【01 農産活動報告】の最近の記事
【01 農産活動報告】
2009-06-08
福広塾 “春”編 開催報告【村山さん編】
福広塾”春編” 【座学編】に続いて、新規就農者の【村山さん編】をお届けします。
************* 【村山さん編】 ************
(村山さん)
最近、農水省が農業をかなりプッシュしていることもあり、新規就農がだいぶ話題になっているかと思います。
私も就農して1年半になるんですけど、新規就農のひとつの例として、かいつまんで説明したいと思います。
私自身はもともとメーカーに勤めていて、エンジニアみたいなことをしていました。
会社では自分がやっていることがもう一つ納得いかないと思い、別のことをしようと思って高校の先生などもしたことがあります。
その後、自給的な暮らしをしたいと思い、農業をやろうと思って、いろんなところをまわりながら話を聞いてきたりしました。
福広さんのところにくる前に自給的なところに飛び込んで、半年ほど研修というか共同生活みたいなことをしていました。
気づいてみれば、嫁さんも子供もいましたので、こんなことをやっていては生きてはいけないと気づき、農業をやろうと考えてちょうど1年半ぐらいたって福広さんに出会いました。
福広さんの圃場にきてめちゃくちゃ感動しました。
いわゆる自給的な農業をされている方は草が多いことが多くて、のんびりとやっている感じでしたが、ここにきたら全然異質なものを見せられて・・、福広さんは何でも答えが返ってくるすごい人だったんですよね。
これはすごいなと思って、もともと自分も技術者だったので農業というのはこんなこともできるんだ、こんなに面白いんだと気づいてですね、生き方としてではなく仕事として面白いぞと思って農業を始めました。
もちろんお金の面でもどうやって食っていくのか、子供をどうやって食わせていくのかということもありました。
福広さん、儲かっているんですよね。ほかと比べてみると・・。
こんなに食えるんだ、農業って・・、食えて面白かったら言うことないぞと思いました。
福広さんに頼み込んでですね、当時本当にお金がゼロだったもので、アルバイトでもいいから働かせていただいて、いろいろと教えてくださいと頼み込んだら、ちょうど福広さんも手が少し足りなかったこともあり、いいよという話になったわけです。
それからだいたい1年ちょっとですね、こちらで研修させていただきました。
今も農業やりたいと言ってぽんと(生産現場に)飛び込む人がいるんですが、たぶん最初から使いものになるかといえば、おそらくならないと思います。
私の場合でも、どうしようかなと思って1年半ぐらいふらふらとしていたので、基本的なことというか、少なくとも野菜に親しむというか、そのレベルまできてから福広さんのところで研修をやり始めました。
販路ということでは福広さんのグループに入れていただいて、出す枠もあるよという話をうかがって、これは渡りに船でしたね。
そして土地探し。
たまたま運良くグループの月井さんの紹介で土地を借りられることになりまして、独立する3~4ヶ月ぐらい前にうまいこと土地が見つかりました。
巡り合わせと思うんですけど、その他の土地も地元の方に助けられながら見つかりました。
今日もきていますが、学校の同級生だった張田くんが途中で合流して二人でやりながら1年半、今年の5月からは新しい研修生がきてくれて、だいたい二人体制でなんとかやってきているという状況です。
資料のレジュメにもいろんなことを書いてあるんですが、辿った道というのは今お話ししたような内容になります。
最初の頃は自給できたらいいなと思っていたんですけど、だんだんと模索していくうちに、もともと自分も仕事がいやで辞めたわけではなくて、なんか世の中変だなぁと思いながら会社を辞めたんです。
会社にいた頃に納得できる仕事をしたいとものすごく思っていたので、福広さんと出会って仕事を始めてから、いい仕事をする、とにかく自分自身がいい仕事をする、それから次の世代、自分の子供もいますし、子供だけでなく自分より年下の人たちとか、とにかくいい仕事というのを自分もやらなくてはいけない、そういうのを作り出せたらいいなと、ちょっと欲張りだけどもそのようなビジョンを持っています。
自分が楽しいだけでは多分もたないような感じもして、結構夢を持っていないと続かないのかなと思います。
それと仲間がいないとつらいですよね。
共有できるビジョンを語れる仲間がいないと、なかなかやっていけないのかなと思ったりしています。
今はいろいろな就農支援事業を国の方でやっていますが、やはりネックになることがたくさんありますよね。
土地にしても住む場所にしてもそうですし、退職して始められる方にとって私みたいな年代とは違うスタイルになると思うんですけど、私ぐらいの年代になると子供もいて生活をしなければいけないとなると、まずお金のこととかがけっこう深刻になりますし、それから販路ですよね。
らでぃっしゅぼーやさんに本当に感謝していて、このような形で就農する半年以上前ぐらいから作付けをもらう形になって、それにめがけて土地も借りて、計画を立てて施肥設計して・・。
やはり計画的にある程度販売できるような道を見つけておく、あるいは出荷グループのようなものがあれば、そこで人を育てる、サラダボウルさんにしても群馬の倉渕さんにしても結構若い人を育てるという仕組みができていると思うんです。
仲間でやるというか、グループの重要性というのは新規就農の場合は特に大きいと実感として思っています。
最後に、今後の事業展開の方向性について書いてありますけど、私自身一人で結構借金をして独立就農みたいなかたちでやってきているんですけど、これって無理しているところもすごくあると思うんですよ。
運良く福広さんに出会って、たまたま土地を紹介していただいたこともあったけど、本当はシステムみたいなものでないとだめなのかなぁという感じもすごくあります。
私は運が良かったと本当に思います。
ですから教育システムとか、サラダボウウルさんがやられているような学校みたいなものもすごい良い例だと思うんです。
ここにも福広さんがいらっしゃるし、ちょっと小規模なものでもいいから、少しずつそんなことをやりながらグループを大きくしたりとか、そんなことができたらいいなという夢も。
グループとしてできるようなシステムみたいなものをつくっていけたらいいなと思います。
だからグループでささえられるようなシステムみたいなものを作っていく必要があるんじゃないのかなと、自分の中で夢みたいなに考えています。
就農までの経緯と思っていることを簡単にお話したのですが、あと資料を少しつけているので説明させていただきます。
皆さんのところにも農家さんのところにも農業をやりたいといってくる若者って、結構いらっしゃると思います。
お金のことって、表に出してしっかり把握しなくてはしょうがないと思います。
自分の場合、生々しくこんなことにお金を使いましたと詳細に書いてありますが、仕込み期間というか、自給的な生活をはじめてやろうと思った時から就農するまで、就農して最初の4ヶ月ぐらいは収入がほとんどなかったので、その期間の3年間の間に使ったお金と、どこからお金がきたのかを赤裸々に書いてあります。
嫁さんがいて子供もいて、2年半で800万、だから年間で300万ぐらいが車の維持費とか家を借りたりとか、引っ越したりとかを全部含んでの金額です。
その後は、事業のための投資で、この400万はひとくくりで就農関係初期投資と書いてありますが、これはほとんど借金でやっていますね。
公的資金の無利子の資金で借りてやっています。
それから就農後の生活費は塾の先生とか、福広さんのところで給料をもらいながらなんとか貯めたお金で4ヶ月ぐらい乗り切って、その後はうちの売り上げでなんとか食えるようになってきています。
これは次のページにその後の1年間の経費みたいのが書いてあるんですけど。
資金の出所ということでは、貯蓄100万ちょっととあとは必死に夜働いたりして、親とかにも少し出して頂いたりとかありましたけれども。
3年間で全部で使ったお金は1400万円ですか、そのぐらいは初期投資も含めて、それぐらいいるよという1つの例になるかと思いますので、もし考えられている方が近くにいたら例として見せてあげていただいたらと思います。
次のページにいきますと、就農してからの経営概況ですね。
2008年、去年1年間の売り上げと経費とを書いてあります。
だいたい福広さんのところを1/3ぐらいにしたような売り方だと思ってください。
本当にまねしようとしてなんとか必死に練習してというのを繰り返してやっています。
売り上げの三本柱は、とまと・小松菜・ほうれん草で、あとは季節に応じてこまかいものを栽培しています。
経費関係で売り上げに占める割合とかも書いてありますけど、出荷経費はそれなりにどこの産地でもかかるんじゃないかと思いますし、初年度なので割と材料費などがかかっています。
まあ、だいたいこんなものではないかと思います。
差し引きで去年は申告段階で230万円弱ぐらいがうちの収入になったんで、サラリーマンの初任給ぐらいなんとか就農1年目で届くか届かないかぐらいで、そのぐらいで食えるよという状況になりました。
支えてくれた福広さんにはいつでも技術的なことを聞きにいけるし、らでぃっしゅぼーやさんからは(出荷の)予定量をすでにもらっていたので、作りさえすればなんとかやっていけるという、それを目標にもがいてやってきました。
その次に、実際の作付け体系はこんなかたちでやってきましたと書いてあります。
これも福広さんのところをなるべく真似するような形で・・、ただ夏場の小松菜とか、難しそうなところはちょっとやっていなかったりとか、そういうのはありますけど・・。
もし自分の方で欠品しても、福広さんに補ってもらえるとか甘えだらけで・・、グループの中で融通もきくのでなるべく同じ品目でやっています。
自分のところだけでやっていたのはブロッコリーぐらいですかね。
そんな感じでやってきました。
その後は、お金どうこうというより、(らでぃっしゅぼーや農産課の)神保さんが話をされていたことに関連することですけど、何にもないところからスタートしていますので、技術に関して学ばなくてはならないことも、ものすごくいっぱいあるわけで、できるだけデータを集積しようと思っています。
参考までに、作業日誌を資料としてつてけいます。
福広さんはJAS有機対応のため作業内容などを結構書かれていたと思いますが、自分の場合、収量がどれぐらいだったかが結構重要で、それをなるべくデータとして残すためにですね、トレーサビリティという意味でもたぶん重要だと思うのですが、どの圃場でどの畝でどれだけパック数がとれて、その日に出荷したのがどれだけで、今の在庫がいくつあるといった記録をつけています。
結局この記録ができていると畝ごとに肥料をどれだけやった、いついつ草刈りをしたとか、自分の場合は作業日報は小さい手帳に書いているので、この手帳さえ見ればこの畝に関する履歴が追えるようになっています。
例えばこの圃場のこの畝はなんか3割ぐらい出荷が少なかったよと出れば、何か原因があるので、それができるだけ追えるような形で、少なくとも数だけかちっと出ていれば反省材料に使えるかなと思います。
こんな形でやっています。
それぐらいやらないと、たぶんなかなか技術はついてこないと思っています。
できるだけ努力してやっています。
その一つの例として、次のページにとまとに関して、去年毎朝張田くんと一緒に毎回朝とるたびに重さを量ってですね、その日ごとにどのように量が推移したのか記録をとりました。
技術的にも多少参考になるかなと思うのが、ハウスA,B,Cと3棟建っているんですが、それぞれで多少実験もしてまして、ひとつのハウスには鉄を入れていて、ひとつのハウスには酵母を入れたりなど試験をしたんですが・・、結局はほとんど変わりなかったんで意味なかったということになってしまいました。
データをとってすごくよかったのが、例えば一株あたりの収量とかが厳密に出ていて、A,B,Cそれぞれがだいたいが5.2kg弱/株ですけど、結構均一でどこでも同じぐらい、ハウスに関係なくとれていたので、だったら今年は密植にしようということで・・。
去年はA棟が296株で、C棟が320株で少しずつ3段階ぐらい密植度合いを変えてみたんですけど、株あたりの収量が変わらないのであれば、今年はかなり密植の方で植えてみました。
そういうことをやったりしていますね。
もうひとつわかったのが、Aの1,2,3,4とか書いてあるんですけど、4条でやっているので条ごとに番号をふってあって、それぞれ収量を調べていたんですよ。
ハウスの内側が2,3ということになるんですけど、ここが5%ぐらい収量が落ちるんですよね。
福広さんと話をしていると光量がだいぶ違うのではないか、外からの水の浸みだしなどの影響があるのではないかと考えています。
今年はちょっとでもうまいこと補正できたらいいなと思っています。
そのように反省材料に活用しています。
その次のページはとまとの積算で、どれぐらいとって、どのぐらい売ったかというデータです。
面積がちょうど5セなので、反収でいうとちょうど倍にしてもらった数字になるので、最終でだいたい反収で8tぐらいとりました。
収率90%以上ですね、らでぃっしゅぼーやさんに出せないようなものは近場でとってくれるようなところに売ったりしています。
ほうれん草の実績をまとめたものです。
出荷数、1畝あたり何パック売ったかというのもなるべく記録してですね、季節的な変動とか、肥料とかの影響とかをなるべく追えるようにしています。
データを残しておくと、播種がいつ、収穫がいつだったから、何月何日に蒔けば何日ぐらいで収穫するとちょうどいいというデータになります。
1年でとったデータなので、あまり精度は良くないんですけど、表を見ていただければほうれん草だったら、秋作として9月9日ぐらいに蒔けば32~33日で収穫、10月20日ぐらいだと小松菜だったら最初、ほうれん草だったら最後に近いような感じになります。
日数だったら120~130日みておいたらいいかなと自分のとっているデータから引けるので・・。
こんな感じでデータをなるべく活かしてやりたいなと感じていて、少しでも新規就農のデメリットというか知識のない部分を補えればと考えています。
こんなかたちでざっくりと話をさせていただきました。
(質問)
肥料とかは福広さんと共通のものを使われているのですか?
