【01 農産活動報告】
2011-09-27
柿・落葉果樹勉強会 開催報告
2011年9月16日(金)、和歌山県の紀の芽の会にて、柿・落葉果樹勉強会を開催しました。
勉強会では、柿の多収栽培で有名な、『めぐみの会』の小ノ上喜三さんを講師にお招きして、紀の芽の会の柿生産者3名の圃場を巡回しながらせん定や防除についての具体的なアドバイスをいただきました。
田中さんの圃場の一部に炭疽病と灰色カビが認められたので、最初に被害が急増している炭疽病についての詳しい説明をいただきました。
炭疽病は全国的に被害が広がっているので適切な予防・防除が不可欠とのこと。防除では直接殺菌剤のストロビードライフロアブルが効果的。
【参考】
柿の炭疽病については、福島県の県北農林事務所伊達農業普及所による『柿の炭疽病の生態と防除法』に詳しい説明があります。
さらに詳しく知りたい方は、google先生に『柿 炭疽病』で聞いてみましょう。
ストロビードライフロアブルについて知りたい方は、『ストロビー カキ 炭疽病』と聞いてみましょう。
炭疽病対策が後手後手になると、ひどい場合には2年で柿産地がダメになるという怖いお話もいただきましたが、きちんと対処すれば炭疽病は絶対に防げると強調されました。
管理面では、小ノ上さんの得意とする徒長枝をうまく活用した栽培方法についての説明がとても参考になります。
【参考】圃場巡回時に小ノ上さんからご紹介いただいた書籍
1.『せん定を科学する―樹形と枝づくりの原理と実際』
【紀の芽の会 根来さん圃場巡回】
(注:らでぃっしゅ出荷用農産物には、取扱基準外の農薬は使用できません)
柿のせん定の説明では、
『木に木を植えなさい』
『徒長枝がでているものをそのまま使いなさい』
柿の木に田植えをする感覚でせん定をおこなうのが良いとアドバイス。
徒長枝は実をならせるための苗であるとの説明をうけてなるほどと思いました。
(注:小ノ上さんの著書『カキの多収栽培 安定の3トンどりの技術と経営』 に写真と図付きで
詳しい説明があります)
【参考】圃場巡回時に小ノ上さんからご紹介いただいた書籍
1.『自然流果樹つくり―肥料・農薬・労力半減の技術』
【紀の芽の会 戸口さん圃場巡回】
20個をならせる側枝をいかにうまくつけるかが収量を上げるポイント。
収量をあげるために葉果比15(※刀根柿の場合)になるように、もう少し実を成らせて、枝を増やしてもいいですとアドバイス。
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雨に降られながらも、大いに盛り上がった圃場巡回を終えて、紀の川商工会本所にて生産者同士の意見交換会。
【生産者意見交換会】
生産者意見交換会の中から以下の3点の質疑応答の模様について上のYoutubeで視聴することができます。
1.収量増につなげる徒長枝の活用
2.果樹の灌水ポイント
3.炭疽病防除
上記以外にも当日は活発な意見交換、そして参加者の産地状況などについての報告などもあり、とても密度の濃い勉強会となりました。
講師の小ノ上さんは、農文協から 『カキの多収栽培 安定の3トンどりの技術と経営』
という技術書を出版されています。
小ノ上さんの柿栽培ノウハウが余すところなくつまっている本なので、本当にオススメです。
(※わかりやすい写真と図も満載なので勉強会当日の参考
資料としても活用しました)
目次
序章:現代のカキ栽培の課題
第一章:私の樹のとらえ方とせん定の考え方
第二章:徒長枝利用せん定の実際
第三章:樹形の考え方と仕立て方
第四章:栽培管理の方法
第五章:病害虫防除
第六章:農機具 私がほれた機械と上手な選び方・使い方
第七章:販売の考え方とノウハウ
ちなみに小ノ上さんは獣害対策でも市販のワナを活用して年間50頭のイノシシ・シカを捕獲するほどの狩猟の腕前をもっています。
2011年4月の現代農業に『くくりワナ必勝法』という記事を執筆されていますので、獣害で困っている方は上記記事もあわせてご参照ください。
【01 農産活動報告】
2011-09-12
