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【01 農産活動報告】
2010-01-20
丸山塾in千葉 開催報告【講義編】
丸山塾in千葉 開催報告【宮城さん堆肥場・圃場見学編】に続いて、あゆみの会の丸山さんの講義と蒸気除草機実演の概要をお知らせいたします。
*********【講義内容からピックアップ】**********
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(当日資料より)
【丸山さん】
土壌分析では重量法(慣行法)と体積法(Dr.ソイル)の差異があり、簡易型の土壌分析と何百万もする分析機械と比べてどれぐらいの信憑性があるのかややわかりにくいところがありますが、私たちのグループではDr.ソイルでデータをとりながらやっていきましょうというのが今のスタンスです。
Dr.ソイルの分析で苦土の下限値を切っている土壌でも、農協さんの機械分析では上限値を超えていることもありました。その際、たまたまかもしれませんが、苦土欠のような症状が見られたことがありました。
分析数値だけを見て一概には言えないこともあるのかなと思います。
美味しい野菜、感動的な野菜ができて初めて売りになるので、土壌分析結果はあくまで「指標」として確認してくださいという位置づけで考えています。
土の取り方でも、Dr.ソイルだと2ccのマスで土壌を採取するので、どこまで正確なのかはっきりと言えないこともあります。
分析結果はあくまで「指標」として活用するのであって、作物の観察を重視するほうが正解かなと思っています。
土壌pHはpHメーターで分析しています。
また試験管の数と作業性の面から、塩分測定は行っていません。
代わりにECメーターでECと塩分を測定をしています。
(ECメーター)
有機栽培の場合、ECがどこまで活用できるかよくわからない面があります。
ECが高いと硝酸値が高くなる傾向があるので、その部分は参考にしています。
(カリイオンメーター)
土壌分析ではカリイオンメーターも活用しています。
Dr.ソイルのカリ測定では白濁の程度が目視で読み取りにくいという現場の声があります。そこでカリイオンメーターを導入しました。
カリイオンメーターの数値はDr.ソイルの数値よりも若干高い数値がでるようです。その差が極端にある場合、目視の数字が少しおかしいのではないかという指標になると思います。
Dr.ソイルデジタルも出ていますので、それも併用しています。
Dr.ソイルデジタルでは苦土の測定だけが特殊で、Dr.ソイルに付属の試薬ではなくてDr.ソイルデジタル用の試薬を使って発色させる方法をとっています。
Dr.ソイルデジタルの場合も目視の数値と違うときがたまにあったりするので、経験の中でおかしいなと思うときは見抜いていくしかないのかなという感じがします。
(あゆみの会の土壌分析セット)
あゆみの会では写真のような感じで土壌分析をしています。
上記写真の場合、6検体が一度に分析できます。
Dr.ソイルデジタルでは、カリ・カルシウム・苦土の三点だけやっています。
残りは目視でやっています。(※目視の方が作業が早いため)
気になるところだけをピックアップしてデジタルでも測定して目視の精度を高める方法もとっています。
Dr.ソイルの場合、2ccの土を採取して測定するので、適切な場所で土壌をとったかに左右されることがあります。
追肥の際の土壌分析は吸収根のある部分の土を取らないと意味がないことも。基本的に吸収根があるところの土を採取すること。その部分を間違えるといくら分析をしても活用できるデータにはなりません。
基本的に根を観察しながら土を取ってくださいとお願いしています。
根がどこまできているのか、これからどの方面に根を張らしていくのか、どのように吸収させていくのかイメージできるようになりますし、追肥前の土壌分析の土もうまくとれるようになります。
土の取り方では畑の五カ所ぐらいからという話をするんですけど、経験上から五カ所もいらないかなと思います。
施肥後、圃場の中で生育のばらつきがでたりします。
畑の中で優劣がでてきたら、その時に分けて土壌分析をして土壌改良をしたり、作をかえたりするのが適当かなとも思います。
有機質肥料を使用する場合、有機質肥料の特性を把握しないと、初期肥効がでないまま作物に悪影響を及ぼしてしまうこともあるので、肥料については水にとかして観察してみたり、畑の一部に入れてみて観察してみたりししてみてください。
土壌pHの高い畑に、pHの高い資材、例えば水酸化苦土肥料などを入れると、さらにpHが高くなって肥料が効かなくなります。
苦土ばかりでなく鉄やマンガンなども効かなくなるので、土壌pHを確認しながら、土壌pHが高くなりすぎないような肥料設計が必要です。
堆肥や腐植をうまく活用することで土壌pHが下がってくるケースも見受けられます。宮城さんのように緑肥を活用することも土を軟らかくすると同時に土壌pHを下げる働きがあるのかなと思います。
