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2009-03-23

グリーンファーム山梨 訪問記

3月20日(金)、ブドウの新短梢栽培を実践されているグリーンファーム山梨の小川さんを訪問し、今年の勉強会の打ち合わせと、小川さんのブドウ園を見学してきました。
(グリーンファーム山梨さんのHPはこちら ↓
グリーンファーム山梨のホームページへようこそ


************ お知らせ **************
訪問記に入る前に、まずは勉強会のお知らせです。
今年の果樹勉強会は、山梨県甲州市にて7月3日(金)開催します!
講師は今回訪問したグリーンファーム山梨小川孝郎さんです。
ブドウ・プルーン・スモモの栽培技術や経営に役立つヒントなど、総合的な視点から話をしていただく予定です。もちろん圃場見学とセットです。
当日は午前中に圃場視察をして、お昼をはさんで午後3時ぐらいまで座学を
おこないます。
詳細はあらためてご案内いたしますので、まずはお知らせまで。
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さて、ここからが訪問記です。
小川さんのブドウ園は川沿いの圃場と山側の傾斜地圃場にわかれています。
まずはご自宅から離れている川沿いの圃場から。
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右が小川さん、左はらでぃっしゅぼーや農産課の武居さん

上記の圃場は塩山駅より車で30分程のベリーA圃場。
20年ほど前に荒廃農地だったところを借り受けて、新短梢栽培でブドウを栽培されています。
(ちなみに例年だと園地にライ麦などがまかれているのですが、今年は時間がなくて播種できなかったそうです)

 
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新短梢栽培の特徴を説明している小川さん

小川さんが考案された新短梢栽培のキモは「投資を少なくして、品質の良いブドウ作り」にあります。
管理作業が合理的で非常にわかりやすく、素人の方でも一度作業内容を教えると、あまり手がかからないやり方です。
プロでなくても作業をまかせることができる、農家が高齢化しても作業が楽ちんという栽培方法は、ご夫婦で約2町の果樹園をまわしている小川さんならではの発想です。

新短梢栽培を詳しく知りたい方は、農文協より小川さんの本がでています。
草生栽培で生かすブドウの早仕立て新短梢栽培」(※Amazonへのリンク)
(以下はAmazonの「BOOKデータベース」より書籍概要を引用)
『現在のブドウ産地は、高齢化・兼業化や品種ニーズの変化、輸入自由化、農薬や化学肥料の多用による環境問題など、新たな課題に直面している。熟練の専業農家に加え、高齢者や女性、さらに新規就農者の高品質果実の安定多収への要望に応えるとともに安全で環境にやさしい、新しいブドウ栽培技術の開発と振興が早急に求められている。果樹担当の普及員であった著者は、一九八〇年ころから本格的にこうした課題に応える技術の開発を目標に検討を重ねてきた。そうして組み立てたのが、本書で紹介する「新短梢栽培」である』…
ちなみに来年は小川さんの新刊「スモモ」についての本がでる予定です。



驚くことに、この川沿いの圃場には約20年間、土壌改良材や肥料らしい肥料は入れていないとのこと。
そして草生栽培だけで約1.8t/反の収量を得ているそうです。
ブドウの剪定枝は有機物としてかえしていますが、上記収量なら、ベッチなどの緑肥や、降雨由来による窒素成分だけで十分とのことです。
(ただし、より多くの収量をとるような品目では無肥料栽培は困難とも)
表土付近に肥料成分が蓄積することがないので、根圏が広がり吸肥力が高まっているのかなとふと想像してしまいます。

もちろん小川さんは作業効率だけでなく、「美味しさ」を追求するために、太陽エネルギーを目一杯活用することも新短梢栽培に組み込んでいます。
ブドウの枝を規則正しく格子状に仕立てることで、葉面積が無駄なく十二分に確保できるというわけです。


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参考までに、新短梢栽培の園(写真左)と通常の園(写真右)との違いです。
ブドウの樹の伸ばし方が全然違いますよね。
新短梢栽培では枝は直線・直角で管理されています。
一方、通常の園ではうねうねとしています。
剪定作業をする場合、先に述べたように新短梢栽培ではある程度規格化されていますが、通常の園だと切る枝と残す枝とを常に考えながら剪定しなくてはなりません。
そのため剪定にはある程度熟練が必要になってくるというわけです。

