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【01 農産活動報告】
2009-02-26
小祝塾 沖縄冬野菜in石垣島 開催報告(一日目)
■小祝塾講義
夏に冬野菜の事前勉強会を終え、今回はその冬野菜の収穫期に入る石垣島にて勉強会を行ないました。
生産者は真南風の生産者さん達です。実は今回の石垣島での小祝塾では三年ぶり。真南風さんは、生産者塾でおなじみのWESTのゆうき伊賀の里の福広博敏さんの元へ学びにいったり指導を受けるなど、生産者としてはかなり意欲的です。特に石垣島は今でこそ人口5万人ですが(旅行者も多い)、昔はジャングルでマラリアがあり、沿岸部にしか住めなかったそうですが、開拓民としてジャングルを切り開いた移住者の集まりでもあるそうです。(僕も一応、北海道の開拓民の末裔なのですが、もっと意欲的になりたいところ!)
小祝塾では、小祝さんも福広さんに学んでる事を知っていたので、福広さんのようにPDCAサイクルを利用することで農業がもっと充実すること。沖縄のバガス堆肥を有用性を説明するのに、非常にわかりやすい例えをもって講義できる内容だった気がします。おかげで、小祝塾中級編(番外編)のようでした。
ものづくりで、大事なこと
土の中の状態、植物が細胞でできているか。セルロースでできているか。
病気や虫は何をエサにしているかというと、細胞を食べにきています。 たとえば、紙にカビが生えないのはセルロースがきっちりできているからで、植物がこのセルロースの厚みを持たせるにはどうすればいいか理解すれば、病害虫に強い作物ができるようになります。
人は植物生理をうまく利用することで成果をあげることができます。
植物の成長の一つは「光合成」によって水と二酸化炭素から、「炭水化物」という化合物が作られていくことです。光合成で作られた炭水化物(C1、H2、O1)を6倍にしたときブドウ糖(C6、H12、O6)となります。これは微量要素の視点でみると葉の中で、光合成を炭水化物を作るためには苦土を使った発電し、その電気伝達にはマンガンが必要になります。それらミネラルよりも、窒素が多い場合=急に葉数が増え細胞がガンガン作られるため、セルロースは薄いくなります。薄いと、光合成をしても放熱に耐えられなく熱を逃がせないため炭水化物がストップし、枯れることもあります。もちろん葉の厚みも薄く弱いので病害虫に侵入しやすい条件となります。
逆にミネラルが多くて窒素が少ない場合は、葉に重みと艶(ワックス)が出ます。この時が細胞分裂が一定で、セルロースの厚みが充分になっている証拠。ミネラルの施肥を忘れ、窒素だけの追肥が始まったとき病気や虫にやられやすくなる。
沖縄で問題となることの一つは、アルカリ土壌で石灰過剰が多いこと。
これは、植物が生長するとき石灰だけが優先的に吸収されてしまうため、微量要素の吸収を妨げてしまっている。実際には、石灰は、「Ca2プラス」という形で土とくっついるため切り離さないと吸収できない。植物が根から栄養を吸収するメカニズムは、根の先端から出ている「根酸」という物質によって土から微量要素などを分離させて吸収させている。
例えば、開けたお酒が古くなると、酸化してしまい酢のような匂いを出してくる。酢の中に、卵の殻(石灰分)を落とすと溶ける。これがちょうど根酸が石灰分を吸収できるようにしてることになる。これにはお酒が酢のようになるためには酸化していて、酸素の働きが必要。根酸も同じで、根の周りに酸素がなければ出すことができない。
このことから土壌にある栄養が未分解であればあるほど、酸素を必要とする。
酸素がなければミネラルのほとんどは吸収できず、窒素だけが吸収されることになる。接間だけが伸びてしまい、立ち枯れていく。セルロースももちろん作れない。これだと、カビ菌などはあっというまに侵入できてしまうなど悪循環が始まる。
これは天災ではなく、人が管理しきれなかった人災になるので、きちんと対応していかなければならない。
土に必要なのは「水」や「酸素」がスルスルと染み込んで行ける「団粒構造」が必須となること。団粒構造がなければべったりとして、酸素も水もないので、根が横にばかり広がり、直根は貧弱なものになり、窒素だけ吸収していることになる。
団粒構造は、堆肥が一番適切。
それは、放線菌や納豆菌など人為的に選んだ菌に堆肥を占有させ、病害虫を呼び込む雑菌の侵入余地がないため。これを土壌にすきこんだときに、堆肥にある植物繊維が分解され腐植となり菌類が住み込むが、すでに放線菌などが堆肥というエサを持ち込みで土壌を占有しきっているため、あとから雑菌が侵入してきても、エサもなく入れる場所もないため、結果的に病害虫から防ぐことができる。
そして菌類のいる団粒構造によって、微生物は酸素を使って固形物である栄養素を植物に与えることができるようになる。
小祝さんは「圃場回りするときはかならず栽培圃場の団粒構造のあるかを土壌を踏みながら軟らかいか硬いか確かめて欲しい」ということでした。
■圃場巡回
女性の生産者、當銘さんのハウス圃場。これから育つところかな…と思ったのですが、土を踏むと固い状態。施肥設計も問題なく減少していた苦土も追肥したとのこと。化学性は問題なし。そのまえの物理性と生物性がせっかくの施肥設計をもったいなくしてるようです。小祝さんのいう酸素がなくミネラルを吸収できない状態。つまり…。
団粒構造をつくること!
