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【01 農産活動報告】
2008-09-29
小祝塾2008九州野菜 結球野菜編
【2】宮 崎 県
開催日時 2008年8月30日(土) 13時00分~17時00分
内 容 結球野菜の勉強会
宮崎有機農業研究会さん(キャベツ、レタス、白菜)
集合場所 多賀公民会館別館(宮崎県児湯郡川南町多賀)
参加者 33名
九州編小祝塾 二日目
宮崎有機農業研究会さん幹事のもと、多賀公民会館別館にて開催しました。
最初に、参加している生産者に自己紹介を兼ねた質問したいこと聞き取り調査。
リストアップしていき、その解答を交えた小祝塾となりました。
■小祝塾2008九州野菜 結球野菜編
1.結球野菜の現状把握
2.小祝塾開始
・植物整理を理解する
・質問の解答と基礎
3.まとめ
キャベツ・レタス・白菜といった球になる結球野菜は、作付けがこれからなので、小祝講師の座学講習となります。 近場の圃場2-3巡回で堆肥舎など視察できればいいかなと思っていたのですが、雨続きで畑には入れないとの事。残念。
講義方針をまとめるため、最初に自己紹介していただき「何を栽培しているか、小祝氏に何を聞きたいか」を報告してもらいました。 ちなみに、小祝氏の講義はただ聞いているよりも積極的に質問をするほうが、肥培管理で助けになる解答やヒントを教えてくれます。
次に、らでぃっしゅぼーやMD部農産課の加川氏から、荷受としての要望を伝えていただきました。
九州地区では、結球野菜が増えています。 キャベツ・白菜・レタスと合わせて20万個という説明でしたが、あまりにも大量すぎて想像がつきません。
この結球野菜での問題は腐敗。そのため、腐敗対策を生産者さんとの取り組みで解決していきたいということでした。
・センターで品質の確認で問題が出るのが返品。
・会員に届いて問題となるのがクレーム。
このうちの返品数について、数字で聞いてましたがパーセンテージだと数的把握が難しいものですね。
返品原因になる最も多いものは、結球した二枚目か三枚目の葉先のとろけ。
返品率は平均して2%~7%。白菜 5%~10%、レタス 3%~9%。
生産者にとって、この返品と数値は頭の痛いものです。
ボクの実家だと、今回は大丈夫といえるだけの対策を工夫したあげく、「返品増えました」という報告を貰ったこともありました。実際に自分で出荷しているときは、10%でも「返品は仕方がない」とあきらめてしまうのですが、金額にしてみると大きな額になります。
例えば、20万円分の出荷をして、2万円の運賃を払った場合、10%の返品だと運賃と同額が損失ですし、売り上げが減っているので、運賃の割合もあがって経営的に痛いです。
輸送距離でみると九州も北海道も長距離なので、運賃明細をみると割高感があります。
ここから、腐敗対策ができて返品の要因が無くなれば、収益に繋がりますし、年間計画も立てやすくなります。コストダウンのほうを考えると問題発生の危険性が増えるので、返品を減らすほうが二重にお得感もあるようなないような。
結球野菜ということで、施肥管理も共通している部分も多く、近年の天候不順続きなど問題の原因なっているが、それを肥培管理によってできるだけ防ぎ、腐敗や病気の対策していきたいという方針です。
また、これまで有機野菜というだけで売れていた時期から、有機野菜でも良い野菜が欲しいという消費者の要望が生産者へ求められるようになってきています。
■植物整理を理解する
・炭水化物について
腐れの原因 植物の細胞に注目しよう!
