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【01 農産活動報告】
2009-06-06
福広塾 “春”編 開催報告【堆肥編】
福広塾”春編” 【とまと編】に続いて、今回は【堆肥編】をお届けします。
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************** 【堆肥編】 *************
(福広さん)
こちら(※右の山)が熟成中の堆肥で、奥が完成した堆肥です。
堆肥は基本的に年に2回つくっています。
材料を入れて切り返しとエアレーションでつくっています。
完成した堆肥はこちらにおいておきます。
場所が少々せまくなってきています。
本日の資料中に原料の目安がまとめてあります。
熟成中の堆肥の中には、おからがまだ入っていません。
おからを持ってきていただいている業者さんが言うには、おからがないということでまだ入っていません。
右側の熟成中の堆肥の中におからが入る予定です。
今ある1.5~2倍量が完成したときの量になります。
これが会員さんからくるエコキッチンで、今は1週間で150~200kgぐらい入ってきます。
これも一緒に混ぜてつくっています。
去年から施肥で凝り出しているのが、鉄とマンガンです。
今までFTEを入れていたのを、FTEをやめて硫酸鉄と硫酸マンガンと硼砂に変えています。
理由はFTEのバランスでは、鉄とマンガンを多くいれたいと思ってFTEを多めに入れてしまうと、硼素が過剰になりやすくなるからです。
硼素の適正濃度の幅が狭いので、硼素過剰が起きないようにFTEはこれ以上、入れることができません。
FTEから鉄・マンガン・硼素の3つの微量要素単体に切り替えたのは去年の秋からです。
亜鉛と銅は畜糞に十分入っているので必要ないと考えています。
量的にはFTEの(鉄・マンガンの含有量の)3倍ぐらいになるように、鉄とマンガンを入れるように変えました。
微量要素欠乏で一番よく出るのは葉もの、特にほうれん草です。
ほうれん草は鉄やマンガンの欠乏症がよく出ます。
時期にもよりますが、やはり温度が高いときにでやすいと感じています。
冬場でもでます。
小松菜とかは(鉄・マンガンの欠乏症が)ほとんどでませんが、ほうれん草に欠乏症がでない程度にするには、どれぐらい入れたらいいのかを考えながら、第一段階の施肥設計をしています。
これで欠乏症が出るようだったら、多くするように調整します。
ほかに入れているミネラル分は苦土だけですね。
有機質の原料では足りないので、苦土は成分量で100kgぐらい入れています。
(成田注:有機質の堆肥原料だけでは必要量の苦土が補えないので、有機栽培で認められている苦土肥料を堆肥原料としていれているということ)
(質問)
エアレーションはどのようにしていますか?
(福広さん)
堆肥の水分が多いときにはエアレーションを入れっぱなしにしています。
これぐらい乾いて、切り返しでホコリがたつ少し手前ぐらいになったので、最近スイッチを切りました。
エアレーションを入れると温度が上がりすぎてしまうんですよ。
だから今はエアレーションを切っています。
(丸山さん)
エアレーションではインバーターとかはついていますか?
(福広さん)
そんないいものは買っていません。
あれが1500円ぐらいです。
(成田注:エアレーション用の送風ファンはトイレ用換気ファンを活用)
堆肥場にコンクリートを張る前に40mmぐらいのパイプを入れる場所を作っていただいて、自分でエアレーション用のパイプを設置しました。 ![]()
(丸山さん)
堆肥は何度ぐらいになるんですか?
(福広さん)
今ぐらいの状態、少し乾燥したらよく温度が上がるのですが、あと20~30cm高く積んでエアレーションが入ると70度を超えると思います。
温度を60度ぐらいにするには堆肥の高さを低くするのと、エアレーションを止めるのと、切り返しの回数を少なくすることです。
今は1週間に1回ほど切り返しを行っています。
乾いてきたら2週間に1回ぐらいに切り返しを減らすか・・。
切り返すと、エアレーションが入っていなくても、3~4日ぐらいで温度のピークになり65度を超えるぐらいになり、徐々に下がってきます。
1週間で60度ぐらいに下がって、もう少したてば50度台まで下がります。
(丸山さん)
切り返しの際に、水とかは?
水分調整はどんな感じでやっていますか?
(福広さん)
今までは乾いてきたらおからで水分調整をしてきたんですが、まだおからが入ってきていません。
籾殻などがまだ熟成していないので、水をやりながら切り返しをしようかなと考えています。
(質問)
この堆肥はいつから作っているんですか?
(福広さん)
熟成中の堆肥は4月から準備を始めていました。
徐々に材料を入れていくので、一気に材料がくるわけではありません。
5月の連休前に鶏糞が2t車で5台ぐらいきました。
それと戻し堆肥が少しと籾殻が軽トラに1~2台入っているのと、エコキッチンが入っています。
あとはミネラル分を最初の時期、混ぜる量がまだ少ないときに苦土と鉄とマンガンを入れて混ぜてあります。
(質問)
炭素率はだいだいどれぐらいですか?
(福広さん)
炭素率は、分析データがでているので、資料のP.8を見てください。
炭素率が9.1~9.2ぐらいかな。
予想よりちょっと炭素率が低かったんですけど、分析結果がこのように出ています。
もう少し炭素があると思ったんですけど、予想より少なかったのですね。
原料の比率に関係があったのかもしれません。
エコキッチンが増えれば、もう少し炭素率が上がると思います。
(質問)
ブロックで仕切って堆肥場を作っているんですけど、どうしても温度管理がうまくできなくて・・。
(福広さん)
堆肥舎をつくると温度が上がりすぎる傾向があります。
(質問者)
ほっておいたら80度まで上がってしまって、あわてて切り返しするんですけど、切り返しをした直後は温度が下がるんですが、切り返しで空気が入ってしまうので3日後ぐらいですぐに温度が上がってしまいます。
それの繰り返し。
水を上からまいて冷やすとか、堆肥の山に穴をあけたりしているのですが、堆肥の表面積が小さすぎるとそうなるのかなと感じています。
ちなみにエアレーションは入っています。
(福広さん)
エアレーションが入ると、酸素が入るので堆肥の温度がどんどん上がります。だから、いかに低く積むかなんですよ。
この堆肥も50cmぐらいの高さに積むと60度をそれほど超えなくなると思うんですが、その分場所をとることになってしまうので、ある程度の高さで積んでいます。
(質問者)
ブロックを積むと堆肥を高く積めるものだから・・、私も最初はそう思って始めたんですけど、逆に温度が上がりすぎてしまって・・。
今、ブロックを壊そうか、どうしようかと迷っているところなんです。
(丸山さん)
エアレーションは回しっぱなしなんですか?
(質問者)
いいえ、インバーターを付けてエアーを絞ったり、タイマーで一日に4時間ぐらいエアレーションするようにしても、さらに何もしていなくても堆肥の温度が上がりすぎてしまうもので・・。
どうしたもんかなぁと・・、悩んでいるところなんです。
籾殻なんですけど、この籾殻は乾いたまま入れて混ぜるんですか?
(福広さん)
そうです。
(質問者)
籾殻には油分があってなかなか分解しないとか話に聞くんですが・・。
(福広さん)
鶏糞が水分過剰でくるので、最初かなりべたべたの状態なんですよ。
それで籾殻を入れて最初の過剰な水分をとばすのに活用しています。
今はだいぶ水分も切れてきている状態です。
(丸山さん)
鶏糞は、最初にきたときにはそれなりに匂いはするんですか?
(福広さん)
はい、鶏糞の匂いです。
(丸山さん)
一週間ほどで匂いはおさまります?
(福広さん)
はい、だんだんと堆肥の匂いに変わってきます。
切り返しを頻繁にした方が早いですけどね。
バケットでどかんと切り返すので、どうしても中の鶏糞の固まりがしばらく残ってしまいます。
(丸山さん)
理想の堆肥のC/N比は?
(福広さん)
C/N比で12~13ぐらいが理想かな。
有機物があまり入っていない畑だとC/N比がやや高い堆肥を大量に入れたり、ある程度有機物が入っている畑だとC/N比が10から10を少し超えるぐらいの堆肥で調整しています。
C/N比15の堆肥を入れていても、C/N比6~7のぼかし肥を入れていれば、トータルで換算するとC/N比が10ぐらいになってくるでしょ。
そうすると堆肥だけだと10少しぐらいで十分かなと考えています。
つくる作物によっても多少違うかもしれないけど、作物別のC/N比の理想値はいくつという調査はたぶん誰も調べていないので難しいんです。
(丸山さん)
福広さんさんはぼかし肥も使わないし、(有機質肥料の)8-5-3のような肥料も使っていないので、堆肥だけということであればそういうことなんですね。
(福広さん)
逆に窒素濃度を下げると、(圃場に堆肥を)入れる量が増えるので・・。
窒素濃度が高くなるほど、堆肥を撒く量が少なくてすむでしょ。
作業性が楽なんですよ。
いまのところ大きな問題も出ていないし、これぐらいがいいのかなと。
(質問)
この下に(送風用)パイプが入っているのですか?
