良くなります。徐々に目が詰まってくるというか、時間がたつとだんだんと雨が降って水はけに時間がかかるようになります。
まだまだ底の方は変わっていないかな。
うちの堆肥は肥料成分重視で窒素濃度が高い堆肥を使って、施肥設計をしています。
宮城さんの堆肥の成分ですが、何か分析結果などあるんですか。

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【丸山さん】
分析はしてません。
炭素率的にはそんなには高くはないのかなと感じます。
宮城さんが緑肥を使って地力を維持しているのは必要なのかなと感じています。
堆肥だけだと地力を維持するには少し弱いかもしれません。 

【福広さん】
堆肥+有機質肥料という組み合わせでやっているんですか?

【丸山さん】
はい、そうです。

【宮城さん】
今は8-5-3(※JBFの有機質肥料)を使っています。

【福広さん】
私もどの程度の炭素率で有機栽培をしていくのが理想なのかなと考えています。うちの堆肥の炭素率はだいたい9ぐらいです。
施肥設計でも炭素率9でやっていますけど、もう少し高い方がいいのか、低い方がいいのか・・。
普通は炭素率15ぐらいの堆肥をつかって炭素率5ぐらいの有機質肥料を足してやると、比率にも関係しますが、たとえば炭素率10前後になるとします。
そのあたりに炭素率をするのが理想的かなとも思うんですが、トータルの炭素率についてはどれぐらいが病害虫が出にくいとか、そのあたりについて感覚的にわかりますか?

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【丸山さん】
一番怖いのが数値だけを見てしまって、熟度がどの程度なのか、菌体量がどのぐらいあるのか、畑の条件だとかも関係してくるので、なかなか一言では言えないと思います。 
経験則から考えていかないと、イメージだけではわからない。
現実はどうなったのか、それに対してどうやったのか、そして検証しながら解決していく方があっているのかな。
現状は緑肥と堆肥を併用した方が土づくりにとって良いと感じています。 

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【津田さん】
私たちの圃場にくる方は皆、「こんなところで農業ができるの?」と言われます。
(※渥美半島の先端近くで砂利混じりの圃場)
大きな河川によって砂や石が堆積した地域なので、私のところは砂とレキばかりで開拓農家の親が麦を植えても全然生育しなかったほどです。
農業をやるには非常に過酷な条件で、ずっと有機物を入れながら土づくりをやってきました。

肥料と農薬をのぞいたら農業が成り立たない土地で、30代までは慣行栽培をやってきました。
今は20年近く化学肥料・農薬に頼らない農業をしています。

自立して後継者も育ってきています。
これまで機械的な深耕、プラソイラー・サブソイラー、ロータリーなどでやってきましたが、今日の見学で学んだことを取り入れることができたらと思っています。

有機肥料の8-5-3を使用されているとのことですが、それ以外の資材を使っていますか?

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【丸山さん】 
カルシウム、マグネシウム等は基本的に入れています。
カルシウムはハーモニーシェルを、マグネシウムはブルーマグかキーゼライト等を使っています。
鉄・マンガン、FTEとかホウ素系のものを入れています。 

生産者の圃場を見ていると苦土が蓄積しているような感じがします。
ハウスの場合はク溶性の苦土は気をつけて施肥する必要があります。
宮城さんの場合、硫酸系の肥料があった方がネギがしっかりするということで、同じ苦土でもブルーマグよりキーゼライトのような硫酸根が入っている苦土の方がいいのかなと感じています。
作物を見ながら作物に適した肥料を入れていくことが、作物の健康にとってもいいのかなと思います。

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【野口さん】
いい堆肥をつくっているというのが率直な感想です

3ヘクタールを栽培されているそうですが、今日見た堆肥の量で間に合うのかなと感じたのですが・・・。

【宮城さん】
種菌堆肥をそのまま圃場に入れるのではなく、(豚糞と混ぜて発酵させることで圃場に入れる前には堆肥が)倍・倍に増えています。
種菌堆肥を直接畑に入れるわけではないので大丈夫です。 


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以上で午前中の見学と質疑応答は終了です。
引き続き、丸山塾in千葉 開催報告【講義編】へと続きます。

(Radix事務局 成田)

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【01 農産活動報告】

2009-12-25

『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【講義編・後半】

『めだかの学校』新井塾part4開催報告【講義編・前半】に続いて、甘楽町有機農業研究会の新井俊春さんの講義後半の概要をお知らせいたします。

それでは新井さん、引き続きよろしくお願いします。

③総会の時に写真をとったミディトマト2009-06-02写真 今週から収穫開始 株間40cm フルティカ(タキイ) ④~⑦まで同じハウス (新井さんのミディトマト 2009-06-02写真)

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【新井さん】
病害虫防除の話に入ります。
病害虫防除を考える手順として、まず病原体を分類してみようというところから始めています。
まずはカビ(糸状菌)、細菌(バクテリア)、一部の放線菌、ウイルス、線虫。
この5つが土壌病害原因のほとんど100%を占めています


image (当日資料より)

まずどういう条件が揃うと繁殖するのかを考えてみます。
どんな有機物を好むのか?、生育しやすい温度は?、水分量、pH、酸素が必要な菌か?・・・。
次に作っている作物にどういう病気がでるのかを考えます。
それを5分類したどこにあてはまるかを見るわけです。
繁殖しやすい条件の逆の条件をつくれば発生しないということです。
このように考えると結構ヒントが生まれてきます。
ウドンコ病や青枯れ、萎ちょう病・・、その病気のもとになる菌がどういう状態だと繁殖するんだろうと考えて、その逆をやれば出なくなるという考え方です。

まずはカビ。
病害の約80%がカビによるものです。
フザリウム、これが一番やっかいなものです。
萎ちょう病なんかです。あとキュウリ蔓割病、イオウ病なんかもそうです。

バーティシリウム、半身萎ちょう病の菌です。
次にリソクトニア、これは立ち枯れ病なんかを出す菌ですよね。
立ち枯れはリゾクトニアかピシウムのどちらかの影響が多いよう
です。
地上部の土1cmぐらいでくびれて倒れるのがリゾクトニアです。ピシウムは根を侵すために全体が枯れてきます。

次に菌核、疫病、根こぶ病菌。
あとは白絹病のコルティシウム。
土壌病害のカビはそんなところですね。

細菌の関係だと軟腐病系、青枯病系です。
放線菌だと、ジャガイモのソウカ病、サツマイモの立枯病等です。
土壌病害のウイルスなどはモザイク病、レタスのビッグベイン病などです。
線虫はネコブ、シストセンチュウ、ネグサレセンチュウなどです。 

まずは糸状菌のカビから。
フザリウムによるダイコンの硫黄病。
フザリウムによる病害の場合、だいたい全体的に侵されます。
次にバーティシリウム。これは半身症状。
リゾクトニア、これは立ち枯れ病ですが、これは地上部が細くなって倒れるのがリゾクトニアの症状です。
これは地面に沿って繁殖する菌です。
ピシウム、立ち枯れとは違いますが、このカビによっておこる障害です。
菌核、最近深谷地方のネギ産地で出てきているのが黒ぐされ菌核病です。
水が留まるような畑に必ず出てきます。

次が疫病関係。
ネギ類の白色疫病。
疫病はトマトにもでますし、いろんなものがありますね。

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先ほどサラダボウルさんが届けてくれたこれがネコブ病ですね。
これから出てくるんですが、どういう条件で出てくるかというと酸性土壌で水がたまりやすい場所に必ず出てきます。
「連作土壌」+「酸性土壌」+「水がたまりやすい場所」が繁殖条件ですね。

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私も春・秋にアブラナ科の野菜を5種類ぐらい連作しています。
でもネコブ病は出ないんです。
というのは酸性土壌ではないからです。
pHも6.5前後で、そのような土壌ではネコブ病はでないです。
やっぱり酸性土壌ですね。pH5.5とかという土壌でつくると出やすいです。

次に白絹病。
畑のはじからだんだんと出てくることが多いですね。
作業道路の方から入ってくる、雨とともに流れ込む例が多いです。

次に細菌。
細菌の場合は多すぎる水です。
逆に言うと水がないと生きられない。
根のまわりに余分な水がたまらないような状態にしておけば発生しないものですね。

次に青枯病。
ナス科野菜にでやすいです。
排水対策が一番です。
プラソイラーをまず引いて降った雨を早く浸透させる。
そして畝を高くすることを併用する。
もう一つは団粒構造を増やしていくこと。
それらを改善していくのが一番いいと思います。

