農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2008-09-09

8月8日 小祝塾2008沖縄の冬場野菜 沖縄本島

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【2】 沖縄 本島
開催日時 2008年8月8日(金) 9時00分~ 17時 00分
集合場所 大城公民館 沖縄県南城市大里宇大城775
集 合 8時50分までにお集まりください
内 容 冬場野菜についての講義勉強会(トマト・キュウリ・インゲン・ピーマン)

参加者 36名

2日目は、沖縄本島にて勉強会です。
しかし、初めて那覇に来たのですが、今まで観光地とかビーチというイメージでした。
空港から出ると電車というのはモノレール。そしてビル群。路地の樹木は針葉樹(ヤシかと思ってました)。
那覇空港から南東へ17kmにある公民館まで都市続き。
…大都会だったんですね。


道路状況もあって実は開始時間を過ぎてて到着したのですが、沖縄畑人村と真南風の生産者さんはすでに座席についていて講師の小祝氏を待っている状態でした。
前日の宮古島の生産者も真剣に講座を受けていたのですが、宮古島は陽気だった印象で、本島の生産者さんは一様に真面目という印象がします。
共に勉強熱心であることには変わりなく、トマト部会ではこれまでに西のトマト生産者である三重の福広氏(ゆうき伊賀の里)を二回招き、指導を受けています。

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沖縄本島 小祝塾
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本島でも、半数が小祝氏の講座が初講習ということで、基礎編からのスタートとなりました。
宮古島と同じように小祝氏は、土壌分析の必要性と大切さを説明し、持ち込み堆肥や土壌の分析など、見極めをしながらの講義になりました。

前日に基礎の説明をしてるので、今回は質問コーナーの回答について。
(まぁ、業界の関係上あまりはっきりと言えないこともあるそうで、ここは簡単にこっそりと…。)
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・センチュウ対策にフザリウム、キトサンは利用できるか?
堆肥に放線菌を微生物として使うことでキチン質を持つセンチュウ対策をすることができる。
納豆菌を堆肥に使う方法もある。BT剤などバチルス菌を利用すると良い。

・乳酸菌と酵母菌と納豆菌の組み合わせた微生物利用はどのぐらいの効果があるのか?
乳酸菌と酵母菌は相性が良いがph値が下がるため、納豆菌には住み辛い環境になる。
競合しないように住み分けが必要。

・酵母と黒砂糖で魚のアラなどを溶かし込み、アミノ液肥としてるが効果はあるのか?
黒砂糖には糖分だけでなくマグネシウム分が微生物のエネルギーになるので、活発に働いた微生物が発酵を促進させ液肥となるので即効性があり追肥利用など使い道が多い。
(※魚のアラの分解など、勉強不足でどうして溶けてるのか分りません)

・納豆菌の利用にはどのようなものがあるのか?
上記のほかに納豆菌を定期的に葉面散布することで葉へのカビを防ぐこともできる。

・オクラで窒素が多い影響だと思うのですが、徒長する場合と、花が咲かずにわき目が多くなる違いは何ですか?
わき目が多くなるのは燐酸で、窒素過剰を分散するため。
ただし、このときに芽を摘んでしまうと窒素過剰が分散しきらずに、虫の寄りやすい状態となり、アブラムシなど害虫の被害を受けてしまうので注意が必要。

・カメムシ、ハマキ虫の防除方法
1.噛み砕く害虫の被害はセルロースが充分に無く軟らかいときに起こりやすい。多量要素・微量要素を欠乏させないように注意していく。セルロースが厚いことで、窒素の匂いが漏れないので被害が減る。
虫も、窒素過剰で成長してる軟らかい植物のほうが食べやすいためそちらに行く。 
2.ニガリを利用する。 ニガリには塩化マグネシウムがあり、その塩化分による塩素がセルロースを細かくする成分であり、これが植物を硬くすることができる。
ただし、ハクサイやトマトなど、果実ややわらかい食感のヤサイまで硬くなるので注意が必要です。

・今年、トウガラシ煮汁やトウガラシ木酢を散布したらヨトウ虫やシドリヒメヨコバイが少ないのですが、トウガラシが虫に与える作用を教えてください。
虫もたんぱく質でできてるので、被ったら焼けどする。またこの匂いがあるあいだは虫もこない。

・オクラの連作障害防止策に堆肥全面散布、畝たて、ウネはヌカ散布、えひめ菌散布、かくはん→黒マルチ農閑期にしていますが、少し立ち枯れが出ます。もっと完璧にする方法はないでしょうか?

微生物による連作障害、肥料による過不足障害がおこりやすい。
前もって、土壌分析で知っておく必要があります。
ヌカなどは分解に温度が足りず、発酵が未熟なまま。定植時期になり立ち枯れになる。
微生物が働ける水分と温度があるときに早めに発酵分解させておくことで防げるようになる。

・センチュウとフザリウム菌の関係
センチュウは硬い生き物で土が濡れてないと害が増える。放線菌(堆肥舎でエアレーションすると増える)で対応する。
フザリウムよりも、バチルス菌(納豆菌)のほうが抑えるのは得意。納豆菌はカビにつよい。

・センチュウを防ぐためのキトサンの使い方。
キトサンは放線菌のエサ。カビを防止するもので、費用としては割高になるので放線菌が培養された堆肥を使いたい。

・バガスの利用方法
サトウキビの搾りカスであるバガスは、堆肥の材料として最高の成分。
・収穫せずに残ったニンジンなどを多量にすき込む事は良くないか?
未発酵なまま土中にあるということは雑菌の巣窟になる可能性もある。
堆肥舎などで微生物を管理し発酵させた堆肥にしてから施肥したほうが良い。
どうしてもすき込むのであれば、病原菌がくるまえに微生物を散布してからのほうがよい。