化学性で注意したいのは土壌分析はあくまで指標であってそれを絶対と思わないでほしいという点です。
作物をよく観察してどのような状況なのか推測しながらやっていくことです。
宮城さんのように新鮮で活動的な放線菌が多い堆肥を堆肥舎にもどしながら、新鮮な生糞に種菌を混ぜて活用する場合、生糞の状態も大きなポイントのひとつとなります。
納豆をつくる場合でも雑菌がつくまえに納豆菌をつけると思うんですが、堆肥も同じです。新鮮なうちに目的の菌をつけてあげて、菌が活動しやすい条件をつくってあげることです。
堆肥の発酵温度は62度とか65度までがよいとか聞きますが、発酵の初期段階では70度近くまで上がってしまいます。生産者の話を聞くと最終的には70度近くまで上がっているようです。
最初の発酵ではそれぐらいになるけれども2回目の発酵では60何度、3回目の発酵ではもう少し下がります。
最後の切り返しの時に鉄などを入れると温度が確実に上がるようなので、最後に温度を少し上げると同時に鉄の補給をしてあげることも有効なのかなと感じていますがまだ未知数なところもあります。
(当日資料より)
堆肥管理のポイントの一つが水管理です。
1週間に1回切り返してというのが理想的かもしれませんが、作業面から一ヶ月に1回切り返していくパターンが多いです。
宮城さんは原料が来てしまうので切り返しは頻繁に行っています。
発酵熱で水分が少なくなってくると温度も下がってしまいます。
堆肥の温度は微生物が活動しているエネルギーです。
微生物が活動すれば温度が上がります。温度が下がると言うことは微生物が活動していない、活動自体が弱くなってしまったといえます。
これは餌がないか、水分がないなどの原因があります。
水分がなくて発酵が止まってしまうというケースも。
発酵熱が出ていると言うことは、その分蒸散も激しいということです。
発酵をスムーズにすすめるためにも切り返しが不可欠と言われています。
有益な菌をまんべんなく堆肥に行き渡らせるようなイメージで切り返しを行ってください。その際、水も供給して発酵がスムーズに行われるようにしてあげてください。エアレーションをつけると乾燥しやすくなるので注意が必要です。
ミネラル欠乏と思ってミネラルをあげてもなかなか改善しなかったりすることがありますが、有機物が未分解のために悪さをしていることも多々あるのかなと感じています。
その際には、地面を掘って根っこの状態を見たり、作物の状態を確認したりして、どこに原因があるのかを観察して対応していくのが現実的にはいいのかなと思います。
あゆみの会では、Dr.ソイルによる土壌分析が主力ですが、つち博士、RQフレックス、みどりくんなどもあります。
土壌分析を依頼する場合、用紙(※上記写真)に必要事項を記載して頂いてからやりますが、あくまでも土壌からくる情報も大きなものがあるので、水はけや前作の肥料などの情報は分析・施肥設計をする際の重要な情報となります。
Dr.ソイルではアンモニア態窒素や硝酸態窒素がでないというか、わかりにくいというのが現状です。
宮城さんのカブの圃場でも、硝酸態窒素やアンモニア態窒素がほとんどでない状況で、(有機質肥料の)8-5-3を2袋だけ、つまり窒素で3.2kgを施肥しただけであのような立派なカブができています。みやま小カブでは窒素過多状態、窒素が先行している状態が見受けられるほどです。
この地域ではカブを育てるのに化成肥料で窒素16kgぐらいをいれますので、畑で作物を作りながら確認しながらやっていくしかないのかなという感じもします。
以前、分析結果にあわせて窒素を入れた際にカブのおしりが丸まらずとがってしまい辛さが目立つことがあったので、地力があればDr.ソイルで窒素成分が検出できなくてもそれなりに抑えていくしかないのかなと思います。
一方で有機でやっていても硝酸態窒素の数字が高くなることがあります。
傾向的に圃場が乾燥すると硝酸態窒素が高く出るようです。
水分過多にするとベト病がでることがあるので、作物を見ながら対応していくしかないのかもしれません。
今回の勉強会で一番のポイントと考えているのが「裸のミネラルか、裸でないミネラルか」です。
ミネラルを効率的に効かせるため、発酵をかけることでミネラルをキレート化します。(→裸でないミネラルにする)
宮城さんの圃場もリン酸は下限値ぐらいですし、他の生産者でもリン酸が一桁台の方もいますが、その場合でもリン酸欠乏が見られません。
その中でピーマンをつくっても花芽がきちんとつくし、障害もでない。
有機態にリン酸がくっついて(キレート化することで)、畑で鉄やアルミに固定化されにくい。だからリン酸が少ない状態でもリン酸の欠乏症がでないと考えています。
分析数値は分析数値として、それに見合った肥培管理をしますが、作物がどのようになったのかがより重要で、その情報を次の作の施肥設計などに活かしていくことです。
対応していかないと片手落ちになってしまったり、同じ誤りを繰り返してしまうことにもつながります。次の作物に活かせるようにしてほしいです。
