農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2008-08-27

8月7日小祝塾 沖縄の冬場野菜 宮古島編

P1010055.jpg【1】 沖縄 宮古島

開催日時 :2008年8月7日(木) 9時00分~ 17時 00分
集合場所 :久松公民館前 平良市久貝233
内    容      :冬場野菜についての講義勉強会
                                (トマト・キュウリ・インゲン・ピーマン)
参加者 :30名

■小祝塾宮古編
1.沖縄 宮古島の環境
2.宮古島小祝塾(基礎編)
3.宮古島視察

 

----------------------------------------------------------------
1.沖縄 宮古島の環境
----------------------------------------------------------------

1 山がないので雲が滞留せずスコールのような雨が多い。

2 台風は、強風で病害虫を吹き飛ばし、大雨で水源確保できる。
                                                                                        (台風農法?)

3 珊瑚礁に乗った島なので、ちょっと掘ると白い石灰岩が出てくる。 家沖縄、柳沢 024.jpg(長い橋でしょ? でもこれ農道なんですよ。信じられない…)

・宮古島の田園風景
実際に航空機から見下ろすと、広大な「農地」が広がってて驚きました。
窓側に座ればよかった!(ミーハー的な意味で!)
宮古島の周りにも小島があるのですが、どれも真平らな島で全部農地でした。
調べてみると8400ヘクタールもあるとか。5000人以上の生産者がいるということでしょうか。
小さい島なのに、農地に立つと畑だけの地平線が見えるという農業立国っぷり。

・地下ダム
この、宮古島には「地下ダム」という珍しい施設があります。
最初、そのことを生産者さんから聞いたときには「広大な地下空洞に巨大ダム施設」みたいに空想したのですが、違いました。 宮古島の地層は、土壌が表層1mだけで、その下はなんと珊瑚の石灰岩です。
珊瑚礁の上にのった島というほうが分りやすいかもしれないです。

山も川もない宮古島の水源は、雨水が地下に溜まる地下水が殆どですが、これが珊瑚礁でろ過され海に流れ出してしまうので海岸沿いに杭を打ち込み、淡水の流出を食い止めてます。
これが「地下ダム」で、地下大空洞なんてないんですよね。長々と説明しましたが、この地下水を農業用水として汲み上げて使用しているで珊瑚のカルシウム分が溶け込んでいます。
土壌浸透後もまた珊瑚のカルシウム分が溶け込むので、日本では珍しいアルカリ水となってます。
また、雨水が重要な水源なので水の循環が非常に短い工程です。
このため、農薬など使えば地下水に浸透しすぐに影響が出るので、宮古島に住む生産者は水を含めた自然環境に非常に敏感です。


※アンモニア態窒素も含めカルシウムやマグネシウムがプラス電極の多量要素です。 宮古島では豊富な「カルシウム」です。根が吸収するとき、アンモニアのほうがプラスの数が少なく優先的に吸収され、それ以外の多量要素を吸収させる場合は、植物が吸収しやすい工夫が必要になります。
(キレート化するということですが、曖昧な理解しかできてないので説明できません)

----------------------------------------------------------------
2.宮古島小祝塾(基礎編)
----------------------------------------------------------------

・Radixの会と、らでぃっしゅぼーや
小祝氏の講座の前に、Radix事務局長 後藤和明による挨拶と、らでぃっしゅぼーや農産課から森田与志男氏の挨拶が冒頭にありました。 内容は、日本の環境と経済状況。らでぃっしゅぼーやの近況とこれから。(沖縄関係以外の詳細は別の機会に)
沖縄の生産物は九州産の早出しという立場にありるため、収穫・出荷の時期を読む上で難しいけれど、九州は台風や大雨などでダメージが酷く、沖縄にはこれから更に多くの生産を担えるような生産体制が欲しいという内容でした。期待されてますね!(北海道もいわれてみたい!)

