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【01 農産活動報告】
2009-08-13
果樹勉強会『小川塾in山梨』 開催記録
7月3日、山梨県塩山市において、ブドウの新短梢栽培を体系化した小川孝郎さん(グリーンファーム山梨)の果樹勉強会『小川塾in山梨』を開催しました。
小川さんは世の"常識"にとらわれず自らの経営にあった栽培体系を常に模索されています。
その小川さんから、メインのブドウをはじめスモモなど果樹全般の栽培管理のコツ、経営に役立つノウハウなどを縦横無尽にお話いただきました。
(※本文がかなり長いので、前半の途中まで掲載します。全文をお読みになりたい方は、最後に開催記録の全文が読めるファイルを添付しましたので、こちらをご参照ください)
【第1部:ポーの丘 甲州ブドウの圃場にて】
(小川さん)
事前に質問をいただきました。
(※質問内容:
『現在、デラウェアを栽培しています。巨峰について、毎年無核果の発生がひどく、特にこの数年は多くなりました。樹齢は25年くらいで樹勢はおちついているのですが、なかなか有核果を安定させることができません。剪定は中梢選定で180cmのトンネルの下に納まるようにしています。収穫は8月15日位から9月10日位です。解決できるような栽培面での方法や、あるいは着果の安定する別の品種等について、ぜひお聞きしたいと思います』 )
種有にこだわるのであれば、有核率が高く着色し易い巨峰系では“70168”という品種、巨峰以外の黒で、これから面白いと思う品種は“オリエンタルスター”だと思います。(※オリエンタルスター:果樹研究所が育成し登録した品種)
これは“シャインマスカット”と兄弟品種で黒紫色です。(※シャインマスカット:安芸津21号に白南を交雑育成された品種)
とにかくつくりやすい品種です。
ちょっと工夫すれば摘粒なしでつくれます。
ただし黒痘病に弱いので注意すること。
欧州系で完全に有核になります。
無核にもできますが有核でいくべき品種です。
出荷時期は8月末でしょうね。
(左の写真 左上のブドウが“シャインマスカット”、左下が“オリエンタルスター” )
基本的に種苗メーカーが出しているような冊子はあまり信用しないことです。
書いてあることをポイントとして、まずは1本だけ購入して作ってみることです。
自分の経営の中で取り入れることができるかどうかということが大切。
その視点をもつことです。
(※動画で新品種導入の視点の部分を視聴できます。下記をクリック!
自分の販売方法や栽培スタイルの中で、この品種は取り入れても面白いなという視点で見ること。
この品種は経営に取り入れてプラスになるなと判断したら、一気に接ぎ木をするというわけです。
この園を見ていただけるとわかるのですが、全部醸造用の甲州ブドウで、高接ぎになっています。
(※高接ぎ:台木の高い位置で穂木をつぐ接木の方法)
目の位置まで台木です。(※必ずフリーの台木を用いる)
したがって、この品種がダメになればここでズバッと切って、ここで接ぎ木をかけてやります。
根っこはそのままですから、来年から収穫できるので収入が落ちていくことはないですね。
専門家に言わせると、台木の影響が出て味がどうとか玉張りがどうとか言いますけど、言うだけの話。
かってに言いなさいよ、と言っておけばいいです。
商品として全く変わりませんし、粒を張らせたかったら、玉の張る品種を中間台にして接ぎ木すれば、玉が張ってきます。
早熟化をさせるのであれば、早生種に接ぐ。
デラに接げば半矮化しますので早熟化しますよね。
そういう視点でものをとらえます。
新しい品種を取り入れる場合、時期・作業性・品質・労力などから自分の経営に取り込むことが可能か判断することが大切です。
ちなみに私が品種を取り入れる視点は、『いかに省力化できるか』です。
だから私のブドウ作りのベースは、摘粒を一切しないということです。
摘粒をしないですむ品種はどれかな、という見方をしています。
もう一つは病気に対する抵抗性がどうなのかなという視点です。
商品が売れるかどうかということは、自分がどういう売り方をするかが重要です。