ソウカ病関係。
放線菌の一部ですね。
本来放線菌というのは抗生物質を分泌したり有害な菌をやっつけるほうに働くんですけど、ソウカ病の菌だけは作物に悪さをします。

次がウイルス。
緑斑モザイクという、左がウリ科野菜にでるカボチャなんかにもでてくる緑斑ウイルス病、これは土で伝染します。
こっちがレタスのビッグベイン。
これも土壌で伝染します。

image (当日資料より)

昨年も話をしましたが、どのぐらいの深さまでそれぞれの菌が繁殖するのかというのを記したものです。
表面近くには白絹病とか疫病、あとネコブですね。
ネコブが出るのはだいたい20cmぐらいまでです。
あとはピシウム、リゾクトニア。
フザリウム以降はかなり深くまで繁殖をしていることを示しています。

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この表が非常に参考になります。
病原菌がどのぐらいの温度を好むのかを表していますが、黄色がついているのが高温性の菌です。
疫病は低い温度で発生しやすいということです


水分の状態。
カビですからほとんどが多湿の条件ででるんですけど、ソウカ病の放線菌だけは乾燥状態ででやすい。
細菌でもカビでも水分過多の条件ででます。
だから排水対策は大事、プラソイラーを使ってくださいというのはそういう意味です。

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繁殖に適したpH。
酸性土壌で繁殖しやすいのがフザリウム。ネグサレの関係です。
あとはネコブ。酸性土壌ですよね。
白絹病も酸性土壌の方がでやすい。
ジャガイモソウカ病はアルカリ性。
ジャガイモをうえるところはpHがなるべく低いところが良いというのはそういうことです。石灰はなるべく控えた方がいいということです。

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有害菌等がどこに影響を及ぼすかを示したものです。
根にこぶを出すというのは根コブ病ですね。あとはセンチュウ。
導管の通り道が侵されてしまうのが、フザリウムとか、半身萎ちょうのバーティシリウム、あとは青枯病なんかです。
根の地際、地面のすれすれの部分をやられるのが、ピシウム、疫病関係、白絹病、紋羽、センチュウの根腐れ関係ですね。
地面のすれすれの上がくびれて倒れるのがリゾクトニアです。

image (当日資料より)

どういう状態がそろうと病気になるかという部分です。
まずは素因。
作物自身にどういう素質があるのかという部分です

よく種の袋にウドンコ病耐病性とか、アブラナ科の野菜の抵抗性があるかどうか、耐病性があるかどうかが書いてあります。
こういう素質が植物自身にあるかどうかが素因です。

次に主因。
病原体の密度がどれぐらいになっているかということです。

image (当日資料より)

誘因。
生産者自身が工夫するところなんですけど、栽培環境がどうなのかなという部分になります。
特に自然環境、雨が多いとか少ないとか、湿度が多いとか少ないとかです。
次に栽培環境ですね。
カビの場合には作物の残さだとか有機物を畑にもどしてすぐ種を蒔いて植え付けする。これはカビのもとです。
適期適作といいますけど、時期ですよね。
アレロパシー効果のある緑肥などを利用していますかどうですかということもあります。

土壌病害の病原体ごとに防除方法を考えていきましょうという内容に入ります。
ここからが大切な部分になります。
まずはカビ(糸状菌)。
連作をしているかどうかということですね。

カビの繁殖には未熟有機物が土の中に投入されていないかどうかが一番問題になります。

image (当日資料より)

細菌(バクテリア)。
連作と根のまわりに余分な水があるかどうかが細菌(バクテリア)の繁殖のもとになります


次に放線菌。
ソウカ病のような放線菌の場合はpHの上がりすぎがキーポイントです。

ウイルスは害虫が伝染しますので、害虫とpHですね。
センチュウは連作をしているかどうか、保護作物を利用しているかどうかがキーワードになります。

まずはカビから。
抑制方法は輪作、未熟有機物を入れない、あとは放線菌堆肥です。
雨水の停滞が一番良くない。あとはpH関係。

次に細菌。バクテリア関係は余分な水です。
抑制方法は輪作体系、排水対策、高畝マルチ、プラソイラー。
あとは放線菌堆肥等です。

佐藤さん、去年トマトに根こぶが出たと言っていましたよね。
それどのように対処したかをちょっと話をしていただけますか。

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【佐藤さん】
基本的に(太陽)熱とたん水処理で嫌気にしてしまうこと。
今年は天気も悪かったこともあり2回代掻きをして土中の空隙に残る空気を抜きながら、たん水をしたままでビニールをかけて自然落水させて熱をかけるという方法をとっています。

【新井さん】
結果はどうでした?

【佐藤さん】
一粒もとれなかった畝も今は普通に生育をしているので、ある程度の効果はあったと思います。一方、疑わしい場所もちらほらあるんですね。
そういう場所もあることはあります。

【新井さん】
センチュウ自体というのは空気がないと生きられないですから、やはり空気を遮断するということですよね。
たん水と太陽熱消毒です。それを佐藤さんは実行したということになります。

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センチュウの抑制対策ということで緑肥利用。
空いている土地に緑肥作物、保護作物を蒔く例があると思いますが、センチュウに対して効果のあるものを選びたいですよね。
二重丸のあるものを選ぶのがコツかなという気がします。
空いているから何でもいいから蒔いてみようではなくて、どういうことを目的にして保護作物を利用するかを考えて利用してください。

夏場でおすすめするのがギニアグラス、ソイルクリーンです。
春とか秋であれば、エンバクの類ですね。
クロタラリアの場合にはネマキングなどはネコブに効くんですけど、初期生育が非常に遅いんです。
クロタラリアを利用するんであればギニアグラスを混播してまいたほうがいいです。そのようなやり方をした方が雑草も防げます。

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地上部にいきます。
まずは糸状菌、カビ。
土壌病害と同じようにカビ類が一番多いです。
約8割はカビに関したものです。

症状だけを見てあとは解決方法に入っていきます。
最近多いのがネギのベト病です。
うちの団体でも3年ほど続けて出ているところがあります。

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タマネギです。
春先の天候によって決まってしまうんですけど、収穫間際になって雨が降って前年に(ベト病が)出ている場合、土の跳ね上がりで葉について空気伝染してしまいます。
ベト病の症状は不鮮明な楕円形の症状が出てきます。
かならず出始めるのが畑の水がたまるところです。
やはり水に関係していることがわかります。

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キュウリのベト病です。
日光を嫌うので裏側にカビが生えて表が不鮮明になってきます。
斑点細菌病とまぎらわしいのですが、ベト病の場合は葉脈と葉脈の間が明らかに変わってきます。
枠の中の色が変わってきます。

次に疫病。
ピーマンによる疫病です。
窒素過多と水分過多ででることがあります。

菌核
です。
出荷するときにはカビはなかったはずが到着したらカビが繁殖してしまっている写真です。
キュウリの場合、菌核の始まりは花の場合が多い
です。
キュウリの下にしぼんだ花が付いていますよね。
しぼんだ湿気った花から菌が繁殖するんです。
荷づくりをする際にポリで覆ってから出荷しますので、湿っぽくなっているところに菌糸がはびこってしまうわけです。

次は灰色かび病と葉かび病。
これはトマトです。
灰色かび病も葉かび病も比較的低温のところにでます。
人間が暮らすのにちょうどいい20度から25度くらいの温度、湿度が高い場合なので、灰色カビ病がトマトに出てしまった場合は侵された部分を摘んでですね、ハウスを一回締め切って温度を上げるんですね。
朝8時ぐらいに屋根を開放するのを1時間か1時間半遅らせると、ハウス内の温度がぐーと上がります。
温度が上がった後で一気に屋根を開けると、湿気がすーっと飛んでいきます。これを何回か繰り返すと灰色カビ病は乾いて死滅します。
温度を上げるというのがコツです。乾かすということですね。

imageimage (当日資料より)

image (当日資料より)

次に細菌、バクテリア関係。
バクテリア関係は根から入って内側から腐らせるものと雨の跳ね上がりなどで外から腐らせるものとがあります。
バクテリアによる腐敗はたいてい匂いがあります。
ネギの軟腐病。非常に臭いですよね。
ハクサイもそうですし、レタスも非常にいやな匂いがするのが特徴です。
 
斑点細菌病です。
ベト病の場合、このように枠の中でわかるんですけど、バクテリアの場合には区別がつかないですね。
全体的に枠の中だけでなく広がっていくのが特徴です。

ウイルスです。
コナジラミが媒介する黄化えそ病ですね。
こちらがカボチャモザイクウイルス。
これはアブラムシが媒介します。
これが今問題になっている黄化葉巻き病です。
コナジラミ関係です。

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次に虫関係に入ります。
当日資料に虫とウイルス関係がまとめてあります。
キュウリの黄化えそ病、これはアザミウマですね。
虫の方はざっと読んで頂くとして、ここで質問を受けましょう。

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【質問】
トマトで苗の状態でリン酸を効かせる必要があるんですけど、新井さんはどんな工夫で、リン酸を効かせているんですか?