(村山さん)
有機栽培対応のものなので、そんなに違うものはほとんど使っていません。
グループで一括して肥料購入をしていますので、肥料系はだいたい同じです。
ただしうちの畑は養鶏業者さんから借りているものなので、5反の土地に鶏糞のおまけ付きということで、必ず年間で消化していかなくてはならないので、鶏糞とおつきあいをしながらやっています。
以上のことから福広さんとは堆肥の質は全然違います。
***********【村山さん圃場見学】************
(村山さん)
この3棟でちょうど5セになります。
とまとの本数は各棟320本で、株間はかなり狭くて34cmにしています。
福広さんのところより収量重視というか、ちょっと樹の勢いが強すぎるくらいかもしれません。
それでも去年より気持ち細いかなと感じています。
ここは少し傾斜していて入り口側がすこし低くなっています。
傾斜地のためこちら側に水が落ちてくる傾向にあって、日頃灌水する時はうしろの奥だけやって、たれてくる水でこちら側も灌水する形でやっています。
灌水もいろいろと工夫していて、雨をそこに貯めて配管で各ハウスに配って奥までホースを通して、そこから落ちてくるような感じでチューブをはわせています。
入り口側の湿気るところは水をやらないことにしています。
福広さんと同じように去年はベタ畝でやっていたんですけど、去年湿気ついたので今年は少し畝をたててみようと、気持ち10cmぐらい畝をたてました。
まだ試行錯誤しながらいろいろとやっています。
本当は間口をもう少し小さいハウスにしようと思ったんですが、業者が大きいハウスを持ってきてしまったので、ハウス同士の間隔がかなり狭いですね。
換気がけっこう厳しいんですけど、すでに計画をたててしまって面積ぎりぎりだったものでむりむりたててしまったんですけど・・。
90cmぐらいしかハウス間はないと思います。
ちょっとそれがネックなんですけどね。
実験みたいなことをしていて、ここは定植前に耕起したところですね。
下のハウスはほとんど不耕起で福広さんみたいなかたちでやっています。
樹の勢いとしては、ここのハウスは最初から根をしっかり張ったので、わりと大きめにできています。下のハウスは手前側が太いんですけど、奥とかは活着が遅れて細いのもでています。
育苗管理では、(育苗中に)日中の温度が低い時もあり、ちょっと低温にあわせてしまったこともありました。
ちょっと段飛びも多い感じです。
カリ欠の症状は、葉が巻いた時の症状ですね。
窒素をがんと効かせちゃうんで、それで一気に葉っぱが巻いて、その巻いたところに水がいかなくなって壊死するような感じでカリ欠がでている感じです。
たぶん福広さんのところと同じ症状だと思います。
樹全体にカリが足りないのではなく、窒素がいきすぎて葉が巻いてしまい自分で首をしめているようなものです。
(新井さん)
脇芽の中心が茶色になることはない?
(村山さん)
カルシウム欠乏ということでしょうか。
この畑には鶏糞が相当入ってきているので・・。
奥の方に1~2本、今回かなり暑かったときに水を切らしたところがあって、それでちょっとくらったのが1~2本あるんですけど。
このあたりで樹の太さが福広さんと同じぐらいだと思います。
こっちが傾斜としては上なので、しかも土質もこちらの方が砂地で、下の方(※入り口側)が粘土質がきついんで、水やりがすごく難しいです。
(新井さん)
カルシウムが欠乏すると上の方の脇芽の中心に茶色い斑点ができるんですよ。
それがカルシウム欠乏の予兆。
それが進むと玉の尻腐れにつながります。
(村山さん)
たぶんここは水を普通に枯らさなければカルシウム欠乏はでないと思うんですけど。
施肥は基本的に福広さんのやりかたを踏襲しているので、この通路のところに堆肥をどかんとおいて、そこに灌水を上からやっています。
最初に肥料が効き始めると一気に効いてしまうので、そのときにかなり巻いて、だいたいそのへんの葉がカリ欠のような症状になっていると思っています。
(新井さん)
たいしたものです。
二年でここまでできるとは。
一個一個の玉は大きいでしょ。
(村山さん)
玉は基本的によくばっているので、大きめです。
(質問)
何段までとられるんですか?
(村山さん)
福広さんのところに習って6段といいたいところなんですが、6.5段~7段とるやつがありまして、太陽熱が入るぎりぎりまで収穫しています。
(質問)
この後は何か作られるのですか?
(村山さん)
そうですね、パターンは同じで、去年からハウスでネギをこの後で入れるつもりで、ネギと1作ぐらい小松菜をいれようと考えています。
小松菜だと3作、ネギだったらネギと小松菜ですね。
(新井さん)
こんだけ葉がたれるとということは、かなり水をくれているね。
(村山さん)
特にここのところだいぶ水をやりました。
(新井さん)
元からたれているもんね。
うちは直角を目指しているんですよ。
直角にでて葉先がちょっと上がるぐらいがベストな状態。
これは最初から下がっていますよね。
かなり水が効いている状態。
(質問)
直角の場合、どのぐらいの水管理で?
(新井さん)
どのぐらいといっても、見た目で樹と相談です。
水をくれすぎるとたれてくる、色具合ですよね。
少し色が濃すぎるかなと気がしないでもない。
残肥の関係で、ちょっと残りすぎている感じかな。
(村山さん)
このハウスの前作ができが悪くて、残りが多いかなと感じます。
(新井さん)
アブラムシを考えるともう少し淡い色でもいいかなという感じもしますね。
昨年も言ったんですけど、アブラムシというのはたぶん自分で入ってきているわけではないんです。彼が連れて入ってきているんです。
というのは周りに草が生えているじゃないですか。
草の中を歩いてハウスに入る関係で、自分でもってきちゃっているんです。
だから去年アドバイスしたのは、自分の通路だけは全部シートを敷くように言ったんですけど、まだ敷いていないね。
それだけで全然違いますから。
通路だけはシートを敷いた方がいいよね。
でも(ハウス内には)アブラムシはあまりいないね。
(新井さん)
ハウスの上を少し開放しないと上にきた花が落ちたがるのでは。
(村山さん)
去年もそうだったんですが、もうちょっと上をあけたいにはあけたいんですが・・。
(新井さん)
こんだけ暑いと上の花が落ちたがりますよ。
三カ所ぐらい天井に(暑い空気を)抜く穴を考えた方がいいよね。
(村山さん)
だから脇をまくり上げたんですけど、アザミウマがたくさん出て・・。
あれは悩ましいですよね。
福広さんのハウスと比べると肩が低いんですよ。
たぶん20cmぐらい違うと思います。 ![]()
(村山さん)
上の畑の小松菜とかぼちゃをみていただきましょう。
小松菜の品種は「なかまち」
マンガン欠乏みたいなものが白くでかかったりするので、葉の色がちょっとまだらっぽく薄くなっているんじゃないかと思うんですけど・・。
基本的にアルカリ土壌です。
鉄欠乏、マンガン欠乏が常時発生している感じです。
ほうれん草はつらいですね、小松菜だとなんとか大丈夫なんですけど。
ほうれん草だと本当に芯枯れとか、葉色が相当薄くなってしまうことがあるので・・。
FTEを入れてもアルカリだとあんまり効かないですね。
葉面散布するなど手間を結構かけないといけないです。
(新井さん)
よく見ると縁取りができているね。
なんだろう。
これがpHが高すぎる症状なのかな。
(新井さん)
それはありえますね。 ![]()
(村山さん)
向こうはかぼちゃですね。
かぼちゃの種まきは去年よりも遅かったので、まだだいぶ小さいですね。
今年はマルチ大麦を実験的にまこうと思って、これもだいぶ遅れてしまっていて、やっと顔をだしたぐらいです。
うまくいけば、草の茂った上にかぼちゃがなるという月井さんがやられているので、ちょっとまねをしてみようかなと思いました。
品種はほっこり133です。
(質問)
このあたりは獣害はどうなんですか?
(村山さん)
かなりあります。
シカに食われまくっていますし、イノシシもそうとう歩き回っていますし、アライグマとかタヌキとかキツネとかけっこうきています。
ヒヨドリにもほうれん草を相当食われてしまったり・・。
サル以外はきていますね。
だから冬は電柵しています。
自分が檻の中にとじ込まれて仕事をしている感じです。
*******************************
本編を含めて、合計5本の報告ブログが福広塾の開催報告のすべてです。
勉強会に参加された方は復習をかねて、参加できなかった方は栽培の参考にしていただければ幸いです。
最後になりましたが、講師となっていただきました、ゆうき伊賀の里の福広さん、村山さん、そして助言をしていただいた新井さん、丸山さん、大変ありがとうございました。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-07
福広塾 “春”編 開催報告【座学編】
福広塾”春編” 【堆肥編】に続いて、今回は【座学編】をお届けします。 ![]()
************** 【座学編】 *************
(座学前にバーナーをつかった火炎除草機についての説明)
(福広さん)
灯油が燃料となっていて、バーナー部の加熱用にカセットコンロのガスボンベを使用しています。
同様のバーナーはいろいろなメーカーから出ているんですが、なるべく火力が強いタイプを選んでいます。
予熱が大変なので、これはガスボンベ付きのタイプです。
灯油タンクをまず加圧します。
そしてライターなどで着火します。
ガスでしばらく予熱をしてから灯油に切り替えます。
そして草を焼いていきます。
(下は実際に火炎除草機を使った実演動画です)
値段はインターネットで2万円ぐらいで購入しました。
(※定価は3~4万円ぐらいするそうです)
除草対策で注意している点は?
(福広さん)
草の多いところは、不可能と言えるぐらい難しいです。
草の少ないところは、草を生やさないよう種が落ちる前に引っこ抜くことです。カボチャからこっちの畑は草の多い畑で半分あきらめています。
草が多い圃場では、なるべく背の高い野菜をつくるようにしています。
草の少ない圃場には、ほうれん草や青梗菜などを栽培します。
小松菜は生育が早いので、種を蒔いて草と競争して負けないぐらいになります。そして収穫も早いので、草の種が落ちる前にだいたい収穫できます。
ほうれん草と青梗菜は間に合いません。ハコベとか生育の早い雑草は種が落ちますから、ほうれん草の場合は途中で必ず除草に入ります。
その労働時間が大変なので、ほうれん草はなるべく草の少ない畑で栽培します。小松菜と青梗菜は基本的にネットをかけるため、草取りができませんのでなるべく草が少ない圃場で栽培します。
草が少ないところではとにかく一生懸命草取りをすること。
草が多いところは一生懸命草取りをして、5年~10年後に草の少ない畑にしてください。それが無理ならあきらめてください。
それぐらいのスパンで考えないと難しい。
1~2年では難しいです。
畑でなにも作らないときには、草が少し芽が出たら、早め早めに草の種が落ちないうちに耕していきます。
そして草を少なくしていくようにしています。
あまり鋤いたり、畑をはだかにすると地力を落とすので良くないという方もいますが、うちは作業性を優先しています。
火炎除草機を使うときは、草が多いところで葉ものを作りたいときには、肥料をふって畝たてして準備してから、草をいったん生やします。
タイミング的として本葉2~3枚の時では早すぎるんです。
バーナーで焼いても後で出てきますから・・。
本葉で4~5枚になるのを待った方がよい感じですね。
あまり大きくすると草が太くなると焼く時間が長くなります。
それの関係もあるんですね。
これで50mを除草処理するのに約30分ぐらいかかります。
草を生やしすぎると何時間もかかるようになります。
時期的に仕事時間がとれるかどうか。
あとは夏に肥料をふって畝たてして透明なビニールをかけて、夏の太陽熱をつかって草の種を枯らして、秋の種を蒔く時期にビニールをはいで播種するんです。それでも草は生えないです。
倉渕でやっている方法ですね。夏しかできないです。
気温の低い時は、バーナーなどの方法となります。
(質問)
焼き加減はどうですか?
(福広さん)
草が小さいほど早いです。
双葉の時には瞬時に焼けますが、だんだん草が大きくなって肉厚になってくるとゆっくりバーナーを動かさないと枯れないです。
草の種類によっても、イネ科のような雑草、株から分かれてくるような雑草は焼いてもまた出てきます。
双葉で出てくるような草は簡単ですが、イネ科のようなタイプは難しい。
あとハウスは太陽熱で処理しますので、草は数年でなくなってきます。
ハウスで夏に太陽熱処理できないところは大変ですけど、できるところはほとんど問題にならないですね。ほとんど生えてこないです。
夏を通してハウスをやる人は草退治が大変ですね。
この辺は、とまとの後はいったん太陽熱処理をかけます。
(質問)
ハウス周りの除草はどうやっていますか?