例えば、宅配で“藤稔”を売る場合、基準通りに28~30粒にして、大玉をそろえて売るか、あるいは、おおむね30~35粒でいいやという発想で、多少玉が小さくなっても味とボリュームを優先したいのか、それを最初から考えてやるということです。
ちゃんと手入れをしたものを最初からやってしまうと、それでずっと続けなければならなくなりますね。
ずっとその商品でおさなくてはいけないのに、自分の体力・能力・視力が落ちていくのだから、やっていけないでしょう。(※商品の品質が低下していく)年々、自分の能力がどのようになっていくのかも考えて、販売の仕方を考えていかないとダメです。
品種を選ぶときには世間に惑わされずにね。
今は“シャインマスカット”がブームでしょ。
“シャインマスカット”は確かにいいと思いますよ。
いいけれども自分の経営でどのように取り入れるかという発想でやらないとダメです。
みんながいいと言うから、それを作ってみたいという発想ではダメ。
自分の経営に入りそうだなと思ったら、一気に変えてしまうことです。
一気にです。
なぜかというと、昔は新品種がでると高価格が長く維持できたんですよ。
今は、新品種が出たらまもなく価格が落ちてきます。
次の新品種が出ても同じです。
一年に一回しかとれないものを、そんなことして追っかけたのでは経営が成り立ちません。
ですから、高接ぎで一気に更新すれば成園化が早く、一気に収穫できるじゃないですか。
人より先に成園になってしまうのですから。
形質的には多少違うかもしれないですけども、遺伝子的には変わらないわけですよ。
ですから、ぜひそのような視点を持つことが大事ですね。
(参加者)
山形の羽黒町、出羽三山があるところで米(※有機米)を主体にやっています。サクランボと枝豆(※ダダ茶豆)もつくっています。
サクランボは特栽です。
温暖化のせいかウルミがでて最近問題になっています。
ウルミの防止策と着色の促進的なことを一番聞きたいと思います。
(※ウルミ:果肉が過度に柔らかくなる症状 )
(小川さん)
今日のブドウの話、果物づくりの話をサクランボへ持っていってください。
今日の私の話はブドウだけでなく、果樹の生理をベースにした話をします。
今言われたことは解決できると思います。
一つ一つのことは言いませんが、(質問として)糖度を上げる方法だとか、鮮度維持の品質管理だとか、着色だとか書いてありますが、解決法は皆同じです。
(※質問内容:
『糖度をあげる方法、鮮度保持の方法と品質管理方法、着色の進め方、ショウジョウバエと灰星病の低減方法』 )
作り方次第で、良い方向にもっていけます。
果物づくり、ブドウもサクランボもすべての果物はメタボでつくるとダメです。
そこを解決していくことが、軟果だとか着色の問題とかの解決にもつながるかと思います。
今年からまったくの素人の嫁さんに、“藤稔”のある圃場をまかせています。
一週間くらい前に摘粒が終わったみたいです。
「お父さん、確認してくだい」と言われたんですけど、恐ろしいからまだ見ていないです。どんな形になっているかね。
楽しみでもあり、不安でもある気持ちです。
まったくの素人でもこのようにできますよ、と見ていただくことができるのかなと思います。
最初に、この栽培の仕方を見ていただきたいと思います。
約30年前から研究を始めたわけですが、ここの畑が25~26年ぐらいたちます。
これがその当時の原木です。
ここに33本植えましたけど、だんだんと淘汰をしていって、これだけ残りました。
そこの3本も弱毒のウイルスが入っているようですから、抜いていきます。
私は、もともと野菜の担当だったんです。
野菜の専門で、昨晩お話ししましたように山崎先生の2年間の研修も、レタスの水耕栽培で研究にいったわけです。(山梨県の普及所に)帰ってきましたら、若い職員が入ってきまして、どうしても野菜をやりたいと言いましたので、「じゃあ、いいよ、俺が果樹やるから」と言って、果樹に鞍替えをしたわけです。
その関係で、果樹の剪定講習とか摘果とかの講習にいったわけですが、そこで一番感じたのは毎年行っても全然変わらないことです。
やった木は変わっているんですけどね。
(※動画で新短梢栽培の説明その1を視聴できます。下記をクリック!