【新井さん】
去年参加した方は私の堆肥場を見たと思うんですが、あの堆肥の中に米ぬかがかなり入っているんですよ。
育苗用につくった堆肥なんですけど、米ぬかですね。
赤土を混ぜて育苗土をつくっています。

【質問】
発酵させて?

【新井さん】
そうです。

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【質問】
糸状菌(かび)の抑制のところで、前作残さ、未熟有機物の投入をしないという未熟有機物の種類なんですけど、特に籾殻とか落ち葉、ピートモスとか今日見せて頂いた竹などもこの悪い糸状菌の餌になりうるんでしょうか?

【新井さん】
なります。

【質問】
木質系であろうと草質系であろうと?

【新井さん】
なりますね。
入れた場合には期間をおけば問題はないです。
入れて時間もたたないうちに播種・植え付けをすると、必ずカビが繁殖します。
それを食べるカビがね。
糸状菌の餌というのは有機物、炭水化物ですから。
草だと草むしりをして山にしておくと下の地面すれすれのところにカビが繁殖するでしょう。あの状態です。
あれが土の中でおきるんです。

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【質問】
ナスなんかで青枯れ対策としてプラソイラーをかけているんですけど、圃場に植えている期間が長いじゃないですか。その時にできる対策などがあれば。

【新井さん】
半身萎ちょうの場合はカビだし、青枯れの場合は細菌・バクテリアですよね。
好む物が変わってくるんですよ。
カビの場合は有機物。細菌・バクテリアは水なんですね。
カビの場合もほとんど水がからんできます。
途中でも抑制するのは難しいですよね。
放線菌の堆肥が十分入っていて繁殖できる状態であって、なおかつ排水対策を併用していくしかないですよね。

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【質問】
堆肥の話がでたので聞きたかったんですが、堆肥は有機物を入れるためにどうしても入れたいんですが、あまり良い物が手に入らない。
それでも入れたいとしたら、いつ入れたら一番いいですか?

【新井さん】
完全に有効な放線菌が繁殖するまで追加発酵できないんですか?
面倒だからといって未熟な堆肥をもってきて入れると必ず糸状菌・カビが繁殖します。トラクターのバケット
などがあれば貝殻でも足して放線菌を繁殖させて圃場に入れることはできない?

【質問】
半分できるかもしれないけど、できない部分もあると思うので、できない部分をなんとかしたい場合には?

【新井さん】
入れてから期間をおくしかないですね。

【質問】
いろいろな種類があるかと思いますが、どれぐらいの期間をおいたらいいですか?

【新井さん】
C/N比の関係ですよね。
おが屑などC/N比が200とか300とかのものが入っている場合には、相当期間をおかないとムリですね。

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【丸山さん】
次回、勉強会を行う宮城さんの堆肥ですが、もとは豚糞堆肥で、あとはらでぃっしゅさんから出てくる乾燥残さ、生のものです。
いかに菌体をつけて発酵過程にもっていくかというところがキーポイントになっています。
宮城さんのところでは太陽熱処理をしながら中熟堆肥を使うことで土壌団粒がつくられています。
このあいだ棒を刺してみると1m半とか2mぐらい刺さりました。
微生物をどう活かす環境をつくるかがキーポイントになってくるのではと感じています。
いかに根域範囲を広げていけるか、微生物がすむ環境をとれるかが安定した野菜づくりにつながるのではないかなと思っています。

【新井さん】
その中熟堆肥を入れて植え付けする場合、どのぐらい期間をあければいいんですか。?

【丸山さん】
そんなに長くはないです。
太陽熱処理をする場合は期間をあけますが、それ以外の時は少し寝かせるぐらいです。


【新井さん】

今年のトマトとキュウリについてお話したいと思います。

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まずは播種から。
私の場合は30cm×60cmの箱にまきます。
ここ(上記写真のコテの部分)に1cmのコンパネが貼り付けてあります。
縁に沿ってコンパネを動かすと縁から1cm下がったところが整地できます。
この状態でキュウリの種をまきます。
トマトの場合は種が小さいのでもう少し浅く、縁から7~8mmほどを整地します。
写真が1cm縁が下がった状態でキュウリを蒔いた状態。
たぶん230粒ぐらい入っています。
こうするとすべての種が1cm、7~8mmに全部、おなじ覆土になるんですね。
これでスタートします。
ちょっと上をコテで押して灌水をして下がらないようにしてスタートします。

発芽の状況です。
キュウリの場合、かけるのはバーミキュライトを使っています。
というのは230粒もまくと土をもちあげちゃうんです、よいしょっという感じで1cmほど浮いてしまうんです。
バーミキュライトをかけるとほぼ100%、3日目にはこのような状態です。
土の温度は28度から30度。
ウリ科の野菜は3日。ナス科の野菜で5日です。

キュウリ、
トマトの鉢上げ状態です。
播種が揃うので、ひとつひとつの苗がすべて揃います。
とにかく播種をそろえるということです。

温度・地温は28度から30度。
そして発芽したら25度。
鉢上げする場合は20度に下げます。
鉢上げする方の土の温度を逆に上げておくんですよ。
移動する先の温度を高め高めにもっていくと萎れずに活着が良くなります。

トマトです。
福広さんのところもそうですし、私のところもそうなんですが、産地担当の神保さんが見ても、すごくいじけた苗に見えるんですよ。
小さないじけた苗。
「こんな細いのに実がなるの?」とよく言いますけど、だいたいこんな細い感じです。

これが植えて二週間ぐらいです。
小さい実がついていますので、もう少したっていますね。
とにかく暴れさせない苗です。
リン酸中心の苗です。窒素優先になっていないです。

1mぐらいになっています。
細くて貧弱なトマトに見えます。
茎の細さ、葉っぱが混んでいなくて、向こうがすけて見えるでしょう。
茎に対して葉が直角に出るように水管理をしています。

③総会の時に写真をとったミディトマト2009-06-02写真 今週から収穫開始 株間40cm フルティカ(タキイ) ④~⑦まで同じハウス(新井さんの今年のミディトマト 6月の写真)

実がついた状態。
向こうがすけて見える状態で実が鈴なりになっています。 

トマトは無肥料です。
スタートが無肥料で連棟ハウスでは今年最後まで肥料を使っていません。
冬に葉ものを2回転して、それで整地しただけです。
なにも入れていません。
生長点を見ながら肥料が必要なら入れようと思ったんですけど、最後まで生長点が衰えなかったんですね。
下葉に欠乏症状が出ていないんですよ。

ミディ(パイプ)
(新井さんの今年のミディトマト 実が色づいた時期の写真)

色づきが始まっている状態です。
葉を見ていただけるとわかるんですが、先ほど見ましたカリの欠乏症状、苦土の欠乏症状、出ていないですよね。
樹に対しての中玉トマトの大きさを見てくださいね。

昨日も話をしたんですけど、「土壌分析プラス何か」ではなく、私の考え方は『観察力プラス土壌分析』なんですよ。
もうここ3年ぐらい土壌分析はしていないです。
作物を見ながら次の施肥設計を考えています。
トマトの生長点が衰えない場合には追肥もしない。
欠乏症状が下葉にでてこないんですよね。
無肥料でやっちゃいました。そして最後まで水を入れていないです。
植える前にみっちり水をあげてから定植、12段とるまで全然水をあげていないです。

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【質問】
前作の葉ものの様子を見て、無肥料か肥料を少し入れるかを決めたとのことですが、前作の葉ものの様子というのは、元肥を入れない時と決めたときの状態と肥料を入れようと決めたときの状態、前作の葉ものの状態ですよね・・。

【新井さん】
おもに窒素切れです。
葉ものというのは先ほどの施肥パターンでいうと、コンスタント、初期から後半まで効かせたい作物です。
とくに小松菜なんかはかなり肥料がいります。
後半切れてしまうと茎が赤くなってしまいます。
そうなってから葉をかくと繊維が強くなっておいしくないんですよね。
平均して水をあげているつもりでも、やっぱり灌水量が多いところは流れてしまいます。部分的に窒素欠乏が出ました。
その部分には特に入れて全体的に薄くいれたということです。
ミネラル、微量要素、すべてです。普通より少なめです。
症状を見ながら、観察しながら足せばいいという作り方。
樹があばれないしカビも繁殖しないんですよ。
実が太るときに効けばいいから生長点の下葉の様子を見ながら追肥をするというやり方をすればカビはでないです。

福広さんもそうだと聞いていますけど、最後のピークになってくるとウドンコ病が出てきます。
ただウドンコ病の場合は収穫を仮に12段までとる場合でも、そんなに気にならないんです。
取りきるまで繁殖していてもほとんど問題ないですね。
通常ウドンコ病は下部の葉から少しずつ上部の葉に移っていきますが、実の善し悪しを左右するのは、実のすぐ下の1枚の葉と上2枚の葉と言われています。
実が充実する際にこの上下3枚が健全であればОKということです


【質問】
元肥を入れようと思ったところの葉ものの症状というのは、下葉がちょっと黄色くなっていたり・・ ?

