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【01 農産活動報告】
2009-06-05
福広塾 “春”編 開催報告【露地野菜編】
2009年5月29日(金)、三重県名張市のゆうき伊賀の里の福広さんと村山さんの圃場にて生産者勉強会『福広塾』を開催しました。
今回の勉強会のテーマは『堆肥の積極活用で経費削減と品質アップを目指そう』です。
今回の福広塾、北は北海道の狩野農園の狩野さん兄弟(※狩野さん兄は昨年度のRadix事務局研修生の第一期生です)、南は熊本のもっこす倶楽部さんも参加し、なんと合計59名の参加となりました。
(北海道から参加の狩野さん兄弟)
さらに、関東の生産者勉強会『めだかの学校』の講師の甘楽町有機農業研究会の新井さんや、秋の勉強会の講師をお願いする、あゆみの会の丸山さんも参加。
名人がそろいもそろったので、栽培技術の話でおおいに盛り上がりました。
さて、本報告では勉強会に参加したくても仕事の都合で参加できなかった方の参考になるように、できるだけ詳しくまとめてあります。
そのため、露地野菜編、とまと編、堆肥編、座学編、村山さん編の長編5部作になる予定です。
各編がまとまり次第、順次ブログにアップしていきますが、本文はかなり長くなるので、皆さん覚悟して読んでくださいね。
それでは、福広塾”春編” 【露地野菜編】 のはじまりです!
************ 【露地野菜編】 ***********
(福広さん)
現在の栽培面積は露地で約1町歩、ハウスで13アールです。
自宅近くで耕作放棄地がでれば、少しずつ借りています。
栽培面積のうち、自分の土地は2~3割ほどで、あとは借地です。
作業効率のため、なるべく遠くの圃場は借りないようにしています。
売り先はほとんど、らでぃっしゅぼーやさんです。
ゆうき伊賀の里のグループ生産者は4名で、栽培品目は30品目ほどです。
(福広さん)
この圃場ではズッキーニを育てています。
3~4年ほど耕作放棄されていた圃場で、最近新しく借りたところです。
(福広さん)
ズッキーニの隣では、オカノリを栽培しています。
らでぃっしゅぼーやの、「いと愛づらし野菜」として出荷しています。
一番早く播種したものが、もうじき出荷できます。
おひたしにするとノリのような風味がでてきます。
らでぃっしゅ会員さんの評価はどうですか?
(らでぃっしゅぼーや農産課の神保さん)
評判はいいですよ。
会員さんから美味しかったとの返事がきています。
(福広さん)
一回どりが一番やわらかくていいのですが、二回どりもできます。
収穫したら下から芽がふいてきます。
自分たちはは一回どりで出荷しています。
二回どりするとどうしても堅くなってしまうので・・。
オカノリの種は買っています。
ただ最近はなかなか入手しづらくなってきています。
種屋さんから種を探すのが大変だから、来年から家で種をとってくれといわれています。そのため、種をとらないといけなくなると思います。
二回どりのオカノリは軸も堅くなって品質も悪くなります。
そのため一回の収穫で終わった方がいいですね。
小松菜に比べて、オカノリの肥料の要求量が多いと思います。
窒素を控えめにすると葉が黄色になりやすいので、やや窒素を多めに入れて窒素を効かせるかたちで栽培した方がよいですね。
施肥量(成田注:福広さんは有機質肥料を入れずに基本は堆肥のみ施用。そのためこの場合の施肥量とは堆肥投入量のことを指しています)は時期によって違うのですが、自分の場合で通常の葉菜類の1.5~2倍ぐらいの量を目安にしています。
窒素換算で10アールあたり20~30kg近くになります。
夏の場合は10~15kgの窒素投入量となります。
(成田注:福広さんの場合、有機質肥料ではなく自作堆肥で施肥しているので、堆肥中に含まれる窒素量として計算されています)
この畑は肥料もちが良くない畑で、堆肥の投入年数も短く、それほど入っていないので、ほかより少し堆肥を多めに施用しています。
オカノリは3年ぐらい栽培しています。
最初は施肥量がわからなかったので、他の葉菜類と同じぐらいで施肥設計したところ、どうしても途中で窒素が切れてしまうので、標準施肥に対して5割増しぐらい入れるようにしているので追肥しなくてもいいようになっています。
(質問)
連作障害はでるんでしょうか?