問題は、下側の黄色は苦土欠が多いのはこのため。トマトもゴーヤも茎が細く、栄養を吸えてない状態でした。土壌も硬いため団粒構造が出来ていないため酸素の供給が無い。つまり酸素がないめ、微生物は苦土があっても働けないので効果は遅くなる。
対策には、団粒構造をしっかりとするためには、反3tのバガスを土に入れる必要があるとか。バガスが充分にあれば地温が上がり、微生物が活発になる。バガスを入れる場合は蒸し込む必要がある。
物理性の改善で団粒構造を。生物性の改善で微生物を活性化。化学性として苦土が追肥されているが、施肥効果を得るには前者の2つを改善させることが前提となる。現在は、窒素が入り土中発酵してるが、酸素がないため青枯れの原因となっている。果采類は、土の軟らかさが命。バガスを徹底利用する必要がある。
しかしバガスも葉柄も堆肥工場に回収されてしまうため、そこから買う必要があるため、多少手間がかかりそうです。
問題発生の予防!
堆肥工場にある堆肥が評価不能な堆肥の場合は、土の中にいれたら水をかけてマルチして土中発酵させそこから最低三週間寝かせること。
マルチの位置には気をつける!
ハウス栽培の場合、通路は踏み固めてしまう。この位置に施肥や配水チューブを通しても、固さのため非常に効率が悪くなるため、通路には設置しないようにする。
次回作はバガスを多量に入れるとして、今回は配水チューブを踏まれていない近場に移動させることで改善できるようです。
●喜友名さん(ピーマン)
次はピーマンハウス。
どうやら接間が長くなりはじめ(窒素先行中)。目標の位置まで上へと成長するためには、まだ1/3の段階。今は徒長で背丈を伸ばしていて、これでは弱くなってしまうので、ミネラルを補給させて気をつけなければいけないようだ。
土壌は高畝で空気は充分にあるので、軟らかい。これなら追肥の効果は充分発揮できる体制。 ピーマンは、鉄を多く必要とするので追肥としては、硫酸鉄で週2kgは欲しいところということでした。
生産者「よしよし!成長してきたと喜んでいた所だった」
小祝さん「では、ちょっと注意して葉を見て見比べて見ましょうか」
色もわりといいですが、上と下の葉を透かしてみると斑模様で薄いところがあり、ここは光合成能力がかなり低下してるので気をつける必要があるということでした。 葉を太陽にすかしてみえる微妙な斑模様はマグネシウムやマンガンを必要としている様子。そうしてピーマンの葉が色落ちしてるか、葉の厚さはどうか。ピーマンの実は長くなってきてないかなどどうか気をつけながら確認していく。
生産者によると、昔は葉もテカテカと光り、葉にも厚みがあったとか。
現在は成長にいいということで、アミノ酸液肥というものを散布してるそうですが、これは細胞を増やしてしまうため、セルロースが薄くなり弱くなってしまい病害虫を呼び込んでしまう。 また、ピーマンについては、光合成のできない内側の葉は落として効率化してほしいということでした。
キュウリハウス。
ここも上下の葉を見比べてみると、葉を透かしたとき上はスケスケ。微量要素欠乏になってきています。これはウドンコ病の嵐の予兆。
物理性、生物性は問題ないので、化学性になる多量・微量要素の増減について確認して必要分追肥して欲しい。キュウリは棘があるが、棘はセルロースで出来ている。棘の弱いところはミネラルが足りないよという信号になります。棘を触って痛いぐらい元気であれば、葉としてもしっかりしてるのでセルロースが十分ということになる。
生産者「キュウリの茎にカビが多いのはなぜか」(ちょうどいい写真がない!)
