農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2009-01-05

小祝塾中級編&仕入れ説明会 WESTブロック in大阪 報告

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【会場】 大東市立市民会館 3階第2会議室
                     (大阪府大東市曙町4番6号 TEL 072-871-0001)
【スケジュール】

  12月12日(金)
08:00 (センター見学希望者 センター見学 大阪センター前に集合)
09:30 (センター見学希望者 講習会場へ移動)
10:00 集合・受付開始
10:30 開会あいさつ
10:35 小祝先生講義 小祝塾中級編
「人災にしないために農作業PDCAサイクル化、堆肥の活用術」
13:00 昼食・休憩
14:00 らでぃっしゅぼーや㈱MD部農産課より「仕入れに関する説明会」
17:00 閉会あいさつ
17:05 講習会終了、懇親会場へ移動
18:00 懇親会(会場:喜楽亭さん)
20:00 終了

【参加者数】 59名

■農業経営にPDCAサイクルを取り入れよう!
・「共通のプラットフォームを持つ」
・PDCAサイクルの例
・プロの生産者と新規就農者の肥培管理の比較

■これからの堆肥活用
・CEC(保肥力)は固定じゃない
・C/N比(炭素率)を把握する
・まとめ
■質問アンケート (9つ)

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■農業経営にPDCAサイクルを取り入れよう!

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ドクターソイルによる農業型PDCAサイクル

①土壌分析 Check(評価)
過去の分析結果と現在の分析結果を比較する
②施肥設計 Action(改善)
バランス過不足を補正し施肥量など調整する
③施肥設計 Plan(計画)
基肥量や追肥タイミングなど環境を考慮し設計する
④肥培管理 Do(実行)
施肥設計に基づき、定期的に写真記録や土壌分析をする

これをサイクル化し、継続して農業に生かしていく。
(農業に当てはめて考えてみたので順番が途中からです。)


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 ・「共通のプラットフォームを持つ」
グループ内で収量が取れてない理由と取れている理由を調べ、明確化して情報交換を盛んにすることが基本です。そのためには、例えば同じ面積で同じ時期に計測したり、手法を統一するなど情報収集するためのプラットフォームをそろえる必要があります。こうして問題発生などを解りやすくし一年目の問題を、二年目で対処し解決できれば向上していくことができます。
それでも一反で1t、2tと収量を得るグループでは、6t取るグループに収量がすぐ追いつくことは難しい。
それは自分たちの中ではそのうちに情報網が硬直化しがちになりアイデアがなかなか出てこなくなるため。それでも6tのグループと情報交換するだけでいきなり収量がとることも可能で、これは6tのグループではPDCAサイクルが徹底しており、それが反映されはじめたため。
また6tのグループでも、1t2tの収量のグループの情報を必要としているので、情報交換するときは、どんなことを、なにを求めているか絞込みができる必要がある。

・PDCAサイクルの例
Radixの会の会員である兵庫県の宮垣農産グループは、三年前から共通プラットフォームによるデータ取りを行い、同じ失敗を繰り返さないようにしている。
そこでわかったことは、グループ内での情報交換よりも他のグループとの情報交換のほうが刺激になり、確実に技術が向上すること。他のグループとの違いを分析していくことが、生産物の品質向上につながる。
そのために、比較対象できるプラットフォームが必要になるということ。

 
小祝氏からポイントとして
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「有機の世界で、植物がなにで成り立っているか、共通認識をもつ。作物はどんな風にできているか理解したあとに、数字をみて整理できれば短時間で技術向上していくことができる」ということです。

・プロの生産者と新規就農者の肥培管理の比較
「天気が悪くて作物に害があれば天災」となるが、本当に天災だったのか分析をする。光合成によって植物が生長するため、人間は葉っぱが太陽の光を十分に受けられるよう設計する必要がある。
光合成の効率が60%の時、収量も60%になるわけではない。 ほかに日照率も60%だったとき、