植物の成長は窒素によって細胞分裂が進み、茎が伸び、葉数を増やしていきます。
しかし、窒素による成長は細胞で増えますが、植物にとって骨となる部分の繊維(セルロース)は作られません。
植物の成長で、細胞作り、繊維作り、果実を実らせ、糖分を蓄える作業。
この全てが一つの化合物を大量に集めて作られています。それが炭水化物(CHO)です。
細胞は(CHO-N)と、炭水化物と窒素(N)によって増えていきます。
セルロース(CHO)作りや果実の糖分を蓄えているのは炭水化物(CHO)から作られています。
窒素よりも炭水化物が多ければ、セルロースを作り繊維で硬く防御することができますし、果実に養分を蓄えていくこともできるようになります。
炭水化物が豊富にある場合、葉にはテカリが生まれます。これによって雨水に打たれても弾き出してくれます。
雨水に葉がぬれるということは病気に犯されやすい状態なので、常に炭水化物があるようにしている必要があります。
※炭水化物は、光合成によって化合されるもの。肥料によって根から吸収できるもの。二つの方法で植物が蓄えることができます。
・光合成について
セルロースが先行して成長している場合、硬い。
つまり、植物を成長させるには、細胞を増やす養分が何か理解する必要があります。
葉緑素が光を浴びるとエネルギーが発生します。(熱と電気が発生する)
このとき温度上昇する。これを冷やすには水を蒸散させることで冷却します。 そのためには、水が利用されます。
「光、水、二酸化炭素」があるとき、光合成という工程で何が起こるか。
光を浴びると葉緑素内で電気エネルギーが発生し、葉緑素は発電所のようになります。
葉緑素に電気蓄えると、発熱し水で冷やそうという反応が起こります。葉緑素で生まれた電気で何が起こるのかというと、水(H2O)を電気分解し、酸素と水素で出来ています。 葉緑素がエネルギーとして欲しいのは水素なので、酸素は排出されます。
発熱で水が蒸散して吐き出されたときに、酸素は放出されます。 蒸散によって葉が冷えたときに二酸化炭素が吸収されます。
水の電気分解で残った水素(H)は二酸化炭素(CO2)と結合します。
この結合によって炭水化物(CHO)が化合されてできます。このとき、マグネシウム(苦土)とマンガンがあると、光合成がしやすくなるので、炭水化物がより多く作られます。
※光合成にはマンガンを利用しているが、そのマンガンを施肥して収穫された生産物は、消費者の届けられる。
このとき、畑に施肥されたマンガン等は生産物に含まれているため土中にマンガン等が戻らず、作付けするたびに減少していくことになる。
ここから生産者の質問に答えながらの講義になります。
・呼吸について
たとえば、ジャガイモの芽を折ると液体が流れ出してきます。
芽を出すのは酸素。
芽を出さないのは二酸化炭素。
これは呼吸をするからです。
・植物も呼吸している
人間も野菜もミジンコも酵母菌でも細胞でできています。
細胞は、たんぱく質。
たんぱく質は液状ではなく固形です。
これをどうやって作っているのか?
この養分は炭水化物という液状で運び込んでいます。
炭水化物を運び込むため、「呼吸」を行なって運搬しています。
呼吸するためのミネラル、これが鉄になります。
人間でも足りないと貧血を起こす物質です。
鉄があることで、根を深く張り肥料の養分を広範囲で吸収でき、光合成によって作られた炭水化物も夜間に呼吸することで根や葉へ運搬することができ、さらに果実への赤い色素にも使われていきます。
これを基本に勉強していきます。
■質問の解答と基礎
・作付け前の破棄野菜について
ニンジンを栽培していたが破棄してそのまま土壌にすき込み、後期にオクラを作付けした。問題があるだろうか?
未分解の固形たんぱく質が土壌にあることになるので、病原菌の病巣となる可能性が高い。
また、ニンジンのときに施肥した肥効もあるので、窒素成長が進むために病害虫を呼び込む原因となる。
・ブルーベリーの育て方
ブルーベリーは甘い果実なので、原料となる炭水化物を多く必要とする。
そのためには光合成をしっかりと行い炭水化物が作れるように精密な施肥設計が必要となります。
果実の甘さは、ブドウ糖。サトウキビのはショ糖から。
植物は、炭水化物を果実などに溜め込むときは大きな分子にし、移動するには液状にするので分子を小さくします。
炭水化物が固形物になるには、炭素が必要になります。
ブルーベリーは、酸性土壌が好きで、腐植土よりも火山灰土を好みます。
硫黄含有量の多い土地で育ってきたため、要求量が多く、欠乏した場合は根が張らないなど収量減少の原因となるため注意が必要です。
硫黄分の肥料では、硫酸マグネシウム。化成肥料では硫安
・結球野菜は内側の葉に気をつける
白菜などの葉は内側が新しい葉です。
鉄欠乏を起こした場合は炭水化物が少ないため、収穫時に根を切られ収穫された瞬間から光合成はできなくなります。
このとき、もう水を吸収できませんが、生きているので呼吸はしています。
つまり、炭水化物は利用され続けています。このとき、養分に窒素がある場合は成長を続けてしまうため、炭水化物が失われてしまい死んでしまうことになります(腐れ)。
基本的に結球野菜では内側と外側では、外側のほうが養分が多く、内側は養分が少なくなっています。
病原菌が進入する場合、細胞を食べて菌を増やします。
この場合、セルロースの少ない内側が簡単に侵食されていきます。
・多量要素・微量要素について
ホウ素 維管束を作っています。(植物を頑丈にする繊維の生成)
鉄 鉄によって呼吸行動し、葉だけでなく根も呼吸して、養分を運び、細胞分裂しています。
石灰 細胞を硬くすることで植物が硬くなります。
苦土 光合成のエネルギーになります。
カリ 植物の細胞分裂を活発にさせ膨らませていきます。
リンは鉄が結合しやすいため、リン過剰の場合は鉄が効かなくなります。
「カリについて」
鉄がない場合。根が窒素とカリだけ吸収するため、しまりのない軟らかい野菜になってしまう。
また葉も薄いので、光合成が充分でなく養分を充分に運べない。光合成自体も能力オーバーになってしまう。
「鉄欠乏について」
暖かい地域では、呼吸量が多いので多くの鉄を必要とします。
鉄資材では、FTEが利用されていますがこれは可溶性鉄で、溶けるが通常ではとけにくい酸化鉄となっています。
錆びを、発酵物にいれると微生物は酸素を欲しがるので、酸化鉄も酸素が分解し、鉄となる。
(※液状化では硫酸鉄が溶けやすいです)
・堆肥について
動物糞では、牛などは草食動物は腸が長いため栄養が吸収されてしまい残っている栄養は少ないが、鶏の場合は腸が短いため鉄分など微量要素まで残ってい
るため堆肥の原料にしやすい。
堆肥作りでは、センチュウなど入り込まないように微生物の管理をしっかりします。
バチルス菌などを大豆の煮汁に混ぜてからコメヌカと一緒に堆肥に混ぜ込むことで栄養源として増殖させていくことができます。
微生物も生物なので呼吸のための酸素と、栄養としての堆肥原料を食べて分解しています。
このため熱が発生し、表面温度が70度や80度となりますが、効率よく微生物を増やすには高熱になりすぎて死滅してしまうため、切り返しをして冷却する必要があります、また、切り返しをしてエアレーションをすることで酸素が充分に微生物に届き、動物糞など堆肥原料の分解も進みます。
窒素成分もある堆肥ですが、未熟な場合は窒素ガスとなって逃げ出してしまいます。
栄養がなくなると微生物の活性状態も弱くなり、病害虫が入りやすくなります。
また、堆肥作り中でも施肥後でも寒波が来ると、寒いため微生物の活性も弱いため有機分解が進みません。
・野菜は何故甘いのか?