(福広さん)
ここに6本か7本入っています。
ちょうど今は堆肥の下に埋まっていて見えない状態です。
コンクリートをはる前に5cm角ぐらいの木の角材などを入れておいて、そこにコンクリートをうってもらって、固まってから角材をとってその跡に塩ビのパイプを入れて送風用通路をつくります。
(丸山さん)
エコキッチンはいつ頃から入れ始めているんですか?
(福広さん)
かなり前から・・。
エコキッチンが始まった当初からです。
堆肥舎をたてる前からエコキッチンが入っています。
(丸山さん)
生だから虫とかがわいたりしませんか?
混ぜちゃえば大丈夫ですか?
(福広さん)
乾燥した状態で入ってきますから・・。
これで濡らしてしまうとすぐに虫がいっぱいわいてきますよ。
1週間分ぐらいたまったら切り返しして混ぜてしまいます。
(丸山さん)
エコキッチンが入るから1週間に1回切り返しのスタイルに?
(福広さん)
そうではないですけど、たまには2週間あくこともありますね。
エコキッチンには分解しにくいものも結構入っていてね、ミカンの皮なんかもそうですね。
完熟堆肥の中にも現物が残っていますよ。
鳥の骨ぐらいはいいですけど、トウモロコシの芯や時期によってはマンゴーの種もよく入ってきます。桃の種とかね。
(質問)
以前は堆肥にFTEを混ぜていて、現在は単体で硫酸鉄とか硫酸マンガンを入れているそうですが、堆肥の温度の上がり方とかは変わらないですか?
(福広さん)
変わらないですね。
(質問者)
以前ですね、鉄を混ぜると温度が上がりやすいとおっしゃっていた方がいたんですけど・・。
(福広さん)
あまり変化は感じないです。
いつも温度計を堆肥に刺して見ているわけではないんですけど、温度の上がりはエアレーションのスイッチが入っているかどうかと、堆肥の高さ、堆肥を積む高さで発酵温度の差が大きくなりますね。
(質問)
なにか微生物を入れているんですか?
(福広さん)
菌は入れていないです。
効果があるかどうかがクエスチョンマークだから・・。
クエスチョンマークのものは余分な出費になるから入れないようにしています。
(質問)
戻し堆肥は一定量はいれているんですか?
(福広さん)
少し入れますけど、入れなくても同じところで作っていますから、条件も温度も上がるのも一緒だから、菌はそんなに変わらないと思います。
(質問)
この堆肥はあと何日ぐらいでできるんですか?
(福広さん)
9月中旬~下旬が目安です。
完熟して置いてある堆肥がなくなったら使うんですけど、それまでは熟成させて置いておきますね。
(質問)
この熟成中の堆肥はもう使えそうにも見えるんですけど・・。
(福広さん)
鶏糞などは黒っぽいからわかりにくいかもしれませんが、籾殻などはまだまだです。
完熟している堆肥と比べても、完熟堆肥の方がだいぶ黒いですから。
(質問)
この熟成途中の堆肥を使ってしまったらひどいことになってしまいますか?
(福広さん)
どうかな?
特に夏場だとそんなにたくさんまかないし、堆肥散布から播種までの期間を1週間~2週間おけばそんなに問題ないと思います。
自分は完熟している堆肥から順番に使っています。
天気が悪いと、仕事がつまってくるので、堆肥を散布した当日に播種することもありますね。それで問題なければ良いと考えています。
理想としては堆肥散布から播種まで2週間ぐらい間をあけるようにしていますが、いつも間がとれるわけでもないので・・。
********************************
以上で、福広塾の【堆肥編】は終了です。
次回は、座学編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-06
福広塾 “春”編 開催報告【とまと編】
福広塾”春編” 【露地野菜編】に続いて、今回は【とまと編】をお届けします。
************** 【とまと編】 *************
(福広さん)
こちらのハウスが定植が早いほうのとまとです。
1月30日頃の播種、4月1日ぐらいの定植です。
むこうのハウスが2月20日ぐらいの播種、4月17~18日ぐらいの定植です。
両方とも品種は桃太郎ファイトです。
こちらのとまとの着色が始まったところです。
今年の5月の気温変動が激しかったので、やや(とまとの茎が)細めで推移しています。
クルマルハナバチは巣箱を閉めてしまったので、もう飛んでないかもしれません。巣箱に戻っていない蜂もいるかもしれませんので、(昨晩の懇親会でたくさん飲んだ方など)アルコールの匂いをさせている方にマルハナバチが寄ってくるかもしませんよ。
それでは、4月1日定植したハウスから見てみましょう。
(福広さん)
自分の理想より(トマトの茎が)すこし細めにしあがってしまっています。
もう少し太くしたいぐらいだったんですけど・・。
(新井さん)
かなり水はくれているね。
(福広さん)
水はやっています。
細くしあがってしまったので。
(新井さん)
水をくれればくれるほど、とまとの葉っぱはたれてしまいます。
乾いてくると葉っぱはあがってきます。
これだけ葉がたれているということは、かなり水がきいている状態ですよね。
(福広さん)
これから温度が上がってくる時期なので、あまり水をきってしまうと、とまとに尻腐れが出てくるので、水をあげています。
特に大玉のトマトは水を切るとてきめんです。
(新井さん)
もう追肥をしているんですか?
(福広さん)
元肥一回だけですから・・。
(新井さん)
灌水チューブは点滴?
(福広さん)
点滴です。
(新井さん)
この株もとにも入っているんですか。
(福広さん)
株もとには入っていないです。
通路だけです。
(新井さん)
最初の段階だけ?
(福広さん)
最初は株もとで、その後は株から離して・・。
(新井さん)
トマトのカリの欠乏症状が一番先に出てきます。
次に窒素欠乏が出てきます。
生長点(トマトの樹最上部)を見ればわかるんですけど、まだ窒素は切れていない状態です。
窒素が切れてくると、この間が縮まってくるんですね。
一番上の花と生長点の間の長さが縮まるんです。
もうちょっと硬い感じで、窒素欠乏だと色もかわってきますよね。
ぼちぼち窒素が切れてきているのかなという感じかな・・。
窒素が切れてくると、一番上の花と生長点との間が縮まってきます。
この葉の幅も狭くなってきます。
カリの欠乏がでたら、じきに窒素の欠乏も出てきますので、この状態で窒素を補ってやらないといけないと思います。長期でトマトをとろうという人は特にね・・。
これがカリの欠乏症状ですよね。
葉脈の間が黄色くなってきているのはカリの欠乏症状です。
(福広さん)
今年は6段でピンチをしようと思っています。
6段の年と7段の年といろいろですけど・・。
今年はちょっと弱くしあがってしまったので、6段でピンチします。
収穫量はすこし少なくなるかもしれないけど・・。
(質問)
これ最後に縛ったりはしないんですか?
このまま垂らしておくんですか?
(福広さん)
6段だとこのままでも垂れないですね。
7段だと針金でうまくいくんですけど、8段ぐらいになると上にうまく誘引をしないと落ちたりしますね。
上で混んでしまうと梅雨の時期に品質の悪いトマトが多くなるんですよ。
あんまり横に伸ばさない方が良いのかなと考えています。
(福広さん)
収穫しやすいようにこちらの通路側に実がつくようにしています。
(成田注:左側の写真のように実のついている通路側。右はとまとがついていない方の通路)
こちらの通路に収穫用の箱が通るようにしています。
(質問)
これを使ってどうやって向きを変えるんですか?
(福広さん)
葉っぱとかで引っかけるんですよ。
なるべくこっちに向くように統一してやっています。
(質問)
以前とまとを作っていたことがあるんですけど、なるべく砂をつかって無肥料状態で育苗しないといけないのでは?
苗づくりで収量も決まってしまうと聞いたことがあるんですが、それはどうですか?
(福広さん)
まず病気のでない育苗土でつくります。
それだけですね。
あと、肥料バランスをとるんですけど、堆肥を何年も積んで用意するのも大変なので、うちでは即効の育苗土をつくるんです 。
(質問)
種から発芽して、これぐらいになるまでの間に肥料が少しでもあると、とまとが失敗することがあるのでは?
(福広さん)
うちは肥料成分を入れますね。
(有機系の)窒素を入れますね。
(質問)
栃木県で40t取り、50t取りをしている生産者のところに行って勉強をしてきたんですけど、従属生長が非常に重要だということでやったことがあるんですけども・・。
従属生長、つまり発芽した時に無肥料状態で、最初の双葉まで無肥料にしていかないと、あとのコントロールが難しいと言われたことがあるんですけど・・。
(福広さん)
うちはしていないです。
(質問)
とってきた土を何回も何回も水で洗って、そこにとまとの種を蒔いて、これぐらいになってから育苗用の土の中に鉢上げしたりして、昔はやっていたんですけど・・。
そこが決めてだと言われたことがありました。
(質問者に対する質問)
今はもうされていないんですか?