(福広さん)
ハウス周りは防草シートと隙間から生えてくるのは引っこ抜いて対応しています。
草が多いとそこに病原菌や害虫が集まります。
自分の場合、葉ものと果菜類とで考え方を分けています。
とまとは害虫と天敵は低密度で共生させていて、被害がほとんどないという感じなんです。
葉ものの場合は低密度管理ではだめで、ゼロ・ゼロのバランスで葉ものを作らないと害虫の被害は抑えられないという考え方です。
葉ものの場合、周りに草がないところでつくるのが絶対条件です。
草のあるところは2~3mあけてから小松菜とかを蒔いた方がいいです。
ネットをかけても草から出てきた虫がネットの中に入り込む確率が高いので、雑草のすぐ横でネットをかけても失敗する確率が高いといえます。
************** 昼食休憩 *************
【午後の座学】
(福広さん)
午後の部を始めます。
資料には午前中に畑で話したことと同じ内容をかいてあります。
畑の紹介、土作りの紹介、堆肥作りなどの紹介をしています。
分析値(※Drソイルでの分析値)は自分の畑におけるだいたいの平均値です。
P.9がDr.ソイルの分析値と分析機関に出して測定したデータです。
自分の目で見る(Dr.ソイルの)分析値と機械で測定した分析値とで、どの程度誤差が出ているのかを比較するためのものです。
肥料管理のポイントはミネラルバランスです。
皆さんも、よくご存じだと思います。
慣行栽培ですと、石灰:苦土:カリのバランスが5:2:1になるように一般的にやっていますが、うちは7:3:1ぐらいが理想かなということで、それを基本にミネラルバランスをとっています。
(下の動画は座学の様子です)
防除の方は、あまり難しく考えないで、できない作目はつくらないようにしています。
できる品目をつくるという考え方で、無理していろいろな防除資材を買ってつくるようなことはしない考えです。
葉ものでは防虫ネットをメインに活用しています。
いかに防虫ネットで害虫を防ぐかですね。
あと、天敵昆虫も特に放したりしないし、飛んでくる分は活躍してもらいたい。
カエルとかは結構活躍してくれているので、カエルとかいればなるべく大事にしてやってください。
トマトは基本的に連作、毎年必ずつくりますので、連作障害がでないようにしています。
こちらの三連棟のハウスで25年ぐらい連作、向こうの単棟で約10年ぐらい作っています。
いかに土壌病害、特に夏場でしたら青枯れ対策を出さないかです。
出してしまうと接ぎ木しか方法がなくなってしまいますので、いかに土づくりをして出さないようにするかです。
うちの場合は線虫が小発生しています。
夏は太陽熱処理で抑えているのですが、どうしても下から上がってきますから、生育の悪い何株かは必ず線虫がついています。
過去に線虫を抑える菌、パスツーリアというんですけど、農薬登録されていますね、それを昔やったんですど・・。
3年たてば効果がでると言っていたんですが、効果なかったです。
10年以上前に試験もしたんですけど・・。
太陽熱で抑えるのが一番かなと思います。
防除では、誘蛾灯ですね。
雨の降らない夜はだいたい点けています。
夜蛾類、ヨトウムシ類の仲間、光に集まる性質のやつを誘蛾灯2台をつけて成虫を捕獲しています。
今はまだ出ていないのですが、夜蛾類で一番ではじめると急速に増えるのが、ハスモンヨトウです。
ハスモンヨトウはだいたい夏から秋9月~10月ぐらいが多いので、そのころはハスモンヨトウのフェロモン剤を一匹でも誘蛾灯に入れば設置します。
それで、フェロモン剤を設置して雄のハスモンヨトウの成虫をとっています。
だいたい10月~11月上旬中旬ぐらいまで、この地域だとよく入ります。
それをすぎると寒くなって入らなくなります。
トマトの話では、育苗で昔はなかったのですが最近失敗する事例としてとまとの立枯れ病があります。
その原因がようやく見えてきたかなということがあります。
同じ原料を使っていて以前は立枯れが全然出なかったのが、3~4年前から立枯れが出るようになりました。
何が原因かがわからなくて、育苗箱を熱湯消毒したり、山土がいけないかと思って山土をやめたり・・。
ようやくわかってきたのが、鰹節煮かすが原因ではないかとわかってきました。
昔の鰹節は製造で半年ぐらいかけてゆっくり菌によって熟成させていたのですが、今の鰹節は生の乾燥したやつに変わってきています。
今の鰹節に変わったから病気が出てきたのかなと考えています。
今年の育苗から生の鰹節をいったん使うのをやめて、ぼかしというか、山でとってきたアケビで酵母菌を培養して、その発酵菌で鰹節煮かすをぼかしました。それを使ったら今年は立枯れが全然でなかったんです。
主な原因は生の有機物の鰹にあったのかなと思っています。
あとトマトの施肥につかう同じ鰹も、今までは生の鰹を堆肥と混ぜてぼかしていたんですけど、期間が短いのでいったん酵母菌でぼかしたものを堆肥と混ぜてもう一回ぼかし直すというか、そのように施肥設計しています。
とまとの作り方で、一般の慣行栽培との大きな違いは元肥をふるかふらないかの違いです。
慣行の場合、元肥をふって定植し水を切って樹があばれないように調整すると、とまとの窒素濃度が高くなりますから、どうしても定植後で虫の寄りやすい樹になるんです。
初期に害虫、コナジラミが寄ってしまうと後半被害がでやすいので、うちの場合は元肥をゼロにして、前作の残りの窒素で育つ程度の窒素量を畑に残しておきます。
それで水をたくさんやります。
定植後はだいたい葉水がほぼ毎日うくぐらいやっています。
樹液の窒素濃度を低くするんです。
それで害虫は寄ってこない、葉っぱの色も濃くしないようにしています。
二段開花ぐらいで施肥をしてマルチをして窒素を徐々に効かせるやりかたです。窒素濃度を上げないので害虫が寄ってこないやり方です。
つくりかたはそんな感じです。
(質問)
鰹節煮かすのぼかしはどれぐらいでつくるんですか?
(福広さん)
ある程度乾燥して温度が冷え切るまで1ヶ月ぐらいはかけていますね。
(質問)
酵母液をかけて・・
(福広さん)
真冬にスタートすると温度が上がりにくいので、秋に温度が下がる前までに
いったん酵母液をかけて温度を上げています。酵母の場合限界が45度までですから、だいたい40度前後になるように広げて調整しながらつくりました。
それで水分が飛ぶまで管理します。
水分が飛んで温度が下がってくるのがだいたい一ヶ月後ぐらいですね。
(質問)
露地でも窒素を下げた方が虫が寄りずらくなるように感じますか?
(福広さん)
はい、感じますね。
露地の場合は雨が降らないと窒素濃度が上がりますから、そのへんの微調整はできないですけれども・・。
考え方としては同じような考え方です。
適正量以上の窒素は与えないという考え方です。
長く取るものは追肥で補う、葉ものは元肥いっぱつ型が中心です。
そういう考え方です。
(質問)
生育初期に灌水をかなりやってという話があったんですが、基本的に初期に水をあまりやると樹があばれたりすることがでてくることもあるんですけど、残存窒素量はどれぐらいなんですか?
(福広さん)
何年もハウスの栽培データがたまってくると、ある程度みえるようになります。ハウスで土が乾燥すると硝酸態窒素が5~10mg/100gぐらいでてきます。
あとECメーターで1以下ぐらい。
(質問者)
1ですか?
(福広さん)
0.5とか1ぐらいです。
ECメーターも、測るところが悪いのか差が大きいんですよ。
ハウスの中で濡れている土だと低めに出て、乾くと上がるかな。
うちの場合、とまとの後に葉ものが2~3作、ほうれん草とか小松菜・水菜などが入りますから、そのときにいくらやったをデータでつけてやって、とまとの時に水をたくさんやって樹があばれるぐらいだと、前作の葉ものの窒素量を調整してやるんです。
(質問)
前作で窒素量を調整してやるんですね。
(福広さん)
とまとにいくら水をやっても樹が全然できない時には、来年やるときに前の作の窒素量を増やしてやるんです。
何年かやるとだいたい適正値がでてきます。
その量を毎年同じようにやっていきます。
そんなに極端にあばれることはないと思います。
あばれるぐらいだと、少し水を抑えるぐらい、葉水があまりでない程度にしますね。極端に水を切ってしまうほど窒素濃度が上がることはないですね。
(質問)
マルチをかける前に施肥をされるそうですが、それは何をどれぐらい入れるんですか?
(福広さん)
資料P.13の左の下に施肥量が書いてあるんですけど・・。
以前はこれを全部混ぜていたんですけど、何年か前から全部まぜるのはどうなのかなと思い始めて、やり方を変えています。
一番贅沢吸収するのはカリなんで、カリは最後になるべく広くまくようにしているんですよ。前にまいてしまうとカリの吸収が初期に良すぎるのかなと。
カルシウムの吸収を上げたいんですけど、カルシウムは吸収が良くないと想定て、今年はじめてカルシウムを最初に撒いて3~5cm管理機で耕しました。
その後に堆肥をふって、灌水チューブを真ん中に持ってきてマルチをしました。それが今年のやり方です。
毎年、少しずつ施肥のやり方、施肥量を変えています。
(新井さん)
カリの施肥量はどれぐらい入っていますか?
(福広さん)
堆肥入れて、20~30kgぐらいかな。
(新井さん)
どうしてカリの欠乏症状が出ているの?
(福広さん)
カルシウムが勝ちすぎているのかな?
品種差も大きいんですよ。
桃太郎系は特にね、とまとに窒素が効くと夕方になると葉が巻いてくるでしょ。少し多く巻くと桃太郎系は葉先が枯れてきます。
サカタなんかはほとんど枯れないんですよ。ミニも枯れないでしょ。
品種によってかなり差があるんですけど、以前カリを枯れない程度まで入れたことがあるんです。そうすると肥大は良くなりすぎるぐらいで・・。
そのへんのバランスですね。
尻腐れ対策で、カルシウムを真ん中だけに入れているのも、畑全体のpHを上げると微量要素が吸いにくくなるからと考えたからです。
(基本的に養分がよく吸収されるのは灌水で濡れたところなので)灌水部分に集中してカルシウム濃度を上げてやれば、よく吸ってくれるかなと。
畑全体でpHがあまり上がらないような施肥設計を今年やっています。
(新井さん)
ちょっとカリの欠乏症状が下葉にでているから、ちょっとバランスが・・。
(福広さん)
微量要素もからんできます。
pHを低くしないと鉄とマンガンが吸えないけど、そうすると生育に問題があるし、カルシウム濃度を上げてやるほど甘み・糖度はのりやすくなります。
その両方を同じpHの畑で管理するより、少し波のある畑でpHを管理した方がよいかなと考えています。
その両方を吸わせようかなとよくばっています。
まだ試験的にですが。
(質問)
カルシウムと苦土と鉄とを吸収する根は違うんですか?