北海道ブロック集会開催報告【作柄報告&ブロック会議編】
圃場巡回編に続いて、生産者の皆さんからの作柄報告と北海道ブロック会議の概要について報告します。
タマネギの目合わせしているところです
【今年の作柄報告の概要】
(菅野理事)
今年の北海道の作柄は例年どおりの圃場もありますし、生育が遅れている圃場もあります。
皆さん、いろいろと工夫していると思いますが、今年の作柄などを教えて下さい。
(山中さん)
最近、ジャガイモの疫病のようなものが早く出て収量も上がらなくなったので、だんだんと作付け面積を減らしてきています。
早生白というお盆前に出荷する品種、早く生育するので農薬を使わなくても収量がとれるということで、この品種でずっとやってきました。
通常ですと播種が5月の連休ぐらい、5日ぐらいには終わっていたのですが、今年は18日ぐらいまでのびてしまいました。
やり方の問題もあったかと思うんですけど、疫病の広がりが早いというので"とうや"という品種を一部植えて、その開花が始まったところです。
4月の雪解けの遅れと5月の雨で作業が遅れましたが、生育自体はそんなにひどくはないと思います。
(五十川さん)
十勝のジャガイモですが、春に土が乾かない状態だったのでなかなか播種できませんでした。
収穫時期に土塊があがらないロータリー耕が一番ベターなんですが、今年はなかなか乾かなくて・・、心土破砕などもしたんですが・・。
30cm下のぬかりが取れない、気温が低くて地温も上がらない状態。
今年変えたのが、パワーハロー(※縦の爪)です。心土を上にあげないで表面だけ粉してくれます。
もう花の時期ですが、7月1日から茎エキ病がぽろぽろとではじめていて、うちの圃場だけでなくて十勝全体ででてきています。
通常ありえないです。種芋が原因なのかなとちょっと思っています。
(泉さん)
普及所からも疫病がはやっているとの連絡がありました。
(菅野さん)
富良野の方も普及所から疫病のFAXが頻繁に入ってきています。
(泉さん)
ニンジンは種がいいのか悪いのか、それともハエが多いのか・・。
播き直しが多くて・・、今年はなんにしても遅いです。
地温が低いから発芽に時間がかかってタネバエにやられるのかな。
(太田さん)
ニンジンを2町ほど播き直し、なかなか大変でした。
去年、水害だったので排水対策をいろいろと実施しました。
農道から水が畑に入らないように、30mmぐらいの雨が降っても畑にたまらないように工夫したり・・。
去年ぐらいの雨なら大丈夫だと思うんだけど。
(川眞田さん)
タマネギ、予定より約1ヶ月遅れて定植しました。
今まで経験したことがないけど85日ぐらいの苗を定植。
もう少し圃場が乾いてから定植しようと思っているうちに遅れてしまって・・。
苗も老化してしまうのでしかたなく植えました。
6月17日の土砂降りの雨で排水が間に合わずに畑が田んぼ状態に・・・、前が見えないぐらいの雨が降りました。
圃場の低い所で根痛みを起こしたかも、酸欠をおこして生育がよくならないです。カルチをいくらかけても・・、人間の力ではどうしようもない。
(菅野さん)
タマネギは苗を仕立ててから定植するんですが、普段なら育苗日数がだいたい65日ぐらいで定植するのが適期。今年は天候が悪くて植えられないので85日や90日を過ぎてしまうこともあります。そうなると老化苗といって定植しても新しい根をなかなか出してくれない状態になってしまいます。
作業は遅れる、定植しても苗の根が元気になるまで時間もかかる・・。
ダブルでつらい思いをしているかと思います。
毎年いまぐらいの時期まではなんとか持ちこたえているんですが、ここ2年間の様子をみると7月下旬から8月にかけて集中豪雨的なものがくる可能性も・・。
(長内さん)
去年は雪が多かったですよね。
雪が多い年には不作はないと言いますが、今年の春先があまりに寒くて、うちの生産者もアスパラの出荷が約10日遅れてスタートしました。
さくらんぼの花が咲くのが例年より10日遅い状態で、いまようやく出荷が始まりました。さくらんぼも8月に入るとスイカやメロンに切り替わってくるので、なかなか食べてくれる人もいなくなってしまいます。