・地産地消しない生産物「オクラ」
今回、勉強会の内容は8月から作付けの始まるトマト・キュウリ・インゲン・ピーマンの冬場野菜。
夏場野菜になるゴーヤやオクラなどは、らでぃっしゅぼーやさんに言わせると問題なく良いそうです。

P1010093.jpg


生産者に聞いてみたところ、オクラはすでに流通規模の三倍も市場にありパンク状態だとか。
結構、美味しいものなんですが売ってる単位が少量でバクバク飽食するというものでもない…かな。
チュルチュルと粘り気があって、ソーメンにいれる具にするのが好きな食べ物なんですが、沖縄の人はほとんどオクラを食べないそうです。

癖があるからなんでしょうか?
それに癖があるってならゴーヤのほうが苦いし「食べ辛いのでは?」と聞いたら、ジュースにして飲むそうです。
飲みたい! 事務局の仲間にお土産はこれしかない!と思って探してみたけど見つかりませんでした。…不覚。
そういえば、北海道でもユリ根を京都などに出荷するんですが、やはり食べませんね。
食べないものを生産してるだけに、もし返品されたらどうしようと思うことがあります。

…脱線しました。


P1010051.jpg

・小祝講座(基礎編)

宮古島では小祝塾が今回始めての受講という生産者が半数で、基礎編ということになりました。
ボクはドクターソイルで堆肥や肥料の土壌分析をしていたので、頭半分で聞いていたのですが、今回で五回目の小祝塾となり、基礎に立ち返って聞きなおし勉強になりました。

改めて思うのが、基礎はN、H、COと元素記号が沢山表記が多く難しいんですよね。
この植物生理の理解をいかに深めるかが重要で、小祝氏の講義内容はとても分りやすいものになってます。正しく理解しようと調べ事をしたのですが、光合成とか植物生理とか生モノの事なのに、化学式の羅列でとても頭に入りません。(泣き言ですね)


植物は葉での「光合成」と根からの「栄養吸収」によって成長しています。
光合成は、太陽を浴びることで葉緑素の中で苦土を使って二酸化炭素を炭素と酸素に。水を水素と酸素に電気分解します。
二酸化炭素(CO)も水(HO)も化合物で、これを分解し「C=炭素」、「O=酸素」、「H=水素」と小さくなったあと、化合物、「CHO=炭水化物」となります。

このCHOが、小祝氏の言われている高品質・多収穫の根源として使われていきます。
肥料の3成分である「チッソ-リン-カリ」(肥料袋に書いてありますね)
この「窒素=N」が炭水化物に加わると、N+CHOとなり細胞になります。つまり葉が増え、茎が伸びます。
これが窒素成長ですが、大きくなるので見た目にはいいのですが植物全体が軟らかいために病気や害虫の被害を簡単に受けてしまい危険です。

そのためには、皮を厚くし硬くしなければ身を守れるように防御力を高めなければいけません。
皮や葉を硬くするために炭水化物(CHO)から、セルロース(C6、H10、O5)を作り出します。
(繊維素の炭水化物で、不溶性食物繊維。綿などはその塊)

ちなみに窒素成長をしてるときに、窒素以上の炭水化物を与えることで、セルロースの生成やミネラル成長を促せます。
例えば、食酢を50倍に薄めて散布するなど。(酢がC2H4O2なので)


小祝氏の講座はだいたいこんな感じで、身近にあるものも有効利用できるなど、すぐに実践してみたくなるネタが豊富です。
小祝講座の基礎は、しっかり見に付けておけばヒントと応用で自分の圃場でいくらでも活用できるのが、凄いんじゃないでしょうか?

----------------------------------------------------------------
3.宮古島視察
----------------------------------------------------------------

・堆肥センター
さて、ドクターソイルは多量要素・微量要素を計測できますが、今回はドクターコンポで堆肥を計測してます。
これは、堆肥の熟成度がわかる簡易キットで、使うべき堆肥の見極めができるようになります。
今回生産者さんから持ち込み頂いた堆肥を分析すると、未熟なため窒素・リン・カリが検出されないものもありましたが、一点素晴らしい堆肥があり、これが宮古島の堆肥センターで作られている堆肥でした。

P1010077.jpg

サトウキビの搾り終えた繊維の塊の「バガス」と「牛糞」や「鶏糞」を利用した堆肥です。
発酵熱で堆肥の中は70度程度と微生物をきちんと利用。
切り替えしもきちんとしてました。
エアレーションも仕込まれています。