産地としての課題は苦土がたまっていること。
自分の中で気をつけているのが、ク溶性の苦土の施用です。
苦土が残りやすい傾向がでています。
チンゲンサイの例では、初期の頃に苦土欠のカリ過剰がでていたので毎作苦土を入れて頂いていましたが、途中から苦土が高くなったため施用を止めても、止まらずにまだ上がっていって、しばらく高止まりして、それから下がってきてはいますが下がり切れていないのが現状です。
苦土肥料は2~3年はまったく入れていません。
それでも苦土が高めの状態になっています。
苦土に関しては要注意ですが、その苦土が過剰だからといって何か障害があるかというと、現状では何もありません。
現在はミネラルよりも圃場の団粒構造の改善の方を進めた方がいいのかなと思っています。
これが宮城さんのニンジン畑の太陽熱処理の写真です。
太陽熱処理で除草作業はかなり軽減できます。
太陽熱をしても効く・効かないと聞くことがありますので、どのような条件で効くのかを確認していきたいと思います。
来年あたりからpFメーターを入れてデータ取りしながら見ていきたいと思っています。
太陽熱処理では1反あたりマルチ代で1万ぐらいしますが、除草の手間などを考えると安上がりかなと思います。
写真のキャベツ畑では一部だけ虫害がひどく、その他はほとんど問題になっていません。
ひょっとしたら、虫害のひどい部分に肥料がたくさん入ってしまったのかもしれません。過剰窒素だったのか、圃場によっては水がたまりやすい場所で発酵がうまくいかなかった場所だったのかも。
虫たちは子孫を残すために必要な成分があるところに来るのであって、べつにキャベツを食べにきているのではありません。同じキャベツであっても養分がなければ食べ物ではないと判断するのが虫たちではないかと、この写真からふと思います。
いちご生産者の菅谷さんは、こ じんまりしながら良いイチゴをつくっています。
写真は地温を測っているところですが、40cmぐらい下で20何度、冬場でも18度ぐらいです。
菅谷さんは今年は少しやりかたを変えていますが、昨年まで1反あたり30tぐらいの堆肥を入れてイチゴを作っていました。
堆肥場でも話をしたとおり、微生物が活動するとそれだけ熱を出すので温度が下がらないんです。
菅谷さんが研究したところ、13度前後がイチゴの低温障害がおきる温度で、22~23度が高温障害にあたる温度帯にあたるそうで、堆肥の発酵熱を活用することで手ごろな温度帯になっています。
菅谷さんは200坪ぐらいある敷地の中で堆肥をつくっています。
菅谷さんのところは屋根もなく、エアレーションもなく年間30~40回ほど切り返してつくっています。切り返すたびに何かをいれて作っています。
堆肥の中の微生物の世代交代、生活環境をちゃんとイメージしながらやっているのかなと思います。
菅谷さんも去年までできあがった堆肥の半分ぐらいを残して翌作の原料として使っていました。昨年までは90%まで土手草を使ってやっていまして、1年間で土の状態まですすみます。
大葉を栽培している吉田さんの圃場の土です。
ハウスとハウスの間の土手の土ですが、団粒になっています。
手で簡単に掘れるほど軟らかい土です。
大葉自体が加温しながら灌水も常時やっているので、その水が土手に流れてきて微生物が生息できる状態になっているためそうなっているのかなと考えています。ちなみに吉田さんの圃場も団粒化しています。
水の管理をきちんとおこなうと土の管理がしやすいのかなという感じがします。
堆肥づくりは火をおこすことと似ていると思います。
宮城さんの種菌堆肥ように、ある程度大きな種火があるところでは火をおこしやすくて、ちょっと湿った薪をいれても回りの熱で水分がとんで燃えてくれます。
それが小さな種火でこれから火を少しずつ大きくしようとしているところに濡れた木をガンガンいれたら種火もろとも消えてしまいます。
それと同じで最初は種火を増やしていく感じで堆肥づくりをやっていくと良い堆肥がつくれるんじゃないかと思います。
種火となる種菌堆肥をしっかりとつくっておけば天候にあまり左右されない堆肥づくりにつながると思います。
【質問】
宮城さんの放線菌の多い堆肥を見せていただいて本当に良かった。
放線菌ではなくて納豆菌で堆肥づくりをされている事例などをご存じなら教えて頂けないでしょうか。
【丸山さん】
納豆菌は小祝さんの勉強会でもよくでてきますが、興味がある方が実際にやったという話は聞きますが、それが続いているかというと続いていないような感じもします。その菌だけを増やすポイントがつかみきれていないこともあるのかもしれません。納豆菌を安定して活用するまでいっていないのかなと思います。
あゆみの会では、活性水や乳酸菌などを拡大培養して活用することで食味向上につながるかと期待していますが、堆肥場に入れて面白い結果がでているので、まず自分たちのグループで確認していきたいと思います。
(以上で丸山さんの講義は終了です)