春先の寒さのせいで果樹は花が咲いても受粉しない状態が続いて、去年よりはいくぶんいいかと思いますが豊作ではないです。
余市あたりの温度でいけば14-15度。20度近くなったのは5月は2日ぐらいあったかなという中で、スタートしています。
アスパラにしろ、サクランボにしろ、豊作傾向ではないです。
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以上のように、北海道の今年の作柄は春先からの低温と雨の影響が少なからず出ているようです。一方で、生産者各々がいろいろと工夫しながら対策も進めていました。
また打ち合わせの中で北海道の会員さんに喜んでいただくため、そして産地を盛り上げるべく北海道独自企画の可能性についての意見交換も活発に話し合われました。あっと驚くような独自企画が生まれるのが楽しみです。
【北海道ブロック会議】
(タマネギの目あわせ)
ブロック会議の前に、タマネギの目あわせが行われました。
らでぃっしゅぼーや農産部の武居さんから、昨年の北海道のタマネギの状況と、らでぃっしゅぼーやの対応、会員さんからの声についてひと通りの報告がなされた後、規格外のタマネギの現物を見ながら目あわせを実施。
武居さん曰く 『タマネギの目あわせと同時に、心の目あわせも皆さんとしたいと思います』
傷んでいたり、規格外のタマネギのサンプルを皆で見ながら目合わせ中。
タマネギの首を押してツユが出てくると内部が傷んでいる証拠です。
双子玉についの判別方法 双子は外見ではなかなか見分けがつかないこともしばしば・・
圃場で、はじいてほしいタマネギについても話し合われました。
大きいタマネギはどのサイズまで入れることができるか?
日焼けで地際部が変色したタマネギ(※皮をむけば問題なし)は出荷OKか?
細かな点までつっこんで話し合いがもたれましたが、それでも判断が難しい場合には出荷前に農産部担当者まで事前相談することで落ち着きました。
このように農産部担当者と生産者とが向き合いながら協力してクレームを減らしていくための努力が日々続けられます。
【らでぃっしゅぼーや農産部からの報告】
らでぃっしゅぼーや農産部の森崎課長から、震災後のらでぃっしゅぼーやの対応、放射能問題への対応、会員さんの声、売上推移などについてのご報告をいただきました。
(森崎課長)
らでぃっしゅぼーやは生産者がどこで何を生産しているかを把握しています。
現在、出荷された生産物を第三者機関に依頼して放射能検査を行い、分析結果をもとに判断しています。
いまのところ暫定規制値からずっと少ない値〜検出限界以下の値で推移しています。
震災対応では被災地への救援物資の配送、チャリティイベントなども開催。
義援金も会員さんからいただいています。
生産者の方も被災されていて、千葉、茨城の田んぼが液状化して作付けできなくなったところも一部ありました。
Radixの会の皆さんからいただいた義援金も被災生産者に配分されました。
被災地の農家さんへ農地を斡旋する活動もおこなっています。
放射性物質については、とにかくリスクのあるものは圃場に入れないようにしてください。きちんと事前確認、資材類の生産履歴がきっちりとれるように原料確認をしてください。
【北海道センターからの報告】
北海道センターの菅野センター長から、3月11日の大震災以降の北海道センターの状況と対応、受注動向や会員さんからのご要望などについて具体的なご報告をいただきました。
(菅野センター長)
北海道でも震度3-4の地震が長くゆれて、ただことではないと認識しました。
東北道が不通となり翌週の原料野菜・果物の入荷が途絶えるという連絡をいただいて、すぐに羽田空港に連絡。3本の滑走路は離発着できるとのことで空輸に切り替えてなんとか欠品を避けることができました。
その後も危うい状態がありましたが今日にいたるまで欠品をおこさずにやってこれました。
今年の北海道元気市、10月2日(日)に開催します。
大通り公園の地下通路でも定期的に出店しています。