(福広さん)
まだ三年ぐらいしかつくっていませんからね。
連作障害はでるんですかねぇ?
うちの場合、そのときに空いた圃場に種をまいていくので、連作になるのか輪作になるのかよく覚えていません。
圃場ごとに、ここは小松菜、ここはほうれん草とわけていないんです。
(質問)
CECはどれぐらいですか?
(福広さん)
低いところは10ぐらい、高いところで15ぐらい。
堆肥の入れている年数、砂地の強いところと弱いところがあったり、あとは堆肥を入れている年数でも変わりますよね。
いつも良くできるところは、昔ハウスだったところです。
ハウスには毎年数トン単位で堆肥をいれていました。
ハウスがつぶれて10年以上たちますが、いまでも同じ量の堆肥をいれても、ハウス跡の圃場のほうが作物のできがいいです。
やはり差はありますね。
もともとCECが高いのか、昔の堆肥が徐々に効いているのかわからないですが・・、なかなか差は縮まりませんね。
(質問)
pHはどれぐらいですか?
(福広さん)
6.0~6.5ぐらいの間におさまっています
以前、ハウスではもう少し高めの場合が多かったのですが、徐々に微調整をしてきました。
圃場の肥料成分で多いものを少なくするのは大変です。
少ない成分を上げるのは簡単です。
(質問)
リン酸の数値はどうですか?
(福広さん)
堆肥主体なのでリン酸は300mg/100gぐらいですね。
(質問)
無理矢理にリン酸の数値を下げるようなことは考えないのですか?
(福広さん)
以前やりましたよ。
300mg/100gを200に下げるのに2年から3年かかったけど、堆肥類はもう一切入れられない。
リン酸の入っていない堆肥ってないでしょ。
今のやり方で300以上にあがらないから、まあいいかと考えています。
リン酸の過剰障害ってあまりでないでしょう。
(福広さん)
エンサイは水が大好きなので畝はたてません。平畝です。
1週間ぐらい前に蒔いた部分は芽が出ていますが、こっちはまだ芽がでていません。7月10日ぐらいから収穫をはじめます。
暑くなるほど20日ぐらいで次の収穫が可能になります。
うまくやれば4~5回収穫できます。
給肥力が強いのか、無肥料でできます。
元肥も追肥もゼロです。
それで4回ぐらいとれます。
肥料代はかかりません。
病気はほぼでません。
雨の多いときの葉物としてよいですね。
梅雨明け後、定期的に灌水しないと大きくならないです。
(新井さん)
うちは育苗してから定植します。
平らなところにマルチをして、定植するところを播種機で押しておいてから、低いところに植えるんですよ。
降った雨がぜんぶそこに流れ込むようにするんです。
平らよりも低くして植えるんですね。
根腐れはしないです。
(質問)
6月中旬から10月頭ぐらいまでエンサイをとるんですけど、8月後半ぐらいから10月上旬まで芋虫がついてどうしようもなくなってしまうんですけど、ここではいつまで収穫できるですか?
(福広さん)
9月いっぱいぐらいまでかな。
気温が下がってきたら、もう大きくならなくなってしまいます。
あんまり遅くまでひっぱってしまうと、冬の葉物が入らなくなってしまうんですよ。エンサイは根が多いので収穫が終わってから2週間、できれば一ヶ月ほどおいてから次の小松菜やほうれん草を播種したいので、あまりひっぱると冬の作に影響がでてしまいます。
うちらの気候で冬作の小松菜で10月20日よりあとに蒔くと、間に合わないんですよ。ほうれん草だと10月10日ぐらいですかね。
その前に蒔く準備をすることを考えると、エンサイの収穫を9月20日から9月下旬までに終わらないといけない。
根がすごいのでしばらく根が腐るのを待たないといけないので、それ以上ひっぱらないようにしています。
(質問)
収穫の最後の方の虫はどうですか?