(質問者)
もう10年ぐらいはやっていないです。
とまと作りをやめてしまったので・・。
(質問)
カリ欠の葉っぱとはどんな感じなんですか?
(福広さん)
葉の色の濃いのと薄いのと・・・。
カリ欠がでないほど肥料をやると、実がふくらむことはふくらむけど、うちの理想としてはあまり・・。
実はふくらむけど、味が落ちるんです。
カリの欠乏は品種による違いも大きいんですよ。
桃太郎系はよくカリ欠がでるんです。
あんまりカリをくれてやると病原菌が入りやすくなったりするんです。
ある程度、カリ欠の症状がでるぐらいにしています。
カリが多すぎると実がふくらんで、味が薄くなりやすいんです。
細胞を大きくすると病気の抵抗力が落ちますからね。
ある程度、少ないといけないけど・・、バランスが難しいです。
(質問)
尻腐れがたまにでるということですが、カルシウム欠乏の症状がでると尻腐れがでやすくなるんですけど、カルシウム欠乏とかは?
(福広さん)
カルシウム欠乏は一番気をつけていますよ。
だから灌水量で調整するんです。
うちは有機栽培だから葉面散布剤は使えないけど、慣行栽培では葉面散布をする人もいますね。
なかなか(尻腐れが)止まらないでしょ。
気温が低い場合は(尻腐れは)でないんですよ。
気温が上がってくると、(尻腐れを防止するためには)一番は灌水を増やすこと。
灌水を増やしてトマトの実がふくれすぎないようにするのは、カリを抑え気味にしてカルシウム濃度を高めにする施肥設計の方がいいんですよ。
うちは7:3:1ぐらいにするんです。(成田注:左の比率は石灰:苦土:カリの比率)
普通は5:2:1でしょ。慣行栽培で推奨しているのは・・。
まあ、作物で多少ばらつくけど。
うちはほかの畑でもだいたい7:3:1になるように施肥設計しています。
その方が有機栽培向けで病気に強いかなと考えています。
元肥はぼかしでつくった堆肥一発で、あとは鉄とマンガンをやるぐらいです。
そこはまだ試行錯誤の途中です。
(質問)
鉄とマンガンだけですか?
(福広さん)
おもに鉄ですね。
(質問)
カルシウムは300mg/100gぐらいですか?
(福広さん)
だいだい300ぐらい入っていますね。
今日の資料にトマトの施肥内容が書いてあると思いますが、これがベースになっています。
(質問)
風はあまり入れすぎない方がいいんですか?
自分のハウスの腰のビニルを上げて風がびゅんびゅん通るようにしているんですよ。
(福広さん)
あまり風が強く入りすぎるとトマトの実がこすれて傷つく場合があるでしょ。
だから今日ぐらいの風だと、ハウスを閉めたいぐらいなんですよ。
ちょっと風がきついんで。
(成田注:勉強会当日はかなり風が強く、ハウス内も横風がやや強めに入り込んでいました)
(新井さん)
ハウスを開放しておくと葉が濃くなってきます。
葉が濃くなると、とまとの玉のまわりの皮が固くなってくるんですよ。
雨が降ったときに裂果がでますよ。
玉の皮が固くなっている状態、
とまとの樹が全体に濃くなると言うことは弾力がないんですよ。玉自体に。
風通しをよくすればいいんですけど、風通しが良すぎると樹全体がかたくなるんですよ。
(質問)
福広さんみたいに、さんさんネットのようなものでやわらかく風をあてるようにした方が良いことですね。
(新井さん)
そうです。
濃い樹にしてしまうと、必ずアブラムシがセットで寄ってきます。
(質問)
堆肥に鶏糞を入れているのでは?
(福広さん)
堆肥の中の比率で3割ぐらいですね。
採卵鶏の鶏糞を使っています。
鶏糞を入れるのはカルシウム補給のため。
鶏糞でカルシウムを補えるような量を入れるんですよ。
だから他のカルシウム資材は入れないんです。
(新井さん)
リン酸過剰はあまり関係ないとのことでしたよね。
(福広さん)
リン酸は300mg/100gより上がらないし下がりもしない。
現状維持なんです。
いまの堆肥を畜糞100%にするともっとリン酸が上がりますよ。
(質問)
トマトは自根ですよね。
(福広さん)
はい、自根です。
接ぎ木は大変でしょ。
新井さん、有機栽培で接ぎ木は技術的に十分?難しい?
(新井さん)
有機で接ぎ木?
接ぎ木やったことないからなぁ。
(質問者)
連作障害がでるので、どうしても接ぎ木でないと・・。
(新井さん)
なにがでるの?
青枯れ?萎凋(いちょう)?
(質問者)
自根だともたないですね。
期間も短いですし・・。
(新井さん)
フザリウムの萎凋なのか、青枯れの細菌なのかによって対処が違うんですよ。
だからどっちの病気なんですかということなんです。
カビが原因か、細菌が原因かということ。
細菌であれば水を切るしかないんですよ。
(質問者)
水は極力、一週間に二度ぐらいにおさえています。
マルチは黒マルチを使用しています。
(新井さん)
どっちの病気なんでしょうか。
フザリウムだとカビなんですけど、生のものが入ると必ずフザリウムが繁殖するんです。
完熟しているものが入っているかどうか。
(質問者)
完熟しているものですね。
秋に藁を切り込んで藁と一緒に畑に入れています。
(新井さん)
それがだめなんです。
それをすると、必ずカリ過剰になります。いずれは・・。
(質問者)
去年・今年と2年、鶏糞を・・・。
(新井さん)
藁がやっぱりよくないなぁ。
(福広さん)
秋に入れて春までに分解が進まないでしょう。
(質問者)
もう何十年もやってきたんですよ 。
(新井さん)
ある人が田んぼの中にハウスを建てて、藁でマルチをしていました。
それをすき込んで長年やってきたら、最近になって青枯れがでてきたんです。藁のすき込みは絶対にやらない方がいいです。
(質問者)
去年から籾ぬかに・・。
なんとかしないと、草がとりきれないんですよ。
(新井さん)
生のまま入れて翌年に定植するまでに完全に熟しているかどうかというと、カビがそれだけ繁殖するということは熟していないんですよ。
(質問者)
水をくれて、足で踏み込んでいけば藁も秋になれば・・
(新井さん)
有機栽培では使ってはいけないんだけども、例えば石灰窒素のようなものをふって早く分解するんであればいいんだけど、そのまますき込んだだけなら多分翌春まで分解していない。
それが原因でカビが発生してしまう。
生が入るとフザリウムが繁殖しちゃうから。
自分でフザリウムを育てている状態ですね。
(質問者)
よく相談してみます。
(福広さん)
むこうのトマトはちょっと失敗ぎみなんです。
ちょっと細くしあがって、天候の波もあったのでちょっと落花させたし、こっちのハウスは今のところ、まあまあかな。
ただ、育苗の温度管理がやや低温で・・。
最低で移植まで14度で管理しています。
今年、2月が曇天多かったでしょ。
日中の温度が上がりきらんかったんです。
来年の温度管理は最低温度をもう少し上げるか・・。
7節目に1段つくと2段目が4つ飛ぶでしょ。
3つで理想的には上げたいんですよ。
なるべく8節につくと上がるから、9節以上につけると育苗で時間がかかるんです。
そのへんの育苗の管理でちょっとミスをしました。
毎年、いろいろなミスをするんです。
(質問)
理想は何節なんですか?
(福広さん)
理想は8節以上につくと、必ず3節目の上に花がふいてくるんですよ。
そうすると花の向きが全部一緒になるので、収穫も同じパターンで上がっていくんです。
気温が低いほど下がってくるんですよ。
7節とか6節とか5節とか・・。
そうすると2段目の花が上につくので、間があくんです。
7節につくとだいたい4つあがるし、6段目に花芽がつくと今度は5つ飛ぶんですよ。逆に育苗が高温時期になると下がらないんです。
一段目の着花節位がだいたいうちらでやると12節目ぐらいにつくんです。
7月播種のトマトだと、1段目の花が12節ぐらいしかつかないんですよ。
抑制栽培やっている人にはよくわかると思います。
下げるのはダメですけど、上げるのは調整できます。
今の場合、いかに順調よく花芽をふかしていって、さっと収穫を終わること。
ちょっと、育苗の方で温度ミスしたかな。
今できることは水コントロールと樹勢コントロール、あとは天候まかせ。
(質問)
葉面散布は面倒だからやらないですよね。
(福広さん)
やらないです。
あまり手間がかかるようなことは、やらないようにしているので。
(質問)
点滴灌水する時間帯とかは?
(福広さん)
難しいんですけど、今はだいたい9時前後ぐらい。
1時間から2時間くらい。
(定植の遅いハウスでは)1時間ぐらい、(定植の早かったハウスでは)2時間ぐらい。
(質問)
大きさによって灌水量を変えているのですか?
(福広さん)
毎年、(定植の早かったハウスでは)尻腐れがでやすいので灌水は多めですね。
こちらは尻腐れがでにくいんですよ。
(質問)
どれぐらいとれるんですか?