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【つち博士の紹介】
土壌分析機「つち博士」の開発メーカーの麦島さんより、つち博士を簡単に紹介をいただきました。
【麦島さん】
「つち博士」は本体にLEDを組み込んだ、いわゆる分光光度計です。
測定には試験管ではなく充填式のカートリッジを使用しています。
土壌分析で絶対値を求めようとするとかなり無理があります。
10万円~20万円そこそこの機械で絶対値を求めようとするのは所詮は無理だと考えています。そこで(つち博士などの分析では)相対比較で活用します。
これが一番手っ取り早いと思っています。
現場では圃場で良いところと悪いところの土を取って頂いて、その化学特性を見ましょうと説明しています。
絶対値を求めてどうこうではなくて、良いところと悪いところを見て化学性で差があるかないかをまず調べてみる、これが最初じゃないかなと思います。
化学分析をする前に皆さんにぜひやっていただきたいことはpHとECです。
pHとECを測定すればおおむね検討がつくだろうと思います。
最近出版された「土は生きている」という本、これをぜひ読んで頂きたいと思います。
この中に腐植という言葉が出てきます。
腐植と同時に熟土という言葉が出てきます。
熟土というのが私どものこの土壌分析の将来目指す測定項目なんです。
土がどの程度熟土になっているのかを調べたいということで、これから測定できるようにしていこうと考えています。
ご関心のある方は電話にてお問い合わせください。
これまで10年近くかけて全国の堆肥を分析してきました。
そのデータを見て頂きます。
全国の約80点の堆肥を分析してわかったことは、皆さんよく誤解するんですが、微生物の数というのは堆肥の分解能力を左右する要因にはなっていないということです。
なにが要因になっているかは本当のところはわからないんです。
微生物の世界というのはわからないんです。
人間がつかんでいるのはバチルス菌、放線菌、糸状菌ぐらいですね。
あとはいろんな微生物がいるんですが、そこまで見るにはものすごい労力とお金がかかるわけです。
私どもは微生物がなんであれその分解能力が高いか低いかを評価していこう。総合的に見ていこうと考えています。
何の菌の分解能力が高いか低いかということは別に評価しないんです。
それが何であろうが、分解能力が高いか低いかがわかれば、土の中にそのような堆肥を入れても少なくても土の中の微生物分解能力はそれなりに確保できるだとうという想定のもとやっています。
そのような観点でまずは堆肥の分析をしようとしてはじめました。
棒グラフが高いのが、我々の言う分解能力の高い堆肥という位置づけをしようと考えています。
グラフの低い堆肥が菌体数がいないのかというと、菌体数はいるんです。
実はこのグラフは炭水化物とタンパク質の分解能力のバランスを見て評価したグラフなんです。
これまで見た中で一番良い堆肥というのは保育園の食物残さだったんですよ。
なぜならば保育園の子供が食べる食べ物というのはすごく健康でほとんど問題のない良い材料だったんですね。それが今までの最高のレベルです。
そのほかは似たり寄ったりです。
堆肥が良い悪いと議論をするんですが、もし定量的に評価するのであれば分解能力はどうであるか、炭水化物・タンパク質の分解能力はどうかということを客観的に数値に置き換えて評価していこうと10年近くやっています。
最近は全国から分解能力を調べてくれと言う依頼が増えてきまして、だまっていてもデータが蓄積しています。
またご関心があればご連絡ください。
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【蒸気除草機実演】
【蒸気除草機 動画】
蒸気除草機のメーカーの丸文製作所さんに、乗用蒸気除草機のデモンストレーションをしていただきました。 (※上の画像のボタンをクリックすると動画が再生します)
写真の自走台車に載っているのが、ボイラー・軟水機・エンジン・貯水タンクなどで緑色のフードの中から高温蒸気がでてくるようになっています。
ボイラーで高温蒸気がつくられて、ホースを通じて緑色のフードの中が100度前後の蒸気に満たされます。
動画のスピードで表面の数mmが処理されます。
20秒以上おなじ場所に止まると5mmから1cmぐらいの深さで処理されます。
実際の圃場ではそんなに止まっていられないので、ある程度大きくなった雑草や芽がではじめている雑草など、初期の雑草を抑える使い方がおすすめとのことです。畝たてした10日後ぐらいに蒸気処理した場合に一番効果ありとも。
蒸気処理後、晴天が一日でもあれば雑草は枯れ上がってきます。
雨の場合は枯れるまで少し時間がかかるそうです。
写真の水タンクで1反分、約2時間半ぐらいで処理できます。
自走台車も含めて300万円少々、自走台車がない場合は220万円前後のお値段。(詳しくは丸文製作所さんへお問い合わせください) ![]()
燃料は灯油で水があれば蒸気が出始めるまで5分から10分ぐらい。