(福広さん)
ある程度はでますけど、あまり虫の多いところは捨てるし・・。
別に対処はなにもしていないです。
(福広さん)
ここではカボチャを栽培しています
品種はほっこり133といいます。
主枝をとめて側枝を2本から4本ぐらいだして、理想は10節以降に実を1個つけて、15節でピンチする作り方です。
作業日程によって忙しければ半放任で先だけ止めて、適当になったものだけとったりもします。
管理ができるときには、できるだけ管理をしています。
肥料は10アールあたり15kgの窒素が入っています。
(福広さん)
本葉2枚でピンチして、芽を出して15節ぐらいで止めて、またピンチして、10節ぐらいの先に雌花を1個つけていくと一番美味しいカボチャができます。
大きいカボチャがとれるのですが、手間がかかります。
株もとに咲いている雌花は全部とってしまいます。
カボチャは後半でうどん粉病がでますが、対策はなにもしないです。
カボチャはなるべく一番果のみ収穫しています。
二番果・三番果はだんだん味が落ちるでしょ。
だからなるべくまずいものをとらないように一番果だけに注力します。
(質問)
カボチャの蔓が伸びていますが、下には何もひかないのですか?
(福広さん)
下はひかなくて、カボチャの実に座布団(※発泡スチロール製)だけをひいてカボチャの下にくさびなどでとめます。
(質問)
カボチャは結構日焼けしたりするんですけど、大丈夫ですか?
(福広さん)
日焼けは少しあります。
少々の日焼けぐらいなら大丈夫ですよ。
(質問)
全面施肥してあるんですか?
(福広さん)
施肥は畝だけ。
後半の生育を見ながら、必要なら通路に追肥をいれていきます。
今はまだ様子見です。
(新井さん)
かぼちゃの場合、蔓から根がでるでしょう。
この根がすごく大事です。
一果取りなら問題ないんですけど、数とる人は全面施肥した方がよいと思います。
蔓からでる根がすごく大事なんです。
蔓から発生する根を切っちゃうと伸びは悪いですね。
後から蔓肥やっても大丈夫です。
(福広さん)
カボチャの葉の大きさで追肥の様子を見ています。
昨年が少し小さかったので今年は肥料を多めにしてあります。
(福広さん)
ここは露地の小松菜です
小松菜は播種したらすぐにネットをかけて収穫までそのままにしています。
葉がネットにあたったら葉折れを防止するためにネットの片側をあけるようにしています。
品種は収穫が早いのから「わかみ」、つぎが「きよすみ」、年間に4~5品種ぐらいをまわしています。
ネットは08です。
こちらが古い方のネットで、むこうが新しいネットです。
さんさんネットで同じメーカーですけど、糸が太いのと細いのと両方あります。古くなるほど、目ずれします。そのため、古いネットには虫が入りやすくなるのと、新しいネットの方が虫の入りが少なくなります。
春先までこちらの古いネットをつかいますが、夏は新しいネットだけ使います。夏は回転が速いので、あまりネットは使いません。
今で40日ぐらい、これから蒔くのは収穫まで一ヶ月ぐらいです。
(質問)
収量は何束ぐらいですか?
(福広さん)
ばらつきがあるんですが、この一畝で45mぐらいあるんですけど、良いときで1000束、ちょっと悪くなると600~700束ぐらい。
夏場とかでも600~700束ぐらい、夏場はどうしても肉が薄くなりますから・・。
冬とか春先などじっくりと生育したときなどで1000束。
1m70cm幅でトラクターで畝たてしているので、1m60cm少しの幅で15列ぐらいはいります。10アールあたり10000束ぐらいですかね。
(質問)
播種の間隔(サイクル)はどれぐらいですか
(福広さん)
今の時期は5日に一回ですね。
今は一週間に二畝づつ収穫しています。
だんだん気温が高くなってきて間隔が縮まってきています。
収穫が終わった後は、草をとって耕しておいて次の作までおいておきます。
(質問)
夏場はこのネットで蒸れたりはしないんですか?