(福広さん)
13アールのハウスで、6トンぐらいはとれますね。
灌水の目安として朝に葉露がうかない程度で尻腐れがでない程度にしています。
葉露がうく樹が1本か2本あるかどうかで、かつ尻腐れがでない灌水量の幅。
栽培面積があるので幅をもたせないと・・、一株づつ水はやれないので。
(質問)
灌水の間隔は?
(福広さん)
基本的に毎日。
昨日は(雨だったから)やらなかったけど、今日は勉強会の日だから(9時には)水はやれないし・・。
朝7時半ぐらいから1時間ぐらい灌水しました。
(質問)
これぐらいになるとかなり根も下に入って、まわりに山があったり田んぼがあったりすると、1mぐらい根が入ると安定した水分があったりしませんか?
(福広さん)
地下水位は全然低いです。
ハウスの下が川になっていて10mぐらい落ちているんですよ。
いくら水をやってもどんどん下に抜けていきます。
水が多すぎるかなと悩むところですが、これ以上灌水を減らすと尻腐れがでるんですよ。
高糖度とまとを作る場合には作型をずらさないといけないんですよ。
1月~2月定植をすると、高糖度とりやすいんです。
いまのように気温が高くなってからの定植はやはり生育が早い分、高糖度を目指すのは有機栽培ではしない方がいい。
カルシウムの葉面散布剤など、いろいろなカルシウム剤で補いながら今の時期に高糖度を目指すんなら目指すけど・・。
有機栽培であるなら普通の作型でいいです。
こだわりすぎるとあまり良くないです。
ビニルハウスに書いてある数字(メモ)は、ハウス内の場所別のECの数字です。
『-2』と書いてあるところは、樹が細いところ、『+5』と書いてあるところは樹が太いところ、今作が終わったら、ここから一輪車で2台土をとって少し下げていって、こっちに一輪車5台分の土を足していくことを示しています。
高低差の調整で灌水を平均化させています。
樹の太さを平均化させるのに、毎年微調整するんです。
どうしても湿気るところは樹ばかりが太くなるでしょ。
そうなると、とまとがまずいし、味も薄くなります。
栽培面積が大きくなるほど誤差も大きくなるでしょ。
その誤差をなるべく少なくするために毎年微調整をかけるんです。
********************************
以上で、福広塾の【とまと編】は終了です。
次回は、堆肥編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-05
福広塾 “春”編 開催報告【露地野菜編】
2009年5月29日(金)、三重県名張市のゆうき伊賀の里の福広さんと村山さんの圃場にて生産者勉強会『福広塾』を開催しました。
今回の勉強会のテーマは『堆肥の積極活用で経費削減と品質アップを目指そう』です。
今回の福広塾、北は北海道の狩野農園の狩野さん兄弟(※狩野さん兄は昨年度のRadix事務局研修生の第一期生です)、南は熊本のもっこす倶楽部さんも参加し、なんと合計59名の参加となりました。
(北海道から参加の狩野さん兄弟)
さらに、関東の生産者勉強会『めだかの学校』の講師の甘楽町有機農業研究会の新井さんや、秋の勉強会の講師をお願いする、あゆみの会の丸山さんも参加。
名人がそろいもそろったので、栽培技術の話でおおいに盛り上がりました。
さて、本報告では勉強会に参加したくても仕事の都合で参加できなかった方の参考になるように、できるだけ詳しくまとめてあります。
そのため、露地野菜編、とまと編、堆肥編、座学編、村山さん編の長編5部作になる予定です。
各編がまとまり次第、順次ブログにアップしていきますが、本文はかなり長くなるので、皆さん覚悟して読んでくださいね。
それでは、福広塾”春編” 【露地野菜編】 のはじまりです!
************ 【露地野菜編】 ***********
(福広さん)
現在の栽培面積は露地で約1町歩、ハウスで13アールです。
自宅近くで耕作放棄地がでれば、少しずつ借りています。
栽培面積のうち、自分の土地は2~3割ほどで、あとは借地です。
作業効率のため、なるべく遠くの圃場は借りないようにしています。
売り先はほとんど、らでぃっしゅぼーやさんです。
ゆうき伊賀の里のグループ生産者は4名で、栽培品目は30品目ほどです。
(福広さん)
この圃場ではズッキーニを育てています。
3~4年ほど耕作放棄されていた圃場で、最近新しく借りたところです。
(福広さん)
ズッキーニの隣では、オカノリを栽培しています。
らでぃっしゅぼーやの、「いと愛づらし野菜」として出荷しています。
一番早く播種したものが、もうじき出荷できます。
おひたしにするとノリのような風味がでてきます。
らでぃっしゅ会員さんの評価はどうですか?
(らでぃっしゅぼーや農産課の神保さん)
評判はいいですよ。
会員さんから美味しかったとの返事がきています。
(福広さん)
一回どりが一番やわらかくていいのですが、二回どりもできます。
収穫したら下から芽がふいてきます。
自分たちはは一回どりで出荷しています。
二回どりするとどうしても堅くなってしまうので・・。
オカノリの種は買っています。
ただ最近はなかなか入手しづらくなってきています。
種屋さんから種を探すのが大変だから、来年から家で種をとってくれといわれています。そのため、種をとらないといけなくなると思います。
二回どりのオカノリは軸も堅くなって品質も悪くなります。
そのため一回の収穫で終わった方がいいですね。
小松菜に比べて、オカノリの肥料の要求量が多いと思います。
窒素を控えめにすると葉が黄色になりやすいので、やや窒素を多めに入れて窒素を効かせるかたちで栽培した方がよいですね。
施肥量(成田注:福広さんは有機質肥料を入れずに基本は堆肥のみ施用。そのためこの場合の施肥量とは堆肥投入量のことを指しています)は時期によって違うのですが、自分の場合で通常の葉菜類の1.5~2倍ぐらいの量を目安にしています。
窒素換算で10アールあたり20~30kg近くになります。
夏の場合は10~15kgの窒素投入量となります。
(成田注:福広さんの場合、有機質肥料ではなく自作堆肥で施肥しているので、堆肥中に含まれる窒素量として計算されています)
この畑は肥料もちが良くない畑で、堆肥の投入年数も短く、それほど入っていないので、ほかより少し堆肥を多めに施用しています。
オカノリは3年ぐらい栽培しています。
最初は施肥量がわからなかったので、他の葉菜類と同じぐらいで施肥設計したところ、どうしても途中で窒素が切れてしまうので、標準施肥に対して5割増しぐらい入れるようにしているので追肥しなくてもいいようになっています。
(質問)
連作障害はでるんでしょうか?
(福広さん)
まだ三年ぐらいしかつくっていませんからね。
連作障害はでるんですかねぇ?
うちの場合、そのときに空いた圃場に種をまいていくので、連作になるのか輪作になるのかよく覚えていません。
圃場ごとに、ここは小松菜、ここはほうれん草とわけていないんです。
(質問)
CECはどれぐらいですか?
(福広さん)
低いところは10ぐらい、高いところで15ぐらい。
堆肥の入れている年数、砂地の強いところと弱いところがあったり、あとは堆肥を入れている年数でも変わりますよね。
いつも良くできるところは、昔ハウスだったところです。
ハウスには毎年数トン単位で堆肥をいれていました。
ハウスがつぶれて10年以上たちますが、いまでも同じ量の堆肥をいれても、ハウス跡の圃場のほうが作物のできがいいです。
やはり差はありますね。
もともとCECが高いのか、昔の堆肥が徐々に効いているのかわからないですが・・、なかなか差は縮まりませんね。
(質問)
pHはどれぐらいですか?
(福広さん)
6.0~6.5ぐらいの間におさまっています
以前、ハウスではもう少し高めの場合が多かったのですが、徐々に微調整をしてきました。
圃場の肥料成分で多いものを少なくするのは大変です。
少ない成分を上げるのは簡単です。
(質問)
リン酸の数値はどうですか?
(福広さん)
堆肥主体なのでリン酸は300mg/100gぐらいですね。
(質問)
無理矢理にリン酸の数値を下げるようなことは考えないのですか?
(福広さん)
以前やりましたよ。
300mg/100gを200に下げるのに2年から3年かかったけど、堆肥類はもう一切入れられない。
リン酸の入っていない堆肥ってないでしょ。
今のやり方で300以上にあがらないから、まあいいかと考えています。
リン酸の過剰障害ってあまりでないでしょう。
(福広さん)
エンサイは水が大好きなので畝はたてません。平畝です。
1週間ぐらい前に蒔いた部分は芽が出ていますが、こっちはまだ芽がでていません。7月10日ぐらいから収穫をはじめます。
暑くなるほど20日ぐらいで次の収穫が可能になります。
うまくやれば4~5回収穫できます。
給肥力が強いのか、無肥料でできます。
元肥も追肥もゼロです。
それで4回ぐらいとれます。
肥料代はかかりません。
病気はほぼでません。
雨の多いときの葉物としてよいですね。
梅雨明け後、定期的に灌水しないと大きくならないです。
(新井さん)
うちは育苗してから定植します。
平らなところにマルチをして、定植するところを播種機で押しておいてから、低いところに植えるんですよ。
降った雨がぜんぶそこに流れ込むようにするんです。
平らよりも低くして植えるんですね。
根腐れはしないです。
(質問)
6月中旬から10月頭ぐらいまでエンサイをとるんですけど、8月後半ぐらいから10月上旬まで芋虫がついてどうしようもなくなってしまうんですけど、ここではいつまで収穫できるですか?