・トマトの一斉開花と肥料の関係
肥培管理が成功したという現われ。一斉開花ということは、窒素が切れて成長が止まったからというサインでもある。
ここで土壌分析による栄養バランスを把握し、ミネラル不足なのか、窒素不足なのか判断し適切な施肥をする必要がある。

・トマトの糖度を上げるには(8度以上に)
炭水化物によって果実への糖分ができるため、実をつけたあと炭水化物を多く使えるような施肥設計をすることで糖分を高めることが出来る。

炭水化物を多く与えられる追肥のテクニックとして(東北小祝塾 山形編を参考に)
例として、A肥料N8-P5-K3で成分16%。B肥料N4-P5-K3で成分12%の2つ肥料の区別の仕方で説明します。窒素成分(N)が、8%のA肥料と4%のB肥料では、A肥料のほうが優秀に見える。
しかし、アミノ肥料の場合は表示されてない成分が炭水化物(CHO)とした場合、A肥料84%、B肥料88%の炭水化物が見込めます。
ここで、40%の窒素を施肥設計した場合には、A肥料では420%、B肥料では880%の炭水化物が計算されることになります。必要な肥料袋は2倍になりますが、糖分に結合する炭水化物が2倍施肥できるB肥料のほうが糖度を上げることができるようになります。

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沖縄の堆肥
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圃場視察時に、沖縄本島で一般的に常用してる堆肥を紹介してもらいました。
完熟発酵堆肥」という表記の堆肥でした。
堆肥袋をあけてみると強烈なアンモニア臭が。

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(再発酵させることで良い堆肥として使えるようですが、このまま施肥すると…)

一瞬、宮古島にあった堆肥センターの堆肥を思い出しましたがあれは甘酸っぱい匂いで、こんな匂いはしませんでした。
肥料会社により、発酵具合・熟成具合の基準に違いがあるのかもしれません。
もし、このまま施肥した場合は未熟なためメタンガスなどが発生して根を窒息させたり、発酵熱で焼いてしまうため、立ち枯れなどが起こります。

使い方としては、これを堆肥舎で発酵させエアレーション・切り返しを行い、放線菌などの微生物をしっかりとコントロールして熟成させてから使うことになります。

圃場周りでは、根瘤センチュウの被害・立ち枯れ・ハエによる食害・根のトロケなどの症状が出ている場所もありました。
なんとか堆肥舎をつくり、センチュウなど発生しないように堆肥を熟成させて利用していけるといいのですが。

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(センチュウにやられたオクラの根)


この対策として、まず沖縄全体に感じたことですが土質が硬いため、土壌団粒化のために、発酵分解されたバガスの繊維質をたっぷり(表土に20cm)すき込むことで施肥効果が有効に作用するようになります。
センチュウ対策として、堆肥作り中に微生物の放線菌を使うことでキチン質を持つ(センチュウ・甲虫類・フザリウム菌)硬い病害虫を抑えていくことができるようになっていきます。
立ち枯れ・ハエによる食害・根のトロケ対策は、どれも未成熟な堆肥が問題なので「中熟発酵堆肥」にまで発酵させた物を使用します。
もう一つ付け加えると、未熟な堆肥からよく臭う「アンモニア臭」ですが、の多量要素Ca、Mg、微量要素Fe等と競合したときに、アンモニア分が優先的に植物に吸収されてしまうので、肥効のコントロールの意味でも堆肥の発酵は重要です。


どれも正しく堆肥を作ることが対策として有効なのがちょっとお得感。
逆に、堆肥作りに失敗したときの影響がありすぎて驚きです。

もちろん、「これだけでOK!」ってわけじゃないところが農業というものの難しさでしょうけど。

個人的には、農業資材が高騰する現状があるので、自作堆肥がつくれることはコストがかからないというのが魅力的です。
1生産者の中では、収支で占める堆肥代の割合が2%以下という生産者もあるので、うちの実家もせめて10%以下にはしてみたいものです。
水田のあるところでは、稲作なので、イナワラ(繊維)とコメヌカ(油脂・糖分?)と2つの資材が手に入ります。
しかし沖縄では、バガス(繊維と糖分の両方)という良材があります。

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新規就農者
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沖縄本島には、元らでぃっしゅぼーやの流通から、新規就農し生産者となった方がいます。
「物流にいたころは野菜のことを全て知ったつもりになっていたのに、生産者になって『こんなにも知らなかった』ということを毎日勉強できて嬉しい。失敗はさらに勉強になる」という前向きな感想でした。
周りの生産者によると、「最初は全然だったけど、最近はいいものをつくようになってきた」そうです。

Radix事務局に戻ったあと、ゴーヤやオクラがセンターに届いてるのを発見すると、「お。あそこの生産物!」とニヤニヤしながら見てたりします。
実はときどき、首都圏センターに届いてる野菜などを見学させてもらってます。
(ここ半年も農作業してないのでせめて野菜でも眺めようというのと、気分転換に…)

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一年以内に小祝塾沖縄編があるかも
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今回で三回目の小祝塾沖縄編となりましたが、無事終了しました。
沖縄独自の生産物も含め、沖縄の出だし早い野菜出荷は今後も重要なポジションにあります。 どうやら今後は沖縄への作付け要求も増えそう?

しっかりと土壌分析をして、

正しい施肥設計による肥培管理!
正しい堆肥作り!!
正しい微生物の使い方!!

「まずは、土壌分析を!」ということを課題に、冬場野菜の収穫時期に再度勉強会があるような予告がありました。

※見直しはしてますが、理解不足もあり記事中に間違っている記述などありましたらお教えください。

狩野隆行


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