(福広さん)
夏場は雨が多くない限り蒸れたりはしないです。
今年は7月の作型を組んであるんですが、今は6列なんですけども、今蒔いているのは5列にして少し減らしています。
高温では蒸れないんですけど、高温で雨が続くととろけがでやすくなってきます。
(質問)
夏場と春とでは窒素の投入の違いは
(福広さん)
夏場は10kgぐらいですね。
堆肥換算ですから施肥設計は難しいんですけど、堆肥の窒素の利用率を50%と考えると5kgになるし、冬場だと40~50kgぐらいはいります。
普通で標準施用の3倍ぐらいで計算するんですけど、肥えた畑は4倍~5倍ぐらいの差をつけます。
夏場はゼロにする場合もあります。
それでもできます。
(新井さん)
生育はいいですね。
ただネットに葉がついてしまうと害虫が外から卵を産んでしまうので、内側に葉がつかない大きなトンネルにした方がベストかな。
(福広さん)
小さいときはネットにあたらないように播種の際にあまり端にならないように気をつけています。
収穫が近づいてくると外から必ず害虫がかじりますから、初期の害虫でやられた程度で収穫ができるようにしています。
(新井さん)
成虫が蛾とか蝶になる害虫は外から卵を産むので、ネットの内側に葉がついてしまうと外から卵を産んでしまいます。
ベストの状態はもう少し大きなトンネルの方がよいのかなと思います。
(福広さん)
もちろん、べたがけするとダメですよ。
(質問)
強い風ですれたりはしないですか?
(福広さん)
よほど強い風以外は大丈夫です。
寒い時はだめですよ。
氷点下になって風が吹くときはネットをはずしておかないと、こすれて変わってしまいます。
(福広さん)
小松菜の畝の高さは梅雨に向かって高くしています。
雨の少ない時期ほど畝の高さは低くしています。
また水はけの良い畑ほど低めで、水はけの悪い畑ほど高くしています。
微調整はそんな感じでしています。
(質問)
プラソイラーはかけてあるんですか?
(福広さん)
プラソイラーはかけてあります。
ちょうどプラソイラーを買って一年ぐらいになります。
畑によって2回から3回はかけていますね。
効果は、ある程度ありますが、すごくあるとまでは言えないかな。
大量に雨が降った後で通路にたまった水の抜ける時間を見ているんですけど、プラソイラーをかける前は雨が続くと二日ぐらい残るんですよ。
プラソイラーをかけた直後だと数時間で消えるんですね。
しかしその雨が2回3回と続いて降ると、半日、一日と雨水が抜けるまでの時間が長くなってきます。
だんだんと土がつまってくるんです。
もちろんプラソイラーをかけない圃場と比べると、水がぬけるのに時間はかかりません。
(質問)
プラソイラーをかける間隔はどれぐらいですか?
(福広さん)
この畝に対して一カ所、二列ですね。
(新井さん)
90cm間隔でかけてあるだけで、その間にはかけていないということですね。
(福広さん)
何回もプラソイラーをかけていれば、そのうちに少しずつ良くなるかなと考えています。
(新井さん)
プラソイラーの一番下に羽のようなものがついているんですが、あの羽が大事なんです。
硬盤の下にあの羽が入ることで浸みた雨が横に抜けるんです。
だから90cmだとあまり意味がない。間にもう一カ所かけないと・・。
(福広さん)
プラソイラーをかけるにもアタッチメントを交換しないといけないし、畑も全部空いていっぺんにできればいいんですけど、空いたところから順次やるので、なかなか丁寧にやれないところもあります。
プラソイラーをかけない時と比べてかけた方が作るのが楽になりました。
過湿の害が減ったような感じもします。
(質問)
堆肥施用の加減はどうやっているんですか?