生産者の皆さん、ご協力をお願いいたします。
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10月2日、天候に恵まれて多くの会員さんが北海道元気市に参加されることを
期待しています。
ちなみに、らでぃっしゅぼーやのキャラクターの『らでぃっしゅくん(着ぐるみ)』が皆さんをお出迎えしてくれますよ。ぜひお楽しみに。
【01 農産活動報告】
2011-09-11
北海道ブロック集会開催報告【圃場巡回編】
7月9日~10日、北海道岩見沢で北海道ブロック集会を開催しました。
(『北海道ブロック会議&会員さんとの交流会開催のお知らせ』は下記リンク先を参照)
http://www.radix-jp.org/nouchiku/2011/06/000920.html
9日開催の狩野自然農園さん、北海道バイオ研究会の伊藤さん、そして番場さんの圃場巡回の様子について報告します。
土壌学が専門の帯広畜産大学の谷先生による圃場断面の説明
生産者、帯広畜産大学の谷先生と学生さん、そして特別参加の北海道の会員さん(非会員さんも含めた3家族の皆さん)が狩野自然農園さんに集合。
前日が小雨まじりの肌寒い日だったので天気が心配だったのですが、なんと当日は汗ばむほどの快晴となりました。
会員さんを交えて参加者一同、ハイチーズ!
【狩野自然農園さんの圃場巡回】
前日に掘り下げた圃場の穴を覗き込みつつ、参加者が谷先生のお話に耳を傾けます
まずは狩野さんのニンジン畑からスタート。
このニンジン畑、排水性に課題がある圃場とのこと。
排水性の問題点を把握するため、地下の様子を目で見て確認します。
約1メートルほど掘り下げた土壌断面を見ながら、谷先生から土壌断面各層の特性や来歴などの説明をいただきました。
圃場表面の様子とは打って変わって、数十センチ下から泥炭層がでてきました。未分解の植物が多く、なかには木質の堆積物も・・。
泥炭の下の層には水が浸透しそうもない羊羹のような粘土層が見られます。
これでは排水性が悪いはずです。
谷先生から、穴掘りした結果から推測される土壌来歴について説明をうけているところ
泥炭層はその昔、石狩川の氾濫が要因となって生まれた層のようです。
地下60cmぐらいの泥炭層(※水分も高い未分解の植物質、生木状態のものも多くあり)
岩見沢周辺では火をつけると燃える泥炭も出てくる地域もあり
泥炭層の下が粘土層となっていましたが、この粘土層の一部に作物の根っこが一生懸命入り込もうとした跡が赤い筋となって残っていました。
赤くなっている部分が作物の根っこが伸びた痕跡
この粘土層(グライ層)には酸素がほとんど含まれていないので鉄が還元された状態で存在します。
ここに植物の根が入り込むと、根から酸素が供給されるので、粘土中に含まれる還元鉄と反応して酸化鉄(赤サビ)となり赤く筋状になって見えるわけです。
地下70cmのグライ層に酸素がないことを確認中(※試薬反応で酸素がほとんどないことを確認)
谷先生は、
『機械作業が大変ですが、空気がいっぱい入るように管理して根を深くはらせることができれば、粘土や泥炭に養分がたくさん含まれているので圃場はよくなると思います』とアドバイス。
圃場の水はけをよくするにも、通気性を確保することが重要となります。
谷先生は、サブソイラーと緑肥活用で土壌中の亀裂を増やして維持することを推奨します。
一例として、サブソイラーをかけて土中の亀裂をつくり、デントコーンとヘアリーベッチを播種して土中の亀裂を維持しつつ地中に深く根をはらせて水分を吸収させます。
30~40cm深の亀裂を増やすには、とてもゆっくりしたスピードでサブソイラーをひくこと。サブソイラーで少し亀裂が入ったところにすばやく根っこが入り込めば、この根っこが亀裂を維持してくれます。
なお、土壌表面に緑肥や残渣をおいたままプラウをかけると、空気のない層に有機物が入り込んでしまい未分解のまま残りやすくなるので要注意とのこと。