メンテナンスは40時間に1回、軟水機の掃除が必要となります。
丸文さんで研究されているのが作が終わった後、トラクターで耕運する前に蒸気除草機で圃場の中を走って次作の雑草を抑制すること。
たとえば夏の間に落ちてしまった種子を耕運する前に一度煮てしまうので、次の春の雑草の発生抑制が期待できるということです。
すでにこの冬から各地で実証実験を積み重ねているとのことです。
参加者も興味津々で、育苗土の殺菌とかのアイデアもでました。
参考までに昨年6月24日(水)、あゆみの会事務所にて開催されました丸文製作所さんの新型除草機のお披露目会の模様などもご参照ください。
これが新型蒸気除草機だ! (※動画付き)
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以上が丸山塾in千葉 開催報告【講義編】です。
(Radix事務局 成田)
【01 農産活動報告】
2010-01-18
谷先生勉強会in札幌 開催報告 『家畜糞尿や堆肥を活かした土づくり』
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2009年11月22日、札幌にて北海道ブロックの土づくり勉強会を開催しました。
講師は大牧農場の五十川さんよりご紹介いただきました、帯広畜産大学の谷昌幸先生。
谷先生のご専門は土壌学・肥料学・農畜産環境保全学で、北海道各地の圃場で穴掘りをしながら土壌中における有機物の機能や土づくりなどを詳しくご研究されています。
(※谷昌幸先生のプロフィールなどは帯広畜産大学の下記ページを参照 ↓
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/tani_masayuki.html
谷先生は生産現場の情報を大切にしています。
『現場で生産者の試行錯誤、トライアルを見させていただいて、そこからいかに科学的な根拠を持ち出そうということを常に考えています』
『次の世代にどのようにつたえていくか、経験や知識が頭にあってもなかなか次に伝わらない、皆さんの取り組みがどういう科学的な根拠、そのようなデータに裏付けられているかをクリアにして、わかりやすく組み立てていくのが我々大学側の使命と感じています』
このように生産現場からの情報を科学的にまとめあげて、わかりやすく現場にフィードバックしてくれる穴掘り大好きな先生です。
(日本はもちろん、世界各地で穴掘りをしながら土を調べているそうです)
それでは、勉強会の概要をお伝えいたします。
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「家畜糞尿や堆肥を活かした土づくり」
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【谷先生】
堆肥の発酵は水分含量だけではなく、酸素がきちんと通ることの方が重要。
(特定の微生物で発酵させることはあまり意味がない)
堆肥づくりには、「適切な酸素」+「土着の微生物」できちんと発酵させることが一番大切。
堆肥化するとミネラルを効かせることが可能となる。
リン酸の肥効も上がる。
堆肥にくるまれたリン酸は植物に吸収されやすい。
堆肥中のリン酸の肥効は100%といってもさしつかえない。
水分の高い原料だと好気発酵しないので温度は上がらない。
嫌気発酵して硫化水素などが発生して臭くなる。
水分調整(※水分75%)したら、発酵が進み温度も上昇。
ポッド試験では水分調整して発酵させた堆肥施用した方が生育が良い(※生堆肥を入れた方は生育が悪い)
北海道では生堆肥が圧倒的に多い。
生糞の処理はどうにもならないのが現状。
どうにかするのをやめて、そのかわり土の上に撒布する。
生糞を土の中にはいれないで活用し始めたのが「土ごと発酵」。
(※「土ごと発酵」の取り組みは現代農業の記事になっています)
硝酸態チッ素は微生物の反応をうけていろいろ変化する。
畑の場合は硝酸化成によって硝酸態チッ素になるのが自然。
作物の中にはアミノ態チッ素を吸収できるものもいるが、基本的な植物は硝酸態チッ素が大好き。
硝酸態窒素を取り込んで光合成産物とあわせて、アミノ酸やタンパクを合成する。
畑の中ではほっておいても硝酸になるのが自然の摂理。
忘れてはいけないのが硝酸菌も生きていると言うこと。
硝酸をつくることでエネルギーを獲得し彼らも生きている。
彼らを土の中から排除する必要はなにもない。
硝酸が悪いと説明される方が増えている。
糞尿だろうが魚粕だろうが化学肥料であろうが(最後に硝酸になるのは)一緒。
有機態チッ素やアンモニア態チッ素がだんだんと硝酸化成作用をうける。
できた硝酸を作物が吸収する。なにも悪くない。
アミノ酸を吸収できる作物もあるが多くはない。
昨年フィンランドに行って森の土の調査をしてきた。
真っ白な土で、ロシアにもある酸性の砂。
そこでりっぱな作物が生育している。かれらはアミノ酸を吸える。
なぜアミノ酸を吸えるようになったか?