(福広さん)
9月いっぱいぐらいまでかな。
気温が下がってきたら、もう大きくならなくなってしまいます。
あんまり遅くまでひっぱってしまうと、冬の葉物が入らなくなってしまうんですよ。エンサイは根が多いので収穫が終わってから2週間、できれば一ヶ月ほどおいてから次の小松菜やほうれん草を播種したいので、あまりひっぱると冬の作に影響がでてしまいます。
うちらの気候で冬作の小松菜で10月20日よりあとに蒔くと、間に合わないんですよ。ほうれん草だと10月10日ぐらいですかね。
その前に蒔く準備をすることを考えると、エンサイの収穫を9月20日から9月下旬までに終わらないといけない。
根がすごいのでしばらく根が腐るのを待たないといけないので、それ以上ひっぱらないようにしています。
(質問)
収穫の最後の方の虫はどうですか?
(福広さん)
ある程度はでますけど、あまり虫の多いところは捨てるし・・。
別に対処はなにもしていないです。
(福広さん)
ここではカボチャを栽培しています
品種はほっこり133といいます。
主枝をとめて側枝を2本から4本ぐらいだして、理想は10節以降に実を1個つけて、15節でピンチする作り方です。
作業日程によって忙しければ半放任で先だけ止めて、適当になったものだけとったりもします。
管理ができるときには、できるだけ管理をしています。
肥料は10アールあたり15kgの窒素が入っています。
(福広さん)
本葉2枚でピンチして、芽を出して15節ぐらいで止めて、またピンチして、10節ぐらいの先に雌花を1個つけていくと一番美味しいカボチャができます。
大きいカボチャがとれるのですが、手間がかかります。
株もとに咲いている雌花は全部とってしまいます。
カボチャは後半でうどん粉病がでますが、対策はなにもしないです。
カボチャはなるべく一番果のみ収穫しています。
二番果・三番果はだんだん味が落ちるでしょ。
だからなるべくまずいものをとらないように一番果だけに注力します。
(質問)
カボチャの蔓が伸びていますが、下には何もひかないのですか?
(福広さん)
下はひかなくて、カボチャの実に座布団(※発泡スチロール製)だけをひいてカボチャの下にくさびなどでとめます。
(質問)
カボチャは結構日焼けしたりするんですけど、大丈夫ですか?
(福広さん)
日焼けは少しあります。
少々の日焼けぐらいなら大丈夫ですよ。
(質問)
全面施肥してあるんですか?
(福広さん)
施肥は畝だけ。
後半の生育を見ながら、必要なら通路に追肥をいれていきます。
今はまだ様子見です。
(新井さん)
かぼちゃの場合、蔓から根がでるでしょう。
この根がすごく大事です。
一果取りなら問題ないんですけど、数とる人は全面施肥した方がよいと思います。
蔓からでる根がすごく大事なんです。
蔓から発生する根を切っちゃうと伸びは悪いですね。
後から蔓肥やっても大丈夫です。
(福広さん)
カボチャの葉の大きさで追肥の様子を見ています。
昨年が少し小さかったので今年は肥料を多めにしてあります。
(福広さん)
ここは露地の小松菜です
小松菜は播種したらすぐにネットをかけて収穫までそのままにしています。
葉がネットにあたったら葉折れを防止するためにネットの片側をあけるようにしています。
品種は収穫が早いのから「わかみ」、つぎが「きよすみ」、年間に4~5品種ぐらいをまわしています。
ネットは08です。
こちらが古い方のネットで、むこうが新しいネットです。
さんさんネットで同じメーカーですけど、糸が太いのと細いのと両方あります。古くなるほど、目ずれします。そのため、古いネットには虫が入りやすくなるのと、新しいネットの方が虫の入りが少なくなります。
春先までこちらの古いネットをつかいますが、夏は新しいネットだけ使います。夏は回転が速いので、あまりネットは使いません。
今で40日ぐらい、これから蒔くのは収穫まで一ヶ月ぐらいです。
(質問)
収量は何束ぐらいですか?
(福広さん)
ばらつきがあるんですが、この一畝で45mぐらいあるんですけど、良いときで1000束、ちょっと悪くなると600~700束ぐらい。
夏場とかでも600~700束ぐらい、夏場はどうしても肉が薄くなりますから・・。
冬とか春先などじっくりと生育したときなどで1000束。
1m70cm幅でトラクターで畝たてしているので、1m60cm少しの幅で15列ぐらいはいります。10アールあたり10000束ぐらいですかね。
(質問)
播種の間隔(サイクル)はどれぐらいですか
(福広さん)
今の時期は5日に一回ですね。
今は一週間に二畝づつ収穫しています。
だんだん気温が高くなってきて間隔が縮まってきています。
収穫が終わった後は、草をとって耕しておいて次の作までおいておきます。
(質問)
夏場はこのネットで蒸れたりはしないんですか?
(福広さん)
夏場は雨が多くない限り蒸れたりはしないです。
今年は7月の作型を組んであるんですが、今は6列なんですけども、今蒔いているのは5列にして少し減らしています。
高温では蒸れないんですけど、高温で雨が続くととろけがでやすくなってきます。
(質問)
夏場と春とでは窒素の投入の違いは
(福広さん)
夏場は10kgぐらいですね。
堆肥換算ですから施肥設計は難しいんですけど、堆肥の窒素の利用率を50%と考えると5kgになるし、冬場だと40~50kgぐらいはいります。
普通で標準施用の3倍ぐらいで計算するんですけど、肥えた畑は4倍~5倍ぐらいの差をつけます。
夏場はゼロにする場合もあります。
それでもできます。
(新井さん)
生育はいいですね。
ただネットに葉がついてしまうと害虫が外から卵を産んでしまうので、内側に葉がつかない大きなトンネルにした方がベストかな。
(福広さん)
小さいときはネットにあたらないように播種の際にあまり端にならないように気をつけています。
収穫が近づいてくると外から必ず害虫がかじりますから、初期の害虫でやられた程度で収穫ができるようにしています。
(新井さん)
成虫が蛾とか蝶になる害虫は外から卵を産むので、ネットの内側に葉がついてしまうと外から卵を産んでしまいます。
ベストの状態はもう少し大きなトンネルの方がよいのかなと思います。
(福広さん)
もちろん、べたがけするとダメですよ。
(質問)
強い風ですれたりはしないですか?
(福広さん)
よほど強い風以外は大丈夫です。
寒い時はだめですよ。
氷点下になって風が吹くときはネットをはずしておかないと、こすれて変わってしまいます。
(福広さん)
小松菜の畝の高さは梅雨に向かって高くしています。
雨の少ない時期ほど畝の高さは低くしています。
また水はけの良い畑ほど低めで、水はけの悪い畑ほど高くしています。
微調整はそんな感じでしています。
(質問)
プラソイラーはかけてあるんですか?
(福広さん)
プラソイラーはかけてあります。
ちょうどプラソイラーを買って一年ぐらいになります。
畑によって2回から3回はかけていますね。
効果は、ある程度ありますが、すごくあるとまでは言えないかな。
大量に雨が降った後で通路にたまった水の抜ける時間を見ているんですけど、プラソイラーをかける前は雨が続くと二日ぐらい残るんですよ。
プラソイラーをかけた直後だと数時間で消えるんですね。
しかしその雨が2回3回と続いて降ると、半日、一日と雨水が抜けるまでの時間が長くなってきます。
だんだんと土がつまってくるんです。
もちろんプラソイラーをかけない圃場と比べると、水がぬけるのに時間はかかりません。
(質問)
プラソイラーをかける間隔はどれぐらいですか?
(福広さん)
この畝に対して一カ所、二列ですね。
(新井さん)
90cm間隔でかけてあるだけで、その間にはかけていないということですね。
(福広さん)
何回もプラソイラーをかけていれば、そのうちに少しずつ良くなるかなと考えています。
(新井さん)
プラソイラーの一番下に羽のようなものがついているんですが、あの羽が大事なんです。
硬盤の下にあの羽が入ることで浸みた雨が横に抜けるんです。
だから90cmだとあまり意味がない。間にもう一カ所かけないと・・。
(福広さん)
プラソイラーをかけるにもアタッチメントを交換しないといけないし、畑も全部空いていっぺんにできればいいんですけど、空いたところから順次やるので、なかなか丁寧にやれないところもあります。
プラソイラーをかけない時と比べてかけた方が作るのが楽になりました。
過湿の害が減ったような感じもします。
(質問)
堆肥施用の加減はどうやっているんですか?