有機物が入ったことで微生物が活動して、もともと少ない土壌中の酸素が消費されてしまい酸素がなくなると、それより下の層には植物の根は決していかなくなるそうです。
そのため、狩野さんの圃場条件ではプラウをかけることは厳禁となります。
狩野さんの次の圃場はさらに水はけが悪い圃場とのこと。
もともと水田だったのを盛り土して畑にした圃場で、その中でも特に排水性が悪いエリアだからです。
(畑が軟らかくトラクターも入ることができないので、今年はひまわりが植わっていました)
谷先生の話では、ここには泥炭層が見られないのは、もともと水田で活用されてきたため泥炭が生成しなかったとのこと。
ちなみに作土よりずっと下の層からは昔の倒木がそのままでてきました。
酸素がない状態で埋まっていたので、倒木が腐らずにそのまま残ってしまったそうです。
トラクターも入れないのでサブソイラーもひけません。
そこで水みちにあわせて明渠を掘り、蒸散力の強いデントコーンなど植物の力を借りて、時間をかけて物理性を改善していく方法をアドバイスいただきました。
【北海道バイオ研究会の伊藤さんの圃場巡回】
北海道バイオ研究会の伊藤さんは有機栽培で長ネギを10年にわたって生産。
長ネギを中心に、夏場レタスと大根を輪作しながら栽培されています。
伊藤さんは一年を通じておいしい野菜づくりを目標にいろいろと工夫されています。
有機JASを取得されているので化学農薬は使用せず、パオパオなどを積極的に活用されています。
参加された会員さんや子供たちは大根抜きの体験や、圃場にたくさんいたカエルに夢中
今年の作柄について意見交換中
【番場さんの圃場巡回】
最後に有機栽培と特別栽培されている番場さんの圃場を巡回。
まずは自宅横の玉ねぎ畑で情報交換。
天候不良で例年より生育が12日ほど遅れているそうです。
生産者同士、害虫などの話で情報交換が盛り上がります。
デントコーン圃場では、ヘアリーベッチが混植されていました。
雑草対策でアレロパシー効果を期待してのことだそうです。
圃場横で笑っている"ドラえもん"と"うさちゃん"が参加者をお出迎え
番場さんの奥さんが管理している自家菜園 すごく生育がよくてお見事でした
上の写真と違う玉ねぎ畑 こちらも生育が揃っていました
【谷先生勉強会概要】
圃場巡回のあと、谷先生の勉強会を開催。
テーマは『土壌を観察する ~土壌断面の作成と調査~』です。
土壌をよく観ることが、作物栽培の改善につながるということをいろいろな事例を交えながらわかりやすくご説明いただきました。
農家さんは施肥など土壌の化学性についてはよくご存知だけど、実際に圃場に穴を掘って自分の畑の物理性がどのようになっているのかあまり気にしていない、問題になりそうな層がどこにあるのかを調べている方はほとんどいないそうです。
圃場に穴を掘って土壌断面を観察することが、作物栽培上の問題点の解決の糸口になることを写真をもってご説明いただきました。
土壌構造についての説明中の谷先生
土壌構造、いわゆる団粒は生産者の圃場管理でもかわってくるそうです。
カルチを何度もかけると表層の土壌構造を破壊します。
下層に水があっても(水みちがないので)土壌表面が乾燥しやすくなります。
この団粒をうまく残すことも作物の作りやすさにかかわってきます。
団粒は土だけでなく、土壌有機物や土壌微生物、その分泌物などから構成されています。
土は耕したりして空気を入れるだけでも有機物がどんどん消耗。
適切に足してあげないと土の有機物が消耗してしまい団粒構造を失ってしまいます。つまり圃場へ適切な有機物の還元が必要不可欠となります。
ここで団粒を増やすのに大いに役立つのが堆肥です。
堆肥化の過程で土の粒子と粒子をくっつける働きのある物質が生まれます。堆肥を施用するとそのノリ成分が土中に入るので、団粒がつくられやすくなるのです。
谷先生曰く、単に有機物を入れればよいものではないそうです。
有機物なら緑肥でもOKかと思われるかもしれませんが、緑肥のすき込みでは土の粒子をくっつける物質が十分にできないのです。
堆肥をつくる際にでてくる黒っぽい液体、あれが重要なノリ成分。