(福広さん)
機械で堆肥をふりますから、必ずしも均等というわけにはいきません。
土壌に過湿などの害がない場合、大きさがほとんど揃っている時には窒素が適正から過剰の範囲だと見ています。
少し生育に波が見える場合には、適正からやや窒素が少ないと見ています。
大きく波うって、ところどころで生育が止まるとか黄色になる場合は窒素欠乏というわけです。
理想は生育でほとんど波をうたない程度で、収穫近くで外葉か本葉で一枚二枚黄色くなる程度でそろっていれば窒素量として適量かなと見ています。
(※窒素が不足すると外葉から黄色くなってきます)
畑による違いと播種時期による違いによって、堆肥の入れる量が変わりますから、そのへんは過去のデータを見ながら調整します。
この畑でこの時期に播種して、堆肥をどれだけ入れた時にうまくいったという記録をもとに調整しています。
畑が違うと同じ小松菜でも堆肥を入れる量を変えることもあります。
畑の癖、違いがありますので、同じ量を入れて出来を見ながら次の作の施肥設計の参考にします。
このように収穫が近づいてきて、あまりばらつきがなければちょうどいいかなという感じで見ています。
(質問)
他の産地の話ですけど、関東から北海道に持っていくと葉物がよくとろけたりするんですけど・・。
長距離輸送すると黄変が多いんですけど、この時期に福広さんが一番気をつけていることは何でしょうか
(福広さん)
今の時期の黄変対策は・・。
今の収穫は夕方どりで朝どりはしないようにしています。
朝どりと夕どりとで日持ちを調べたデータがあって、夕方どりの方が鮮度の落ちが遅いという結果がでていますので、冬とかの特別な条件がない限り、基本的に夕方収穫をして冷蔵庫で予冷し、その日に出荷する分を朝に袋詰めしています。
朝どりの場合は、どうしても露でぬれていますので、水分が多いとどうしても痛みが早いので、夕方の乾いているときに軽く水をうって冷蔵庫に入れて、しおれ防止ぐらいの感じで・・。
温度管理はずっと5度ぐらい。
今だと朝の8時、9時になると葉の温度は20度を超えてきますから、それで袋詰めをすると冷えないんですよ。
うちらでも、以前に出荷の段ボールの中の温度、箱詰めしてから温度が下がるスピードをはかったことがあるんですけど、1箱に小松菜25束はいるんですけど、温度は1時間に1度しか下がりませんでした。
20度で袋詰めした場合、5度まで下がるのに15時間かかることになります。
いかに低い温度帯で袋詰めして早く予冷するかです。
夏場だと30度ぐらいになってきますから、それで痛む率も高いのかな。
あと輸送時のトラックの問題もあるかとおもいますが、農家の方ではいかに低い温度帯で束ねて箱に入れて、その温度を維持できるかにかかってくるかと思います。
(質問)
収穫した後で袋詰めをする人がいるんですけども、袋に入れないで裸のまま冷蔵庫に入れて、冷えてから袋詰めをするわけですね
(福広さん)
そうです。
特に気温の高い時にはそうですね。
ちょっと数が足りない時には、収穫して時間があれば予冷してから束ねるようにしています。今の時期はそんなに問題ないです。
天気続きの時の小松菜の場合、少々気温が高くてもまず黄変はしないです。雨が続いた後とか、天候が悪い時の小松菜はどうしても黄変は早いです。
そのときは特に気をつけます。
昨日のように雨が降って、二日三日曇天が続くようでしたら少し気をつけるようにします。
天気が三日も四日も続いている時には少々高温でも問題ないと思います。
そのへんの見極めというか、天候によって気をつける場合と気をつける場合とわけています。
(新井さん)
この時期、収穫時の葉の温度は20度を超えています。
うちの場合は前の日に遮光ネットをかけてしまいます。
遮光ネットをかけて収穫日に温度があがらないようにしています。
50%の遮光率のネットです。
遮光ネットをかけることで葉の温度も10度台に落ちます。
収穫するときに20度のものを袋に入れてもさきほどの福広さんの話のように温度は下がりにくいです。
(福広さん)
袋にいれずにコンテナで冷蔵すると冷えるのは早いです。
袋に入れると冷えは遅くなります。
(新井さん)
前の日に遮光ネットをかけて、収穫は朝も日中も夕方も収穫します。
ハウスの葉物の場合収穫前日にカーテンのところに遮光ネットを全面にかけてしまいます。
それだけで全然ちがいます。
(質問)
朝どりと夕どりの違い、どちらが糖度があがるのですか?