(福広さん)
灌水されているところが一番水分を吸い上げているので、養分も吸い上げているんですよ。
灌水チューブの下に必要な養分を集中させてやると、その中でどうバランスをとってやるかですね。
暑くなってくるとでてくる尻腐れ対策で、カルシウム濃度を部分的に上げてやれば、尻腐れが出にくいかなという発想でやってみたんですけどね。
今年は尻腐れが出ているのは5個ぐらいかな。
まだ多くは出ていないです。
あとは糖度が上がるかどうかですね。
全体のpHを上げてしまうと次作の葉ものとかで微量要素の問題が出てくるから、部分的に上げてやれば作が終わって耕せば平均的にそんなにpHは上がらないという考え方です。
今年の新しいやり方です。うまくいったら参考にしてください。
資料には年間作付けしている作物名、播種時期、収穫量、面積とかが書いてあります。下はハウスの年間の作付体系です。
とまとの後で太陽熱をして、無肥料で、とまとの残さで葉ものを1作作って、その後施肥設計しながら2作目の葉ものをつくるやり方です。
その次が、作物別の主な品種と、0.5とか1とか書いてあるのは施肥量です。
図の右の上に書いてある1.0倍とは窒素15kg/10a、堆肥換算です。
それを目安にして堆肥をふっています。
だから2とかあるのは、だいたい窒素換算で30kgが目安となります。
これぐらいが主な目安で、あとは微調整をかけるぐらいです。
P.26が一昨年ぐらいにつくった環境保全型農業のCO2排出量です。
うちが年間CO2をどれぐらい出しているかの、おおまかな数値です。
特に3月の確定申告の時にやるとわかりやすいと思います。
そのときにCO2をだすもの、電気・石油・灯油・ビニル類の合計の重量をCO2換算で出したのを、野菜収穫量1kgあたりどれぐらいのCO2を出しているのかを計算しています。
うちの場合で、0.138kgのCO2を出して作っていますという目安です。
参考程度にしてください。
今は堆肥を畑に入れた場合、CO2排出を引いてくれるという案もあるそうなんですが・・。そうするとゼロになる可能性もあるかもしれないですね。
いかに作業の効率化というか、化石燃料を使わないで生産性を上げるか、有機農業で収穫・収量のあがらない農業をしているとCO2排出が自然と増えてきますから、いかにあまりトラクターを動かさないで収穫量をあげていくかがCO2
排出を少なくしていくポイントです。
関心ある人は自分のところのCO2排出量を計算してください。そんなに難しくないです。
(らでぃっしゅぼーや関本さん)
福広さんのデータは使えますよ。
とてもいいと思います。
先ほど福広さんがおっしゃったように、堆肥を入れたらというのがありましたが、いま農水省が実験圃場を求めていてうちにも問い合わせがきたんですよ。
車というのはCO2を非常に排出するものなので、トラクターをできるだけ使わないというのはすごくいいことなのかなと思います。
(福広さん)
比較データがないので、うちが多いのか少ないのかがわからないので、もっと多くの農家の事例があるといいですね。
それに有機農家と慣行農家とで違いとか。
そのへんのデータも集めればね。
有機でも収穫量が少なければ必然的に収穫量あたりの排出量は多くなるんです。
(後藤事務局長)
せっかくだから5~6カ所ぐらい事例を集めてもいいかも。
集めてみたいよね。
そんなに難しくないよね。
(福広さん)
電気だと一年間の電気使用量、kwがわかれば計算式で換算できます。
農業環境技術研究所というところが計算式を出していますから、1kw電気を使うとCO2いくら出したというのがすぐにでます。
ガソリン・軽油・重油は、すこし数値が違うみたいです。
それでガソリンと軽油と重油は分けて計算します。
ビニル類は燃やした換算値ですね。
CO2を燃やした時にでるCO2で換算しています。
データが揃えばすぐに計算できますので、それに対してどれぐらいの生産量をあげているかで野菜の生産量1kgあたりの排出量も計算できます。
次に参考として小松菜の作業日誌を添付してあります。
一般の作業日誌より余分に書いてあるんですが、有機JASの認証をとってやっていますからトラクターを使用した日付まで入れないといけないので、ちょっと余分な項目まで入っています。
圃場と播種した面積と播種日・収穫日・品種、肥料の散布日、使用したトラクターの種類、施肥量、前作に何をつくってどれぐらい窒素を入れたかによって次作の窒素量を変えなくてはいけないので、前作に何をつくってどれだけ窒素を入れたかを書いてあります。
小松菜の場合、品種によって種の大きさが変わりますから、ごんべえのベルトサイズが書いてあります。
実際に収穫の時にどうだったということで赤ペンで来年の参考になるように、今回は窒素が少なくてちょっと波が大きかったから来年はこの時期にあと0.5窒素を増やそうとか、窒素がちょっと多かったから来年は少し減らそうとか、そのようなメモ書きを書いて来年の参考にしています。
品種的に夏系の品種を入れた方が良いとか、冬系の品種を入れた方良いとか、品種についても気がつけばメモ書きしています。
昔ながらの手書きでやっています。
品目ごとに場所を決めて作業日誌を書いて来年の参考にしています。
圃場ごとではなく品目ごとです。
もちろん圃場の場所も書いてあります。
圃場番号だと大きな圃場は7反ぐらいとなってしまうので、この圃場の区切りではこまかいことが読めないので、前の圃場も6つぐらいこまかく区切って、圃場のなかのどの辺かを書いてあるんです。
それで参考にしています。
暖冬化の影響は長いスパンで見てみると出ていますから、品種の切り替え時期ですとか、昔より1週間~2週間早くなっているとか遅くなっているとかは(日誌の記録からも)でてきていますね。
二冊目の資料を見てください。
あるメーカーが主な有機物の中に微量要素がどれぐらい入っているかのデータを公表していましたので参考として添付してあります。
畜糞とかをある程度入れる場合、FTEとかに入っている亜鉛とか銅とかはまずは十分入ります。
畜糞中心でやっていてもマンガン・鉄・硼素が足りなくなるのかな。
FTEをやめて単肥でこの3つを補うようにしました。
硼素に関してはあまり多く入れると過剰障害がでやすいので、FTE並の量がいいと考えてうちの堆肥に硼砂として1回に10kg、年間に20kg入れています。
鉄とマンガンについては、適正量が把握しにくいので、まだ手探り状態です。
まずは硫酸マンガンとして1回で50kg、硫酸鉄で100kgをいれています。
それを年に2回つくるやり方でスタートしてしばらく様子をみているところです。
特に微量要素欠乏が出やすいのがほうれん草なので、ほうれん草で鉄とマンガンの欠乏症が出やすいかどうか。
今回いれた量でも欠乏症がでるようなら、もう少し入れる量を増やすし、あまり欠乏症がでないようでしたら減らすようにします。
ちなみにFTEを入れていたときには少し欠乏症が出ていました。
だから単肥として量的に増やして入れています。
有機物の原料別のこまかい資料があるんですけど、まあこまかいことは無視してだいたいで見てください。
P.8が今年の堆肥の成分分析結果です。
横がエコキッチンの分析データです。
これは参考資料です。
その後は、今年の現代農業1月号と6月号に紹介された記事です。
(質問)
福広さんが使用している畜糞の種類は何ですか?
(福広さん)
畜糞は採卵鶏の畜糞を使っています。
過去は豚糞も牛糞も、いろいろ使いました。
今は鶏糞になっています。
(質問)
ハウスにも(堆肥を)まきますか?
(福広さん)
ハウスにも入れますよ。
(質問)
アンモニアは出ないですか?
鶏糞を一度入れたハウスでキュウリをやったら、影響が出たみたいで・・。
(福広さん)
熟成さえすればいいように思いますが・・。
(丸山さん)
熟成していれば問題ないと思います。
(質問)
硼素の過剰障害とはどんな感じなんですか?
(質問)
硼素過剰については、農業書にも過剰障害の写真が載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ほかの肥料に比べて硼素の適正値の範囲は狭いんですよ。
入れすぎたらダメなので、唯一気をつけないといけない微量要素が硼素ですね。
(参加者)
慣行でも硼砂を入れすぎると過剰障害がでるからということで、結構普通の農家でも気にしますね。硼素に関しては・・。
(福広さん)
まったく入れないとやはり欠乏症が出る可能性があるし、特に大根で今年ス入りとのクレームが少しありましたので・・。
(新井さん)
ハクサイのゴマ症なんかがそうだよね。
(参加者)
トラクターの後ろに硼素の散布機をつけて、ターンをするときに一部分で硼素が多く撒かれてしまうことがあるじゃないですか。
その多く撒かれたところで過剰症状がでるぐらいですから、よほど気をつけないと。
(福広さん)
撒く量が少ないと平均に撒くのが難しいんですよ。
だから堆肥の中に入れておくのがいいかなと考えています。
(質問)
硫酸マンガンとかの購入先(製造元)は?
(福広さん)
東罐マテリアル・テクノロジーですね。
農協系(経済連経由)しか入ってきません。
有機栽培でつかえる肥料(微量要素)です。
(質問)
硼砂は?
(福広さん)
硼砂は輸入品で、日本では作っていないと思います。
アメリカ製ですね。
(質問)
あけびをつかった酵母菌の取り方を教えてください。
(福広さん)
現代農業の去年ぐらいの記事を参考にしています。
この地域では10月10日ぐらいにあけびが開くんですよ。
開いているあけびを偶然見つけて、記事を思い出してね、道ばたのとれそうなところで集めてきて、黒砂糖と塩と、塩は雑菌を防ぐために入れるそうです。
タンパク源に大豆の煮汁か米ぬか煮汁などを少しいれるんですね。
そうして発酵をかけて作りました。
まだ少し残っていますので、後ほど見てみましょう。
********************************
以上で、福広塾の【座学編】は終了です。
次回は、村山さん編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-06
福広塾 “春”編 開催報告【堆肥編】
福広塾”春編” 【とまと編】に続いて、今回は【堆肥編】をお届けします。
![]()
************** 【堆肥編】 *************
(福広さん)
こちら(※右の山)が熟成中の堆肥で、奥が完成した堆肥です。
堆肥は基本的に年に2回つくっています。
材料を入れて切り返しとエアレーションでつくっています。
完成した堆肥はこちらにおいておきます。
場所が少々せまくなってきています。
本日の資料中に原料の目安がまとめてあります。
熟成中の堆肥の中には、おからがまだ入っていません。
おからを持ってきていただいている業者さんが言うには、おからがないということでまだ入っていません。
右側の熟成中の堆肥の中におからが入る予定です。
今ある1.5~2倍量が完成したときの量になります。
これが会員さんからくるエコキッチンで、今は1週間で150~200kgぐらい入ってきます。
これも一緒に混ぜてつくっています。
去年から施肥で凝り出しているのが、鉄とマンガンです。
今までFTEを入れていたのを、FTEをやめて硫酸鉄と硫酸マンガンと硼砂に変えています。
理由はFTEのバランスでは、鉄とマンガンを多くいれたいと思ってFTEを多めに入れてしまうと、硼素が過剰になりやすくなるからです。
硼素の適正濃度の幅が狭いので、硼素過剰が起きないようにFTEはこれ以上、入れることができません。
FTEから鉄・マンガン・硼素の3つの微量要素単体に切り替えたのは去年の秋からです。
亜鉛と銅は畜糞に十分入っているので必要ないと考えています。
量的にはFTEの(鉄・マンガンの含有量の)3倍ぐらいになるように、鉄とマンガンを入れるように変えました。
微量要素欠乏で一番よく出るのは葉もの、特にほうれん草です。
ほうれん草は鉄やマンガンの欠乏症がよく出ます。
時期にもよりますが、やはり温度が高いときにでやすいと感じています。
冬場でもでます。
小松菜とかは(鉄・マンガンの欠乏症が)ほとんどでませんが、ほうれん草に欠乏症がでない程度にするには、どれぐらい入れたらいいのかを考えながら、第一段階の施肥設計をしています。
これで欠乏症が出るようだったら、多くするように調整します。
ほかに入れているミネラル分は苦土だけですね。
有機質の原料では足りないので、苦土は成分量で100kgぐらい入れています。
(成田注:有機質の堆肥原料だけでは必要量の苦土が補えないので、有機栽培で認められている苦土肥料を堆肥原料としていれているということ)
(質問)
エアレーションはどのようにしていますか?
(福広さん)
堆肥の水分が多いときにはエアレーションを入れっぱなしにしています。
これぐらい乾いて、切り返しでホコリがたつ少し手前ぐらいになったので、最近スイッチを切りました。
エアレーションを入れると温度が上がりすぎてしまうんですよ。
だから今はエアレーションを切っています。
(丸山さん)
エアレーションではインバーターとかはついていますか?
(福広さん)
そんないいものは買っていません。
あれが1500円ぐらいです。
(成田注:エアレーション用の送風ファンはトイレ用換気ファンを活用)
堆肥場にコンクリートを張る前に40mmぐらいのパイプを入れる場所を作っていただいて、自分でエアレーション用のパイプを設置しました。 ![]()
(丸山さん)
堆肥は何度ぐらいになるんですか?
(福広さん)
今ぐらいの状態、少し乾燥したらよく温度が上がるのですが、あと20~30cm高く積んでエアレーションが入ると70度を超えると思います。
温度を60度ぐらいにするには堆肥の高さを低くするのと、エアレーションを止めるのと、切り返しの回数を少なくすることです。
今は1週間に1回ほど切り返しを行っています。
乾いてきたら2週間に1回ぐらいに切り返しを減らすか・・。
切り返すと、エアレーションが入っていなくても、3~4日ぐらいで温度のピークになり65度を超えるぐらいになり、徐々に下がってきます。
1週間で60度ぐらいに下がって、もう少したてば50度台まで下がります。
(丸山さん)
切り返しの際に、水とかは?
水分調整はどんな感じでやっていますか?
(福広さん)
今までは乾いてきたらおからで水分調整をしてきたんですが、まだおからが入ってきていません。
籾殻などがまだ熟成していないので、水をやりながら切り返しをしようかなと考えています。
(質問)
この堆肥はいつから作っているんですか?
(福広さん)
熟成中の堆肥は4月から準備を始めていました。
徐々に材料を入れていくので、一気に材料がくるわけではありません。
5月の連休前に鶏糞が2t車で5台ぐらいきました。
それと戻し堆肥が少しと籾殻が軽トラに1~2台入っているのと、エコキッチンが入っています。
あとはミネラル分を最初の時期、混ぜる量がまだ少ないときに苦土と鉄とマンガンを入れて混ぜてあります。
(質問)
炭素率はだいだいどれぐらいですか?