(福広さん)
機械で堆肥をふりますから、必ずしも均等というわけにはいきません。
土壌に過湿などの害がない場合、大きさがほとんど揃っている時には窒素が適正から過剰の範囲だと見ています。
少し生育に波が見える場合には、適正からやや窒素が少ないと見ています。
大きく波うって、ところどころで生育が止まるとか黄色になる場合は窒素欠乏というわけです。
理想は生育でほとんど波をうたない程度で、収穫近くで外葉か本葉で一枚二枚黄色くなる程度でそろっていれば窒素量として適量かなと見ています。
(※窒素が不足すると外葉から黄色くなってきます)
畑による違いと播種時期による違いによって、堆肥の入れる量が変わりますから、そのへんは過去のデータを見ながら調整します。
この畑でこの時期に播種して、堆肥をどれだけ入れた時にうまくいったという記録をもとに調整しています。
畑が違うと同じ小松菜でも堆肥を入れる量を変えることもあります。
畑の癖、違いがありますので、同じ量を入れて出来を見ながら次の作の施肥設計の参考にします。
このように収穫が近づいてきて、あまりばらつきがなければちょうどいいかなという感じで見ています。
(質問)
他の産地の話ですけど、関東から北海道に持っていくと葉物がよくとろけたりするんですけど・・。
長距離輸送すると黄変が多いんですけど、この時期に福広さんが一番気をつけていることは何でしょうか
(福広さん)
今の時期の黄変対策は・・。
今の収穫は夕方どりで朝どりはしないようにしています。
朝どりと夕どりとで日持ちを調べたデータがあって、夕方どりの方が鮮度の落ちが遅いという結果がでていますので、冬とかの特別な条件がない限り、基本的に夕方収穫をして冷蔵庫で予冷し、その日に出荷する分を朝に袋詰めしています。
朝どりの場合は、どうしても露でぬれていますので、水分が多いとどうしても痛みが早いので、夕方の乾いているときに軽く水をうって冷蔵庫に入れて、しおれ防止ぐらいの感じで・・。
温度管理はずっと5度ぐらい。
今だと朝の8時、9時になると葉の温度は20度を超えてきますから、それで袋詰めをすると冷えないんですよ。
うちらでも、以前に出荷の段ボールの中の温度、箱詰めしてから温度が下がるスピードをはかったことがあるんですけど、1箱に小松菜25束はいるんですけど、温度は1時間に1度しか下がりませんでした。
20度で袋詰めした場合、5度まで下がるのに15時間かかることになります。
いかに低い温度帯で袋詰めして早く予冷するかです。
夏場だと30度ぐらいになってきますから、それで痛む率も高いのかな。
あと輸送時のトラックの問題もあるかとおもいますが、農家の方ではいかに低い温度帯で束ねて箱に入れて、その温度を維持できるかにかかってくるかと思います。
(質問)
収穫した後で袋詰めをする人がいるんですけども、袋に入れないで裸のまま冷蔵庫に入れて、冷えてから袋詰めをするわけですね
(福広さん)
そうです。
特に気温の高い時にはそうですね。
ちょっと数が足りない時には、収穫して時間があれば予冷してから束ねるようにしています。今の時期はそんなに問題ないです。
天気続きの時の小松菜の場合、少々気温が高くてもまず黄変はしないです。雨が続いた後とか、天候が悪い時の小松菜はどうしても黄変は早いです。
そのときは特に気をつけます。
昨日のように雨が降って、二日三日曇天が続くようでしたら少し気をつけるようにします。
天気が三日も四日も続いている時には少々高温でも問題ないと思います。
そのへんの見極めというか、天候によって気をつける場合と気をつける場合とわけています。
(新井さん)
この時期、収穫時の葉の温度は20度を超えています。
うちの場合は前の日に遮光ネットをかけてしまいます。
遮光ネットをかけて収穫日に温度があがらないようにしています。
50%の遮光率のネットです。
遮光ネットをかけることで葉の温度も10度台に落ちます。
収穫するときに20度のものを袋に入れてもさきほどの福広さんの話のように温度は下がりにくいです。
(福広さん)
袋にいれずにコンテナで冷蔵すると冷えるのは早いです。
袋に入れると冷えは遅くなります。
(新井さん)
前の日に遮光ネットをかけて、収穫は朝も日中も夕方も収穫します。
ハウスの葉物の場合収穫前日にカーテンのところに遮光ネットを全面にかけてしまいます。
それだけで全然ちがいます。
(質問)
朝どりと夕どりの違い、どちらが糖度があがるのですか?
(新井さん)
トマトの場合ははっきりしています。
朝どりと夕どりと比べた場合には、夕どりの方が糖度があがります。
(質問)
播種機はどのようなものを使っていますか?
(福広さん)
うちは「ごんべえ」を使っています。
ベルトの種類はたくさんもっていますが、今日の資料に詳しく書いてあります。
小松菜では、品種が変わると種の大きさがかわりますし、同じ品種でも年によって、やや大きめとか小さめとかありますので、その時に種を確認しながらだいたい自分の理想とする種の落ちる間隔にあわせてベルトを調整します。
そのため何種類もベルトをもっています。
(質問)
間引きはほとんどしないのですか?
(福広さん)
種をまいたらすぐにトンネルをかけるので、間引きはできません。
ごんべえは今三台目ですが、ハウスの場合、土が乾くとごんべえが滑るんですよ。そのため前輪の径が大きいタイプを去年買いました。
露地でも土ぼこりがたつほど乾燥している時には、前輪の大きいごんべえを使用するとすべらないので、それを使用しています。
(質問)
圃場の苦土の量は適量ですか?
(福広さん)
だいたい50(mg/100g)ぐらいで、多いときで75ぐらいです。
冬場にどうしても堆肥を多く散布するので、春先になると75ぐらいになることが多いのですが、これから測定すると50とか低いときには25になったりもします。
これぐらいの幅があります。
あまり低くでると堆肥に混ぜる苦土の量を増やし、高くでると苦土の量を減らします。
2年ぐらいのスパンで調整しています。
(質問)
鉄とかマンガンとはかどうですか?
(福広さん)
露地での調整は諦めて、トマトだけ重点的にみています。
pHとの関係が大きいです。
硫酸マンガンと硫酸鉄を活用しています。
昨年から集中的に測定し始めたのですが、pHが5.5以下になると鉄もマンガンもかなりでてきます。
pHが6ぐらいにあがると24時間で100(ppm)でていた数字が10ぐらいまで下がります。下がるから大量に入れた方がよいのか、入れたから下がっても入れなくてもいいのか、悩むところです。
データは公表できるほど蓄積できていないのですが、酸性雨が降ったときには灌水の原水はpH5~5.5ぐらいになります。
そのときには、微量要素の数値が上がってくるんですよ。
pHが6ぐらいだと逆に増えないんですね。
クエン酸は有機栽培では使用できないので、アケビの酵母菌培養液を活用しています。
酵母培養液の原液はpH3~4ぐらいになりますが、1000~2000倍液にするとpH5.5ぐらいになります。
そこに鉄とマンガンを混ぜて灌水すると、2~3日はなんとか分析でも数値が上がっています。
土のpHがあがってくるとだめですが、灌水した下の土だけは鉄とマンガンの数値が上がってきます。
丸山さん、分析したデータではいかがですか?
(丸山さん)
鉄とマンガンはでないですね。
入れれば効果はあるようなので、特に鉄は効果があるようです。
どれだけ吸収しているのか、どれだけ流亡しているのか、あるいは吸い過ぎているのかはわからないので、皆さんの経験を参考にしながらやっていきたいと考えています。
(福広さん)
適正量は?
(丸山さん)
元肥では硫酸鉄で10アールあたり12kgとか20kgとかいれています。
だいたい作が終わる時期になるとない状態が多いです。
最近は少し3~4ppmとか上がってはきているので、吸着している部分もあるのかなと思っています。
(福広さん)
今年はトマトで10アールあたり硫酸鉄で元肥で20kg入れています。
追肥で3000~5000倍溶液を定期的に分析で下がってきたら入れるようにしています。
そうするとトータルで10アールあたり30~40kgぐらい入っていると思います。
入れすぎて過剰障害がでないだろうかとの心配も少しあります。
(丸山さん)
今自分たちのところでは過剰障害は特にみられません。
(福広さん)
マンガンは堆肥の中に多く含まれているのか、堆肥を分析するとマンガンがかなりでます。
定植初期は鉄とマンガン、施肥後は鉄のみでいこうと思っているところです。
(質問)
丸山さん、この小松菜はミネラルをちょうどいい具合にすっている感じですか?
