農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2009-09-08

お米全国集会 in庄内(船久保塾) 開催報告

2009年8月6日(木)~7日(金)、山形県鶴岡市で『お米全国集会in庄内(船久保塾)』を開催しました。
当日、取材で参加したライターの小川恵さんに報告書をまとめていただきましたので概要をご紹介いたします。
(※報告書全文を読むには報告書をダウンロード、または添付画像をクリックしてご覧ください)


【お米全国集会in庄内報告書 目次】
   開会のご挨拶(伊藤幸蔵副会長、森﨑秀峰氏)
   会議概要
   開催地紹介/山形県庄内地方
   特集1/グループワーク① 概要
   特集1/グループワーク② 圃場・ライスセンター・調製所視察
   特集1/グループワーク③ グループ発表
   特集1/グループワーク④ パネルディスカッション『売れるお米とは』
   特集2/船久保正明氏・講義『お米の品質価値観を見直す』
   らでぃっしゅぼーや農産課報告(上甲泰三氏)
   会議終了にあたって(伊藤幸蔵副会長)
   Radixの会より(後藤事務局長のご挨拶) 


開会のご挨拶(伊藤幸蔵副会長、森﨑秀峰氏)

今、消費者が求めているものは何だろう?
我々生産者は、米作りというフィールドを超え、
新しいステージを目指す段階へと来ている。 

              

                                                                         Radixの会副会長
                                                        ファーマーズクラブ赤とんぼ
                                                                                伊藤幸蔵 氏

  今までは技術の向上にこだわってきたお米の勉強会ですが、皆様の努力の甲斐もあり、技術レベルはどのグループも大きく向上しています。今度は消費者がどのようなお米を求めているかに焦点を絞り、新たなステージとして勉強会を行うという趣旨のもと勉強会を企画しました。初の試みであるグループワークも、そのひとつです。

  これまでは、安全なもの、おいしいものを私たちが作り、それをらでぃっしゅぼーやが届けるという、いわば役割分担の形で取り組んできましたが、今後はそこからもう一歩進み、らでぃっしゅぼーやと協力しながら、どうやって自分たちの作ったお米を喜んで食べてもらえるを考える段階に来ているのではないかと思います。

  例えば、一昨年、私のところでお米のクレームが発生しましたが、包材を変える、らでぃっしゅぼーやのセンター内で保管する際の保管室の温度を変えるなど、双方の話し合いを通じ、お互いが出来る対策を講じることで、無事問題をクリアすることができました。このように、お互いの立場を超えて話し合ったからこそ、クリアできる問題は少なくないのではないでしょうか。

  自分たちが丹精込めてつくったお米を、よりよい状態で消費者、会員さんに届けるためには、特に収穫後の管理が重要です。私たちは商品を生産する立場ではありますが、立場の垣根を越えて議論し、知恵を出し合っていかなければなりません。栽培技術と同様に、収穫後の商品の品質管理も、技術のひとつですから、それを自分たちのものにしていくことが、今後は必要ではないかと思っています。これまで私たちが蓄積してきた栽培技術同様、販売についての知識・技術も、自分たちのものにしていただきたいと思います。



生産者さんの真摯な姿勢に共感し応援してくれる
お客様に応えられるものを届けていくために
これから必要なこと、皆さんと一緒に考えたい。
                                   
                                clip_image002[10]
                                                      らでぃっしゅぼーや株式会社 
                                                                                  農産課課長 
                                                                                 森﨑秀峰 氏

  景気が悪い中でも、そこそこの販売はさせていただいています。これも日々皆さんに良いものを作っていただき、コツコツ販売させていただいている結果だと思います。ありがとうございます。

  私は、一方通行でお客様に喜んでいただくことはできないと思っています。この間もお客様から言われました。「単に安いものを求めている訳でも、安心・安全なものを求めている訳でもないんです」と。このように、生産者さんの真摯な姿勢に共感し、商品を買ってくれるお客様に対して、私たちは何ができるのだろうかと、皆さんが日々悩まれているように、私たちも悩んでいます。以前のように販促・アピールするだけ売れるかというと、実はそうでもない。安ければ売れる訳でもない。高くても売れるものは売れます。買っていただけるんです。何がお客様をそうさせるのか?今、私たちはそれを見つけ出そうとしています。それを一緒に考えていただけないでしょうか?最終的に実行は私たちで、皆さんはよりよい商品を作るということに変わりはありませんが、一緒に話し合うことができれば、個別に抱え込んで悩んでいることも解決につながるかもしれません。お客様と対話することも大切ですが、その前に私たちと皆さんの間でどういう共通認識を持って進めるのかということを、一緒に考えていければと思っています。

  問題が起きるのは、誰かが悪いんじゃないんです。どこかに課題があるから、それを一緒に解決できれば、皆でハッピーになれるんだ、というように考えていただければと思います。