(福広さん)
炭素率は、分析データがでているので、資料のP.8を見てください。
炭素率が9.1~9.2ぐらいかな。
予想よりちょっと炭素率が低かったんですけど、分析結果がこのように出ています。
もう少し炭素があると思ったんですけど、予想より少なかったのですね。
原料の比率に関係があったのかもしれません。
エコキッチンが増えれば、もう少し炭素率が上がると思います。
(質問)
ブロックで仕切って堆肥場を作っているんですけど、どうしても温度管理がうまくできなくて・・。
(福広さん)
堆肥舎をつくると温度が上がりすぎる傾向があります。
(質問者)
ほっておいたら80度まで上がってしまって、あわてて切り返しするんですけど、切り返しをした直後は温度が下がるんですが、切り返しで空気が入ってしまうので3日後ぐらいですぐに温度が上がってしまいます。
それの繰り返し。
水を上からまいて冷やすとか、堆肥の山に穴をあけたりしているのですが、堆肥の表面積が小さすぎるとそうなるのかなと感じています。
ちなみにエアレーションは入っています。
(福広さん)
エアレーションが入ると、酸素が入るので堆肥の温度がどんどん上がります。だから、いかに低く積むかなんですよ。
この堆肥も50cmぐらいの高さに積むと60度をそれほど超えなくなると思うんですが、その分場所をとることになってしまうので、ある程度の高さで積んでいます。
(質問者)
ブロックを積むと堆肥を高く積めるものだから・・、私も最初はそう思って始めたんですけど、逆に温度が上がりすぎてしまって・・。
今、ブロックを壊そうか、どうしようかと迷っているところなんです。
(丸山さん)
エアレーションは回しっぱなしなんですか?
(質問者)
いいえ、インバーターを付けてエアーを絞ったり、タイマーで一日に4時間ぐらいエアレーションするようにしても、さらに何もしていなくても堆肥の温度が上がりすぎてしまうもので・・。
どうしたもんかなぁと・・、悩んでいるところなんです。
籾殻なんですけど、この籾殻は乾いたまま入れて混ぜるんですか?
(福広さん)
そうです。
(質問者)
籾殻には油分があってなかなか分解しないとか話に聞くんですが・・。
(福広さん)
鶏糞が水分過剰でくるので、最初かなりべたべたの状態なんですよ。
それで籾殻を入れて最初の過剰な水分をとばすのに活用しています。
今はだいぶ水分も切れてきている状態です。
(丸山さん)
鶏糞は、最初にきたときにはそれなりに匂いはするんですか?
(福広さん)
はい、鶏糞の匂いです。
(丸山さん)
一週間ほどで匂いはおさまります?
(福広さん)
はい、だんだんと堆肥の匂いに変わってきます。
切り返しを頻繁にした方が早いですけどね。
バケットでどかんと切り返すので、どうしても中の鶏糞の固まりがしばらく残ってしまいます。
(丸山さん)
理想の堆肥のC/N比は?
(福広さん)
C/N比で12~13ぐらいが理想かな。
有機物があまり入っていない畑だとC/N比がやや高い堆肥を大量に入れたり、ある程度有機物が入っている畑だとC/N比が10から10を少し超えるぐらいの堆肥で調整しています。
C/N比15の堆肥を入れていても、C/N比6~7のぼかし肥を入れていれば、トータルで換算するとC/N比が10ぐらいになってくるでしょ。
そうすると堆肥だけだと10少しぐらいで十分かなと考えています。
つくる作物によっても多少違うかもしれないけど、作物別のC/N比の理想値はいくつという調査はたぶん誰も調べていないので難しいんです。
(丸山さん)
福広さんさんはぼかし肥も使わないし、(有機質肥料の)8-5-3のような肥料も使っていないので、堆肥だけということであればそういうことなんですね。
(福広さん)
逆に窒素濃度を下げると、(圃場に堆肥を)入れる量が増えるので・・。
窒素濃度が高くなるほど、堆肥を撒く量が少なくてすむでしょ。
作業性が楽なんですよ。
いまのところ大きな問題も出ていないし、これぐらいがいいのかなと。
(質問)
この下に(送風用)パイプが入っているのですか?
(福広さん)
ここに6本か7本入っています。
ちょうど今は堆肥の下に埋まっていて見えない状態です。
コンクリートをはる前に5cm角ぐらいの木の角材などを入れておいて、そこにコンクリートをうってもらって、固まってから角材をとってその跡に塩ビのパイプを入れて送風用通路をつくります。
(丸山さん)
エコキッチンはいつ頃から入れ始めているんですか?
(福広さん)
かなり前から・・。
エコキッチンが始まった当初からです。
堆肥舎をたてる前からエコキッチンが入っています。
(丸山さん)
生だから虫とかがわいたりしませんか?
混ぜちゃえば大丈夫ですか?
(福広さん)
乾燥した状態で入ってきますから・・。
これで濡らしてしまうとすぐに虫がいっぱいわいてきますよ。
1週間分ぐらいたまったら切り返しして混ぜてしまいます。
(丸山さん)
エコキッチンが入るから1週間に1回切り返しのスタイルに?
(福広さん)
そうではないですけど、たまには2週間あくこともありますね。
エコキッチンには分解しにくいものも結構入っていてね、ミカンの皮なんかもそうですね。
完熟堆肥の中にも現物が残っていますよ。
鳥の骨ぐらいはいいですけど、トウモロコシの芯や時期によってはマンゴーの種もよく入ってきます。桃の種とかね。
(質問)
以前は堆肥にFTEを混ぜていて、現在は単体で硫酸鉄とか硫酸マンガンを入れているそうですが、堆肥の温度の上がり方とかは変わらないですか?
(福広さん)
変わらないですね。
(質問者)
以前ですね、鉄を混ぜると温度が上がりやすいとおっしゃっていた方がいたんですけど・・。
(福広さん)
あまり変化は感じないです。
いつも温度計を堆肥に刺して見ているわけではないんですけど、温度の上がりはエアレーションのスイッチが入っているかどうかと、堆肥の高さ、堆肥を積む高さで発酵温度の差が大きくなりますね。
(質問)
なにか微生物を入れているんですか?
(福広さん)
菌は入れていないです。
効果があるかどうかがクエスチョンマークだから・・。
クエスチョンマークのものは余分な出費になるから入れないようにしています。
(質問)
戻し堆肥は一定量はいれているんですか?
(福広さん)
少し入れますけど、入れなくても同じところで作っていますから、条件も温度も上がるのも一緒だから、菌はそんなに変わらないと思います。
(質問)
この堆肥はあと何日ぐらいでできるんですか?
(福広さん)
9月中旬~下旬が目安です。
完熟して置いてある堆肥がなくなったら使うんですけど、それまでは熟成させて置いておきますね。
(質問)
この熟成中の堆肥はもう使えそうにも見えるんですけど・・。
(福広さん)
鶏糞などは黒っぽいからわかりにくいかもしれませんが、籾殻などはまだまだです。
完熟している堆肥と比べても、完熟堆肥の方がだいぶ黒いですから。
(質問)
この熟成途中の堆肥を使ってしまったらひどいことになってしまいますか?
(福広さん)
どうかな?
特に夏場だとそんなにたくさんまかないし、堆肥散布から播種までの期間を1週間~2週間おけばそんなに問題ないと思います。
自分は完熟している堆肥から順番に使っています。
天気が悪いと、仕事がつまってくるので、堆肥を散布した当日に播種することもありますね。それで問題なければ良いと考えています。
理想としては堆肥散布から播種まで2週間ぐらい間をあけるようにしていますが、いつも間がとれるわけでもないので・・。
********************************
以上で、福広塾の【堆肥編】は終了です。
次回は、座学編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-06
福広塾 “春”編 開催報告【とまと編】
福広塾”春編” 【露地野菜編】に続いて、今回は【とまと編】をお届けします。
************** 【とまと編】 *************
(福広さん)
こちらのハウスが定植が早いほうのとまとです。
1月30日頃の播種、4月1日ぐらいの定植です。
むこうのハウスが2月20日ぐらいの播種、4月17~18日ぐらいの定植です。
両方とも品種は桃太郎ファイトです。
こちらのとまとの着色が始まったところです。
今年の5月の気温変動が激しかったので、やや(とまとの茎が)細めで推移しています。
クルマルハナバチは巣箱を閉めてしまったので、もう飛んでないかもしれません。巣箱に戻っていない蜂もいるかもしれませんので、(昨晩の懇親会でたくさん飲んだ方など)アルコールの匂いをさせている方にマルハナバチが寄ってくるかもしませんよ。
それでは、4月1日定植したハウスから見てみましょう。
(福広さん)
自分の理想より(トマトの茎が)すこし細めにしあがってしまっています。
もう少し太くしたいぐらいだったんですけど・・。
(新井さん)
かなり水はくれているね。
(福広さん)
水はやっています。
細くしあがってしまったので。
(新井さん)
水をくれればくれるほど、とまとの葉っぱはたれてしまいます。
乾いてくると葉っぱはあがってきます。
これだけ葉がたれているということは、かなり水がきいている状態ですよね。
(福広さん)
これから温度が上がってくる時期なので、あまり水をきってしまうと、とまとに尻腐れが出てくるので、水をあげています。
特に大玉のトマトは水を切るとてきめんです。
(新井さん)
もう追肥をしているんですか?
(福広さん)
元肥一回だけですから・・。
(新井さん)
灌水チューブは点滴?
(福広さん)
点滴です。
(新井さん)
この株もとにも入っているんですか。
(福広さん)
株もとには入っていないです。
通路だけです。
(新井さん)
最初の段階だけ?
(福広さん)
最初は株もとで、その後は株から離して・・。
(新井さん)
トマトのカリの欠乏症状が一番先に出てきます。
次に窒素欠乏が出てきます。
生長点(トマトの樹最上部)を見ればわかるんですけど、まだ窒素は切れていない状態です。
窒素が切れてくると、この間が縮まってくるんですね。
一番上の花と生長点の間の長さが縮まるんです。
もうちょっと硬い感じで、窒素欠乏だと色もかわってきますよね。
ぼちぼち窒素が切れてきているのかなという感じかな・・。
窒素が切れてくると、一番上の花と生長点との間が縮まってきます。
この葉の幅も狭くなってきます。
カリの欠乏がでたら、じきに窒素の欠乏も出てきますので、この状態で窒素を補ってやらないといけないと思います。長期でトマトをとろうという人は特にね・・。
これがカリの欠乏症状ですよね。
葉脈の間が黄色くなってきているのはカリの欠乏症状です。
(福広さん)
今年は6段でピンチをしようと思っています。
6段の年と7段の年といろいろですけど・・。
今年はちょっと弱くしあがってしまったので、6段でピンチします。
収穫量はすこし少なくなるかもしれないけど・・。
(質問)
これ最後に縛ったりはしないんですか?
このまま垂らしておくんですか?
(福広さん)
6段だとこのままでも垂れないですね。
7段だと針金でうまくいくんですけど、8段ぐらいになると上にうまく誘引をしないと落ちたりしますね。
上で混んでしまうと梅雨の時期に品質の悪いトマトが多くなるんですよ。
あんまり横に伸ばさない方が良いのかなと考えています。
(福広さん)
収穫しやすいようにこちらの通路側に実がつくようにしています。
(成田注:左側の写真のように実のついている通路側。右はとまとがついていない方の通路)
こちらの通路に収穫用の箱が通るようにしています。
(質問)
これを使ってどうやって向きを変えるんですか?
(福広さん)
葉っぱとかで引っかけるんですよ。
なるべくこっちに向くように統一してやっています。
(質問)
以前とまとを作っていたことがあるんですけど、なるべく砂をつかって無肥料状態で育苗しないといけないのでは?
苗づくりで収量も決まってしまうと聞いたことがあるんですが、それはどうですか?
(福広さん)
まず病気のでない育苗土でつくります。
それだけですね。
あと、肥料バランスをとるんですけど、堆肥を何年も積んで用意するのも大変なので、うちでは即効の育苗土をつくるんです 。
(質問)
種から発芽して、これぐらいになるまでの間に肥料が少しでもあると、とまとが失敗することがあるのでは?
(福広さん)
うちは肥料成分を入れますね。
(有機系の)窒素を入れますね。
(質問)
栃木県で40t取り、50t取りをしている生産者のところに行って勉強をしてきたんですけど、従属生長が非常に重要だということでやったことがあるんですけども・・。
従属生長、つまり発芽した時に無肥料状態で、最初の双葉まで無肥料にしていかないと、あとのコントロールが難しいと言われたことがあるんですけど・・。
(福広さん)
うちはしていないです。
(質問)
とってきた土を何回も何回も水で洗って、そこにとまとの種を蒔いて、これぐらいになってから育苗用の土の中に鉢上げしたりして、昔はやっていたんですけど・・。
そこが決めてだと言われたことがありました。
(質問者に対する質問)
今はもうされていないんですか?
