農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2009-02-27

小祝塾 沖縄冬野菜in宮古島 開催報告(二日目)



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【2】 沖縄 宮古島

開催日時 2009年2月18日(水) 9時00分~ 15時 00分

集合場所 平良港マリンターミナル4F小研修室

内 容 冬場野菜について (講義後、圃場巡回)

参加者 21名

 

■宮古島編
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小祝塾の2日目は宮古島。
夏の勉強会でも訪れているんですが、見知った人たちと前回みた圃場を確認できるというのはなにかちょっと楽しさがありますね。
小祝塾講座編については、石垣島と被るため割愛し、追加された話を加えておきます。

● 微量要素の働き
・苦土:欠病すると人間だとバイタリティが無くなりうつ状態になる。
・マンガン:カルシウムで骨を作るが、マンガンによって強化してる
・銅:人間だと血管に柔軟性をもたせる。
欠乏した場合は動脈硬化になったり、血管が切れてしまう。

● 酢の効果(酢酸)
光合成では炭水化物が作成され、その分子の説明から勉強会が始まります。炭水化物を作り、その分子の8倍で野菜を甘くするブドウ糖になるという話です。ほかに、散布や即効追肥や補助効果のあるものとして酢の利用方法が数多くされています。基本的に酢は酢酸です。

その分子式は、「炭素2個、水素4個、酸素2」です。講義にでてきた分子式も並べてみます。

「炭素1個、水素2個、酸素1」=炭水化物
「炭素2個、水素4個、酸素2」=酢酸
「炭素6個、水素8個、酸素7」=クエン酸
「炭素8個、水素16個、酸素8」=ブドウ糖

炭水化物が1番小さな分子で、酢酸はその2倍。甘くなるブドウ糖は8倍とかなり大きな分子です。クエン酸は酢酸より価格的に安いですが、注意点が二つ。見ての通り分子が大きく土壌分解が酢酸よりも遅いこと。工業製品なので有機栽培としては難しいこと。
ちなみに、アミノ酸液肥は、アミノ酸です。石垣島で紹介してもらったのは魚が素材で、たんぱく質40%窒素6%。ゼラチン質なので、残留時間が長いので葉面散布すると茎に長くアミノ酸が残ってしまうわけですね。小祝さんが大丈夫といったグリシンは、「炭素2個、水素5個、酸素2」という分子で構成されてるようです。

微量要素の追肥は土壌施肥がいいのですが、速効性の効果で間に合わせたい時などは液状化するために酢酸で苦土や鉄やマンガンなど溶かして配水チューブに流し込むという事もできるそうです。
ただし、微量要素は一緒に混ぜると酸化して沈殿するなど問題も発生するので、できるだけ一種を酢酸で溶かして流し込むほうがいいようです。

※これはいいテクニックと思って考えてましたが、微量要素を酢酸の化学変化で液体化するのは有機栽培としてどうなのかという疑問を感じてしまうし、ちょっと使おうと思っていた肥料は元々元肥用で混合微量要素なので、そもそも溶けなかったり酸化沈殿して詰まったりと、ろくなことになりそうもないのでちょっと考え直してみようと思います。

●光合成で作るはずの炭水化物を施肥する方法
肥料はN8-P5-K3と表記されています。
これは窒素8%、リン5%、カリ3%です。合計16%で、100%の肥料袋の中には84%が何か別のものです。この殆どは炭水化物で、CHO84-N8-P5-K3となります。「ミネラル>窒素」を守るのであれば、窒素の低い肥料ほど炭水化物を利用できるし、ミネラル優先も計算しやすくなります。

※窒素が成長のために必要だと考えていたけど、炭水化物のほうが有効利用できるというのは、実際に自分で施肥計算するときちょっと怖いですね。実験して確かめてみたいところ。