(新井さん)
トマトの場合ははっきりしています。
朝どりと夕どりと比べた場合には、夕どりの方が糖度があがります。
(質問)
播種機はどのようなものを使っていますか?
(福広さん)
うちは「ごんべえ」を使っています。
ベルトの種類はたくさんもっていますが、今日の資料に詳しく書いてあります。
小松菜では、品種が変わると種の大きさがかわりますし、同じ品種でも年によって、やや大きめとか小さめとかありますので、その時に種を確認しながらだいたい自分の理想とする種の落ちる間隔にあわせてベルトを調整します。
そのため何種類もベルトをもっています。
(質問)
間引きはほとんどしないのですか?
(福広さん)
種をまいたらすぐにトンネルをかけるので、間引きはできません。
ごんべえは今三台目ですが、ハウスの場合、土が乾くとごんべえが滑るんですよ。そのため前輪の径が大きいタイプを去年買いました。
露地でも土ぼこりがたつほど乾燥している時には、前輪の大きいごんべえを使用するとすべらないので、それを使用しています。
(質問)
圃場の苦土の量は適量ですか?
(福広さん)
だいたい50(mg/100g)ぐらいで、多いときで75ぐらいです。
冬場にどうしても堆肥を多く散布するので、春先になると75ぐらいになることが多いのですが、これから測定すると50とか低いときには25になったりもします。
これぐらいの幅があります。
あまり低くでると堆肥に混ぜる苦土の量を増やし、高くでると苦土の量を減らします。
2年ぐらいのスパンで調整しています。
(質問)
鉄とかマンガンとはかどうですか?
(福広さん)
露地での調整は諦めて、トマトだけ重点的にみています。
pHとの関係が大きいです。
硫酸マンガンと硫酸鉄を活用しています。
昨年から集中的に測定し始めたのですが、pHが5.5以下になると鉄もマンガンもかなりでてきます。
pHが6ぐらいにあがると24時間で100(ppm)でていた数字が10ぐらいまで下がります。下がるから大量に入れた方がよいのか、入れたから下がっても入れなくてもいいのか、悩むところです。
データは公表できるほど蓄積できていないのですが、酸性雨が降ったときには灌水の原水はpH5~5.5ぐらいになります。
そのときには、微量要素の数値が上がってくるんですよ。
pHが6ぐらいだと逆に増えないんですね。
クエン酸は有機栽培では使用できないので、アケビの酵母菌培養液を活用しています。
酵母培養液の原液はpH3~4ぐらいになりますが、1000~2000倍液にするとpH5.5ぐらいになります。
そこに鉄とマンガンを混ぜて灌水すると、2~3日はなんとか分析でも数値が上がっています。
土のpHがあがってくるとだめですが、灌水した下の土だけは鉄とマンガンの数値が上がってきます。
丸山さん、分析したデータではいかがですか?
(丸山さん)
鉄とマンガンはでないですね。
入れれば効果はあるようなので、特に鉄は効果があるようです。
どれだけ吸収しているのか、どれだけ流亡しているのか、あるいは吸い過ぎているのかはわからないので、皆さんの経験を参考にしながらやっていきたいと考えています。
(福広さん)
適正量は?