(質問者)
もう10年ぐらいはやっていないです。
とまと作りをやめてしまったので・・。
(質問)
カリ欠の葉っぱとはどんな感じなんですか?
(福広さん)
葉の色の濃いのと薄いのと・・・。
カリ欠がでないほど肥料をやると、実がふくらむことはふくらむけど、うちの理想としてはあまり・・。
実はふくらむけど、味が落ちるんです。
カリの欠乏は品種による違いも大きいんですよ。
桃太郎系はよくカリ欠がでるんです。
あんまりカリをくれてやると病原菌が入りやすくなったりするんです。
ある程度、カリ欠の症状がでるぐらいにしています。
カリが多すぎると実がふくらんで、味が薄くなりやすいんです。
細胞を大きくすると病気の抵抗力が落ちますからね。
ある程度、少ないといけないけど・・、バランスが難しいです。
(質問)
尻腐れがたまにでるということですが、カルシウム欠乏の症状がでると尻腐れがでやすくなるんですけど、カルシウム欠乏とかは?
(福広さん)
カルシウム欠乏は一番気をつけていますよ。
だから灌水量で調整するんです。
うちは有機栽培だから葉面散布剤は使えないけど、慣行栽培では葉面散布をする人もいますね。
なかなか(尻腐れが)止まらないでしょ。
気温が低い場合は(尻腐れは)でないんですよ。
気温が上がってくると、(尻腐れを防止するためには)一番は灌水を増やすこと。
灌水を増やしてトマトの実がふくれすぎないようにするのは、カリを抑え気味にしてカルシウム濃度を高めにする施肥設計の方がいいんですよ。
うちは7:3:1ぐらいにするんです。(成田注:左の比率は石灰:苦土:カリの比率)
普通は5:2:1でしょ。慣行栽培で推奨しているのは・・。
まあ、作物で多少ばらつくけど。
うちはほかの畑でもだいたい7:3:1になるように施肥設計しています。
その方が有機栽培向けで病気に強いかなと考えています。
元肥はぼかしでつくった堆肥一発で、あとは鉄とマンガンをやるぐらいです。
そこはまだ試行錯誤の途中です。
(質問)
鉄とマンガンだけですか?
(福広さん)
おもに鉄ですね。
(質問)
カルシウムは300mg/100gぐらいですか?
(福広さん)
だいだい300ぐらい入っていますね。
今日の資料にトマトの施肥内容が書いてあると思いますが、これがベースになっています。
(質問)
風はあまり入れすぎない方がいいんですか?
自分のハウスの腰のビニルを上げて風がびゅんびゅん通るようにしているんですよ。
(福広さん)
あまり風が強く入りすぎるとトマトの実がこすれて傷つく場合があるでしょ。
だから今日ぐらいの風だと、ハウスを閉めたいぐらいなんですよ。
ちょっと風がきついんで。
(成田注:勉強会当日はかなり風が強く、ハウス内も横風がやや強めに入り込んでいました)
(新井さん)
ハウスを開放しておくと葉が濃くなってきます。
葉が濃くなると、とまとの玉のまわりの皮が固くなってくるんですよ。
雨が降ったときに裂果がでますよ。
玉の皮が固くなっている状態、
とまとの樹が全体に濃くなると言うことは弾力がないんですよ。玉自体に。
風通しをよくすればいいんですけど、風通しが良すぎると樹全体がかたくなるんですよ。
(質問)
福広さんみたいに、さんさんネットのようなものでやわらかく風をあてるようにした方が良いことですね。
(新井さん)
そうです。
濃い樹にしてしまうと、必ずアブラムシがセットで寄ってきます。
(質問)
堆肥に鶏糞を入れているのでは?
(福広さん)
堆肥の中の比率で3割ぐらいですね。
採卵鶏の鶏糞を使っています。
鶏糞を入れるのはカルシウム補給のため。
鶏糞でカルシウムを補えるような量を入れるんですよ。
だから他のカルシウム資材は入れないんです。
(新井さん)
リン酸過剰はあまり関係ないとのことでしたよね。
(福広さん)
リン酸は300mg/100gより上がらないし下がりもしない。
現状維持なんです。
いまの堆肥を畜糞100%にするともっとリン酸が上がりますよ。
(質問)
トマトは自根ですよね。
(福広さん)
はい、自根です。
接ぎ木は大変でしょ。
新井さん、有機栽培で接ぎ木は技術的に十分?難しい?
(新井さん)
有機で接ぎ木?
接ぎ木やったことないからなぁ。
(質問者)
連作障害がでるので、どうしても接ぎ木でないと・・。
(新井さん)
なにがでるの?
青枯れ?萎凋(いちょう)?
(質問者)
自根だともたないですね。
期間も短いですし・・。
(新井さん)
フザリウムの萎凋なのか、青枯れの細菌なのかによって対処が違うんですよ。
だからどっちの病気なんですかということなんです。
カビが原因か、細菌が原因かということ。
細菌であれば水を切るしかないんですよ。
(質問者)
水は極力、一週間に二度ぐらいにおさえています。
マルチは黒マルチを使用しています。
(新井さん)
どっちの病気なんでしょうか。
フザリウムだとカビなんですけど、生のものが入ると必ずフザリウムが繁殖するんです。
完熟しているものが入っているかどうか。
(質問者)
完熟しているものですね。
秋に藁を切り込んで藁と一緒に畑に入れています。
(新井さん)
それがだめなんです。
それをすると、必ずカリ過剰になります。いずれは・・。
(質問者)
去年・今年と2年、鶏糞を・・・。
(新井さん)
藁がやっぱりよくないなぁ。
(福広さん)
秋に入れて春までに分解が進まないでしょう。
(質問者)
もう何十年もやってきたんですよ 。
(新井さん)
ある人が田んぼの中にハウスを建てて、藁でマルチをしていました。
それをすき込んで長年やってきたら、最近になって青枯れがでてきたんです。藁のすき込みは絶対にやらない方がいいです。
(質問者)
去年から籾ぬかに・・。
なんとかしないと、草がとりきれないんですよ。
(新井さん)
生のまま入れて翌年に定植するまでに完全に熟しているかどうかというと、カビがそれだけ繁殖するということは熟していないんですよ。
(質問者)
水をくれて、足で踏み込んでいけば藁も秋になれば・・
(新井さん)
有機栽培では使ってはいけないんだけども、例えば石灰窒素のようなものをふって早く分解するんであればいいんだけど、そのまますき込んだだけなら多分翌春まで分解していない。
それが原因でカビが発生してしまう。
生が入るとフザリウムが繁殖しちゃうから。
自分でフザリウムを育てている状態ですね。
(質問者)
よく相談してみます。
(福広さん)
むこうのトマトはちょっと失敗ぎみなんです。
ちょっと細くしあがって、天候の波もあったのでちょっと落花させたし、こっちのハウスは今のところ、まあまあかな。
ただ、育苗の温度管理がやや低温で・・。
最低で移植まで14度で管理しています。
今年、2月が曇天多かったでしょ。
日中の温度が上がりきらんかったんです。
来年の温度管理は最低温度をもう少し上げるか・・。
7節目に1段つくと2段目が4つ飛ぶでしょ。
3つで理想的には上げたいんですよ。
なるべく8節につくと上がるから、9節以上につけると育苗で時間がかかるんです。
そのへんの育苗の管理でちょっとミスをしました。
毎年、いろいろなミスをするんです。
(質問)
理想は何節なんですか?
(福広さん)
理想は8節以上につくと、必ず3節目の上に花がふいてくるんですよ。
そうすると花の向きが全部一緒になるので、収穫も同じパターンで上がっていくんです。
気温が低いほど下がってくるんですよ。
7節とか6節とか5節とか・・。
そうすると2段目の花が上につくので、間があくんです。
7節につくとだいたい4つあがるし、6段目に花芽がつくと今度は5つ飛ぶんですよ。逆に育苗が高温時期になると下がらないんです。
一段目の着花節位がだいたいうちらでやると12節目ぐらいにつくんです。
7月播種のトマトだと、1段目の花が12節ぐらいしかつかないんですよ。
抑制栽培やっている人にはよくわかると思います。
下げるのはダメですけど、上げるのは調整できます。
今の場合、いかに順調よく花芽をふかしていって、さっと収穫を終わること。
ちょっと、育苗の方で温度ミスしたかな。
今できることは水コントロールと樹勢コントロール、あとは天候まかせ。
(質問)
葉面散布は面倒だからやらないですよね。
(福広さん)
やらないです。
あまり手間がかかるようなことは、やらないようにしているので。
(質問)
点滴灌水する時間帯とかは?
(福広さん)
難しいんですけど、今はだいたい9時前後ぐらい。
1時間から2時間くらい。
(定植の遅いハウスでは)1時間ぐらい、(定植の早かったハウスでは)2時間ぐらい。
(質問)
大きさによって灌水量を変えているのですか?
(福広さん)
毎年、(定植の早かったハウスでは)尻腐れがでやすいので灌水は多めですね。
こちらは尻腐れがでにくいんですよ。
(質問)
どれぐらいとれるんですか?
(福広さん)
13アールのハウスで、6トンぐらいはとれますね。
灌水の目安として朝に葉露がうかない程度で尻腐れがでない程度にしています。
葉露がうく樹が1本か2本あるかどうかで、かつ尻腐れがでない灌水量の幅。
栽培面積があるので幅をもたせないと・・、一株づつ水はやれないので。
(質問)
灌水の間隔は?
(福広さん)
基本的に毎日。
昨日は(雨だったから)やらなかったけど、今日は勉強会の日だから(9時には)水はやれないし・・。
朝7時半ぐらいから1時間ぐらい灌水しました。
(質問)
これぐらいになるとかなり根も下に入って、まわりに山があったり田んぼがあったりすると、1mぐらい根が入ると安定した水分があったりしませんか?
(福広さん)
地下水位は全然低いです。
ハウスの下が川になっていて10mぐらい落ちているんですよ。
いくら水をやってもどんどん下に抜けていきます。
水が多すぎるかなと悩むところですが、これ以上灌水を減らすと尻腐れがでるんですよ。
高糖度とまとを作る場合には作型をずらさないといけないんですよ。
1月~2月定植をすると、高糖度とりやすいんです。
いまのように気温が高くなってからの定植はやはり生育が早い分、高糖度を目指すのは有機栽培ではしない方がいい。
カルシウムの葉面散布剤など、いろいろなカルシウム剤で補いながら今の時期に高糖度を目指すんなら目指すけど・・。
有機栽培であるなら普通の作型でいいです。
こだわりすぎるとあまり良くないです。
ビニルハウスに書いてある数字(メモ)は、ハウス内の場所別のECの数字です。
『-2』と書いてあるところは、樹が細いところ、『+5』と書いてあるところは樹が太いところ、今作が終わったら、ここから一輪車で2台土をとって少し下げていって、こっちに一輪車5台分の土を足していくことを示しています。
高低差の調整で灌水を平均化させています。
樹の太さを平均化させるのに、毎年微調整するんです。
どうしても湿気るところは樹ばかりが太くなるでしょ。
そうなると、とまとがまずいし、味も薄くなります。
栽培面積が大きくなるほど誤差も大きくなるでしょ。
その誤差をなるべく少なくするために毎年微調整をかけるんです。
********************************
以上で、福広塾の【とまと編】は終了です。
次回は、堆肥編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-05
福広塾 “春”編 開催報告【露地野菜編】
2009年5月29日(金)、三重県名張市のゆうき伊賀の里の福広さんと村山さんの圃場にて生産者勉強会『福広塾』を開催しました。
今回の勉強会のテーマは『堆肥の積極活用で経費削減と品質アップを目指そう』です。
今回の福広塾、北は北海道の狩野農園の狩野さん兄弟(※狩野さん兄は昨年度のRadix事務局研修生の第一期生です)、南は熊本のもっこす倶楽部さんも参加し、なんと合計59名の参加となりました。
(北海道から参加の狩野さん兄弟)
さらに、関東の生産者勉強会『めだかの学校』の講師の甘楽町有機農業研究会の新井さんや、秋の勉強会の講師をお願いする、あゆみの会の丸山さんも参加。
名人がそろいもそろったので、栽培技術の話でおおいに盛り上がりました。
さて、本報告では勉強会に参加したくても仕事の都合で参加できなかった方の参考になるように、できるだけ詳しくまとめてあります。
そのため、露地野菜編、とまと編、堆肥編、座学編、村山さん編の長編5部作になる予定です。
各編がまとまり次第、順次ブログにアップしていきますが、本文はかなり長くなるので、皆さん覚悟して読んでくださいね。
それでは、福広塾”春編” 【露地野菜編】 のはじまりです!