アミノ酸が無機化するのを待っていたら他のものに取られてしまう可能性がある。だから戦略的にアミノ酸を吸えるようになったのかもしれない。
糞尿中のタンパク質(腸内細菌のかすなど)がだんだんとアンモニアになり、亜硝酸になり、硝酸になるというのが普通の流れ。
糞尿を入れることで出てくる硝酸は悪くない。
土の中にはいろいろなタイプの有機物がある。
これが大事。
土壌微生物が硝酸やアンモニアなどを取り込んだバイオマスチッ素がある。
有機栽培圃場のバイオマス(※微生物量)は慣行区よりも圧倒的に高かった。
バイオマスがチッ素や養分の貯蓄源になっていることがポイント。
土のもともともっている機能は「ものを蓄える」こと。
「保持する力」だけではダメで「離す力」も必要。
バイオマスがないと、一方通行でおわってしまう。
バイオマスがあると、土壌中にプールされてぐるぐると回る。
バイオマスチッ素のプールがあって、かつ窒素が取り出せるプールであることが大事。
これが「土づくり」だと思っている。
良い土は「貯める力」と「出す力」を両方持っている。
良い土というのは何もしなくても上手にやってくれる。
その機能を高めることが一番大事。
「腐植」は大事な成分。
この堆肥はどんな成分を含んでいるのか、どんな機能をもっているのか、どんな土に入れるのか、どんな土にあうのかを明確にする必要がある。
なんとなく堆肥を使うだけでは後世に伝わっていかない。
日本の黒土(黒ボク土)と世界の黒土(チェルノーゼム)
チェルノーゼムは非常に肥沃土が高く、肥料なしで小麦をつくれる。
黒ボク土は本来はやせた土。
同じ黒いのに何が違うのか?
土壌有機物は両方とも高い、土壌生産性も両方とも高い。
しかし土壌肥沃度がまったく違う!
黒ボク土は安定化した腐植物質を多量に含む。
含まれているコロイド成分(腐植・アロフェン・イモゴライトなど)によるリン酸固定力がきわめて大きい。
一番の問題は化学性で、微量要素の含有量や供給量が低い。
植物が吸える状態になっていない。
十勝もほとんどが黒ボク土。
何が問題になるかというと、やはりリン酸。
土壌にリン酸が固定化されて効かないリン酸となりやすい。
黒ボク土になぜリン酸がくっつくのか。
アロフェンなどとイオン吸着しているうちはいいが、配位子交換反応によって固定化されるとちょっとやそっとで植物が吸収できない。
化学的にがっちりと吸着されてしてしまっている。
燐鉱石の枯渇と高騰の問題。
日本はほぼ100%輸入に頼っている。
50~60年たつと今の技術で掘り出せる燐鉱石が枯渇するとも言われている。
1990年半ばからアメリカが燐鉱石の輸入をストップ、中国も出さなくなってきている。
輸出する国が少なくなり、燐鉱石の質も悪くなっている。
(※リン含有量が少なくなる、カドミウムの含有量が高くなる、
リン酸肥料のカドミウム含量が高くなる、さらに放射性元素も増えてくる)
根に定着するようなリン酸溶解菌。
土全体に入れるのではなくて種に付着させる、あるいはポットに入れる。
根面に定着させるか、ポットに入れるか、微生物を効果的に利用するにはそうするしかない。
もう一つの考え方は、土の中のリン酸溶解菌の活用。
土の中にいるリン酸溶解菌をなるべく選択的に増やした方が、外から良い菌を入れるよりもよい。
どうしても堆肥にならない生糞を、土の微生物の餌にしてしまおうと考えた。
生堆肥は絶対に土の中にすき込まないというのがポイント。
大事なのは酸素がある状態で微生物の餌にしてしまうこと。
微生物が糞の中に入っているタンパク質や繊維をどんどん分解していく。
その過程でアミノ酸、硝酸、各種有機酸ができる。
いろんな微生物が増える中で、有機酸を出す微生物が絶対に増えてくる。
特定のリン酸溶解菌を増やすのではなく、土着微生物を増やしたほうがいいんじゃないかという発想。
表面に、糞とエン麦と麦かん、森の土層に似たようなものをつくって、雪解け水と一緒に(有機酸を)土中に流す、これが「土ごと発酵」。
大事なのは土の表面でやること。
森の中では糞が土中に入っていることを見たことがない。
全部土の上にある。自然はとてもうまくできている。
生糞をただ入れればいいというわけではない。
有機酸や機能性成分をどのようにうまく使うかである。
硝酸態チッ素があるところに炭素が入ってバイオマスとなり、硝酸態チッ素がバイオマスを通じてぐるぐると回ることが重要。
硝酸態チッ素ができて終わりではなく、バイオマスチッ素となってぐるぐるとまわっている状態が普通。
動的な平衡となっている。
耕地以外の自然界では有機体のリンがぐるぐる回っている。
葉っぱなど有機物から溶けたリンがぐるぐる回っている。
不足しているリン酸は土壌の鉱物から溶け出てくる。