まわりが変わっていないということは農家が話をきいても、難しくてやれないんじゃないかなという発想をもったのが一つです。(野菜のように生理上からの作業の単純化がされていないのに気づく)
もう一つは、その後すぐに大分県の安心院(※あじむ)というところでブドウの全国大会がありまして、そこに行きましたら、安心院という地域は構造改善で山の上にブドウの大産地をつくっていました。
従来の岡山方式の短梢方式と山梨方式の長梢方式とが入り交じって作っていたわけです。
それをよく観察してみると、明らかに短梢の方がシステム化できるなと感じました。
だけど従来のやり方だと問題があるな、なんとか時代にあった新方式がないかな、ということで新短梢栽培を考えたわけです。
お手元に配りました『長梢剪定と短梢剪定の利点と欠点』ですが、むかし岡山県が出してあらゆる本に掲載されていた内容です。
なんで短梢にこんなに欠点が書いてあるんですかね。
この時、この欠点を全部消していけば短梢の方がはるかに優れた栽培になると思いました。
ではどのように消していったらよいのか、短所を長所にしていくにはどのようなシステム、栽培方法にしていったらよいのか、ということで一つ一つ確認していったわけです。
それで今の栽培体系をつくりあげました。
(配布資料: 長梢剪定と短梢剪定の利点と欠点 )
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長 梢 剪 定 |
短 梢 剪 定 | |
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利 点 |
①樹冠の拡大が速やかで早く結果期に達する ②樹勢に応じて剪定量が自由に加減できる ③棚面全体を均等に利用できる ④結果母枝と新梢の選択が自由にできる ⑤樹の若さが保ちうる ⑥収量が多い |
①結果部の上昇が少ないので樹形が乱れない ②新梢の勢力がそろうので果房の大きさも斉一で、調整、出荷が容易である ③結果枝の数が一定しているので結果過多に陥ることなく収量が安定し、樹勢の維持が容易である ④剪定や新梢の誘引が容易である |
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欠 点 |
①樹形が乱れやすい ②結果過多に陥りやすい ③負枝の発生と、これに伴う太枝の大きな切り口を生じやすく、腐敗、日焼けの原因となり樹齢を短くする ④若齢樹では樹冠拡大が速やかである反面、根群の発達と、地上部の剪定程度の均衡を失いやすい ⑤整枝・剪定の理解、修得がやや困難である |
①幼齢期から強剪定になりやすく、樹冠の拡大が遅れる ②樹勢に応じて剪定量が自由に加減できない ③側枝(小腕枝)の老化が防ぎにくく、一部枝梢が損傷した場合、長梢剪定のように自由に他から枝を回して空間を防ぐことは容易でない ④新梢の配置は容易であるが、誘引時または強風により新梢が折損しやすい ⑤発芽がやや遅れながら徒長的となり、着色成熟が遅れやすい ⑥果房が小型となり粒着が密で、品種によっては裂果の原因となり品質を低下する ⑦新梢を棚下部へ下垂させるため機械作業が不便となる |
簡単に短梢栽培の欠点を説明します。
『1.幼齢期から強剪定になりやすく、樹冠の拡大が遅れる』
これはですね、例えば、この枝はね、ここからあそこまで伸びています。一年でね。(※長く使う)
従来の剪定というのは、この半分か、2/3を切って落としてしまいます。
それはなぜかというと、頂部優勢性という法則がありまして、それが優先してしまって根元に(芽が)吹かないから、強く切って全部に芽をだしたいと。
(芽の)出ない恐れのある4倍体品種については、あるいは甲州のような品種については、芽傷だとかね、いろいろな催芽処理をして芽を出させようと一生懸命になっている。
僕の発想はまったく逆です。
せっかくこれだけの養分を出す力があるのだから、強く切るのではなくて長く使えば強剪定にならないのではないか、樹冠の回復も早くなるのではないか、と考えたわけです。
これも一年でこれだけになっているでしょ。(※4mほど伸びている)