************ 【露地野菜編】 ***********
(福広さん)
現在の栽培面積は露地で約1町歩、ハウスで13アールです。
自宅近くで耕作放棄地がでれば、少しずつ借りています。
栽培面積のうち、自分の土地は2~3割ほどで、あとは借地です。
作業効率のため、なるべく遠くの圃場は借りないようにしています。
売り先はほとんど、らでぃっしゅぼーやさんです。
ゆうき伊賀の里のグループ生産者は4名で、栽培品目は30品目ほどです。
(福広さん)
この圃場ではズッキーニを育てています。
3~4年ほど耕作放棄されていた圃場で、最近新しく借りたところです。
(福広さん)
ズッキーニの隣では、オカノリを栽培しています。
らでぃっしゅぼーやの、「いと愛づらし野菜」として出荷しています。
一番早く播種したものが、もうじき出荷できます。
おひたしにするとノリのような風味がでてきます。
らでぃっしゅ会員さんの評価はどうですか?
(らでぃっしゅぼーや農産課の神保さん)
評判はいいですよ。
会員さんから美味しかったとの返事がきています。
(福広さん)
一回どりが一番やわらかくていいのですが、二回どりもできます。
収穫したら下から芽がふいてきます。
自分たちはは一回どりで出荷しています。
二回どりするとどうしても堅くなってしまうので・・。
オカノリの種は買っています。
ただ最近はなかなか入手しづらくなってきています。
種屋さんから種を探すのが大変だから、来年から家で種をとってくれといわれています。そのため、種をとらないといけなくなると思います。
二回どりのオカノリは軸も堅くなって品質も悪くなります。
そのため一回の収穫で終わった方がいいですね。
小松菜に比べて、オカノリの肥料の要求量が多いと思います。
窒素を控えめにすると葉が黄色になりやすいので、やや窒素を多めに入れて窒素を効かせるかたちで栽培した方がよいですね。
施肥量(成田注:福広さんは有機質肥料を入れずに基本は堆肥のみ施用。そのためこの場合の施肥量とは堆肥投入量のことを指しています)は時期によって違うのですが、自分の場合で通常の葉菜類の1.5~2倍ぐらいの量を目安にしています。
窒素換算で10アールあたり20~30kg近くになります。
夏の場合は10~15kgの窒素投入量となります。
(成田注:福広さんの場合、有機質肥料ではなく自作堆肥で施肥しているので、堆肥中に含まれる窒素量として計算されています)
この畑は肥料もちが良くない畑で、堆肥の投入年数も短く、それほど入っていないので、ほかより少し堆肥を多めに施用しています。
オカノリは3年ぐらい栽培しています。
最初は施肥量がわからなかったので、他の葉菜類と同じぐらいで施肥設計したところ、どうしても途中で窒素が切れてしまうので、標準施肥に対して5割増しぐらい入れるようにしているので追肥しなくてもいいようになっています。
(質問)
連作障害はでるんでしょうか?
(福広さん)
まだ三年ぐらいしかつくっていませんからね。
連作障害はでるんですかねぇ?
うちの場合、そのときに空いた圃場に種をまいていくので、連作になるのか輪作になるのかよく覚えていません。
圃場ごとに、ここは小松菜、ここはほうれん草とわけていないんです。
(質問)
CECはどれぐらいですか?
(福広さん)
低いところは10ぐらい、高いところで15ぐらい。
堆肥の入れている年数、砂地の強いところと弱いところがあったり、あとは堆肥を入れている年数でも変わりますよね。
いつも良くできるところは、昔ハウスだったところです。
ハウスには毎年数トン単位で堆肥をいれていました。
ハウスがつぶれて10年以上たちますが、いまでも同じ量の堆肥をいれても、ハウス跡の圃場のほうが作物のできがいいです。
やはり差はありますね。
もともとCECが高いのか、昔の堆肥が徐々に効いているのかわからないですが・・、なかなか差は縮まりませんね。
(質問)
pHはどれぐらいですか?
(福広さん)
6.0~6.5ぐらいの間におさまっています
以前、ハウスではもう少し高めの場合が多かったのですが、徐々に微調整をしてきました。
圃場の肥料成分で多いものを少なくするのは大変です。
少ない成分を上げるのは簡単です。
(質問)
リン酸の数値はどうですか?
(福広さん)
堆肥主体なのでリン酸は300mg/100gぐらいですね。
(質問)
無理矢理にリン酸の数値を下げるようなことは考えないのですか?
(福広さん)
以前やりましたよ。
300mg/100gを200に下げるのに2年から3年かかったけど、堆肥類はもう一切入れられない。
リン酸の入っていない堆肥ってないでしょ。
今のやり方で300以上にあがらないから、まあいいかと考えています。
リン酸の過剰障害ってあまりでないでしょう。
(福広さん)
エンサイは水が大好きなので畝はたてません。平畝です。
1週間ぐらい前に蒔いた部分は芽が出ていますが、こっちはまだ芽がでていません。7月10日ぐらいから収穫をはじめます。
暑くなるほど20日ぐらいで次の収穫が可能になります。
うまくやれば4~5回収穫できます。
給肥力が強いのか、無肥料でできます。
元肥も追肥もゼロです。
それで4回ぐらいとれます。
肥料代はかかりません。
病気はほぼでません。
雨の多いときの葉物としてよいですね。
梅雨明け後、定期的に灌水しないと大きくならないです。
(新井さん)
うちは育苗してから定植します。
平らなところにマルチをして、定植するところを播種機で押しておいてから、低いところに植えるんですよ。
降った雨がぜんぶそこに流れ込むようにするんです。
平らよりも低くして植えるんですね。
根腐れはしないです。
(質問)
6月中旬から10月頭ぐらいまでエンサイをとるんですけど、8月後半ぐらいから10月上旬まで芋虫がついてどうしようもなくなってしまうんですけど、ここではいつまで収穫できるですか?
(福広さん)
9月いっぱいぐらいまでかな。
気温が下がってきたら、もう大きくならなくなってしまいます。
あんまり遅くまでひっぱってしまうと、冬の葉物が入らなくなってしまうんですよ。エンサイは根が多いので収穫が終わってから2週間、できれば一ヶ月ほどおいてから次の小松菜やほうれん草を播種したいので、あまりひっぱると冬の作に影響がでてしまいます。
うちらの気候で冬作の小松菜で10月20日よりあとに蒔くと、間に合わないんですよ。ほうれん草だと10月10日ぐらいですかね。
その前に蒔く準備をすることを考えると、エンサイの収穫を9月20日から9月下旬までに終わらないといけない。
根がすごいのでしばらく根が腐るのを待たないといけないので、それ以上ひっぱらないようにしています。
(質問)
収穫の最後の方の虫はどうですか?
(福広さん)
ある程度はでますけど、あまり虫の多いところは捨てるし・・。
別に対処はなにもしていないです。
(福広さん)
ここではカボチャを栽培しています
品種はほっこり133といいます。
主枝をとめて側枝を2本から4本ぐらいだして、理想は10節以降に実を1個つけて、15節でピンチする作り方です。
作業日程によって忙しければ半放任で先だけ止めて、適当になったものだけとったりもします。
管理ができるときには、できるだけ管理をしています。
肥料は10アールあたり15kgの窒素が入っています。
(福広さん)
本葉2枚でピンチして、芽を出して15節ぐらいで止めて、またピンチして、10節ぐらいの先に雌花を1個つけていくと一番美味しいカボチャができます。
大きいカボチャがとれるのですが、手間がかかります。
株もとに咲いている雌花は全部とってしまいます。
カボチャは後半でうどん粉病がでますが、対策はなにもしないです。
カボチャはなるべく一番果のみ収穫しています。
二番果・三番果はだんだん味が落ちるでしょ。
だからなるべくまずいものをとらないように一番果だけに注力します。
(質問)
カボチャの蔓が伸びていますが、下には何もひかないのですか?
(福広さん)
下はひかなくて、カボチャの実に座布団(※発泡スチロール製)だけをひいてカボチャの下にくさびなどでとめます。
(質問)
カボチャは結構日焼けしたりするんですけど、大丈夫ですか?
(福広さん)
日焼けは少しあります。
少々の日焼けぐらいなら大丈夫ですよ。
(質問)
全面施肥してあるんですか?
(福広さん)
施肥は畝だけ。
後半の生育を見ながら、必要なら通路に追肥をいれていきます。
今はまだ様子見です。
(新井さん)
かぼちゃの場合、蔓から根がでるでしょう。
この根がすごく大事です。
一果取りなら問題ないんですけど、数とる人は全面施肥した方がよいと思います。
蔓からでる根がすごく大事なんです。
蔓から発生する根を切っちゃうと伸びは悪いですね。
後から蔓肥やっても大丈夫です。
(福広さん)
カボチャの葉の大きさで追肥の様子を見ています。
昨年が少し小さかったので今年は肥料を多めにしてあります。
(福広さん)
ここは露地の小松菜です
小松菜は播種したらすぐにネットをかけて収穫までそのままにしています。
葉がネットにあたったら葉折れを防止するためにネットの片側をあけるようにしています。
品種は収穫が早いのから「わかみ」、つぎが「きよすみ」、年間に4~5品種ぐらいをまわしています。
ネットは08です。
こちらが古い方のネットで、むこうが新しいネットです。
さんさんネットで同じメーカーですけど、糸が太いのと細いのと両方あります。古くなるほど、目ずれします。そのため、古いネットには虫が入りやすくなるのと、新しいネットの方が虫の入りが少なくなります。
春先までこちらの古いネットをつかいますが、夏は新しいネットだけ使います。夏は回転が速いので、あまりネットは使いません。
今で40日ぐらい、これから蒔くのは収穫まで一ヶ月ぐらいです。
(質問)
収量は何束ぐらいですか?
(福広さん)
ばらつきがあるんですが、この一畝で45mぐらいあるんですけど、良いときで1000束、ちょっと悪くなると600~700束ぐらい。
夏場とかでも600~700束ぐらい、夏場はどうしても肉が薄くなりますから・・。
冬とか春先などじっくりと生育したときなどで1000束。
1m70cm幅でトラクターで畝たてしているので、1m60cm少しの幅で15列ぐらいはいります。10アールあたり10000束ぐらいですかね。
(質問)
播種の間隔(サイクル)はどれぐらいですか
(福広さん)
今の時期は5日に一回ですね。
今は一週間に二畝づつ収穫しています。
だんだん気温が高くなってきて間隔が縮まってきています。
収穫が終わった後は、草をとって耕しておいて次の作までおいておきます。
(質問)
夏場はこのネットで蒸れたりはしないんですか?
(福広さん)
夏場は雨が多くない限り蒸れたりはしないです。
今年は7月の作型を組んであるんですが、今は6列なんですけども、今蒔いているのは5列にして少し減らしています。
高温では蒸れないんですけど、高温で雨が続くととろけがでやすくなってきます。
(質問)
夏場と春とでは窒素の投入の違いは
(福広さん)
夏場は10kgぐらいですね。
堆肥換算ですから施肥設計は難しいんですけど、堆肥の窒素の利用率を50%と考えると5kgになるし、冬場だと40~50kgぐらいはいります。
普通で標準施用の3倍ぐらいで計算するんですけど、肥えた畑は4倍~5倍ぐらいの差をつけます。
夏場はゼロにする場合もあります。
それでもできます。
(新井さん)
生育はいいですね。
ただネットに葉がついてしまうと害虫が外から卵を産んでしまうので、内側に葉がつかない大きなトンネルにした方がベストかな。
(福広さん)
小さいときはネットにあたらないように播種の際にあまり端にならないように気をつけています。
収穫が近づいてくると外から必ず害虫がかじりますから、初期の害虫でやられた程度で収穫ができるようにしています。
(新井さん)
成虫が蛾とか蝶になる害虫は外から卵を産むので、ネットの内側に葉がついてしまうと外から卵を産んでしまいます。
ベストの状態はもう少し大きなトンネルの方がよいのかなと思います。
(福広さん)
もちろん、べたがけするとダメですよ。
(質問)
強い風ですれたりはしないですか?
(福広さん)
よほど強い風以外は大丈夫です。
寒い時はだめですよ。
氷点下になって風が吹くときはネットをはずしておかないと、こすれて変わってしまいます。
(福広さん)
小松菜の畝の高さは梅雨に向かって高くしています。
雨の少ない時期ほど畝の高さは低くしています。
また水はけの良い畑ほど低めで、水はけの悪い畑ほど高くしています。
微調整はそんな感じでしています。
(質問)
プラソイラーはかけてあるんですか?
