農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2008-05-30

5月30日 2008福広塾春編



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開催日時   2008年05月30日(金) 9時30分~12時30分
集合場所   ゆうき伊賀の里 福広博敏さん圃場
講     師       福広博敏さん
内     容       圃場見学、堆肥舎見学、講義(移動はありません)
参 加 者    21名


  関西の生産者福広氏が講師となり、生産者による生産者塾「2008福広塾春編」を、関西にある三重県名張市の福広氏ほ場にて開催いたしました。
  福広講師はトマトが主な生産物で、他にも葉物としてチンゲン菜・小松菜・レタス・エン菜・ズッキーニ・モロヘイヤを露地栽培されています。地形的には東側から来ると「伊賀の隠里」のような場所で、川砂で作業のしやすそうな立地でした。本日は21名の参加者で講義開始となりました。
露地の葉物、トマトハウス、堆舎と、栽培の現場を視察したあとに座学での勉強会です。

 

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露地栽培
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チンゲン菜
葉は虫食いが目立つため、網目の小さいネットを掛けて防せいでます。またネットは雨による泥ばねを防ぐので、雨天のタイミングをみてかけています。
小松菜
虫食いが出ても目立たないため、粗い網目のネットをかけていました。
また、収穫時期に安定した大きさと量を収穫できるように小松菜の種を三日に一回のペースでまきつづけるそうです。それでも雨の状況によっては同時期に発芽して成長がどれも一緒になるなど悩ましいところもあるようです。
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レタス
福広塾開催時はちょうど収穫がおわったところでした。

新井氏「レタスは収穫時期に窒素分が切れるように作付けするといい。
葉物の作付けのコツは、同じ肥 料を続けて使わず、堆肥は動物性の堆肥があるといいねぇ」
福広氏「そうですねぇ。来年は参考にして作付けすることにします」

さっそく東西の講師対決が!?と思いきや、両氏ともそういう性格ではなく「それいいね。そうしよう」と良いと判断すればすぐに取り入れる様子。

エン菜
元肥無しで種まきし、10月まで4回の収穫。(北海道ではあまりみない野菜かも?)
ボクにはちょっと珍しく、じっくりみていたら「いと愛づらし名菜百選」という、らでぃっしゅぼーやが取り組んでいる昔ながらの野菜でした。流通では主流ではない野菜で、福広氏いわく「味はまぁまぁ、育てやすくて肥料もほとんどいらない」というものらしいです。
ズッキーニ
ホウレン草などの残肥のみで定植し、元肥無しで栽培可能とのこと。
収穫前に軽く何回か追肥することで美味しくできるとか。
悩みは、雨が続くと花がとろけて、実までとろけてくるそうです。
モロヘイヤ
エン菜、ズッキーニと一緒でモロヘイヤも元肥無しの無肥料で栽培しているそうです。
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なるほど。植物生理をすこし勉強したせいか「肥料=成長」しない!と、頭にでも、無肥料で残肥を無駄なく利用しつくすのは上手いテクニックですよね。今やっと気がついたんですが、こうすれば残肥となった残っている不安定な肥料を吸い取れるから、次の肥料設計はしやすくなるんですね。

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トマト栽培
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桃太郎ファイトという品種で2期に分けて4棟のハウスで栽培されていました。冬に播種し、7月末日まで収穫予定の2棟と、8月末日まで収穫予定の2棟。参加者はトマトが病原菌に感染しないように、作業着や長靴など雑菌の多い農作業着の着用禁止で普段着で視察です。

ハウスの中は、下は一面マルチシートで覆われていました。ハウスに定植後は地温を高めて生育させるためにグリーンマルチを使用し、初期成育が終わると白の光を通さないマルチに切り替えるそうです。
そうすることで、根の張りが肥料や水分の吸収が楽な土の表面になります。
逆に光を通すと根の張りが下になり栄養の吸収が大変になります。
福広氏によると今年は施肥設計を定植前・収穫後に加えて生育途中のデーターも収集して設計を行い、鉄分の追肥を中心にしています。水分管理と窒素肥料の効果を把握して、なにがどうなるかイメージを持ち作業しているので問題が起こっても対処できるそうです。
ボクにはデータとしてのイメージなんて持てていないので、北海道に戻ったらこういうイメージをしっかり持てるようになりたいところです。
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今後のトマトの課題として福広氏に挙げてもらったところ、育苗の失敗率が増えきたこと。トマトの播種のスタイルができたが立ち枯れ菌が出てきたことがあるそうです。
立ち枯れ菌の発生原因は不明で、発生しても地面に埋めることで復活させることができるそうですが、対処に苦労してるようです。
ひとつには山土の質が変わってきている事。これをやめると多少は抑えられたようです。
次に、苗箱やハウスを熱湯消毒したり個々での播種もしたりして原因を特定しようと対策してみたようですが、やはりわからない。
ということで、新井氏から助け舟が!新井氏によると、地際から苗が倒れるか、地面から苗が1cmぐらいからくびれて倒れるか。で、くびれの場合は「リゾクトニア菌」が原因で、これは熱湯消毒で殺菌可能で対処できるようです。また、山土にあるリゾクトニア菌もビニールの上に乗せて、そこに水をかけてマルチをし、トンネルをかけることで熱殺菌できるそうです。
  …これはボクには難しい話です。菌とか目に見えない物との戦いですか。「リゾクトニア菌」が原因としても発生箇所も複数あるようですし、ひとつひとつつぶしていくしかないんでしょうか。
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  らでぃっしゅぼーやの期待としては「一年間出荷できるトマトが是非欲しい!」とのことで、福広氏に何度もプッシュしているやり取りが面白かったです。
どうやらトマトを一年栽培するのは、菌の対処をくまなく施さないとダメなようで福広氏も、展望としては栽培していたいけどまだまだ難しい課題をクリアしていかなければならないようです。