  栽培技術のこともですが、これからは販売のことも一緒にお話をさせていただく機会を持っていきたいなと思っています。



特集2/船久保正明氏・講義 『お米の品質価値を見直す』

これまで、Radixの会が実施してきた勉強会は主に栽培技術向上を目指すものだった。
今回、栽培技術から一歩先へと進み、販売や流通も視野に入れた勉強会であることを受け、
講義も消費者と生産者の間で、日々販売について試行錯誤を重ねている。
ふなくぼ商店の船久保正明氏に、講義を依頼。これまでとは違う切り口での講演を実施した。 


                                  
  clip_image002

消費者が情報を受け取る能力に、期待はできない
  これからお時間もらいまして最近感じていること、それから最終的にですね、今日の話の中から22年産の取り組みや今後の方向性のきっかけづくりになってくれればいいかなと思います。
  まず、皆さんと話していると、非常に自分の地域への思い入れが強いんですよね。自分が第三者になって考えてください。それを言われた時、正直に言うと重たいんです。自分たちには当たり前の話でも消費者には難しすぎる。例えば炊飯のことを聞かれた時、おいしく炊くための情報を10個発信しても、やってくれません。どういう産地ですか?どういうお米ですか?ということを聞かれた時に10個発信しても受け止められないんです。今は、食べてもらって後で分ってもらえればいいと思います。そして、そのお米をまた食べたいと言ってくれればいいと。

おいしいかどうかと、買う買わないは別問題
  今、僕は新たな方向性を見つけるために行っている取り組みのひとつに、インターネット上でモニター募集をかけてアンケートに答えてもらうということがあります。モニターには炊き方から食べ方まで、全部答えてもらいます。だから、炊飯の問題でおかしな食味結果になっているのかも僕はわかります。その状態の中で栽培の情報も全て渡して5キロいくらが妥当かと聞くと、同じお米でも5kgで2000円以下という人もいれば、4000円以上という人もいます。そして、実際にそれを買うかどうかの話になったときに、「おいしいけどうちの家計では買えません」という答えが返ってきます。お米のよしあしと、買う買わないはまた別ということなんです。こういう消費者に対して、みんなが同じ無農薬、同じ除1で、同じ品種で、「うちのがウマイ」と言った時、他どこで差をつけるんでしょう?バイヤーは思いの大きさではなく、一番安い米を買うでしょう。

  その発想でいくと、いくらでどういうお米だったら食べてもらえるという所からスタートして、じゃあそういうお米が作れないかという発想になっていくべきだと思います。でも、それをするには、らでぃっしゅぼーやや馬込さん、僕がいくら言ってもダメなんです。皆さんがその気にならないと無理なんですよ。

  今後、生き残るには皆さんが自分のグループ、本当に自分の食味、自分のカラーを出していくかが大切になんだと思います。

  じゃあ、最低限、何をしなきゃいけないかってことですよね。例えばネズミが袋を破ったんだけど送っていいか?という電話がたまにあります。でもよく考えてください。当店がお客様に「ちょっとネズミにかじられたんだけど送っていいですか?」とはいいませんよね。誰もそんなもの食べたくないんです。対価をいただく以上、相手が満足して初めてお金を貰えるという認識を一緒に共有しないと、精米所で色彩選別機を通るから大丈夫だろうという甘えが出ます。僕らの精米過程で何かが入ったのであれば僕らの当然責任ですけど、僕らは皆さんのところから来たお米に入っていた物を抜きまくって、抜けなかったら僕らの責任になるんです。それを分かってください。全く入らないのは無理だと思いますので僕らも努力します。今の消費者はきれいな白米が田んぼになっていると思っています。これが消費者の今の現実なんです。

いいお米より、クレームのないお米が欲しい米販店 
  米販店では100点、90点のお米は望んでいません。クレームの来ないお米を望んでいます。
  クレームが来ないお米を作るためには、実はカントリーが一番手手っ取り早い。何十人の生産者の米を混ぜると、なぜかニュートラルになる。JAさんでやってる高度調製は機械的に全部はじいて粒を揃えてしまうから、ある程度安定性があるものを低価格で出せる。これもひとつの方法なんです。
だから、それと同じレベルの米だったら、価格で負けて売れないということになってしまうんです。思いで勝てても、機械力で負けてしまったら売れないんです。だから、どういうお米を作るかとなったときに、他の新米が出てきてもお米を食べ続けてもらえる、あなたの新米が出るまで待ちましょうと言ってもらえるお米を作るしかないんです。     
    
・・・・以下、続きます。

~~~ 報告書の続きは下記をご参照ください ~~~


報告書の全文は下記をクリックするとダウンロードできます。
   お米全国集会 in庄内 開催報告書.doc(※ワードファイル)
   お米全国集会 in庄内 開催報告書.pdf(※PDFファイル)


報告書のイメージをざっくりとご覧になりたい場合は、以下の画像をご参照ください。(※画面をクリックすると大きい画像になります)

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