剪定以外の作業効率も違います。
通常の園だと、散布対象となる枝が圃場内に広がっているためにSS(スピードスプレイヤー)で圃場全体に農薬散布しなければなりませんが、小川さんの新短梢栽培では、直線に伸びている枝に沿って動噴で散布すればOK!
これで1回あたりの農薬使用量(※硫黄合剤)が通常の1/3になります。
さらに、1反あたり1時間あれば散布が終わるので、作業時間も削減!
作業的にも経営的にも、そして環境にも優しい一石三鳥の方法といえるでしょう。


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副梢や2年枝以降の短梢部の剪定について説明する小川さん

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スモモの花

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スモモの受粉作業



スモモの受粉作業の様子を動画にしました。
写真の真ん中のボタンを押すと動画がスタートします。
あらかじめ元気な花粉を準備しておき、このような天気の良い日にクジャクの羽を使って受粉させます。
ちなみにこのスモモはプルーンの樹に接いだもの。


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新短梢栽培発祥の地で説明をうけている様子
右の写真は、若くて元気な枝を伸ばしながら老化したブドウの枝を切り戻すことで収量を落とさずに更新する方法を説明しているところ。写真の切り口は老化した枝を切った跡。そこから左に伸びているのが次世代の枝。

上記の圃場で数多くのブドウ品種で試行錯誤しながら、小川さんが満足できる新短梢栽培が生まれました。
現在、この圃場では4品種のブドウが栽培されています。
(この圃場も草生栽培で、無肥料。ただし若木の間は樹の周辺に少量の鶏糞を投入しています。
土壌改良材も含め圃場への持ち込みは非常に少ないそうです)

 

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圃場からの眺め。南アルプスが一望できます。


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甲州ブドウが栽培されている「ポーの丘」からの景色
塩山市内・勝沼の町並みが一望できます。
(視野の中に電柱・電線がないことも小川さんの自慢のひとつ)


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ポーの丘に立つ小川さん
その先には雪景色の富士山がくっきりと見えます。


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小川さんの甲州ブドウ圃場

ポーの丘には約1町の圃場があります。
ここでは主にワイン用の甲州ブドウが栽培されています。
(小川さんのブドウは地元の酒造メーカー「旭洋酒」さんでワインになります。
ちなみに小川さんのブドウを使ったワインが2008年北海道洞爺湖サミット
の総理夫
人主催の夕食会で提供されました)

小川さんはハードにはお金をかけない主義なので、この圃場も自らバックホーで圃場整備。
圃場整備をしたことで圃場内にSSも入ることができるようになり、作業性も格段にアップしたそうです。


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圃場の畦に植えられている植物たち

小川さん、今でも恩師の言葉を実行しているそうです。
その言葉とは、
一つのことをやるのに、最低3つの利点がなければやるな!

ブドウの新短梢栽培はもちろんのこと、たとえば圃場の畦などにスイセンや彼岸花などが植えられているのですが、「何故?」の質問に対して以下の3つの答えをいただきました。

1.モグラよけ
2.雑草抑制
3.圃場の畦崩れ防止
(さらに付け加えると、花は観賞にもなり心が和む効用も)

車で移動するときにも、河原の雑草や街路樹などの変化を気にしつつ、少しの変化に対して、何故かな?なにかに使えないかな?などと自問していいるそうです。


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花粉樹が花開いているところ。これから花摘み・花粉作りがはじまります。
詳しくは、グリーンファーム山梨さんの
人工交配作業の順序と内容 を参照。

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ネクタリンが接ぎ木されている様子。(台木はモモ)
早だしできるネクタリン栽培への挑戦!


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イノシシが圃場をほじくり返してご覧の様子に・・。
上記のネクタリンの幼木は獣にも負けず生き残れるか!?

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
猪ニモ猿ニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
・・・・・
サウイフネクタリンニ
ワタシハナリタイ

ネクタリンくんの運命や如何に・・。
乞う、ご期待。

(担当:成田)

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