● 光合成と生産性
生産量=光合成効率100% x 日照率30%
何度か小祝さんがされた話の中でこんな計算式がありました。
実際にはいろいろな要素があって大きなものには根からの栄養吸収など幅広い誤差が生まれるので実際に自分で試すしかありませんが、仮に植物の葉数や受光率がわるく光合成効率60%、天候が曇り空か雨天ばかりで日光は半分程度でハウスのビニールも汚れていて4割カットで日照率30%だった場合は60x30=180%。もし両方100%だったら100x100=1000%の収量だったと考えると、光合成関係部分の要素だけとしても損失感が結構あります。

(無駄話)
有機栽培してる生産者は、肥料に何を使うか。良い資材はないものか。いろいろ探してると思います。ところで、農文協さんから出版されている「肥料便覧」というものは活用されてるでしょうか?
写真も無い文章のみのデータ集ですが、肥料の各要素の含有率が記載されてます。価格が4500円と一般的な書籍よりは高価ですけど。例えばこれで肥料成分を見た後にJASの認証団体に照らし合わせて使用していくのも良さそうだなと思うのですが。

 

■圃場巡回

●池間さん(ゴーヤ)
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最初に池間さんの圃場を巡回。美味しそうなゴーヤでしたが、葉がたくさんありましたが葉が少々薄いようでした。(ゴーヤの標準がわからないですが)
小祝さんによると、マンガンが不足気味で上の葉が斑になってるので注意して欲しいそうです。追肥としては反1kgを週に一度していくことで、きちんとゴーヤが取れるようです。追肥成分は、苦土、鉄、マンガンに補助で。肥効にはをうまく利用すると良いようです。


土壌を踏んでみるととても軟らかく、団粒構造がしっかり出来てるようでした。
と思って生産者に聞いてみると…「宮古の土は握っても崩れてくる土質で団粒構造も作りやすいんだよ」とのこと。なんて羨ましい。
施肥効果がすぐに来るので、葉の観察をしつつしっかり土壌分析してうっかり肥効が切れないよう気をつけて欲しいと小祝さんのアドバイスでした。
あと、
ゴーヤの曲がりはミネラル不足が多いのでこれも作物からサインとのこと。
ゴーヤは体作りがちょうど終わったところで、元肥も切れたところ。マンガン不足はそのサインなので追肥をしっかりすることで収穫量もしっかり取れるようになります(硫酸銅も300グラムほど必要)
また、効果を早くするには酢に溶かすと早い。

宮古島では、光合成のできない天候不順も多いそうですが、もろみ酢などが原料が多いそうなので、天候の悪いときにきちんと薄めて散布することで充分な収量にできるそうです。

※生かさず殺さず
また、ゴーヤにとって、必要なところは「」の部分。
窒素があるときは葉を作る栄養成長で、無いときは実を作る生殖成長を始めます。ゴーヤは数ヶ月間収穫するので、窒素を生かさず殺さずのラインで与え続け、窒素が無いといって生殖成長を始めて枯れることを防ぐことで長く良いゴーヤを収穫できます。(人間は恐ろしい?)

■並木さん(インゲン)
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並木さんのハウスではインゲンが。二回目の収穫中でした。上下を見比べると、微量要素欠乏の葉がありました。(かなりの鉄・マンガン不足)また、一部で窒素過剰でおこる葉の葉脈の中心が盛り上がっていたり、ひっくりかえりがありました。これは光合成で炭水化物をつくりたいのに微量要素が不足していて、そこに窒素がきています。
インゲンはゴーヤと同じで「実」の部分を収穫するので、ゴーヤと同じく生かさず殺さずの方法で。さらに「種」がメインなので、ミネラルの吸収がゴーヤよりも速くなります。小祝さんによるとこの追肥量は土壌分析をして減りを見て欲しいということでした。

また、こちらも体作りまでできたので、収穫するためには追肥を続けていく必要があります。(どうしても元肥だけで収穫しようと考えちゃいますが)