さて、この堆肥センターなんですが、なんとアンモニア臭がほとんどしないんです。
嗅覚を刺激するのは甘い匂い酸っぱい匂いでした。
材料のたんぱく質が分解され、アミノ状まで分解され、糖質と酢酸に変質してるからだと思いますが、とにかく酸っぱい。
ボクには耐えられないほど甘酸っぱい匂いでした。
充分に分解された現象の一つとして、ただ乾燥しだけならバラバラになる堆肥が、糖質によって大きな塊をつくって乾燥してました。塊を引っ張ってみたのですが、粘りついて分解できないレベルです。
これを施肥すれば、雨が浸透するだけですぐに肥効が現れるほど液状化した堆肥ということでした。

…堆肥初心者のボクとしては参考に欲しいなと思ったのですが…。
堆肥の生産が一日500kgで宮古島の生産者さんにも手に入らない供給不足だとか。残念。

P1010061.jpg

・ゴーヤとインゲンの生育を確認
渡眞利氏(真南風)の圃場にて、ゴーヤとインゲンが作付けされていたので、視察巡回しました。
インゲンについては、芽吹いたばかりだったんですがなんと海草が土壌表面に敷き詰められてました。
「海草は塩分があるんじゃないの」、と思いましたが塩分自体は水を掛け続けることで流れていくので問題はなく、塩素による殺菌と植物の硬化による防御による生育が期待できるので、塩分にさえ気を配れば利用できる資材となるようです。

ゴーヤについては、上部の葉に色と艶がなくマグネシウムが不足気味になっていました。
本人も気がついてるそうで、これからマグネシウムなど欠乏気味の多量要素を追肥する予定のようです。


・土壌分析
真南風さんの事務局である坂本氏と話し合う機会があり、いろいろ尋ねていた中で、やはりドクターソイルでの分析が滞りぎみで、今回の小祝塾を機会に土壌分析を積極的に取り組んでいく…ということになりました。
小祝塾の内容に限らず、自分の圃場の成分を把握するのは大事なことです。
無駄なく必要な肥料や堆肥や資材を投入するには、土壌分析し見極めた施肥設計が必要になります。
とくに、今年から農業資材の価格上昇によって無駄な費用をかけられなくなってきています。
いい野菜を生産するために必要ですが、経費的にも効果が現れるので、今こそ土壌分析を自らして把握していけるかが岐路のような気がします。

・御通り
…実は六日の夕方に宮古島入りし、集まった生産者の方々と小祝氏など関係者で懇親会があったのです。
そして、宮古島の沖縄名酒「泡盛」による「御通り」なる洗礼を受けました。

と、いうかですね。料理の前に、ピッチャーで透明な水に氷が沢山入っていて、「冷たいお水が飲みたい!」とおもって注いで見たら、泡盛でした。
「 あれ? 水…だよね?」
と判別できないほど薄くて飲みやすくて美味しい!!
酒飲み的な意味でなく、お酒が美味しいと思ったのは初めてだったのでびっくりしました。
驚いていたら、「いちいち氷入れたり、水で割るのが面倒だからこっちではみんなこうなんだよー」とのこと。
それ以前に、飲料水ではなくお酒であることに驚いてたりしましたが、恥ずかしくて言えませんヨ。

さて、「御通り」ですが、コミュニケーションをはかる上で有効な方法でもあるようです。
口上し、その後に注いで回っていくのを順番に交代でしていくようで、ノミニケーション(?)が苦手なボクでもなんとかなりました。
冷静に考えてみると、お酒に弱いボクですが無理せずにあそこまで飲めたのは初めてだったかもしれません。
酒豪としか思えない生産者たちからみると、「え? まだまだ飲んでないでしょ?」ぐらいに思える量かもしれませんがー。

P1010038.jpg

(※ただいま懇親会中。ピッチャーにはいってるのが飲みやすい泡盛でした)

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/1121/sake.html
↑参考までに・・・。
北海道は、ビンで一気に飲み干すという、生命の危機さえ感じる飲み回しなので見習いたいものです。

しかし、写真撮影の才能が無いですね。
シャッターボタン押してるのに、撮影されてないシーンが多数とかどうしたものか。

カリノタカユキ


この記事にコメントする

名前:
メール:
URL:
コメント:

RadixWebトップページへ

RSS2.0 /  Atom

Copyright 2007 Association of Radix. All rights reserved.