(丸山さん)
まめ葉が枯れている状態なので、苦土がうまく吸えていないのかなとも感じます。直根が弱いので鉄が少なくなっているのかなとも。
ちょっとわからないです。
(福広さん)
以前、堆肥にもFTEを入れていたんです。
FTEを10アール換算で4~5kg、年間で2.5~3町歩量ということで年間80kgのFTEを入れていました。
それで足りるかなと思っていましたが、最近クエスチョンマークがついて単体に変えているんですね。
そこで現在はFTEの3倍量の単体を堆肥に入れています。
鉄も3倍、マンガンも3倍、硼素が同じぐらいか少し多いぐらい。
硼素も単体で入れています。
資料中に堆肥中の微量要素含有量というのが入っていると思うんですが、畜糞堆肥とか入れる場合、微量要素で不足する場合、鉄・マンガン・硼素なんです。堆肥中に亜鉛・銅は十分入っているから必要ないと考えてFTEやめたんです。
鉄・マンガンがもう少し効いた方がよいかなと考えて、FTEのかわりに単体の微量要素をいれています。
FTEを大量に入れると今度は硼素が大量に入るし、銅も亜鉛もいらない。
単価的にも少し安くなるので変えたんです。
変えたばかりなのでまだ十分なデータは集まっていません。
まだ変えて一年目です。
(質問)
リン酸はいくつぐらいですか?
(福広さん)
リン酸は300mg/100gぐらいです。
堆肥中心にやるとリン酸を下げるのは不可能なんですよ。
300で問題なければ今の堆肥を入れ続けようと思っています。
300でもこんな感じで特に問題になっていません。
リン酸過剰の障害がどんなんかはよくわかりません。
もちろん堆肥原料の段階でリン酸が少ないものを探してはいます。
しかし、ほとんどゼロにちかい堆肥の原料は調達は無理でしょう。
なるべく多いものはいれないようにしています。
窒素源を確保するために半分は畜糞で半分はおからを入れています。
最近、おからが手に入らなくなってきて少し悩んでいます。
(質問)
新井さんのところでリン酸過剰とかはでていますか?
(新井さん)
自分の勉強会でも話をしたんですけど、リン酸を吸収する根というのは表面にある根なんですよ。
深い根というのは吸収しずらいので、リン酸の施肥というのは表面にいれるのがこつなんですね。
肥料を入れて深く起こせばよいというものではなくて、表面の根がリン酸を吸収するんです。
根もの、にんじんなどでは肩ぐされといって、リン酸過剰によって表面の部分が腐ってくるんですよ。
それで堅いにんじんになってしまいます。大根もそうだよね。
(福広さん)
鉄もマンガンも単体でふるとすぐに植物にすえない形に変わってしまうので、なるべく堆肥に混ぜてキレート状にするんです。
そうすると長く効く状態が維持できると考えています。
********************************
以上で、福広塾の【露地野菜編】は終了です。
次回は、とまと編です。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-06-04
らでぃっしゅぼーや・Radixの会 関西・中四国ブロック会議 報告
![]()
らでぃっしゅぼーや・Radixの会 関西・中四国ブロック会議
日時: 2009年5月28日(金)14:00~18:00
会場: 名張シティホテル 会議室 (※三重県名張市丸之内37-1)
参加者: 30名 (※スタッフ含む)
********************************
5月28日、三重県名張市の名張シティホテルの会議室において、らでぃっしゅぼーや・Radixの会 関西・中四国ブロック会議を開催しました。
全国5ブロック会議に先駆けて開催した概要をお伝えします。
まずはRadixの後藤事務局長よりRadixの活動方針についての報告。
生産者にとって必要な情報の収集と発信、共有などのテーマで話がすすみ、
さらに今後マーケットニーズなどの情報提供力もRadixに求められてくるかもしれないとも。
攻めの企画も重要であり、そのためにもRadix会員の皆さんからもご意見や提案をいただきたいとアピールしました。
つづいて、Radix農産理事の宮楠さんより農産部会の今年度の活動概要についての報告。
【Radix農産部会の今年度活動紹介】(※一部抜粋です)
1.Radix勉強会(生産者塾)
各地で生産者勉強会を開催予定。
福広塾(5月:三重県:果菜および葉もの)、小川塾(7月:山梨県:果樹)、船久保塾(8月:山形県:お米)、新井塾(10月:『めだかの学校』出張版:長野県:果菜および葉もの)、丸山塾(11月前後:茨城県:野菜)の概要紹介。
2.生産者による自主勉強会への助成
今年度、自主勉強会を後押しするため助成制度を導入。
金額等については検討中。皆さんの意見を伺いながらすすめていきたい。
ブロック内の共催、生産者団体が一緒に開催してもOK。
(※助成については、関西・中四国ブロックは宮楠理事またはRadix事務局
までご連絡ください)
3.農業経営塾
昨年、群馬県で農業経営塾を試験的に開催した結果、好評だったこともあり、農業経営塾の開催要望あり。
他の理事からも農業生産者は経営的な視点をもって農業を行うべきとのご意見もあり、今年度も農業経営塾を開催する予定。
皆さんからもご要望をいただきたい。
参考までに昨年の経営塾についてどんな内容だったのか、らでぃっしゅぼーや農産課の森崎課長より話をしていただきたいと思います。
(昨年開催した農業経営セミナーの概要について説明する森崎課長)
・昨年、全国から40名ほど集まっていただいて群馬県で農業経営セミナーを開催
・『きっちりと農業経営をしていただきたい』との願いから企画した
・もちろんそれぞれに営農スタイルあり、すべてがあてはまるとは限らない
・講師の話も聞いてほしいが、昨年は生産者の澤浦さんの現場の生の声を聞けたのが本当によかったというアンケート結果も多かった
・今年度は地域地域で生産者・生産法人でまとまって開催してほしい
・他団体や組織の経営や組織運営はどうなっているのかを見ていただきたい
・他の団体・組織の良いところ悪いところを見ていただいて、良いところは積極的に真似していただきたい
【以下は参加者の自己紹介より抜粋】
(広島県より参加のあけぼの有機栽培会の小野さん)
広島県の山間部で生産している生産者6名の団体です。
中国地方にはあまり生産者がいないこともあり、なかなか勉強会を現場で開催できません。自主勉強会に関する具体的なアイデアはありませんが、よろしくお願いします 。
(奈良県より参加の王隠堂農園の喜多さん(左写真)と土井さん(右写真) )
らでぃっしゅぼーやに出荷している生産者は30名ぐらい。
年間を通じて出荷しています。
明日の勉強会への参加メンバーも初心者が多いのでよろしくお願いします。
(高知県より参加の高生連の田中さん)
米の生産地が多く、三本柱は、早生米、生姜、ブンタン。
冬場の加温野菜などもやっています。
団体ができて30年が経過し、当初からの生産者も高齢化。
高知県には新規就農を支援する学校が2校あります。
その出身者が3名入りました。
現在、小祝さんのノウハウを持つスタッフの育成を考えているところです。
(京都府より参加の丹後ほっこり野菜組合の中川さん)
うちは3名でやっています。
出荷は5月~2月ごろ、京野菜なども出荷しています。
今回のような会合にいつでも参加できるようにしたいと思います。
(兵庫県より参加の丹波有機の会の山本さん)
5名の生産者でやっています。
年中葉物を生産しています。
グループは高齢化がすすんでいて、若い世代が少ないのが課題です。
(奈良県より参加の辻野さん)
奈良の法隆寺の近くからきました。
ブドウ栽培がメインで、冬は大和真名を栽培しています。
これから20年以上現役で営農したいと考えています。
子供が継ぎたくなるような経営にしてからバトンタッチしたいです。
勉強会を開催していただければ、いろいろと学んでいきたいと思います。
(愛知県より参加の天恵グループの津田さん(左写真)と津田さんの息子さんと若手生産者の杉浦さん)
愛知県渥美半島の先端近くに畑があります。
グループは5名で、勉強をかねて息子を含め若手二名をつれてきました。
いろいろな勉強会に参加したいと思っています。
若い人が今後やっていくためにも、若い人も積極的に勉強会に参加してほしいと思います。
(地元三重県より参加のななほし会の野呂さん)
会のメンバーは4名で、全員が 30~40代です。
冬場は軟弱野菜、夏はキュウリ、モロヘイヤなどを栽培しています。
勉強会があると誰かを送って、ビデオを撮りメンバー全員にくばって
すこしでも技術を高めようとしています。
もしRadixが勉強会のDVDをつくって、生産者に配布してくれれば助かります。 研修生の保険や自分の労災などに関する勉強会があれば参加したいです。
(奈良県より参加の奈良産直センターの竹島さん)
生産者が約30名の団体で、軟弱野菜、アスパラ、きのこなどを出荷しています。
今後も生産現場に根ざした取り組みをしていただければと思います。
らでぃっしゅさんへ出荷すると、出荷に対する手取り(収入)が年間でよめるようになります。これは生産者にとってひとつの理想的な姿かなと思います。