※Z配置テクニック
どこもそうだったんですが、マルチの幅が広く、配水チューブの効率を考えるとZ配置にすると良いというアドバイスがありました。普通は二列にインゲンが生えて、その両脇に配水が通って二列・二列構成です。でもこれだと右だけ左だけの追肥しかもらえません。それよりも倍の密度で一列にインゲンを植えてしまい、生えてきたら一本目は右の糸へ。二本目は左の糸へ。三本目はまた右へ。一列を交互に分けることで二列にしていきます。こうする両脇の配水チューブの恩恵を受けられ効率がいいそうです。現状、光合成に支障が無いほど葉に光もあたっていたので。(これはうまい方法!)

■西川さん(ピーマン)
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西川さんのピーマンとインゲンを確認。西川さんのピーマンは4本仕立てで立ててます。マルチの下は水がばらつきがあるため、肥効もばらついてしまってるようでした。微量要素が少なめとはいえ、これも吸収できない状態。水が足りないため根が溶け込んでくるはずの養分をキャッチできないため、成長が遅くなっています。水をしっかり吸わせれば一気に回復しはじめるそうなので、今は水が一番の肥料のようです。
ECが高いため、土の上が粉をふきはじめていました。

また、カリが多いのでピーマンは長めになりがちになります。
水を切るほどこの傾向が出てしまうので、こまめに水を与えて解消させたほうがいいと小祝さんのアドバイスでした。

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積み上げられたバガスの腐植を実ながら授業の開始。
酸素によって、固形たんぱく質が>ペプチド>アミノ状態>アニモニア態窒素>硝酸態窒素となっていく原理の説明中。
バガスの腐植があれば、このように腐植が進み、団粒構造ができるという内容です。すごく、バガスの土がフカフカでしたが、風でどんどん飛ばされちゃうほど軽い(もったいない)。

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■下里さん(タマネギ)
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下里さんのタマネギ。沖縄でタマネギがみられるとは!!北海道から沖縄まで栽培可能なんですね。北海道では2月ぐらいまでは出荷。沖縄は2月から出荷。すいごいバトンタッチですねー。

さてこのタマネギ、ちょっと柔らかめに見えて窒素成長気味に見えたんですが…。小祝さんによると鉄が不足気味で前半に窒素やけしてた可能性があるそうです。下里さんによると、サトウキビから黒砂糖を作る経緯でできるバガスの液体用ものを元肥に使っていて、栄養豊富だとか。どうやら栄養豊富すぎて肥料焼けしてしまっていたという。すごいというかもっと薄め、施肥後も寝かせないとダメなようです。

ちなみに、海岸沿いなためか土は砂地で、軟らかい状態でした。あと石灰が珊瑚のままの形ですき込まれてました。石灰豊富なためか大きなカタツムリがタマネギの葉で休んでました。(コンクリートを登るカタツムリ見たことありませんか?あれって、貝殻を作るため登りながら漏れてきた石灰分を舐めてるそうです)

あと、タマネギの形はレモン型。実はレモン型のほうがタマネギは美味しいんですが、玉型じゃないと市場は「ダメ」っていうんですよね。イメージって強いです。

■見里さん(ピーマン インゲン)
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昼食をとり、見里さんのピーマンを視察。なにやら背丈が低いのにピーマンは一杯ついてます。ここも水のバランスに問題がある様子。
ピーマンはマンガンが欠乏すると日焼けを起こしたり入り色が薄くなるのですぐにわかる植物。配水チューブが詰まることがあったらしいのでメンテナンスに気をかける必要があるようでした。

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インゲンも確認。インゲンの花芽は施肥された窒素だけで取ろうとすると数をつけないそうです。根元の葉と上の葉を見ると、色が薄く50%ほどしかない様子。これでは光合成も満足に出来ないため、その光合成にあった花芽しかつけられないそうです。つまり葉の健康状態が作物に影響する!(そういえば、どこもそういう指摘でした)
接間が長くならないようにしたり、葉の色艶を見て、窒素濃度など確認する必要がありますね。