その根拠、理由は植物の水分の上げ方は葉が出る前と葉が出てからでは、全然違うと言うことです。
この生理を理解していれば、この発想が浮かんでくるわけです。
根が出るまで植物・果物というのは、浸透圧で順次あがってきます。
春に幹に傷をつけて水がたれて、次にもう少し上の幹に傷をつけて水がたれるまでに3日ぐらいかかるわけです。(※台木の低い位置から徐々に上の部位に向かって水が上がっていくイメージ)
順次あがってきて、先端までいくわけです。
だから圧力がかかってきて芽が動き出す。
短く切れば早く圧がかかるから頂部優勢がさらに強くなってしまう。
遠くなればこの圧が均等にかかってくるから、芽が平均に吹くわけです。
葉っぱがでてからは、蒸散量が多くなるでしょ。
今日はたぶん蒸しますから、皆さん水を持っているかどうか知りませんけど、熱射病になるということはそういうことですね。
体から水が蒸散して水分不足になっていくわけです。
これはまったく同じです。
蒸散で水分が抜かれるから、抜かれる力で根から水分が引き上げられてくるわけです。
そういうことがわかれば、1番の問題は解決できたということです。
『2.樹勢に応じて剪定量が自由に加減できない』
これは樹勢を強くしすぎるから問題が起きるのであって、樹勢を弱くすれば問題は出ないじゃないですか。
最初の段階で強く切って芽を出させて樹勢を強くしてしまう強い新梢が多く、栄養生長型からの問題が起きるのであって、弱い生殖生長型管理をすればよいということで、これでもう解決できますね。
『3.側枝(小腕枝)の老化が防ぎにくく、一部枝梢が損傷した場合、長梢剪定のように自由に他から枝を回して空間を防ぐことは容易でない』
ここに芽がでていませんよね。
このような欠損がでた場合、従来はこの枝を、この結果枝をこう下げてきて、ここへ寝かせてね、そして防いでいたわけですよ。
私はそういう発想はしません。
こんなところは、ごくごく簡単な話です。
(※新梢が欠けた場合の措置のイメージ:結果枝の欠損部は側面、反対側の新梢で補う)
ここはどうですか、反対側の新梢をこっちへ誘引してあるじゃないですか。そうすればこちらの欠損を防げるでしょ。
ここの枝をこちらに下げると言うことは、バイパスが増えると言うことです。
バイパスが増えるということは、養分の転流がほかの枝と違うことになってしまうわけですね。
だから新梢が揃わなくなってしまいます。
そして作業が複雑になるでしょ。
そんなことをしなくても反対側から持ってくればいいわけでしょ。
そういう発想ですね。
そうすれば3番の問題は全然問題になりません。
『4.新梢の配置は容易であるが、誘引時または強風により新梢が折損しやすい』
これは一番最初の段階です。
岡山方式で線の下へ誘引したわけです。
これだとまさに4番の問題ですよね。
誘引するのに鋭角になるわけですから、自分の手がこうなるのは簡単だけど、こっちに誘引されると痛いですよね。(※手を後ろに回すことはできるけど、さらにねじられて上に回されると痛い)
だから折れてしまうじゃないですか。
それで特許を取りました。(※小川さんの冗談です。実際にはとっていません)
ここへ新しい線を引いたわけです。(※支線の下10~20cmに誘引線を設置)
ここに誘引すれば、新梢(結果枝)は斜めに誘引しているわけですから、この問題は全然起きません。
簡単に、はるかに簡単に、能率は上がりますね。
これは、特許に値すると思いますよ。
特許庁には出してありませんが・・。(笑)
『5.発芽がやや遅れながら徒長的となり、着色成熟が遅れやすい』
確かに4~5日ぐらい遅れますね。
その遅れる部分がどこかと言うと、骨格に近い主枝の下の部分です。
でも先端は遅れませんよ。先端はね。
この部分が確かに普通の部分より遅れますけど、逆にはここの糖度が収穫できる糖度になったら、すべて一気に収穫ができるということです。
もう一気に収穫できます。
作業性は、はるかにこれの方が高いですね。
(※動画で新短梢栽培の説明その2を視聴できます。下記をクリック
『6.果房が小型となり粒着が密で、品種によっては裂果の原因となり品質を低下する』
果房が小さくなるということは、マイナスでしょうか?