【新井さん】
全体がかたくなります。
窒素切れになってくると繊維が出てくるんですよ。
小松菜なんかの場合、貝割れの葉と一番外の葉をかきますよね。
かいたときに繊維がでてくるんですよ。かたい状態。
ぱきんぱきんとみずみずしくかける状態が窒素がきれない状態なんです。
窒素が切れてくるとかいたところから繊維がずっとでてくるんですよ。
かたい繊維がね。それでわかりますよね。
食べてみたって美味しくないです。えぐみがちょっと強くなってくるので。
間口3間で長さ50mのパイプハウスが6棟あるんですけど、傾斜が少しあるので手前と最も奥とがおよそ60~70cmぐらい高低差があると思います。
だいたい欠乏が出る位置というのは決まっている。
この辺がいつも切れるよねという場所がきまっているんです。
チューブの関係かわからないですけど、その部分をちょっとだけ入れて全体を薄めに入れてあとは欠乏症状を見ながら足してやるというやり方です。
入れすぎると必ず茎が太くなって、葉っぱが垂れてきて、空気まわりが悪くなってカビがでてくるんです。そういう悪循環です。

【質問】
うちの生産者も
ウドンコ病がでて終わってしまうというパターンが何回か続いています。なにか対策は?

【新井さん】
ウドンコ病がでるということは葉の中のアミノ酸・硝酸濃度が高いという状態です。だから灌水ですよね。
水が切れてアミノ酸濃度・硝酸濃度が高くなるとウドンコ病。
ウドンコ病になる場合はアブラムシがつきやすい状態です。
後半になってでるウドンコ病の場合、樹が伸びて日陰になったことも要因だとおもいます。
ちなみにうちが出始めるところというのは連棟のトヨの陰から始まります。
日当たりの悪い場所です。
窒素過多だけでなくて、日当たりの悪い場所、株元に日があたる状態だとウドンコ病はでにくいと思います。
トヨの陰からウドンコ病が出るというのはそういうことなんですね。


【質問】
水管理は初期からよく効かせるのですか?

【新井さん】
キュウリはそうですね。
一回でやらないで一日に10分でもまめにあげるということです。
とくにウドンコ病をださないようにするにはそうしますよね。

【質問】
こまめに水をやったほうが根がいたまない?

【新井さん】
そうですね。
圃場でキュウリの曲がりがあるという話をしましたけど、ストレスなんですよ。
一気に水をあげて幾日も放置しておいて乾燥し、また水をあげて乾燥の繰り返し・・。それが植物にとってストレスになります。
ストレスをなるべく出さないようにしていくと曲がりがでなくなります。
忙しくてキュウリの誘因ができなかった時、しばらくしてから誘因しますよね。
必ずキュウリが曲がります。ストレスが一番大きいです。
コンスタントに水が効いている場合は曲がりは少ないです。

きゅうり (新井さんのキュウリ写真)

【質問】
さっき見ていただいた圃場、けっこう水分多いんですけど、追肥した後はそれでも灌水は?

【新井さん】
水分多ければ大丈夫ですよ。
どういう追肥をしているかわからないですけど、たとえば有機の配合肥料をふって、そこからカビがでるようだといらない。
カビがばぁーと繁殖する状態だと水分があるということだから。
無理に水分を足す必要はないと思う。

【質問】
ナスもたまに曲がりが出てくるんですけど・・。

【新井さん】
やはりストレスがあるのかなぁ。
あとはカリウムだよね。
トマトの例なんだけど窒素の倍ぐらいカリウムが必要。
根の肥大にも必要、かたい状態だと伸びないわけだから、ゆるめる部分でカリウムが必要だと思うんですよ。
曲がりもそのへんがあるのかな。


仕上げに今回のまとめということで病害虫防除と有機質肥料の特性をいかした施肥体系ということでまとめに入ります。

IMG_5650

野菜のどこを使うのかが非常に大事なことで、その部分が豊作になることを考えればいいんです。

窒素が優先に働いて、灌水や雨水が多かった場合に植物がメタボ状態、暴飲暴食という形になるので病害が出やすくなります。
肥料を入れすぎて窒素が優先になった場合で灌水不足になるとアブラムシなどがつきやすくなりますね。

image (当日資料より)

それから作物ごとの吸肥特性を知りなさいということです。
特に窒素の効かせどころとC/N比です。
どのような肥料を使い分けているかということと施肥量です。

根張り促進として団粒構造、堆肥の関係ですよね、あとバランス、水管理、一番大事なのが水なんですよ。
上手にできるかどうかというのは施肥以上に水管理です。
特に排水対策です。

そして「土壌分析+作物の観察力」。
実を言うと私は逆だと思っているんですね。
『作物の観察力+土壌分析』と考えています。

最後に、予想もしなかった“台風”襲来の中、生産者の皆様に参加していただき、誠にありがとうございました。


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以上が新井さんの講義概要です。
長文にもかかわらず最後まで読んでいただいた方には感謝します。

それでは、当日参加された方も参加できなかった方も新井さんの講義から何か栽培上のヒントを得られることを期待しています。

(Radix事務局 成田)


農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2009-12-25

『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【講義編・前半】

『めだかの学校』新井塾part4開催報告【圃場見学編】に続いて、甘楽町有機農業研究会の新井俊春さんの講義概要をお知らせいたします。
(※長文のため、施肥体系の話を前半、病害虫防除以降を後半に分けてアップしています)

今回のテーマは『高品質な野菜づくりのための再確認』。
過去3回の『めだかの学校』の総集編(+α)です。

最初に有機質肥料の特性を生かした施肥体系の話、次に病害虫防除の再確認、今年のトマトづくりの様子など、質疑応答を交えながら講義は進みます。

それでは新井さん、よろしくお願いします。

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image (当日資料表紙:当日資料はすべて新井さんの手作り)

【新井さん】
最初に「土」というものから確認していただきます。
基本は粘土粒子があるかどうかで団粒構造が決まってきます。
団粒構造が十分できていない場合、堆肥やゼオライトなどを活用して団粒構造をつくります。

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腐植は堆肥中の炭水化物を微生物が分解してできる物質です。
堆肥を入れて8割ぐらい吸収されるのですが、残りの2割ぐらいは腐植として残ってきます。
粘土粒子と腐植を結びつけているのが、微生物が分泌する多糖類というネバネバです。
団粒構造をつくって肥料成分を中に閉じこめます。
これによって肥料成分が流亡しにくくなります。

image (当日資料より)

土の主な化学性に、pH、EC、塩基バランス、C/N比があります。
pH5.5以下は一般的に石灰とか苦土が不足している状態です。
6から6.5ぐらいが、いろんな成分が植物に吸収されやすい状態です。
7.2を越えると微量要素が吸収されにくくなります。

ジャガイモソウカ病は土壌pHの上がりすぎが原因の一つ。

ソウカ病の原因は一部の放線菌。
この放線菌はアルカリ性の圃場に繁殖しやすい。
酸性圃場では繁殖しにくいと言われています。

だからジャガイモを植える場合、酸性圃場に植えてください。

堆肥にしても配合肥料にしても発酵鶏糞にしても、多くの有機資材はアルカリ性です。量を入れれば入れるほど、土壌pHは上がりやすくなります。
慣行栽培している近所の畑を見ると、ジャガイモ畑に石灰を入れているんですね。石灰を入れる場合にはpH確認をした方が良いと思います。
pHが上がれば上がるほどソウカ病は出やすくなります。
ソウカ病の原因となる有害放線菌が繁殖しやすくなるということです。
 