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堆肥舎視察
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     福広氏の堆肥舎も視察できました。ここの堆肥がすごいんですよ。何がすごいって費用です。たとえばボクんちの北海道でのほ場で肥料代が経費の30%(適当予測ですが)ぐらいなんですが、福広氏の資料によると、「肥料代1.7%」20倍ぐらい差がありますね…。

   堆肥舎の施設の規模は横幅10m、奥行き5mぐらいでしょうか?
いままでにみた施設で一番小規模に見えましたが、エアレーション用の換気扇はトイレ用のモノで一般的に使われるものよりも格安だったそうです。福広氏によると、理由は「パイプにちょうど合うサイズだったから」と気さくに笑っていましたが、普段からきちんとコストカットを心がけてるんですね。

  堆肥材料は、残飯らしきものをコンポストしたもの、カニガラ(寄生虫対策!)、オカラ、籾殻、鶏豚牛糞が見えました。ほかにも苦土や卵殻などあるそうです。これらの材料のほとんどが低価格か、無料で入手できる工夫をしていました。これぞ地産地消、地元にある未利用資源の有効利用のようです。
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ほかにも福広氏は、研修生や新規就農者の育成にも携わってる様子で、後継者対策関係も進んでしていました。
CO2排出量の計算もしています。(去年からすでに提出!)
むしろ「らでぃっしゅぼーやの生産者にこういう計測を提出してもらうだけでも、アピールになるし、これからの生産者には必要なことだから声かけしてもらえんかね」と投げかける側に回っているという状態です。


   たしかに、どのぐらいの排出量なのか把握できるだけでも面白いかもしれないですね。
個々の生産者から情報共有化の話題があがったり、解散しても話し合いたい事がまだあるという話題の尽きぬ状態だったのですが、それぞれ仕事もあるので立ち話もそこそこに解散となりました。
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新規就農者のトマトハウス
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   ということで、福広塾は終了したのですが、おまけです。
新規就農者の村山氏の所へ、福広氏が新井氏を誘って視察にいくというので、一緒についていきました!3つのトマトハウスと、1Haぐらいの畑作という規模だったのですが、いろいろな問題もあるようで苦戦してるようでした。
  トマトハウスについては、雨水対策がしっかりしていて、すべて一箇所に溜め込むようにできていて、うちのほ場でも真似したくなりました。ただ、ハウス中でアブラムシが発生しかけていたので、トマトが出荷に間に合うか微妙なところのようです。
  トマト自体は新井氏によると実のつきもよく「90点ぐらいあげたいね」というよいできのようです。
新井氏が、一部ハウス内部に雑草が生えているのを見つけて、ここからウイルス感染が発生するかもしれないから注意ということでした。

  畑作の露地栽培のほうでは、山地で棚田というか段々畑になっていたのですが、砂地のため雨が降ると土も一緒に流れるため、えぐった川状に下のほうまで削り取られてました。こういうので栽培物の根が見えると大変そうですが、どう対処すべきなんでしょうね…。作業自体は砂地でしやすそうでした。大きな石がちょっと多い気がしましたが。
   最後に露地の堆肥を視察したのですが、斜面でコンクリート打ち、土手の斜面に直結されているため、雨水を切ることができないため、べちゃべちゃの状態でした。
材料が生鶏糞で嫌気性がつよく、どうしたものかと村山氏も頭をひねっている状態でした。
土地の契約で、鶏糞を定期的に引き取って野菜栽培に使用するため使う必要があるけれど、発酵が思うように進まず、水切りもしづらい状態で大変難しい状態のようでした。

  何かコメントを付けられればいいのですが、未利用資源でも量が多すぎると圧倒されるものですね。
堆肥舎の施設建築や畑作の土壌改造など思い浮かびます。が、新規就農という手数が少ない状態でもできることを考えるとそれらは順序としてはかなり下位の部分に。既存の生産者も手間の要らない土地は欲しいけど、なんとか新規就農の人でも狭くとも手間の要らない(ビギナー用?)土地が簡単に手に入ればいいんですが。

 

写真はタケウチ先輩からこっそり頂いてます。
狩野隆行(6/24)


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