自然界では土壌中の鉱物中のリン酸が徐々にでてくる。
しかし畑の中のリン酸と比べると圧倒的に少ない。
可給態リン酸を測定してもほとんど入っていない、検出できないぐらい少ない。
(検出されないが)実際は有機体リンという形でぐるぐる回っている。
キレートの再確認、キレートとはギリシャ語でカニのハサミのこと。
大学院生の時、森の中の有機酸の研究をずっとやっていた。
森の中に有機酸がどれぐらいあるのか、どういうふうに変化していくのか。
(有機酸を外部から投入するより)有機酸を増やす米ぬかを入れたり魚かすを入れた方がよい。
それをえさにする微生物が発酵することでキレート物質が出てくる。
土にカビが生えることがよくないと考えている生産者が多い。
一時的に生えるカビはは全く問題ない。
キレート物質、クエン酸、リンゴ酸といったものはカビが作る。
畑の土というのはカビが少なく細菌が多い。
森の土はカビが多く細菌が少ない。
土ごと発酵、春になるとどうなるかというと、カビでびっしりになる。
カビが有機酸をつくってくれる。
カビがある程度繁殖したあとに、カビを分解する放線菌、さらに放線菌を分解する細菌が繁殖し、そしてまたもとにもどる。
カビをはやすことは有機酸類をつくることに有効。
おなじ場所の森と畑では、森の方がキレート力が高い。
畑の土はものを溶かしだしたり運ぶ力が弱っている。
堆肥を連用している圃場の方がキレート力は高い。
キレート力は畑でも変えられる。
アロフェンにリン酸が吸着しているところに、シュウ酸などがあるとリン酸と置き換えてリン酸を溶かし出す働きがある。
シュウ酸で溶かし出すという働きを持っているのがソバという植物。
だからソバは痩せ地でも育つ。
同じような機能をもつ作物としてアブラナ科の一部の作物がある。
外部からシュウ酸を入れる、クエン酸を入れる、これは効果の薄いやり方。
土の中に入れるとほとんどのシュウ酸、クエン酸、あっという間に分解される。
根っこまで届かない可能性がある。
シュウ酸やクエン酸を増やす土作りをちゃんとやったほうがいい。
土壌中にリン酸とクエン酸を同時に入れると、リン酸だけの時に比べて土壌吸着が半分ぐらいに抑えられる。
クエン酸があるとリン酸が土にくっつきにくくなるので、それだけ植物が吸いやすくなる。少ないリン酸でも効率よく吸収させることができる。
先にリン酸を入れてからクエン酸を入れてもリン酸は土から離れない。
先にクエン酸を入れてからリン酸を入れた方が吸着が少なくなる。
土中にキレート物質がたくさんある状態の土のところに施肥をするからリン酸の効きがよくなる。
あとからクエン酸をまいてどうにかしようと思っても遅いし、効果もうすい。
有機酸を出す菌を入れるのではなくて、土の中にもともといる菌を増やす方法を考えた方が早いし楽。
カビをはやすような土作りをして有機酸をだすような方法も一つの方法。
もっと簡単な方法として、堆肥を活用することでリン酸を吸わせることができる。
チッ素をカリを十分に与えて、リン酸を徐々に入れていくとリン酸施用量が多くなるほど生育がよくなる。リン酸が少ないと生育しない。
リン酸は入れた量の10%ぐらいしか吸収されていない。
残りの8~9割は土に吸着されている。
堆肥中には溶存腐植酸という物質がたくさん入っている。
これらがリン酸を守ってくれる。
少量のリン酸を堆肥でくるんでいれた場合、同量のリン酸だけを入れた時に比べて圧倒的に生育が良くなる。リン酸の吸収効率も格段にアップする。
リン酸を守ってくれるキレート物質が土中に大量にある条件をつくっておくこと。
それができない場合、堆肥にリン酸を入れることで使えるリン酸源として使うこと。
日本の土壌のように鉱物表面にアルミが露出していると、銅・亜鉛・鉄イオンなどがくっつく。
アルミがマイナスの電気をもっているので、プラスの電気をもったマグネシウムイオン(交換性マグネシウム)がイオン結合する。
亜鉛とか銅とかは配位結合、リンと同じでがちっと結合してとれなくなる。
亜鉛や銅などのミネラルを挟み込んでとれなくする。入れても効かない。
水に溶ける腐植と亜鉛がキレートをつくるとアルミにくっつかなくなる。
ミネラルは、いかに効かせるかが大切。
ミネラルが効くような土の状態をつくる方法を考えた方が合理的。
自然界もそのようになっている。
たんに入れるのではなく効かせる形でいれることで、ミネラルの吸収も大きく変わる。
小麦に銅欠乏がでる場合、硫酸銅の施用がすすめられる。
しかし硫酸銅をそのまま入れても効かないということは実験でわかっている。
(土に入れて1時間以内に99.9%の銅が土に吸着されてしまう。黒ボクの場合、 1時間以内にくっついて、かつイオン交換できる形でくっついているのは5%しかない。残りの95%は配位結合でがちっと結合している)