次はEC。
特にハウスで問題になります。
ハウスの場合、入れた肥料が雨ですべて流れることがありません。
EC値が高いということは硝酸濃度が高いということです。
硝酸濃度が高くなると土壌pHが下がりやすくなり、石灰の使用などを考えがちになりますが、石灰の使用+酸性肥料の使用(過多)などにより、更にEC値が上昇しやすくなります。
EC値が上昇する条件は過剰施肥+水分不足であり、EC値を下げるにはこの条件の逆の施肥調整+充分な潅水ということになります。
EC値の高い圃場で野菜を作るとアブラムシが寄ってきやすくなります。
(※葉中のアミノ酸・硝酸濃度が濃くなる→アブラムシを呼びやすい)


image(当日資料より)

次に塩基バランス。
塩基バランスは苦土を中心に考えます。
苦土はリン酸の吸収を助ける働きがあります。

IMG_5595

塩基バランスでは石灰・苦土・カリ比を5:2:1にするようにと言います。
この石灰・苦土・カリ比ですが、土壌分析結果の比率ではありません。
等量比になおす必要があります。

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石灰の分析結果を28で割ります。
苦土の場合は20、カリの場合は47で割ります。
この割合が5:2:1になるようにしなさいということなんです。
この数値の石灰÷苦土の割合が6以下になればいいんですね。
苦土÷カリを2以上に、最終的に5:2:1がベストですということです。
 
また夏場は7:2:1という考え方もします。
石灰を少し増やすんです。
なぜかというと、夏の場合は地温が高くなるので雨が降った場合に石灰の吸収が重要になってくるからです。
雨が降った場合、窒素・カリの吸収が早くなります。水に溶けるからです。
そうすると石灰の吸収が追いつかなくなるために腐りがでやすい状態になります。そのため夏場は石灰を多めにした方がいいという考え方です。
細胞を強化するのは石灰の役割。
固めるというか、しめる効果があるということです。 

土壌の生物性。
土壌に有用な放線菌が入るのは非常に重要。
放線菌が入るとなぜ良いかと言いますと、土壌病害軽減につながるからです。

『優良堆肥に含まれる放線菌は抗生物質を出して糸状菌の菌糸を溶かしたり、伸びるのを抑えたりなど、その抗菌作用が注目される。キチン質を好むため、キチン質を含むネコブセンチュウの卵を食べてしまう。フザリウム菌やピシウム菌などの土壌病原菌の細胞壁はキチン質でできており、土の中に放線菌が多ければ発病が抑えられる。カニガラはキチン質の宝庫で、これを素材に放線菌が豊富な堆肥やボカシ肥ができる』(当日資料P.4より抜粋)

写真は青カビ(トリコデルマ)がフザリウムを溶かしているところです。
このトリコデルマを発生させる堆肥は草質堆肥です。
牛糞とか籾殻などを混ぜて堆肥をつくりますが、炭水化物の多い堆肥ほどトリコデルマは繁殖します。
このような堆肥を使うことによって土壌病害を防ぐことができます。

次にC/N比の話をします。
ここまでに何か質問などありますか?

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【質問】
硝酸が増えるとpHが下がりECが上がりますよね。
pHが下がっているところだけに注目して石灰をやると、さらに塩類濃度が高まる、ECも高まるということでしょうか?

【新井さん】
ECが上がると酸性に傾くんだけど土中には石灰はあるんですよ。
硝酸が増えるとpHが下がります。そこで、(石灰があるにもかかわらず)石灰を足してしまうと、こんどは石灰過剰になってしまう。
pHだけで単純に石灰を足すのは危険ということです。

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つぎにC/N比の話。
C/N比という言葉をよく耳にすると思いますが、Cが炭素、Nが窒素のこと。
炭水化物のもとになるものです。微生物の好物です。
炭水化物というのは光合成によって植物がつくるもので、空気中の炭酸ガスを吸収し、根から水を吸い上げてCH2Oができ、余った酸素が放出されるんだよという話を小祝さんがしますが、その炭素と水とがくっついたのが炭水化物です。

炭水化物、タンパク質あるいはアミノ酸の割合によって肥料効果は違ってきます。窒素量が増えれば増えるほど、C/N比の数字が小さくなります。
C/N比が小さい肥料(窒素が多い=タンパク質・アミノ酸等が多い)ほど早く効く。だけど早く切れやすい(持続性がない)。
数字が大きな肥料ほど遅効き、または長く持続します。
8-8-8という(有機系の)配合肥料と4-4-4という(有機系の)配合肥料があった場合、数字が大きい肥料ほど早く効きます。そのかわりに早く切れる。
4-4-4の肥料の方が効き始めは遅いけど長く効くということです。

image (当日資料より)

表の下ほどC/N比の数字が小さくなっています。
C/N比の考え方でいくと、上に書いてあるものほど効き始めは遅い、下にいくほど窒素の効き始めは早いということです。

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各肥料成分、塩基が植物のどこで働くかという図です。
窒素は葉とか茎を作るのに有効な成分です。

マグネシウムは窒素とともに葉緑素のもとになりますね。
そしてリン酸は良質な花を咲かせるのに有効な成分になります。

苗にリン酸を効かせないと良い花が咲かないですよね。
一方、圃場とくにハウスの場合はあまりリン酸を入れすぎない方がいいです。
育苗期にリン酸を効かせることが大切であるという話をしましたが、トマトの場合、定植苗に、ほぼ5段目までの花芽が分化しています。
仮にトマトを10段まで収穫しようとした場合、下段5段目くらいまでは苗の質で決定されてしまうということです。

苗の床土でリン酸吸収を良くすることにかかってきます。
育苗が非常に大切になります。

カリウムは植物体をゆるめる働きがあると共に、根の伸びを促進させます。
圃場視察で里芋の葉っぱにカリ欠が出ているよと言う話をしました。
夏に雨が多かったので、かなりカリが吸収されているんです。
秋になって里芋がこれから伸びるという時期にカリが必要になるんですが、足りないために葉っぱに症状が出たんです。
葉のふちが枯れていると言うことはそういうことです。

五大要素の中で最も吸収されやすいのはカリウムなんですね
次に窒素、カルシウム、リン酸、苦土という順番になります。
グラフから果菜類、根菜類にはカリが一番必要だということがわかると思います。

自分がトマト栽培をしていて、窒素の欠乏症状が出る前にだいたいカリの欠乏症状が先に出てきます。
下葉が黄色くなってくる症状では、苦土欠よりもカリの欠乏症状が先に出てくることも多いです。

image (当日資料より)

作物毎に三要素とか五大要素がどのぐらいの割合で吸収されるかを調べてみました。

まずは豆。
豆のように種を利用するものは、粒の肥大に応じて窒素を要求するのがわかります。

次にカリ、そしてリン酸ですね。大豆も窒素、カリ、リン酸の順番です。
なぜ窒素が優先されるのか、わかりますよね。
豆がタンパク質でできているからです。
豆の場合、カリ優先ではなく窒素が後半効かなければだめだということです。
初期から窒素が優先に効いてしまうと樹勢ばかりが強くなってしまい、実の付きが悪くなってしまいます。
後半効くような作り方をしなさいということです。

次にほうれん草。
ほうれん草は他の葉物野菜よりも石灰を多めに入れて作ることが一般的になっていますが、一番吸収されている要素はカリウムのようです。
次に窒素、石灰、リン酸の順番です。

次にダイコン。
スタート時は窒素の吸収量が多い。
生育の真ん中あたりからカリを吸収してきます。
なぜカリを吸収すると思いますか?
根の生育に重要なのはカリ、根が肥大するときには窒素よりカリが必要なんです。

次にキャベツ。
キャベツはカリの次に石灰を必要とします。これはなぜだと思いますか?
石灰は細胞を強化し丈夫な体をつくるのに必要なんですが、かたくしまるキャベツをつくるために石灰が窒素よりも吸収されるんですよね。
窒素が勝ってくるとキャベツの巻きが弱くなるんです。

次にレタス。
前にJAへの出荷を予定している結球レタス圃場で、全然結球せずにサニーレタスのような状態の生産者の相談を受けたことがあります。施肥体系を確認したところ、夏場の休閑期にマメ科緑肥を播種・すき込み、レタス用の肥料を教科書通り投入してしまったとのこと。
結果的に窒素優先肥効となってしまい、石灰等の吸収が間に合わず結球できない状態になったと説明した例があります