光合成(60%)x日照率(60%)=収量(36%)


プロの生産者は日照率は100%以下でも、光合成はしっかり設計するし、日照不足を補う技術や情報があるため普段どおりの収量に近づけることができる。
36%の収量を得た隣で、100%近い収量をとっている生産者がいると「やぁ、これは天気がわるかった」と言い訳できなくなってしまう。本当に天災だったのか、実は人災なのか見極める必要がある。 天気という不安定な要素をできるだけ減らす。 小祝さんは、「日本の生産力は経済的ベースで10%未満。生産者にはまだ91%以上の市場があると考えてアグレッシブに攻勢をかけて欲しい」ということでした。

■これからの堆肥活用
堆肥作りは、動物糞と繊維植物(ワラなど)を分解したものを微生物によって「醗酵」し分解したもので、ただ腐っただけの「腐敗」には気をつける。

・CEC(保肥力)は固定じゃない
堆肥は、化成栽培では重視されてなかったが有機栽培においては有用。
植物は土壌の団粒構造によって根を広く深く張っていくため、栄養を吸収しやすいため成長できるようになる。堆肥の施肥によって繊維質が圃場で腐植して一時的にCECが上昇するが、腐植はいずれなくなるのでCEC自体も増減の変化が激しいので注意する。


・C/N比(炭素率)を把握する
相関関係を把握し、窒素が多ければそれよりもミネラルが多くなるよう意識したり、貝殻石灰なら焼いた石灰と砕いた石灰では成分は一緒でもどちらの吸収がはやいのかを知っていく。
たとえば、魚カス、大豆カス、羽毛、牛のひづめでどれが一番分解するか。C/N比というものは炭素と窒素の比率を示したもので、炭素が多いほど分解が遅いため分解する順番はつぎの通り。
1.魚カス
2.大豆カス
3.羽毛
4.牛のひづめ

有機栽培では、施肥された材料のC/N比を理解して、分解されて吸収されるタイミングを把握している必要がある。 基本的に、窒素は上限値になりやすく、ミネラルは下限になりやすい。 この場合はアブラムシなどよってきやすい窒素成長をしてしまう。 ミネラル>窒素の比率を保つことで植物が頑強に育つので、ミネラル先行で育つよう施肥設計をする。

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(左写真はナットウ菌によるカビを押さえ込みをシャーレで実験してるところ)
(右図は病害のほとんどはカビから発生してるというデータ表)

今後、栄養には量が必要になるとぼかし肥料では追いつかないため、堆肥が必要になる。きちんとつくられた堆肥は微生物があるため、施肥後にもカビ発生などしない。連作障害も、堆肥の効果が土をやわらかくし、微生物を正常に整えることができるため克服していけるようになるので良質の中熟堆肥は必須になっていく。

・まとめ
堆肥使用の有無は品質に大きく作用するようになる。有機栽培で微生物が呼吸するためには団粒構造が必要で、堆肥が一番効果的。
「ミネラル>窒素」のコントロールもしやすく、今後は最低条件となっていく。
土壌に適度な水をいれることで、酸素を抑え硝酸化を遅らせていけるコツなど使うようにする。
また、果樹は腐植したものを地表においておくことで、それが地面にゆっくり染み込んでいく。

■質問アンケート

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斜面での栽培。雨で流され、砂地の土質の粘土。土壌分析には重量法と体積法があるが体積法は本当に必要なのか?
固い土であれば重量法と体積法の差はそれほどでもないが、腐植による空気の層が増えるにしたがってかなりの差がでてくる。
また重量法は重量で土壌分析しているが、赤土のような鉄分が多い粘土質やクロボクのような土があるなかで、おなじ体積でも重量が違う。
植物の根は、土の栄養を重量で吸収してるわけではなく、実際には根のあるところから吸収している。 (人間の感覚としては重量のほうが納得しやすいが)
団粒構造がしっかりしたフカフカの土壌もあれば、サラサラの砂土、固い粘土があり、その土層も水と空気が入り込んでできている。
有機栽培では団粒構造が必要とされるので、さらにこの影響が明確にあり重量と体積ではバラツキもできてしまう。
肥料成分の流亡についてはCECを上げていく。
栽培状況で、おかしいなと思ったときは、土壌分析のほか、土壌のサンプルや実際に写真を撮影されていれば、情報交換として観る事ができるようになる。