畑から収奪されたものをお返しするという考え、使った分は似たような成分できちんと返してあげることが大事なのです。
そして圃場巡回のおさらいをしつつ、狩野さんの圃場の改善では極低速でサブソイラーを入れて、そこにデントコーンなどの植物の根を深く入れる工夫をすることが大切とアドバイス。
とても具体的で事例を多く使ってお話いただき、参加者一同が真剣に講義を聞いています
最後に放射能についても役立つ情報を教えて頂きました。
放射能については、やみくもに恐れるのではなく科学的な知見をもとに冷静、かつ理性的に判断・行動することが重要となります。
(※帯広畜産大学でも、放射性物質検査などを自治体と協力しながら進めているそうです)
【圃場巡回前日の準備の様子】
集会前日の8日、谷先生と研究室の皆さんとで狩野自然農園さんの圃場を
事前調査をおこないました。
土壌断面を調べるにはまずは1m以上の穴を掘らないといけません。
人力で掘り進むので重労働ですが、現地で穴を掘って観察することで本当にいろいろなことが見えてくるんだと実感しました。
1.狩野さんのニンジン圃場で穴掘り用の場所を確保
2.谷先生が手馴れた手つきで穴を掘ります 3.学生さんがさらに掘り進めます
4.約1メートルほど掘り下げました 5.土壌断面を詳しく調査します
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【01 農産お知らせ】
2011-09-09
固定種・在来種のタネ屋さん、『野口種苗』代表の野口勲さんの新著が発売中
久しぶりの書籍紹介です。
成田がRadixの会で仕事をはじめて、あっという間に10年・・。
まさに光陰矢のごとし。
齢ばかりを重ねてきましたが、おかげで多くの方と出会うことができました。
今回紹介する書籍『タネが危ない』の著者である野口さんもその一人です。
10年前、当時Radixの会事務局長だった竹内さんから、Radixの新しい取り組みとして伝統野菜とタネの活動をすすめるというテーマをいただきました。
(本活動は、らでぃっしゅぼーやの『いと愛づらし名菜百選』の取り組みにも
つながります)
当時、土壌や肥料などについてはある程度の知識はあったのですが、種苗関係についてはまったくの門外漢でしたので、まずは情報収集からスタート。
現代農業に『野口のタネ/野口種苗研究所』代表の野口勲さんの固定種についての記事を見つけて、竹内さんと一緒に飯能のお店におじゃましました。
(お店の中では、なぜか旧式Macが何台も動いていてびっくり・・。
バックアップ用のMacも入れると、片手どころでは収まりませんでした。
さらに手塚治虫さんの漫画の蔵書が多いので不思議だなと思っていたの
ですが、実は『火の鳥』の初代担当編集者だったことに二度びっくり・・。
生命(いのち)をモチーフとした『火の鳥』の編集者から、生命そのものである
タネを扱う種屋を継ぎながら常に生命について考えてきたこと・・。
とても奥が深い話をいただきました)
タネについてよく知らない私達に、野口さんは伝統野菜や固定種などの切羽詰まった状況を懇切丁寧に教えていただきました。
種屋さんでしかわからない業界話や野口さんの活動に感銘を受け、その後のRadixのタネの勉強会や、らでぃっしゅぼーやの『いと愛づらし名菜百選』の選定委員としてもご協力いただいています。
ちなみに当時のお店は飯能の商店街にありましたが、現在は駅前から少し離れたご自宅横にお店をかまえて、主にネットや電話・FAX・手紙で注文をいただきながら営業をされています。
(※野口種苗さんのHPはこちら ⇒ 野口のタネ・野口種苗研究所 )
前置きが長くなってしまいましたが、その野口さんの新刊本『タネが危ない』が9月6日に日本経済新聞出版社から発売されました。
すでに本屋さんでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、下記にAmazonへのリンクを掲載しましたので、ぜひ一度ご覧になってください。
下記写真には帯が入っていませんが、巻末には菅原文太さんと木村秋則さんの推薦文も!