窒素が優先になってしまうと結球野菜類は巻きが弱くなると共に、軟弱徒長(軟弱細胞)となるために、とろけや日持ちの悪さにつながります。

次にサツマイモ。
これもカリ優先ですね。
根が肥大するにはカリが必要ですよということを示しています。

次にトマト。
窒素の倍ぐらいカリを吸収します。
実がゆるくなければ肥大しないわけで、実をゆるくするにはカリなんですね。
カリを吸収しながら窒素という順番になります

窒素欠乏の前にカリ欠乏が先に出やすいというのはこういうことです。


次は欠乏症状。
キュウリのカリウム欠乏症状というのは葉のふちにでます。
ナスはふちではなくて葉脈の間、ちょうど葉ダニがついたような症状になります。

image (当日資料より)

石灰の欠乏症状。
トマトの茎が扁平になってきて、ひどくなると真ん中が空いてきます。
窒素が優先的に吸収されて石灰の吸収が追いつかないとこのような症状が出てきます。写真上部左はトマトの芯止まり症状です。右が実の尻腐れ症状。

共通点は根から一番遠い部分にカルシウムの欠乏症状が出るということです。
トマトの先端部、あるいはトマトの尻腐れなんかそうですよね。
キャベツの場合、外葉が先についた葉で内側ほど後につく葉になります。
内側の方が養分のいきわたる時間がかかるみたいで、キャベツの石灰欠乏は一番内側のやわらかいところからでます。

なぜトマトの尻腐れが出るのかといいますと、主枝を通って養分が運ばれて、枝で曲がって、(トマトの実の少し前)ここが折れているんですよね、トマトの場合。
なぜ折れているかと言うと、農家のおじさんがトマトを取りやすいようになっているわけではもちろんありません。
トマトは自分の子孫を残そうと思って実をつけるのであって、熟してくるとここがポロっと折れて下に落ちるようになっているんです。
下からの養分の通り道がストレートでなくて途中で曲がっているため、これが植物体内の移動が緩慢な石灰の吸収移行を、更に手間取らせる原因になっているんです。
ストレートにずっといってくれれば吸収は早いんですけど・・・。
一番遠い(トマトの)尻に症状が出ると言うことです。一番遠い部分です。 

里芋の例です。
苦土欠と違ってはっきりとでてくるのが里芋のカルシウム欠乏です。

image (当日資料より)

次に苦土欠です。
窒素と苦土で葉緑素をつくっていくんですが、葉脈近くから外に向かって広がっていくのが苦土の欠乏症状です。
カリウムの場合は葉脈と葉脈の間が黄色くなるんですけど、苦土欠は葉脈から広がっていきます。

小松菜の苦土欠です。
一番下の葉っぱです。
葉脈の外に向かってだんだん黄色くなっていきます。

トマトの苦土欠症状です。
葉脈間だけでなくて葉の先端近くに向かって黄色くなっています。
葉脈の間だけか?葉脈から外に向かって全体が黄色くなりやすいのか?が、苦土欠かカリウム欠乏かの違いのようです


これが里芋です。
初期の段階ですけど、これが広がると黄色い部分がより鮮明に出てきます。

コンニャクイモの苦土欠です。
(新井さんのハウス隣の)おじさんの畑にでています。
原因はわかっています。
おじさんは牛の肥育をしています。牛舎に麦わらを入れて堆肥をつくり、それをコンニャク畑に入れています。傾斜畑に畝をたてると土が流れるので、畝の低い窪地にも麦わらを敷くんですよ

牛糞も藁もカリウム成分が結構高いんです。
そういう作り方を毎回繰り返しているとカリウムの過剰障害がでて、拮抗しているマグネシウムが吸収できない土になってしまうんですね。
カリウムが過剰に吸収されるとマグネシウムの欠乏症状が出てきます。
苦土があっても吸えない状態です。すべてこのような畑になっています。
特に畑のまわりに出やすいんですよ。コーナー(角)に出やすいんです。
「おじさん、苦土が欠乏しているよ」という話をしたら去年ぐらいから苦土石灰をふるようになりました。だけどコーナーまでふってないんですよね。
背負いでふるとどうしても角までふれない状態になるんです。

IMG_5607

次にトマト。
右側が石灰欠乏。
左側のトマトは窒素と並行してカルシウムが吸収できているものです。
右側の場合は窒素優先。水を入れすぎるとどうしても窒素優先的になりがちになります。窒素は水に溶けやすいので優先的に吸収されます。
窒素に対して石灰の吸収が追いつかないのでこのような症状になってくるという例ですね。これが進むと尻ぐされがでてきます。

image (当日資料より)

トマトの肥料成分過不足の例、窒素からホウ素までを調べてみました。
欠乏症状と過剰症状、けっこうトマトをつくっている人が多いので参考にしてみてください


作物によって肥料の使い分けが必要となります。
葉っぱなのか、根っこなのか、実なのか。
その部分を豊作になるようにつくりましょうということです。
例えばトマトで初期から肥料を効かせると茎や葉っぱが大きくなりすぎて空気まわりが悪くなります。そうするとカビなどの病気が出やすくなります。
トマトの場合、実が肥大するときから肥料が効くようなつくりかたをしなさいということなんですよ。

image image (当日資料より)

それを3つのパターンにわけてみました。
後半に効かせた方がいいという作物が根物とカボチャの類。
初期にあまり効き過ぎると良くない作物です。

ダイコン、ニンジンの場合は根を利用する作物ですから、初期から窒素が効いてはだめなんです。
肥料を薄くめにしておいて主根がぐっと伸びていってから側根、こまかい根が伸びた時に効くような作りかたをしようということになります。
最初から肥料が効いてしまうと地上部の葉っぱが伸びすぎて垂れてきて太陽の光を遮る、雨が降って株元がじめじめして病気がでる・・、一方で根は伸びないという状態になります。
日当たりを良くして根を伸ばすのであれば生育初期は効かせないで後半に効かせましょうという作り方になります。

ダイコンの場合、炭水化物優先の肥料、たとえば牛糞と籾殻をつかった堆肥でつくる場合には籾殻の量が多い堆肥が良いということになります。
8:8:8という(有機系)配合肥料と4:4:4という(有機系)配合肥料があった場合には数字が小さい方の肥料がいいということです。
葉っぱを伸ばさないで、根を伸ばすという作り方というのは窒素の少ない肥料を入れてくださいということです。
たとえば10aあたり窒素を8kg入れる場合、8:8:8の肥料より4:4:4の肥料を倍入れた方がダイコンには良いですよという考え方です。

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次にトマト、ネギ類です。
コンスタント型の野菜です。
スタート時はなるべく窒素の肥効をおさえて追肥で追っていきます。
基本的に濃度の低い肥料で回数多く追肥していくほうがいいですね。


前半に肥料を効かせた方がいい作物には、レタスやジャガイモがあります。
これは前半に効かせて後半切れるようにつくらないと絶対にダメです。
レタスの場合、後半に窒素が残った状態で雨あがりに収穫すると、だいたいとろけがでます。
窒素が多くて水が多いと細胞と細胞の間に隙間ができてくるんです。
いわゆるメタボ状態です。
筋肉の間に脂肪が入っているような状態なんです。
この状態で雨が降った後でレタスを収穫し隣同士がこすれて出荷されると、腐りやすい、とろけやすい状態になります。
窒素優先でカルシウムが追いついていない状態です。 

******************************

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
以上が『めだかの学校』新井塾part4開催報告の前半部分です。 
引き続き『めだかの学校』新井塾part4開催報告【講義編・後半】へと続きます。 

(Radix事務局 成田)


農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2009-12-17

『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【圃場見学編】

台風一過の2009年10月9日、サラダボウルさんの地元山梨で出張版『めだかの学校』新井塾par t4 を開催しました。 
  ( サラダボウルさんのHPはこちら → サラダボウル  )

講師はもちろん、甘楽町有機農業研究会の新井俊春さん。
今回の勉強会は前半がサラダボウルさんの堆肥場、作業場、圃場見学など、後半が新井さんの講義です。(※参加者は69名)

それではサラダボウルさんの圃場見学からスタートです!