貝殻よりも石灰窒素がいいといわれるが何故か。
石灰窒素は有機栽培では微生物を殺してしまう作用がある。

ナットウ菌の培養について
何種類もナットウを買い、においの強いものジューサーにいれ、水と黒砂糖(5%)を入れる。これを米ぬかなどにかけるだけでできる。ただし作る場所を考えないときついにおいを出すことになる。

沖縄のカルシウム過剰でリンと結合してしまう。コメヌカが手に入りにくい。
リンは酸で溶ける。そのため堆肥からなる腐植酸を利用する。沖縄ではバガスというNではなくCの多い腐植酸を利用する。

バーク堆肥を利用すると窒素飢餓のような状態ができてしまった。
バークにはいろんな素材を利用してできたものがあるので一概にはいえないが脂分で問題になる場合がある。
バークであれば1tぐらいはすぐに繊維がはいる。
たとえばイナワラなら脂分が少なく、いくらいれても数百キロ程度にしからないので注意が必要。

CECが8~20と増減の幅が広いのは水田だけ?
水田では分解がはやくイナワラを漉き込むと次年度には残ってない状態になるため。水中での分解は早く、CECが減るというのは、溶けてなくなる・二酸化炭素になって抜けているなどのため。
有機物が、CHOという炭水化物ができているとき微生物と酸素の作用で固形物から二酸化炭素となると固形物が腐植酸となり溶け出していく。

葉モノでアブラムシなど害虫の防ぎ方
窒素が多いと葉が盛り上がったり垂れ下がり、害虫被害が発生するようになる。ミネラル優先にし硝酸態窒素化を抑制することで、害虫被害も寄せ付けない生育が可能になる。

竹チップが手に入りやすいが、堆肥の材料としてはどうか?
竹は、堆肥の材料としては上位。裂きやすいということは分解が速いということ。腐植が強いため、効果は短いがすばやく団粒構造をつくれ、ケイ酸が多いためトマトやキュウリの栽培に適している。
ただし、分解がはやいため長くは持たないということ。チップ作成時に竹が硬いためチッパーが傷みやすいのが問題。

デジタル化されたドクターソイルの発売時期は?
デジタルについては、2008年12月中には最終調整を行うのでもう少しだけかかるようです。

以上、小祝塾中級編の一回目はWESTブロックで開催されました。
その後、懇親会による情報交換ができました。
らでぃっしゅ・Radix事務局員とRadixの生産者が同数だったので、かなり濃い話の展開になりました。例えば、WESTは、仲間を見つけるにも同じ作物の生産者が近くにいない。それぞれ果樹をしていたり、葉物を作っていたり、果菜類をつくっていたり、稲作だったりして情報交換が難しいのが悩みだそうです。
考え方によっては、WESTブロックだけで一つのパレットがつくれちゃうわけですよね。バランスがいいと見ればちょっと羨ましいかも。

感想としては、ナットウ菌には注目してたのですが、もうすこし活用法をみつければもっといろんな可能性がひろがりそうですね。北海道にはない竹チップもうらやましいです。こういう情報を生産者がそれぞれそんな聞き耳したことを実験してレポート報告するようになったら、共通のプラットフォームへの情報が充実しそうな気もします。統一化とか基準化とか調整が面倒そうですが、個人でもいろいろ実験結果を集積できそうですね。わからなくなったら、Radixの会員は小祝氏に写真付きでメールすれば回答も得られるようですし。

カリノタカユキ


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