また知られざる手塚治虫さんや『火の鳥』のエピソードも満載なので手塚ファンの方にもおすすめですよ。
過去から未来へと限りなく続く生命(いのち)を守る野口勲さん、これからの幅広いご活躍がますます楽しみです。
| 【目次】 第一章 タネ屋三代目、手塚漫画担当に 第二章 すべてはミトコンドリアの采配 第三章 消えゆく固定種 席巻するF1 第四章 F1はこうして作られる 第五章 ミツバチはなぜ消えたのか |
【01 農産お知らせ】
2011-09-08
関東ブロック会議&圃場巡回のお知らせ
大変お世話になっています。
さて10月7日(金)~8日(土)、茨城県つくば市にて関東ブロック会議と圃場巡回を開催します。
7日のブロック会議では、らでぃっしゅぼーや農産部より最新の販売動向や福島原発事故以降の放射能対応報告、会員サービスセンターからは会員さんの声の紹介など、生産者の皆さんがいま知りたい情報満載の会議となります。
8日は圃場巡回では、地域資源を活用した循環型農業を推進している、つくば農業生産農事株式会社さんの堆肥施設見学や将来への取り組み(肥料製造、微細藻類の大量生産)などのお話を伺います。
また、レインボーフューチャーさんでは、有機栽培でつくる美味しい野菜づくりや、事業として成功されている農業経営のポイントなどもお話いただく予定です。
らでぃっしゅ農産部スタッフも多数参加しますので、ぜひご参加いただきたく
お願いいたします。
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開催日: 2011年10月7日(金)~ 8日(土)
【10月7日(金)】 関東ブロック会議
13:30~ 受付
(筑波温泉ホテルロビー
住所:茨城県つくば市筑波395 TEL:029-866-0521)
14:00~ 関東ブロック会議
農産部から最新販売報告、放射能対応報告、質疑応答など
会員サービスセンターから会員さんの生の声など
参加生産者からの近況報告、意見交換
Radix事務局からの報告
18:30~ 懇親会 (懇親会費: 3,000円/人を予定)
懇親会会場:筑波温泉ホテル
※宿泊希望者は「筑波温泉ホテル」にご予約します。
筑波温泉ホテルでは相部屋となります。
【10月8日(土)】 堆肥場・圃場巡回(※参加希望者のみ)
8:00~ 筑波温泉ホテルロビー集合(※バス移動となります)
8:30~ 堆肥場・圃場見学
1.つくば農業生産農事株式会社
2.レインボーフューチャー
12:30~ 筑波温泉ホテルに戻り現地解散
お申込いただいた方には詳しいスケジュール・地図等を後日ご連絡いたします。
つくば温泉ホテルまでの地図は下記参照
http://www.tsukuba-onsen.co.jp/access.html
【電車でお越しの場合】
(つくば駅から送迎バスを利用する場合)
13時発のつくば駅発・筑波温泉ホテル行きのバスを予約しています。(バス乗車時間:約40分)
秋葉原からお越しの場合、秋葉原発11時45分 ⇒ 12時37分 つくば駅着の電車にご乗車ください。
つくば駅周辺で昼食をとっていただいた後に、13時発の送迎バスにお乗りください。
(上記以外の時間でお越しになる場合)
上記以外の時間でお越しの場合は、下記ルートか途中の駅からタクシーなどで筑波温泉ホテルまでお越しください。
TX秋葉原駅 → (つくばエクスプレス快速45分) → TXつくば駅(筑波山行きバス30分) → 筑波山神社入口バス停 → 送迎車5分(ホテルにお電話下さい) → 筑波温泉ホテル
【お車の場合】
東京方面 → 首都高(向島線) → 三郷(常磐自動車道30分) → 土浦北インター(国道125号経由30分) → 筑波温泉ホテル
水戸方面 → 水戸インター(常磐自動車道30分) → 土浦北インター(国道125号経由30分)→ 筑波温泉ホテル