(京都府より参加の真南風の夏目さん)
会社は京都ですが、産地はすべて沖縄です。
生産者は70数名で、らでぃっしゅに出荷している生産者は30名ぐらい。
Radixの勉強会・小祝さんの勉強会の成果があらわれてきました。
勉強会を通じて野菜の農家は確実に手取りを増やしてきました。
また部会をつくって圃場まわりや交流会などをするようにもなりました。
施設栽培は小祝さんの勉強会が活かしやすいけれども、果樹や露地栽培、堆肥の確保などが今後の課題として残っています。
沖縄でも勉強会を開催していただけるとありがたいです。
(兵庫県より参加の宮垣農産の宮垣さん)
父親と弟は米、自分は今年からハウストマトを栽培しています。
自分は有機栽培で美味しい野菜をつくりたい。
これから出荷をはじめるのですが、丹波の生産者に方に指導をうけながら一生懸命やっています。
経営に関する勉強会、保険のことも学びたいと思います。
(地元三重県より参加のゆうき伊賀の里の福広さん)
メンバーは4名で、70代、60代、私が50代で新規就農メンバーが30代。
グループで30品目ぐらいで、ほとんどがらでぃしゅ向けです。
新規就農者を増やしたいと思っています。
研修生が3人きていますが、新規就農までこぎつけてほしいと思います。
Radixの会でも新規就農者への情報発信と産地との仲立ち、そしてある程度の知識と経験を持った方をスクリーニングして産地に紹介していただければいいなと思っています。
各地で、もっと産地が手をあげて勉強会を開催してほしい。
そして技術を磨いて、収入もあがるようになっていただきたいと願います。
(長野県より参加のオーチャード ファーマーズ イン ナガノの古田さん)
長野県は関東ブロックに入っていますが、今回関西・中四国ブロックに参加させていただきました。
グループで梨・リンゴ・桃を主につくっています。
らでぃっしゅ向けでは桃・梨をお世話になっています。
生産者は9名で、二代目も含めてかなり若い生産者もいます。
(熊本県より参加のもっこす倶楽部の浦下さん)
明日の福広塾に参加することもあり、ブロック会議にも出席しました。
グループの主力はタマネギです。
みなさん、よろしくお願いします。
(和歌山県より参加の紀の芽の会の宮楠さん(※Radix理事))
紀の芽の会では果樹と野菜を中心に栽培しています。
栽培品目も多く、13名の生産者でやっています。
本日、皆さんからお聞きした内容から、これからの日本の農業をどうしていくんだという話に集約されるのかなと感じました。
その中で、『儲かる農業』がひとつのキーワードになるかと思います。
儲からなければ農業も守れない。
皆さんと一緒にアイデアをだしていければと思います。
そして新規就農者、次世代の若者をどんどんこちらの世界に引き込んでいきたいですね。
一方、新規就農しても売り先がなくて挫折してしまうことも見受けられます。
新規就農者や研修農業者を支援できる取り組みも必要に感じます。
ブロック会議では、勉強会以外でも話し合える場にしたいと思います。
生産者同士、もっと交流をすすめていきましょう。
勉強会について、早い者勝ちではないですけど、皆さん提案してください。
アンケートに書いていただいて、提出いただければ全体の中で調整しますので、よろしくお願いします。
(※勉強会のご要望は、宮楠さん、またはRadix事務局までご連絡ください)
上記の写真は、らでぃっしゅぼーや農産課の森崎課長のお話の様子。
詳細は省きますが、下記内容が話し合われました。
・ 売上動向について
・クレーム動向について
・温度管理、温度計について
・異物混入防止について
・禁止農薬の見直しについて
・農薬保管庫について
・管理帳票についての提案
・資材販売について(Pプラス)
・リースコンテナについて
・らでぃっしゅファーム和郷について
参加者からも活発な意見が出され、有意義な会合となりました。
ブロック会議の後は、福広塾参加者との合同懇親会。
一次会が盛り上がり、さらに二次会、三次会へと進み、それでも飲み足りない・話し足りない方はホテルに戻って2時3時まで語り明かしました。
翌日の福広塾の様子は、改めてご報告いたします。
Radix事務局:成田
【01 農産活動報告】
2009-04-14
★Radix 農産物 ニューヨーク デビュー!
今回 農林水産省新規事業「日本産食品の高品質PR対策事業」のセミナー・展示になんとRadixの会の食材が推薦されたのです。寿司ブームや健康志向など、10年先を睨み、①長いも(若干実績あり)②れんこん③ごぼう④干し芋(天日自然乾燥丸芋)を欧米人に果敢に紹介。 産地は前会長代理の茨城県あゆみの会斉藤代表の協力の下鮮度の高い食材が無事NYに到着しました。課題①しっかり洗い対応で土を除いたのですが、レンコンの中まで確認され再度入念に土を除去されました。
【背景として】
世界的な日本食ブームの追い風や、攻めの前小泉首相の檄 農水省の強化方針などで2007年4,337億円(前年比16%)まで勢いがついています。2025年には1兆円を目標にしているのです。私は、民間が文化も交えて主体的に外に飛び出せば可能な数値と見ています。
ちなみに、輸出促進室所轄事業は平成21年度概算決定額:20億7百万円が予算かされています。詳細はホームページ・・・http://www.maff.go.jp/j/export/index.html参照ください。
3月24日、マンハッタンの日本クラブにて農林水産省主催で開催。Ⅰ 「築地」の著者でもあるハーバード大学テオドル教授が日本食の文化や消費者の食材に対する知識の高さについて講演 Ⅱ ニューヨークの有名レストランオーナー ブレーイ氏が新鮮な食材の風味(+だし)を最大限に生かす手法について Ⅲ Radixの会 私後藤は世界に通じる日本の食材、さらに栽培技術にも立ち入るらでぃっしゅぼーやの食材は世界を魅了する Ⅳ 兵殖の三宅取締役は通常の50倍の容積で飼育するブリ養殖について 通訳を交え、楽しく日本の魅力を伝えてきました。 ![]()
地元一流シェフ4人による日本食材を生かした料理に記者・テレビ局が多数報道、関心の高さが伝わってきました。そして らでぃっしゅぼーやのミネラル・繊維質豊富なれんこん、ごぼう、長いもをシンプルに紹介、ニューヨーカーには驚愕の歯ごたえ、皆興味津々でした。実はサラダにもステーキにもフライにもワインのつまみにも合うアジアの誇る薬膳食なのです。ニューヨークでも必ずやダイエット食材として人気が出ると勝手に確信しています。さらに京都出身の料理人が蓮根挟み焼き・きんぴら牛蒡添え・長芋入り美味出し汁を調理してくれました。絶品、おかわりの連続だったのはニューヨーク駐在の長い日本人が陶酔して試食していました。最後にミネラルたっぷりの見栄えの悪い干し芋これもまたワインのおつまみにも合い人気のアイテムになりそうな予感。日本人に飽きられている食材が海外ではまだまだ宝物になるかもしれません。
【追伸】
学生時代から25年ぶりのニューヨークでした。時間がなく地下鉄にも乗れませんでしたが、かなり地下鉄内も街もきれいで夜まで安心して歩けました。有名なセントラルパークも乞食や浮浪者など日本で見られる光景もありませんでした。(警察の見回りも頻繁で乞食はシェルターにいれられるそうです)市内ではコンビには見ませんでした。驚き!黒人、ユダヤ人、南米人多様な人種のるつぼ、一番楽しかったのは日本人の二倍以上の体格の個性的な人間模様でした。肉はなるほでいい店では旨い。でも野菜やくだものは繊維質がぼそぼそで美味しくありませんでした。野菜は皿に盛られていますが、地元の人は食べずによく捨てていると言っていました。こちらでは、偉い人は夜遅くまでガンガン働き、一般は定時で帰宅です。さすが大都会は歩く早さも半端ではありません。所得格差も半端ではなく社会問題になっているようでした。
※品揃えと色合い豊かな野菜が豊富!
※くだもののカットがまたまた豊富、色合いもお見事でした。
【感動でしたこの本】

「これでいいのか日本の食糧」 「食料貧国ニッポン」 家の光協会 アメリカ人研究:シンプソン教授 実は5年前ぐらいに読んで衝撃うけたのを再読しました。「日本は食料自給率40%ではなく、60%海外に依存しているんだ」そんな呑気でいいのかと、アメリカ人の専門家がほんとうに心配しているのです。今回アメリカ人と話してみても、日本がいかに第一次産業全般の生産に適しているか、そして土地や水が上質なため商品そのものの良さが世界に比べてダントツに高いことが実感できないようです。 金持ちのボンボン息子が親のありがたみが判らないのと同じとはいいませんが、外国人からみて危機管理のかなり低い国民と言われても反論できません。氏は大国中国の農業も25回ほど訪れ、農業の重要性や東アジアの関係の必要性なども説いています。最近まで龍谷大学名誉教授を歴任し日本人の奥さんを持つ幅広い視点と提案は島国の私たちに何か元気をくれた私にとっての名著です。
ジェームス・R ・シンプソン 談 「不安があったままで消費者のあなたは枕を高くして眠ることができますか、少しでも多くの人が市民として、当然のことをごく普通に政府や企業に求め、反映させていく。これが民主主義の仕組みであり、私たちの大切な「食」を守る道だ。
事務局:後藤和明