これはプラスなわけですよ。
特に4倍体ブドウでジベレリン処理をする場合には、絶対プラスですね。
成形が楽ですよ。
例えば、このブドウをジベレリン処理するとするならば、こういうふうにいちいちこれだけ取らなくてはいけないじゃないですか。(※大きい房を示して、支梗の切り下げを示す)
これが半分の大きさだったら、半分の労力ですむということでしょ。
だからはるかに省力的だということです。
今の時代は小さくコンパクトにそろえた方が品質も良いですし、パック詰めで出す場合にはパックの基準にあわせて作ればいいわけですよ。
長梢の、でっかい房をいちいちハサミでねらって落とすのは労力がかかります。目も疲れます。
だからむしろ短梢で果房が小さい方が、省力化ができるということにつながります。
裂果の問題は、葉の蒸散に関係があります。
蒸散量と大いに関係があります。
だから蒸散量が多いということは、それだけ水を引き込むと言うことですね。
成熟期にはいるどんな果物でもそうですが、成熟期に入る前に肥大するわけですよ。
その時に裂果を引き起こしますので、その時点で蒸散量が少ない状態、樹勢管理を仕上げておけば裂果はおきません。(※ベレーゾン期に新梢の伸びが少ない管理)
あとで“藤稔”の圃場へ行きますが、過去に裂果を起こしたことはありません。
『7.新梢を棚下部へ下垂させるため機械作業が不便となる』
機械作業がえらいというわけですね。
従来はこの位置から枝を下げて管理していたわけです。
それはなぜこの位置から枝を下げて管理していたかというと、一点は1房を仕上げるのに葉が20枚必要だという理論があるわけです。
その理論をいかすために、20枚の葉を確保するために、長く新梢を保持するということですね。
もう一点は樹勢を弱めるために枝を下に下げるということです。
樹勢は上にあがればあがるほど、強くなります。
栄養生長型になりますからね。
ですから枝を下げれば下げるほど樹勢は弱っていきますので、その2つの作業をするために下げていくわけです。
穴蔵へもぐるような格好で消毒したり管理をしていたわけです。
20枚の根拠は何かと考えたときに、例えば20枚あってもね、この枝がこのように下がっていれば太陽光線は・・。
初夏の太陽はどう動いていますか?
真上を動いているでしょ。
枝が下がっていると、下がっている部分は午前中に日があたるだけで、午後は日があたらない。
午後はこっちの半分があたるだけです。下の方は全然日があたりません。
植物の原点は光合成ですよね。
光合成でできたものを私たちがいただいているわけです。
光合成で何ができるかというと炭水化物です。
炭水化物からブドウ糖とかショ糖とか果糖とかに変わって、『おいしいね』となっていくわけです。
ブドウの炭水化物は約70%です。あとの20~30%が無機成分ですね。
ですから重要なのは土壌中の成分より、炭水化物をいかにため込むかが絶対に重要なんです。
なぜかというと、炭水化物をためこめばためこむほど、土壌中の根の活動もよくなるわけです。
養分を送り込みますから・・。それで根が動くわけです。
だから地上部の光線利用率をいかに高めるかということが最優先しなければいけないのです。
先のサクランボのウルミの問題もここにあります。
光合成をいかに高めるか。窒素と水は厳禁ですね。
商品価値の見栄えを良くするのなら、窒素と水が見栄えを大きく左右しますが、味で勝負するなら厳禁でしょうね。
だから、味と見栄えは相反する作り方です。
そのところを物によってね、あるいは品種によって、どう変えていくかだと思います。
あるいは売り方によって、売るシステムで味よりも見栄えが必要ならば見栄えを・・。
岡山県はまさに味より見栄えですよ。それは桃からブドウまですべてそうですね。
それはその地のやり方ですから、それで良いと思います。
その商品で有名になって成り立っているわけですからね。