小祝さん「おそらく、表にあったアミノ酸液肥を葉面散布したときに、枝にも付着したせいでしょう」
施肥と比べて、葉面散布は効果が早くてよいように思えるが、瞬間的な効果が葉のみに及ぶだけであること。キュウリであれば実がメインだし、茎もツルも根もあるのに置き去りになることを忘れないでおく必要があるようだ。
この葉面散布によってアミノ酸液肥が吸収されるが、それは根と葉だけ。散布されることによって茎にもかかり、カビや虫の餌場となって呼び込むことになってしまう。茎の節目などに溜まればカビの住処に。もし、グリシンの多いアミノの成分であれば、カビが多い病気が流行しなかったようです。
この場合、むしろ硝酸窒素のほうがカビも利用できず良かったかもしれない。アミノ酸は直でカビが利用できてしまう。
●黒島さん(トマト)
沖縄の激しい台風にもびくともしないような鉄骨できた頑強な温室ハウス。
大規模なトマトハウスは圧巻。
黒島さんは、熱心に小祝塾を勉強し、その講義を取り入れてるということでした。さらに…。WESTで生産者塾も開いてるトマトの生産者、ゆうき伊賀の里の福広さんにも学び、今回はかなりのできになるかも。(沖縄だと「観光がてら、如何ですか?」なんて誘えちゃえるのは強いなー!なんて)
しかし三年前の勉強会では悲惨なことになっていたという事でしたが、今回はどうなってるかな?
トマトハウスを見てみると、「コナジラミが沸き始めた」ということでしたが、そんなにいません。小祝さんによると、これからコナジラミが増えるかは、ここから何をトマトに追肥するかで決まるそうです。
茎も太く、葉も厚いし色も良かったので、ミネラルの追肥のタイミングが遅かったところで窒素優先となりコナジラミが来たんでしょうか。
真南風事務局の坂本さんによると、黒島さんはいろんな病気に詳しくなり、どういう菌が来てるのか調べるためにかなり高価な顕微鏡を発注し、顕微鏡の利用法もあるか「勉強会を楽しみにしていた」とのこと。
小祝さんによると1500倍あれば、セルロースの確認はもちろん、微生物はカビどころか細菌も確認できるそうです。(黒島さんのは13000倍だったか桁違いの倍率で見れる顕微鏡のようです)
■顕微鏡■興味があったので調べてみました!■■■■■
黒島さんが東京に発注して組み立ててもらった顕微鏡いくらなんでしょう?
小祝さんがヤフオクをチェックしてる分には100万円するいいモノが20万で競り落とされていたそうです。 (つまりそれぐらいしてるということですか)
狩野「・・・高っ!定価でD型ハウスできてしまう!」
微生物の写真があればまだ研究しやすくなるから、そういう始めの一歩からできる初心者図鑑などないかということでしたが、専門職(企業秘密)的なものなので、おいそれとそういう情報は出ないということでした。しかし、時代はネット社会。Google先生に「顕微鏡 微生物 菌」等のキーワードで画像検索すればいくらでも出てきます。 生産者が手軽にこれをチェックするには顕微鏡もお手ごろ価格だったらなお良いのですが・・・。phメーターや硝酸メーターが2~3万円なので、その価格帯で調べてみました。
①A社1500倍デジタル顕微鏡 定価258,000円成り。
②M社1500倍光学顕微鏡(オイル式)定価82,300円成り。
③M社1000倍光学顕微鏡 定価19,800円成り。
会社によって、ずいぶん価格差があったり、光学顕微鏡と電子顕微鏡の価格差にびっくりです。 そこで店頭ではいくらぐらいで買えるのか調べてみました。
②M社1500倍光学顕微鏡(オイル式)38,850円
③M社1000倍光学顕微鏡 9,800円
④M社1200倍光学顕微鏡(光射無し) 17,110円
価格はこんなところですが、②の「(オイル式)」って気になりますよね。
倍率調整の稼動部の操作に使うのかなと素人考えでしたが、「診るときにスライスしたモノに光の反射をよくするためにオイルを投入してはっきりと視認できるようにするもの」らしいです。ちょっと難しい印象が。実際には、600倍率までで、カビを見てるぐらいだと想像。ちなみに、乳酸菌が「.」こんな大きさ。大腸菌が「。」みたいな大きさ。 ナリタ先輩から、「光学式は三桁が限界だけど、カビなら200-400倍率でも充分。1000倍率以上は実際に実物をみて確認したほうがいいね」とアドバイスが。ということで、購入できたら試して報告したいと思います。
以上!
