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【01 農産アンテナ】
2010-08-02
ドイツで広がるオーガニック専門スーパーマーケット
長引く不況にもかかわらず、ヨーロッパでは有機食品が引き続き人気のようです。欧州最大のオーガニック市場であるドイツでは、大型店舗に有機野菜や果物など生鮮食品、酪農製品など加工品、フェアトレードのコーヒー、オーガニックコットンの衣料品やコスメ、エコ洗剤など環境に優しい商品だけを揃えたオーガニック専門スーパーが1990年代から全国各地で増え続けています。
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ドイツのオーガニックスーパー事情
そのなかでも全国で40店舗前後をチェーン展開している「Alnatura(アルナトゥーラ)」、「Basic(ベーシック)」、「denn's Biomarkt(デンズ・ビオマルクト)」などが有名です。有機専門スーパーの店舗面積は約500~800㎡で、商品は6000~7000アイテムもあって、そのうちプライベートブランド(PB)商品が数百点あります。品揃えがよく、明るくてきれいな店内にワンストップでエコな日用雑貨品までそろう便利さが人気の秘訣のようです。
2大オーガニックスーパー
1.Alnatura(アルナトゥーラ)
1987年に創業したアルナトゥーラ社の創業者はゴッツ・ライン博士。現在、全国に48店舗を展開しています。年商は2007年で約246万ユーロ(約350億円:1ユーロ=140円)です。ライン博士はバイオダイナミック農業(BD農業※1)の理解者でもあり、オーガニックの老舗ブランドであるデメター認証の製品(※2)も多く扱っています。同社の店舗は、環境に配慮された建材を使い、自然エネルギーを利用する徹底したエコ・スーパーで、2006年にはドイツの「今年の起業家」賞を受賞しました。
2.Basic(ベーシック)
アルナトゥーラと並んでドイツを代表するオーガニック専門スーパー、ベーシック社は、1997年の創業で30店舗を展開。経営者のゲオルク・シュバイスフルツ氏はシュタイナー学校出身で、アメリカの大学でマーケティングを学びました。同氏の双子の兄は、農学博士としての契約生産者にBD農業を指導しています。年商は約150億円(2007年)で、PB商品の売上の一部を貧困に苦しむ子どもたちを援助する基金(Children for a better World:本部ミュンヘン)に寄付しています。その意味でも、これらの流通企業は健康や食の安全だけでなく、環境保全や公正の問題に対して事業を通じて取り組む社会的企業でもあるといえます。
ドイツの有機農業とオーガニック市場
ドイツの有機農業の面積は95万ha(2009年)で、全農地の5.6%を占めています。オーガニックの市場規模は約58億€(約8120億円)で、食品市場の約3.5%を占めています。ちなみに、IFOAM(アイフォーム:国際有機農業運動連盟※3)によれば、2008年にヨーロッパで有機農業が占める面積は約4.3%の817万haで、オーガニック市場規模は推定で約260億ドルです。アメリカの市場規模が約230億ドルで、合わせてなんと約5兆円を超えました。
※1 /バイオダイナミック農法(BD):ルドルフ・シュタイナー博士が提唱。有機栽培の一種。農薬や化学肥料を使わず、地球や植物、さらには宇宙が持つリズムをも鑑みて農業を行う。
※2 /デメター:社団法人デメター協会がバイオダイナミック農産物とその製品に対して与える認証マーク。厳格な有機基準として知られている。
※3/IFOAM(国際有機農業運動連盟):世界116カ国に約800団体のメンバーを擁するオーガニックに関する世界最大の国際NGO。1972年から有機農業の普及やオーガニック食品の信頼性を確立するために有機認証制度などを推進してきた。らでぃっしゅぼーやも1997年からの会員。
ドイツでは、有機専門スーパー以外でも、全国展開している大手スーパーをはじめ、昔ながらの自然食品店、ディスカウントスーパーなどでもオーガニックのPB商品を販売しています。消費者の有機食品の購入先は、これらのスーパーも入れた一般食品店で約53%、有機専門店で22%といわれています。例えば、安売りスーパーマーケット「Plus(プルス)」のオーガニックブランド「BioBio」の商品などは、パンや酪農製品など加工品だけでなく、ワインやハム、チョコレートにクッキーや卵まで、手頃な価格でPB展開しています。
僕は、2007年の秋から冬にかけてIFOAMの本部で働いていましたが、ボンは昔ドイツの首都だったこともあり、大手企業の本社、国連機関や国際NGOの国際本部などが多くあります。その影響か、小さな町の割にはオーガニックショップがいくつもありました。ご紹介したオーガニック専門スーパーの各店舗に加えて、安売りスーパーでも手頃な値段で有機食品が買えるのにはとても助かりました。
最近、日本でもオーガニックワインやコスメが人気のようです。景気の回復にはまだ時間がかかりそうですが、野菜をはじめ手頃で消費者が買い易い値段のオーガニック食品がもっとたくさん出てくると、オーガニック市場も活性化するのかもしれません。
文責:郡山昌也
http://organic.no-blog.jp/
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