■渡真利さん(トマト、ピーマン)
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…あれ? なんだこの写真。すごい状態でした。
実は、沖縄勉強会にいくちょっと前から、「なにやらすごい」というウワサを聞いていたのですが、これだったみたいです。
なんでも、新しい品種を試したところ病害虫が発生し、そのまま病巣となってハウス内部のほかの品種も全滅させていったとのこと。空気もなぜか荒んだ空気。(…あれ? なにか懐かしいなと思ったら実家のトマトハウスじゃないですか。いや懐かしい。末期はいつもこんなのだけど時期が終わったんじゃなかったんですねぇ~。はぁ~)

しかし、小祝さんの見立てによるとこの品種は微量要素の要求が激しい育ち方をするけれど美味しいトマトになるんじゃないかということでした。ほかの品種よりも抵抗力に栄養バランスを傾けてない分だけ味になるということで、肥培管理は非常に難しくなるということでした。しかも、右の写真ような状態からでも枝払いして立て直せばまた復活するそうです。
トマトの生命力って恐ろしいですね。
とりあえず収穫されコンテナにはいった果実の色を見たんですが、ピンク色がモモのような色でたしかにこれは美味しそうと思いました。


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(トマトをみたあと、ピーマンは順調に)

夏の勉強会でも渡真利さんは、安定した収量で宮古島ではなかなかの生産者さんなのですが、次回この品種に挑戦は…しそうですね。
今回までの勉強会で他の日本産地を回ったんですが、どちらかというと年配の生産者よりも新規就農者の人のほうが良いものを作るという若いエネルギーを感じることが多かったのですが、沖縄では年配の人もみんな意欲的でエネルギッシュです。泡盛の力でしょうか(?)

■玉城さん(ミニトマト、ピーマン、インゲン)

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宮古島では若手の玉城さんとその友人で栽培してるハウスを見回りしました。まずは最初のミニトマト。小祝さんによると果実こそ小さいが、玉が多くて短期間に赤くなるため、追肥は早め多目を心がけなければすぐに息切れしてしまう。窒素が溜まり葉脈が反り返るぐらいになっている必要がある。現在は葉が次第に小さくなってきてしまっている。強気で追肥してるぐらいの気持ちが必要になる。
今窒素が効いてるのか、炭水化物が減って窒素が相対窒素が増えてるのか。見極めて炭水化物とミネラルの補給をしなければいけない。現在は赤みよりもオレンジ色になってきてないだろうか…。というアドバイスでした。

ミニトマト、食べてみましたが充分美味しかったです。全国巡業してる小祝さんの奥さんである小祝有加さんは、何が美味しいかとても厳しいジャッジをする方なんですが、小祝塾では「はい、どうぞ」とピーマンやトマトを渡されチェックのお供をさせていただきました。ジャッジの結果は「ミニトマトは美味しかった」とのこと!

現在は鉄欠乏で、株本が浮き気味になっているから、鉄を補給してからもう一度株本が浮き腰になってないか確認するといいようです。

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最後に玉城さんの友人の方が管理してるジャンボスナックを確認。
ビニールが汚れているせいで日照率が40%減少してるようですが、葉の色艶がよく、花芽の数は充分で実も重くできていました。微量要素などもしっかりとはいり、「これだけでも5tの収量いくね」と小祝さんも驚き。基本に忠実だからこそ成功している実例ということですね。このビニールが綺麗になって光合成がフル稼働できるようになって収量UPするとどうなるんでしょう。楽しみです。

以上で二日目宮古島編完了です。

余談ですが、タマネギの生産者の下里さんの奥さんから出来立てのサーターアンタギーを頂きました。すごくおいしかったです!あと、お昼にたべたエビフライカレーがあったんですが、こちらのえびは車えびというらしく、大きな衣とはいえ幅5cm、全長20cmのエビフライが二本もあってビックリでした。

(カリノタカユキ)

 


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