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黒島さんのトマトを施肥設計と見合わせた結果…
小祝さんは、ここで葉に艶が欲しいということでした。
「ミネラル>窒素」の状態で、炭水化物が充分にあるという条件のとき、葉には艶が出ています。この時は、葉の色も厚みも充分あります。
もし、炭水化物が充分に無い場合は、まず葉に艶が無くなり、次にセルロースが形成されなくなってきます。…ということはセルロースが薄いので細胞を害虫が食べやすくなるので、「コナジラミも繁殖しやすい」となります。
ここで、窒素を追肥しないよう気をつけることが大事な注意点。窒素があると、新しい葉を作りに動いてしまうので、コナジラミに弱い葉はそのままになってしまうため。
この対策には「苦土、鉄、マンガン」をきちんと追肥する事が必要。
今すぐに追肥を効かせればすぐに回復するが、もしこのままか悪化するとそのうち増えたコナジラミがウイルスも持ち込んで全滅も予想しなければならない状態になるようです。(怖いですね)
※三日間の小祝塾ですが、この「追肥」がキーワードとなります。
沖縄の生産者は、夏の勉強会を経て「素晴らしい施肥設計」された元肥が入っていて、収穫までの作物の体作りはしっかりしてるのですが、元肥の栄養はここまで。
ここから収穫時期をスタートするには、かなりの回数で追肥をしなければ植物が息切れしてしまいます。
追肥によって本来とれる量を考えると非常に勿体無いことになるとか。
(この追肥のポイントは量じゃなく回数ってことも重要そうです)
●平安名さん(カボチャ)
ここでは、牧草を脇に栽培し暴風林のように壁にして葉を密集させて、カボチャが日焼けしないように工夫されてました。(これは是非、真似しちゃおう!) 九十九里系のカボチャで、北海道の実家でも作ってます。甘くてすごく美味しいけど、その糖分ゆえに日持ちは悪いんですよね。
カボチャなどは、葉が大きく実も大きいものなので、大量の炭水化物を必要とするため気をつけて欲しい。物理性がしっかりしてるか確かめる(団粒構造で酸素があり、微生物が利用できる状態)
小祝さんからは、もう充分いいできということで、アドバイスはありませんでした!(ちょっと残念)
■講義内容 まとめ
・病害虫を呼び寄せる細胞になる肥料と、セルロースになる肥料(甘味も出る)。使う肥料はどちらのものか見極める。
セルロースが薄くなったときに病気が始まる。
・基本は、人は植物生理に従うことしかできないので、よく理解すること。
・葉面散布は三日程度しか効果ないので気をつけること。
ということで、石垣編は終わりです!
(余話)ハブがいたるところにいるということでちょっと怖かったです。宮古へ移動するまでの間、沖縄名物山羊ソバを食べびっくりしました。肉が生臭い。おつゆに血がはいっていてこれまた生臭い。ギブアップでした。(笑)
あとは、お土産にハブ酒を購入して飲んでみたら一週間たった現在まで嘘のように熟睡ライフを送ることが出来てます。眠りが浅くて寝不足になるほどだったのに、今は寝すぎて朝ごはん食べる暇ありません。うーん。凄いです。
(カリノタカユキ)
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カリノさん一年間おつかれさまでした!