野菜にとって、水と砂糖水の違いは、「凍結しない」事です。
一度でも凍結してしまえば、細胞が破裂して植物は死んでしまいます。
そのために、野菜は炭水化物を溜め込んで糖度を上げて行きます。
後半まで窒素成長する場合は、炭水化物を細胞分裂に使い続けているので、糖度にまわす余裕がなく含糖率が低いものとなります。
これは、寒波がきたときに凍結の影響を受けてしまうので危険です。
・害虫対策
一つは炭水化物をセルロースにつかう窒素よりもミネラルを優先とした施肥設計で、植物を硬くし、病害虫が来れない様にする。 もう一つは、ニガリなど、塩化マグネシウムの葉面散布。
塩素は、虫が嫌がる物質で、虫には消化できない。
そして、塩素は植物にとって、横状の繊維に縦を加えるような繊維の強化効果があり、防御が高まる。
ただし、繊維が強化されるため、葉物はよくても結球野菜や食感が優先されるトマト等は硬くなりすぎてしまうため、様子を見ながら散布する必要があります。
3.まとめ
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まとめてみると、
植物は光合成して炭水化物を合成している。鉄によって呼吸を盛んにし、炭水化物を根や葉や果実に運びみ大きな分子にしていく。
病害虫は窒素成長していてセルロースが足りないときに発生しやすくなるので、ミネラル優先した施肥設計によって、炭水化物でセルロースも作れるようにする。
堆肥については、牛糞よりも鶏糞が栄養豊富なので、正しく微生物を使い、微生物が呼吸できるようにエアレーションをして酸素を送り、微生物が活性化しすぎて発熱が70度・80度になって焼け死なないように切り返しを行い、微生物を増やして堆肥の原料を分解させたり、センチュウに進入させないようにする。以上が勘所でしょうか。
九州は温暖なところだと思ってましたが、寒波というものがあるんですね。 台風や長雨による被害ばかり目立ってるとおもっていましたが、寒い季節でも気を緩めないとは大変です。
寒波対策は、凍結しつらくなる糖度を上げて乗り切ってください!
まったくの個人的なことですが、「北海道の野菜出荷が終わる→九州の野菜出荷が始まる」というバトンタッチをずっと続けてきているためか、北海道の生産者の1人として(後継者ですけど)、妙な連携意識を感じてますが九州の生産者はどうなのかな。
また、羨ましくなったのが幹事をしていただいた宮崎有機農業研究会さんの事務局長の長嶺氏が多くの新規就農者などに小祝塾への参加を呼びかけてたくさんの参加者となりました。
近い将来、宮崎有機農業研究会さんに所属するんでしょうか…。
実家で仲間に「有機栽培をしよう!」といって仲間に声掛けしても、周りとの連帯を乱すことを恐れてか考えてもくれないことがほとんどです。
(北海道の小祝塾のとき、若者数名に声掛けしたのに誰も着てくれなかった!)
やる気がある人が九州にはそれだけ多くの志をもったいるのかと思うと羨ましくてしょうがないです。
いまのうちに実家にもどったら積極的に仲間作りをしたいところ。
もう一つ、株式会社アンカーさんが堆肥会社とのことなのですが、農業を始めたいということで、RadixのWEBを見て参加申し込みされてきたことです。
とりあげていうことではないのかもしれませんが、WEBに出ていて参加申し込みが活用されているというのは、WEB活動しててよかったなーと思います。
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このときはお世話になりました。
もう一度、ここにて復習しました。
もうすぐ、小さいながらも試験農場を作る予定です。
そのときは、見においでくださいね。
サルが出る土地もかりてるので、心配なんです。
どなたかサル対策をご存知なら教えてくださいませ。