自分の経営体の中でどっちを選んでいくか、作り方を変えて行かなくてはならない部分だと思います。
そのように考えていくと、7つの欠点はすべてクリアされたということです。
そうすると、7+4で、11も利点になるじゃないですか。
(※『長梢剪定と短梢剪定の利点と欠点』には、短梢の利点として4つの点があげられている)
こんな作り方はないですよ。
この棚を見てください。
支柱が少ないでしょ。
作業管理は縦横一直線でやりますが、除草作業とか消毒の作業とかは、乗用草刈り機やSS(スピードスプレイヤー)が自由に動けます。
だから従来の短梢栽培よりも、はるかに省力化できますね。
最初にやりだした頃、家内はですね、「こんなことは初めて・・、何を考えているだか・・」と。
一番の抵抗は、かみさんからでましたね。
かみさんは農作業をやったことがありませんでしたから、「世間と同じことをやってくれればいいな」と思っていたんだと思いますが、やりだしたら「はるかにこちらの方がいいね」ということになって、今日もワインの“ピノノワール”の傘かけにせっせと行っております。
いいワインをつくるためにね。ありがたいことだと思います。
そのような発想でこのような形を仕上げました。
ですから、養分転流をいかにおこすかということで、私の考え方では「もと葉」は10枚あればいいだろう、だから1mから1m20cmあれば十分だと、あとは副梢がでてくれば、それで1房ないし2房を確保する、500gから600gぐらいまでの品種によってはね、確保ができるでしょう。
500g以上をコンスタントに収穫するのであれば、このスパンを3mぐらいに広げてね、結果枝の長さをちょっと長くすればできます。
ですから自分がどのような商品をつくるかで、樹幹の位置を変えていく、光合成をいかにおおくできるようにするシステムを考えていけばよいわけです。
これは他の果物でも同じことです。
光合成をためこむという発想はどんなものでも同じだと思いますから、考え方をそのような視点へもっていってもらって応用していただければいいんじゃないかと思います。
ちなみにここは25年たちますが、肥料は入れていません。
ただ最初の3年は堆肥が入っています。2tぐらいですかね。
それ以降は、一切無肥料です。肥料は入っていません。
たまにほんのちょっと鶏糞をふる時がありますけどね。
木にはふりません。
草を見て、草の生育が遅れている部分がでてきます。
草を見て草に(鶏糞を)やります。
草生栽培というと、皆さんの頭の感覚、指導者の感覚というのは緑肥生産、緑肥補給ということをベースにしています。上を刈ってそれだけ補給するならばね。
私の発想は全く違います。
上じゃなくて、草の根っこをいかに生やしてやるかということです。
根っこにいかにたくさんの穴をあけてもらうか、土にね。
しかも深く穴をあけてもらう。
そうすればするほど、微生物群が増えるわけですから、10cmの有効土層が20cmになれば、極端に言うと2tとれていたものが4tとれるということになるでしょ。
だから土の力を引き出すためには草を積極的につくりなさいということです。
今日は草が刈ってありません。
本来ならばお客さんがくるわけだから、大概は刈ってあるよね。
きれいなところを見てもらいたくてね。
この梅雨の時期に絶対に刈らない理由があるんです。
草を刈ってはいけないわけです。
なぜかわかりますか?
・・・・ 続きは、『小川塾in山梨 開催記録』をクリックしてご参照ください。
(※A4で60ページの報告書です。ワードファイルで、8.3MBほどのサイズとなります。下記のリンクをクリックするとファイルがダウンロードされブラウザ上で全文を読むことができます)
2009年 『小川塾in山梨』 開催記録.doc
(Radix事務局:成田)
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