【堆肥場】
堆肥場ではビール粕ぼかしの準備がすすんでいました。
ちょうど9月4日の訪問時に見せていただいたぼかしの改良版です。
(※9月14日のブログ「
サラダボウル訪問記」を参考)

見学の際、ぼかしから少しアンモニア臭が出ていました。
残念ながら発酵がうまく進んでいなかったようです。

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新井さん曰く、
「籾殻くん炭・ゼオライトを入れるともう少し匂いは少なくなります。
  本来これぐらいの時間がたつと放線菌が繁殖して白っぽくなるんですが、
  まだ繁殖していないところを見るとうまくできていないようです」。

ぼかしの水分についての質問に対して、
「ぼかしの水分は60%ぐらい、ぼかしをにぎって離したらひび割れができるよう
  な状態が良い」とコメント。
(※にぎったぼかしが団子になってしまうと水分過剰、指の間からこぼれるよう
    だと乾燥しすぎの目安です)

IMG_5436 
アンモニア臭がでている点について、参加者から発酵途中で水分過多であった可能性について体験談を交えた指摘がありました。
「堆肥づくりで水分が少なく温度が上がらなくて、水分を補うために水を(少しず
  つ入れれば良かったところを)一気に入れたところ、急にアンモニア発酵が
  進んでしまい、目がチカチカするほどになってしまったことがあります」。
水を入れるときは少しずつ入れていくこともポイントのようです。

新井さんは堆肥原料についてもアドバイス。
「堆肥を作るとき自分もカニ殻を入れています。
  放線菌を繁殖させたいんです。放線菌の餌がキチン質なんですね。
  (キチン質でできている)カニ殻を入れることで放線菌はかなり繁殖します」。

まとめると、ビール粕ぼかしづくりのスタート時には、籾殻くん炭とゼオライト、あとはカニ殻の粉をいれると良いそうです。
(※ゼオライトには肥料成分の流亡を防ぐ役割があります)
ちなみにカニ殻の使用量は新井さんの堆肥の例では10tの堆肥に対して2~3袋が目安とのこと。

最後に
堆肥舎の屋根が光を通すタイプのため、ぼかし温度の上昇を防ぐ遮光ネット導入の話も。
ぼかし肥料を作るには温度が上がり過ぎる条件下のため、有効菌の繁殖ができないとの指摘がありました。
その点に関してはぼかしの上部を遮光しなさいとアドバイスされました。


【農機具置き場】
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サラダボウルさんの農機具や資材置き場は5Sが徹底されています。
5Sは製造業の現場でよく目にするスローガン。
現場で守るべき5つの事項『整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)』のことです。

随所にスタッフの改善や効率化が見られます。
管理機も軽トラのあおりをおろして横付けして、すぐに乗せられるようになっています。

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農機具も定位置・数量管理の徹底により、壊れたり紛失することが激減。
鍬一本まで番号が振られているのでなくなってもすぐにわかるそうです。
置き場では少ないスペースをうまく立体的に活用されていました。

スタッフの話では、「
これまで物がなくなっても気づかない、気づいた時には1本しかなかった、壊れていたことも多かった。このように管理することで物がなくならなくなって、壊れなくなった」とのこと。
とても参考になる管理方法でした。


【作業場】
収穫してきた野菜類は水洗いするものは水洗いをしてから、予冷庫に入れられます。
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予冷庫は反対側から取り出せるようになっています。
予冷庫の横で調整作業(トリミング)、袋づめ・パッキングをおこない、バーコードが入れられて出荷用の予冷庫に。
作業の動線がうまく計算されています。

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ここでもスタッフの工夫が随所に見られます。
出荷時の入れ数間違いが頻繁に発生したことに対して『パッキングカウンター』という道具を塩ビ管で考案し、間違いがでないように改善されています。

考案されたスタッフの話では、
「パッキングをして黄色のテープを消していくようにパックを並べていくと5つ
  並びます。そしてバーをひとつ倒して同じように5つ並べて再びバーを倒
  す・・・。全部できたら箱詰め。これを活用してから入れ数のクレームがなく
  なってきました」。

パッキングカウンターの使い方はいたって簡単!
入れ間違いも激減!
さらに導入コストも自作のため格安!
いいことづくめのパッキングカウンターでした。

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作業で使う毛布も、使用しないときはじゃまにならないように作業場の上に吊るされていました。

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トマトの調整・箱詰めの作業スペース。
ここでも省力の工夫が随所に見られます。
出荷箱の移動も滑車を活用したコンベアを自作されていました。
(出荷箱をわざわざ持ち運ばなくても、横に軽く押すだけでOK!)


【トマト圃場】
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トマトハウスはサラダボウルさんの事務所近くにあります。
またサラダボウルさんが最初に立ち上げたハウスです。

このハウスでは華クィーンRという中玉トマトが栽培されています。
サラダボウルの佐藤さんよりトマト栽培の説明をいただきました。
今年は畝を階段状(二段)にしている点、畝の下段のところでムラのでないように水分供給している点、畝施肥をおこなっている点などについてお話をいただきました。

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新井さんも中玉トマトを栽培しているので得意中の得意な品目です。
まずは水管理の話から。
茎に対して葉が直角に出るように水分管理をするのが良いとアドバイス。
(水をくれればくれるほど葉が垂れてくるそうです)

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「裂果がでるという話なんですけど、今うちもでています。
  裂果がでる状態というのは中身の生長に皮が追いつかない状態。 
  高温であれば皮が柔らかくなるので割れにくくなり、夜温も低くなりすぎない
  ようにして、昼夜の温度差が極端にならないように管理する」。
と裂果防止のポイントを指摘します。

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チッ素が切れてくるとトマトの生長点と一番上の花までの長さが短くなったり、
一番上の葉っぱの長さが縮まってくるそうです。
新井さんはカルシウム不足の症状も説明して、現状からはチッ素よりもむしろカルシウムの補給をしたほうが良いかもとアドバイス。

IMG_5473 
倉渕の鈴木さんからはトマト栽培の施肥と水の関係についてのお話がありました。
「2年前、アブラムシ害がひどく新井さんから水が少ないと指摘をうけました。
  そこで今年は無施肥で始めて、水をどぼどぼになるぐらい
圃場に入れて、
  おさまった時に畝をつくり定植したところ初期生育時にアブラムシもでなくて、
  2年前よりやりやすい状態に。
  実も大きなトマトが収穫でき、2段で8度の糖度になりました」。

新井さんは、
「ある程度の水分があってチッ素を控えてつくるとアブラムシってつかないんで
  すよ。アブラムシがつきやすい条件はうどん粉がつきやすい条件と同じ」。
「アブラムシの被害などを防ぐには有機質肥料の追肥を一度に施用するので
  はなく、回数で追っていくこと」。
つまりこまめに追肥をした方が良いということです。

IMG_5477 
新井さんはハウス内の温度が低めなことからトマトの裂果がでることを再度指摘します。
「湿度はあるのでもう少し温度を高めていかないと割れてしまいます。
  ハウスに入ってちょっと気持ちが良すぎです」。

「マスクメロンを長く作っていてメロンの網目がありますよね。
  あれは温度と湿度の調整により均一なネットに仕上げているんですよ。
  花が咲いて17日目ぐらいでひび割れが始まるんですよ。
  そのひび割れをいかに細くだすかということがポイントになります。 
  ひび割れを細く出すには表面(皮の部分)をゆるめる必要があり、そのため
  に高温と適度の湿度をもたせます。
  皮を柔らかくする状態にするんですよね。
  今の状態というのは低温で湿度がある状態。だから割れちゃう。
  マスクメロンとトマトの作り方には共通点があります。
  昼夜共にもう少し温度を高めにもって行った方がいいですね。極端に昼夜の
  温度差もつけないように」 と改めて指摘しました。
 

IMG_5475
トマトのカルシウム不足の症状の説明では、
「葉(の付け根の茎)が扁平に、断面が丸ではなくて扁平になっている。
  カルシウム欠乏の初期。チッ素が優先に効いてしまってチッ素の吸収に対し
  てカルシウムが追いつかない状態。これがもっと進むと実の尻ぐされや生長
  点の止まりもカルシウム欠乏ででます」 。

IMG_5478 (トマトハウスからナス圃場へ移動中)



【ナス圃場】
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台風の影響が残り、露地ナスはあまり良い状態ではありませんでした。

 
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サラダボウルの島田さんより説明をいただきました。
霜の心配がなくなった4月30日と5月1日に定植。ナスの株間は50cm。
去年まで通路に追肥をやっていたそうですが、水田だったこともあり水分が多いのと6~7月に雨が多いため、通路に追肥しても効きにくい状態だったそうです。そこで今年は最初に堆肥を5t強を投入。
初期の効きが弱かったので、株元に穴をあけて4回ぐらい追肥。
その後に通路の肩部分に粒状肥料をさらに追肥。
結果的に追肥量の調整がうまくいかなかったそうです。
(新井さんからメタボのナスだねとの指摘あり)