(福広さん)
プラソイラーはかけてあります。
ちょうどプラソイラーを買って一年ぐらいになります。
畑によって2回から3回はかけていますね。
効果は、ある程度ありますが、すごくあるとまでは言えないかな。
大量に雨が降った後で通路にたまった水の抜ける時間を見ているんですけど、プラソイラーをかける前は雨が続くと二日ぐらい残るんですよ。
プラソイラーをかけた直後だと数時間で消えるんですね。
しかしその雨が2回3回と続いて降ると、半日、一日と雨水が抜けるまでの時間が長くなってきます。
だんだんと土がつまってくるんです。
もちろんプラソイラーをかけない圃場と比べると、水がぬけるのに時間はかかりません。
(質問)
プラソイラーをかける間隔はどれぐらいですか?
(福広さん)
この畝に対して一カ所、二列ですね。
(新井さん)
90cm間隔でかけてあるだけで、その間にはかけていないということですね。
(福広さん)
何回もプラソイラーをかけていれば、そのうちに少しずつ良くなるかなと考えています。
(新井さん)
プラソイラーの一番下に羽のようなものがついているんですが、あの羽が大事なんです。
硬盤の下にあの羽が入ることで浸みた雨が横に抜けるんです。
だから90cmだとあまり意味がない。間にもう一カ所かけないと・・。
(福広さん)
プラソイラーをかけるにもアタッチメントを交換しないといけないし、畑も全部空いていっぺんにできればいいんですけど、空いたところから順次やるので、なかなか丁寧にやれないところもあります。
プラソイラーをかけない時と比べてかけた方が作るのが楽になりました。
過湿の害が減ったような感じもします。
(質問)
堆肥施用の加減はどうやっているんですか?
(福広さん)
機械で堆肥をふりますから、必ずしも均等というわけにはいきません。
土壌に過湿などの害がない場合、大きさがほとんど揃っている時には窒素が適正から過剰の範囲だと見ています。
少し生育に波が見える場合には、適正からやや窒素が少ないと見ています。
大きく波うって、ところどころで生育が止まるとか黄色になる場合は窒素欠乏というわけです。
理想は生育でほとんど波をうたない程度で、収穫近くで外葉か本葉で一枚二枚黄色くなる程度でそろっていれば窒素量として適量かなと見ています。
(※窒素が不足すると外葉から黄色くなってきます)
畑による違いと播種時期による違いによって、堆肥の入れる量が変わりますから、そのへんは過去のデータを見ながら調整します。
この畑でこの時期に播種して、堆肥をどれだけ入れた時にうまくいったという記録をもとに調整しています。
畑が違うと同じ小松菜でも堆肥を入れる量を変えることもあります。
畑の癖、違いがありますので、同じ量を入れて出来を見ながら次の作の施肥設計の参考にします。
このように収穫が近づいてきて、あまりばらつきがなければちょうどいいかなという感じで見ています。
(質問)
他の産地の話ですけど、関東から北海道に持っていくと葉物がよくとろけたりするんですけど・・。
長距離輸送すると黄変が多いんですけど、この時期に福広さんが一番気をつけていることは何でしょうか
(福広さん)
今の時期の黄変対策は・・。
今の収穫は夕方どりで朝どりはしないようにしています。
朝どりと夕どりとで日持ちを調べたデータがあって、夕方どりの方が鮮度の落ちが遅いという結果がでていますので、冬とかの特別な条件がない限り、基本的に夕方収穫をして冷蔵庫で予冷し、その日に出荷する分を朝に袋詰めしています。
朝どりの場合は、どうしても露でぬれていますので、水分が多いとどうしても痛みが早いので、夕方の乾いているときに軽く水をうって冷蔵庫に入れて、しおれ防止ぐらいの感じで・・。
温度管理はずっと5度ぐらい。
今だと朝の8時、9時になると葉の温度は20度を超えてきますから、それで袋詰めをすると冷えないんですよ。
うちらでも、以前に出荷の段ボールの中の温度、箱詰めしてから温度が下がるスピードをはかったことがあるんですけど、1箱に小松菜25束はいるんですけど、温度は1時間に1度しか下がりませんでした。
20度で袋詰めした場合、5度まで下がるのに15時間かかることになります。
いかに低い温度帯で袋詰めして早く予冷するかです。
夏場だと30度ぐらいになってきますから、それで痛む率も高いのかな。
あと輸送時のトラックの問題もあるかとおもいますが、農家の方ではいかに低い温度帯で束ねて箱に入れて、その温度を維持できるかにかかってくるかと思います。
(質問)
収穫した後で袋詰めをする人がいるんですけども、袋に入れないで裸のまま冷蔵庫に入れて、冷えてから袋詰めをするわけですね
(福広さん)
そうです。
特に気温の高い時にはそうですね。
ちょっと数が足りない時には、収穫して時間があれば予冷してから束ねるようにしています。今の時期はそんなに問題ないです。
天気続きの時の小松菜の場合、少々気温が高くてもまず黄変はしないです。雨が続いた後とか、天候が悪い時の小松菜はどうしても黄変は早いです。
そのときは特に気をつけます。
昨日のように雨が降って、二日三日曇天が続くようでしたら少し気をつけるようにします。
天気が三日も四日も続いている時には少々高温でも問題ないと思います。
そのへんの見極めというか、天候によって気をつける場合と気をつける場合とわけています。
(新井さん)
この時期、収穫時の葉の温度は20度を超えています。
うちの場合は前の日に遮光ネットをかけてしまいます。
遮光ネットをかけて収穫日に温度があがらないようにしています。
50%の遮光率のネットです。
遮光ネットをかけることで葉の温度も10度台に落ちます。
収穫するときに20度のものを袋に入れてもさきほどの福広さんの話のように温度は下がりにくいです。
(福広さん)
袋にいれずにコンテナで冷蔵すると冷えるのは早いです。
袋に入れると冷えは遅くなります。
(新井さん)
前の日に遮光ネットをかけて、収穫は朝も日中も夕方も収穫します。
ハウスの葉物の場合収穫前日にカーテンのところに遮光ネットを全面にかけてしまいます。
それだけで全然ちがいます。
(質問)
朝どりと夕どりの違い、どちらが糖度があがるのですか?
(新井さん)
トマトの場合ははっきりしています。
朝どりと夕どりと比べた場合には、夕どりの方が糖度があがります。
(質問)
播種機はどのようなものを使っていますか?
(福広さん)
うちは「ごんべえ」を使っています。
ベルトの種類はたくさんもっていますが、今日の資料に詳しく書いてあります。
小松菜では、品種が変わると種の大きさがかわりますし、同じ品種でも年によって、やや大きめとか小さめとかありますので、その時に種を確認しながらだいたい自分の理想とする種の落ちる間隔にあわせてベルトを調整します。
そのため何種類もベルトをもっています。
(質問)
間引きはほとんどしないのですか?
(福広さん)
種をまいたらすぐにトンネルをかけるので、間引きはできません。
ごんべえは今三台目ですが、ハウスの場合、土が乾くとごんべえが滑るんですよ。そのため前輪の径が大きいタイプを去年買いました。
露地でも土ぼこりがたつほど乾燥している時には、前輪の大きいごんべえを使用するとすべらないので、それを使用しています。
(質問)
圃場の苦土の量は適量ですか?
(福広さん)
だいたい50(mg/100g)ぐらいで、多いときで75ぐらいです。
冬場にどうしても堆肥を多く散布するので、春先になると75ぐらいになることが多いのですが、これから測定すると50とか低いときには25になったりもします。
これぐらいの幅があります。
あまり低くでると堆肥に混ぜる苦土の量を増やし、高くでると苦土の量を減らします。
2年ぐらいのスパンで調整しています。
(質問)
鉄とかマンガンとはかどうですか?
(福広さん)
露地での調整は諦めて、トマトだけ重点的にみています。
pHとの関係が大きいです。
硫酸マンガンと硫酸鉄を活用しています。
昨年から集中的に測定し始めたのですが、pHが5.5以下になると鉄もマンガンもかなりでてきます。
pHが6ぐらいにあがると24時間で100(ppm)でていた数字が10ぐらいまで下がります。下がるから大量に入れた方がよいのか、入れたから下がっても入れなくてもいいのか、悩むところです。
データは公表できるほど蓄積できていないのですが、酸性雨が降ったときには灌水の原水はpH5~5.5ぐらいになります。
そのときには、微量要素の数値が上がってくるんですよ。
pHが6ぐらいだと逆に増えないんですね。
クエン酸は有機栽培では使用できないので、アケビの酵母菌培養液を活用しています。
酵母培養液の原液はpH3~4ぐらいになりますが、1000~2000倍液にするとpH5.5ぐらいになります。
そこに鉄とマンガンを混ぜて灌水すると、2~3日はなんとか分析でも数値が上がっています。
土のpHがあがってくるとだめですが、灌水した下の土だけは鉄とマンガンの数値が上がってきます。
丸山さん、分析したデータではいかがですか?
(丸山さん)
鉄とマンガンはでないですね。
入れれば効果はあるようなので、特に鉄は効果があるようです。
どれだけ吸収しているのか、どれだけ流亡しているのか、あるいは吸い過ぎているのかはわからないので、皆さんの経験を参考にしながらやっていきたいと考えています。
(福広さん)
適正量は?
(丸山さん)
元肥では硫酸鉄で10アールあたり12kgとか20kgとかいれています。
だいたい作が終わる時期になるとない状態が多いです。
最近は少し3~4ppmとか上がってはきているので、吸着している部分もあるのかなと思っています。
(福広さん)
今年はトマトで10アールあたり硫酸鉄で元肥で20kg入れています。
追肥で3000~5000倍溶液を定期的に分析で下がってきたら入れるようにしています。
そうするとトータルで10アールあたり30~40kgぐらい入っていると思います。
入れすぎて過剰障害がでないだろうかとの心配も少しあります。
(丸山さん)
今自分たちのところでは過剰障害は特にみられません。
(福広さん)
マンガンは堆肥の中に多く含まれているのか、堆肥を分析するとマンガンがかなりでます。
定植初期は鉄とマンガン、施肥後は鉄のみでいこうと思っているところです。
(質問)
丸山さん、この小松菜はミネラルをちょうどいい具合にすっている感じですか?
(丸山さん)
まめ葉が枯れている状態なので、苦土がうまく吸えていないのかなとも感じます。直根が弱いので鉄が少なくなっているのかなとも。
ちょっとわからないです。
(福広さん)
以前、堆肥にもFTEを入れていたんです。
FTEを10アール換算で4~5kg、年間で2.5~3町歩量ということで年間80kgのFTEを入れていました。
それで足りるかなと思っていましたが、最近クエスチョンマークがついて単体に変えているんですね。
そこで現在はFTEの3倍量の単体を堆肥に入れています。
鉄も3倍、マンガンも3倍、硼素が同じぐらいか少し多いぐらい。
硼素も単体で入れています。
資料中に堆肥中の微量要素含有量というのが入っていると思うんですが、畜糞堆肥とか入れる場合、微量要素で不足する場合、鉄・マンガン・硼素なんです。堆肥中に亜鉛・銅は十分入っているから必要ないと考えてFTEやめたんです。
鉄・マンガンがもう少し効いた方がよいかなと考えて、FTEのかわりに単体の微量要素をいれています。
FTEを大量に入れると今度は硼素が大量に入るし、銅も亜鉛もいらない。
単価的にも少し安くなるので変えたんです。
変えたばかりなのでまだ十分なデータは集まっていません。
まだ変えて一年目です。
(質問)
リン酸はいくつぐらいですか?
(福広さん)
リン酸は300mg/100gぐらいです。
堆肥中心にやるとリン酸を下げるのは不可能なんですよ。
300で問題なければ今の堆肥を入れ続けようと思っています。
300でもこんな感じで特に問題になっていません。
リン酸過剰の障害がどんなんかはよくわかりません。
もちろん堆肥原料の段階でリン酸が少ないものを探してはいます。
しかし、ほとんどゼロにちかい堆肥の原料は調達は無理でしょう。
なるべく多いものはいれないようにしています。
窒素源を確保するために半分は畜糞で半分はおからを入れています。
最近、おからが手に入らなくなってきて少し悩んでいます。
(質問)
新井さんのところでリン酸過剰とかはでていますか?
(新井さん)
自分の勉強会でも話をしたんですけど、リン酸を吸収する根というのは表面にある根なんですよ。
深い根というのは吸収しずらいので、リン酸の施肥というのは表面にいれるのがこつなんですね。
肥料を入れて深く起こせばよいというものではなくて、表面の根がリン酸を吸収するんです。
根もの、にんじんなどでは肩ぐされといって、リン酸過剰によって表面の部分が腐ってくるんですよ。
それで堅いにんじんになってしまいます。大根もそうだよね。
(福広さん)
鉄もマンガンも単体でふるとすぐに植物にすえない形に変わってしまうので、なるべく堆肥に混ぜてキレート状にするんです。
そうすると長く効く状態が維持できると考えています。
********************************
以上で、福広塾の【露地野菜編】は終了です。
次回は、とまと編です。
Radix事務局:成田