(丸山さん)
元肥では硫酸鉄で10アールあたり12kgとか20kgとかいれています。
だいたい作が終わる時期になるとない状態が多いです。
最近は少し3~4ppmとか上がってはきているので、吸着している部分もあるのかなと思っています。
(福広さん)
今年はトマトで10アールあたり硫酸鉄で元肥で20kg入れています。
追肥で3000~5000倍溶液を定期的に分析で下がってきたら入れるようにしています。
そうするとトータルで10アールあたり30~40kgぐらい入っていると思います。
入れすぎて過剰障害がでないだろうかとの心配も少しあります。
(丸山さん)
今自分たちのところでは過剰障害は特にみられません。
(福広さん)
マンガンは堆肥の中に多く含まれているのか、堆肥を分析するとマンガンがかなりでます。
定植初期は鉄とマンガン、施肥後は鉄のみでいこうと思っているところです。
(質問)
丸山さん、この小松菜はミネラルをちょうどいい具合にすっている感じですか?
(丸山さん)
まめ葉が枯れている状態なので、苦土がうまく吸えていないのかなとも感じます。直根が弱いので鉄が少なくなっているのかなとも。
ちょっとわからないです。
(福広さん)
以前、堆肥にもFTEを入れていたんです。
FTEを10アール換算で4~5kg、年間で2.5~3町歩量ということで年間80kgのFTEを入れていました。
それで足りるかなと思っていましたが、最近クエスチョンマークがついて単体に変えているんですね。
そこで現在はFTEの3倍量の単体を堆肥に入れています。
鉄も3倍、マンガンも3倍、硼素が同じぐらいか少し多いぐらい。
硼素も単体で入れています。
資料中に堆肥中の微量要素含有量というのが入っていると思うんですが、畜糞堆肥とか入れる場合、微量要素で不足する場合、鉄・マンガン・硼素なんです。堆肥中に亜鉛・銅は十分入っているから必要ないと考えてFTEやめたんです。
鉄・マンガンがもう少し効いた方がよいかなと考えて、FTEのかわりに単体の微量要素をいれています。
FTEを大量に入れると今度は硼素が大量に入るし、銅も亜鉛もいらない。
単価的にも少し安くなるので変えたんです。
変えたばかりなのでまだ十分なデータは集まっていません。
まだ変えて一年目です。
(質問)
リン酸はいくつぐらいですか?
(福広さん)
リン酸は300mg/100gぐらいです。
堆肥中心にやるとリン酸を下げるのは不可能なんですよ。
300で問題なければ今の堆肥を入れ続けようと思っています。
300でもこんな感じで特に問題になっていません。
リン酸過剰の障害がどんなんかはよくわかりません。
もちろん堆肥原料の段階でリン酸が少ないものを探してはいます。
しかし、ほとんどゼロにちかい堆肥の原料は調達は無理でしょう。
なるべく多いものはいれないようにしています。
窒素源を確保するために半分は畜糞で半分はおからを入れています。
最近、おからが手に入らなくなってきて少し悩んでいます。
(質問)
新井さんのところでリン酸過剰とかはでていますか?
(新井さん)
自分の勉強会でも話をしたんですけど、リン酸を吸収する根というのは表面にある根なんですよ。
深い根というのは吸収しずらいので、リン酸の施肥というのは表面にいれるのがこつなんですね。
肥料を入れて深く起こせばよいというものではなくて、表面の根がリン酸を吸収するんです。
根もの、にんじんなどでは肩ぐされといって、リン酸過剰によって表面の部分が腐ってくるんですよ。
それで堅いにんじんになってしまいます。大根もそうだよね。
(福広さん)
鉄もマンガンも単体でふるとすぐに植物にすえない形に変わってしまうので、なるべく堆肥に混ぜてキレート状にするんです。
そうすると長く効く状態が維持できると考えています。
********************************
以上で、福広塾の【露地野菜編】は終了です。
次回は、とまと編です。
Radix事務局:成田
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読みました。
今回も行けませんでした!残念
とても参考になります。