IMG_5487
新井さんからは、V字仕立てになっているナスの葉がやや混みすぎている様子からもっと空間が開くようにした方がよいとのコメント。
「先月訪問した時に『近いうちに“うどん粉病”が出るだろうな』と思って帰ったと
  ころ、昨夜確認したらやはり考えていたとおり発生したそうです」。

島田さん、
「9月10日ぐらいからポツポツ(うどん粉病が)出始めて、ちょっとほったらかし
  にしていたのと、葉かきで対応していたんですけど、うどん粉病の方が早くて
  葉っぱが黄色くなった感じです。それでどんどんやられて・・」。

IMG_5489
新井さんからは総合的アドバイスとして
「島田さん本人からも聞いたんですけど収穫した実が腐りやすいんですよね、
  チッ素優先の場合。
  追肥をして雨が降ると、一番先に吸収されるのはチッ素とカリウムなんです
  よ。というのは水に溶けるんですよね、チッ素とかカリウムというのは。
  なので雨が降るとチッ素とカリウムが優先に効いてしまって先ほどのトマトと
  一緒でカルシウムが一緒に行かないんですよ。
  カルシウムの移行はすごく遅いんですよね」。

「カルシウムというのは実を締める効果があって、チッ素・カリウムというのは
  実をゆるめる効果があるんです。
  柔らかい状態で傷になったところが腐るという流れですね」。
 
「追肥は少なめに数をやること。
  肥料が入りすぎです、追肥も、一回で量が入りすぎ。
  有機質肥料のチッ素の数字の低い肥料を少量ずつ数回に分けて入れる
  んです。それがコツ。
  チッ素の高い物を入れると雨が降ると腐りやすくなります。 
  チッ素の少ないものを少しずつ数回に分けて施肥してください」。
(※チッ素・リン酸・カリの低い肥料を入れること)

「あとは硫酸マグネシウム系統。
  マグネシウムも入れること。
  キーゼライトのようなものを2回に1回ほど入れること。
  カルシウムの場合は追肥はなかなか効かないので元肥で。
  追肥の場合はチッ素とマグネシウムを少なめに数を入れていくこと」。

IMG_5494
追肥タイミングについては、
「トマトの場合は生長点を見なさいという話をしました。
  ナスの場合は雌しべと花びら、チッ素が効いていると生長点に近い花の紫色
  が非常に濃い色をしているんですよ。切れてくると赤っぽくなるんですよね。
  それで雌しべが飛び出ないんですよね。花で見るんですよね」。
作物観察、とても大切です。

IMG_5500 
またトマト同様、追肥タイミングでは一番上の花と生長点までの長さも参考にするそうです。
ここが長すぎるとチッ素が効きすぎ、短かすぎるとチッ素切れの状態です。

アブラムシが少々でているとのことから、
「うどん粉病がでる条件というのはアブラムシもつきやすい条件なんですよ。
  アミノ酸・硝酸値が必要以上に上がると、うどん粉病が出やすいしアブラムシ
  もよってきますよね。
  追肥ががっと効いて雨が少なくなり乾いた状態になると必ずアブラムシが
  よっ てきます。硝酸濃度を上げないことがコツです」。
 
うどん粉病とアブラムシをつかせないようにするためには、少なめ少なめに
追肥することがポイントです!

 IMG_5493 IMG_5495
新井さんからは株元に日がはいるぐらい、少し株間の間隔をあけて定植した方がよかったとも。

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青枯れ病の発生については、水の過多が原因との話もありました。
新井さんは排水性の改善のためにプラソイラーを何回もかけることを強く推奨。降った雨水を根のまわりに停滞させないようにします。

島田さんの話では、今年のナスの収穫は早めに終了になりそうとのこと。
うーん、残念。来年に期待しています。

IMG_5504 (ナスの葉にたくさんいたアマガエル)


【プラソイラー実演】
IMG_5515 
新井さんの助言により、サラダボウルさんではプラソイラーの活用がはじまりつつあります。
使いこなしについてマスターである新井さんからアドバイスをいただきました。

 IMG_5521 IMG_5522

 IMG_5523 IMG_5524
まずはプラソイラーを新井さんのアドバイスなしで一回ひいてみます。

それを見ていた新井さんは引き方があまいと指摘。
「あと20cmぐらい下を引くように!」
耕盤(25cm前後)の下にプラソイラーの羽が入るようにひくことが重要なポイントになるとのこと。

IMG_5527 IMG_5534
「プラソイラーの刃で縦に水を浸透させ、羽のところで耕盤の下で横方向に水を流していきます。だから45cm間隔でプラソイラーを引くのがベストとなります」
(プラソイラーの刃の間隔が90cmなら、引いた間にもう一回引くこと!)

IMG_5540 IMG_5542
21馬力のトラクターだと前が浮いてしまって引けないこともあります。
新井さんはトラクターの前に重りとなるバケットをつけてひいたほうがよいともアドバイス。

IMG_5532
プラソイラーの位置決めをきちんとしないと効果なしになることも。
この点、要注意です。

「初めてプラソイラーを引く方は1年に2回、2年目からは1回で十分です。
  これだけで全然水の引きが違います。
プラソイラーを一回引くと1/5ぐらいの
  土が上にうき上がってきます。天地返しにもなるんですよね」 と新井さん。

IMG_5533
興味津々でトラクターの周りに参加者が集まります。
きっとプラソイラーの導入が増えることでしょう。


【キュウリ圃場】
IMG_5555
トマトに続いて佐藤さんから説明。
「初期に水を絞りすぎたようで根の本数が少ない感じがします。
  だからこんな日には萎れてしまうのかなと。萎れに弱い感じです。
  芽の吹きも全然悪くて、追肥とかも軽くやったんですけど芽も出てこないので
  まずいなぁと感じています。初期の灌水でミスをしているなというのが正直な
  感想です」 

 IMG_5564
前回訪問時にも新井さんが気にしていた葉っぱの縁が黄色くなる症状。
あゆみの会の丸山さんからホウ素過剰の可能性について指摘がありました。
新井さんもカリが十分に入っているようなら、葉の縁が黄色くなる症状はホウ素過剰の可能性があると指摘します。
植物の葉の縁がつながって黄化したり枯れたりする症状は、カリウム欠乏かホウ素過剰によるということです。

IMG_5560 
佐藤さんによるとホウ素が流れやすい圃場なので元肥でホウ砂をいれているそうです。
新井さんからは発酵させた堆肥でホウ素をくるんで施用すると良いとのコメントがありました。

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丸山さんからも
「ホウ素は過剰と欠乏が極端にでやすい成分と言われています。
  特に単体の場合は過剰になりやすいので堆肥とまぜて腐植に抱かせて少し
  ずつ出させないと一気に過剰になるおそれがあるという話があります」

お二人の話を総合すると、ホウ素などは堆肥でくるんでマイルドに効かせることが良いみたいです。

IMG_5558 
ハモグリ被害も見受けられたことから、新井さんは黄色プレートをもっと下に吊すようにアドバイス。
「ハモグリは土の中で羽化して浮き上がってきます。
  そのため吊すよりも下で寝かせた方が良いという説もあるとのこと。
  虫の生態にあわせて効果的な設置法を」
(ハモグリの場合、作物の上に吊してもあまり意味がないそうです)


【竹チップ堆肥】
IMG_5570
サラダボウルさんの事務所近くの竹チップ堆肥置き場。
ある会社が竹を粉砕して持ってきてくれるそうです。

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「そのまま畑に使ったことがあるんですが、当然未分解なので障害も。
  そのため堆肥化をすすめているところです。
  ただしチップが大きいので腐熟させてからプラスアルファで堆肥化しようと
  思っています。ここに2年ほど置いてあります」 と佐藤さん。


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「掘るとカブトムシの幼虫がごろごろ出てきますので分解はしてくれていると
  思います」
参加者が何気なく掘ってみると丸々太ったカブトムシの幼虫がごろごろと。
いい感じで分解がすすんでいるようです。

以上でサラダボウルさんの圃場見学は終了です。
この後、場所を移して新井さんの講義となります。
『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【講義編】へと続きます。

(Radix事務局 成田)


IMG_5423
(おまけ:圃場見学に使用したバス
               なんと路線バスを格安で借りることができました。 
               このバスには参加者もびっくり! ありがとう、富士急行! )

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