そこで堆肥の中に硫酸銅を入れて、堆肥に守ってもらう。
結果は堆肥と銅を一緒にいれた方がきちんと生育する。
堆肥をつかうと銅だけでなく亜鉛の吸収も抜群によくなる。
普通は拮抗作用が認められるが、マンガンの吸収も上がる。鉄は微妙。
なおこの実験ではきちんと発酵させた堆肥を使用した。
この点が先ほどの土ごと発酵とはちがうところ。
(※きちんと発酵させることで腐植物質の含量が多くなっている)
堆肥の中に黒い腐植物質が含まれている。
水にとける腐植物質。ここがすごく大事なところ。
水に溶ける腐植物質がすごく大事だということが最近わかってきた。
堆積1ヶ月後と12ヶ月後の堆肥の水抽出物の比較では、12ヶ月後の方が真っ黒。 この黒い水の正体は腐植酸。すごい機能性成分をもっている。
良い堆肥をつくることはすごく大事。
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(成田注:堆肥の機能性についての詳細な説明が以下に続きますが、堆肥の機能性についての部分は未発表データも含まれていることもありブログ上では割愛させていただきます)
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良い土とはほうっておける土。
ある程度、環境変化に対して自立性の高い土をつくっていくことが本当の土づくりかなと思う。
いろんなところを科学的に証明していきたいので、皆さんから現場のヒントをもらえれば助かります。
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以上が谷先生の勉強会の概要です。
「家畜糞尿や堆肥を活かした土づくり」 の話、とてもわかりやすい内容で新しい知見が多く、参加者もおおいに刺激になったと思います。
特に良い堆肥が持っている水溶性腐植の機能性についての話は驚きの内容でした。あらためて堆肥のすごさを再認識しました。
堆肥の活用と土づくりに役立つ谷先生のご研究、これからも成果発表を楽しみにしたいと思います。
(Radix事務局 成田)
【01 農産活動報告】
2009-12-29
丸山塾in千葉 開催報告【宮城さん堆肥場・圃場見学編】
2009年11月13日(金)、千葉県香取市にて丸山塾を開催しました。
講師は、あゆみの会の丸山訓さん。
(丸山さんは、あゆみの会の生産者の施肥設計や現場指導などを幅広くご担当されています。また丸山さんのDr.ソイルによる土壌分析数は日本有数だと思います)
今回の勉強会では、丸山さんから土壌分析の活用、土づくりや腐植の大切さについてお話をいただきました。
同時に、あゆみの会を代表する生産者の一人、宮城さんの堆肥場・圃場を見学しながら宮城さんの種菌堆肥の活用法と土づくりについてのお話をいただきました。
それでは、午前中の宮城さんの堆肥場・圃場見学編よりスタートです。
(※丸山さんの講義と蒸気除草機の実演概要については丸山塾in千葉 開催報告【講義編】にて報告します)
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宮城さんの堆肥場見学
(宮城さんの堆肥場 右写真の左下に見ているのがエコキッチンクラブの乾燥残さ)
【丸山さん】
左側の堆肥置き場では、らでぃっしゅぼーや会員さんからのエコキッチンクラブの乾燥残さと、首都圏・神奈川センターから出た乾燥残さが持ち込まれて活用されています。これが種菌堆肥の原料となります。
1週間に400~500kgぐらい持ち込まれます。
そのため切り返しは頻繁に行われています。
乾燥残さが雨にあたると生に戻り虫などが発生してしまうので、すばやく種菌堆肥と混ぜて良好な発酵をすすめています。
(エコキッチンクラブの乾燥残さと拡大写真)
左の堆肥置き場には今回の勉強会のため、乾燥残さを混ぜないで置いてあります。その上の部分は3日前に切り返ししたものです。
(参加者に説明する丸山さん)
乾燥残さと近くの養豚場からもらってきた豚糞に放線菌が繁殖している種菌堆肥を混ぜて発酵させています。
養豚場でも堆肥化処理をしていますが、堆肥になる前のものをもらってきて、この種菌堆肥を混ぜるようにしています。
(参加者に種菌堆肥を説明する丸山さん)
右側の堆肥置き場の堆肥は完成した種菌堆肥。
白っぽく見えるのが放線菌のかたまりです。
宮城さんは堆肥にエアレーションをかけていません。
エアレーションをしなくてもこのような(乾燥した)種菌堆肥ができます。
このように宮城さんの種菌堆肥はかなり乾燥しています。
これは宮城さんがわざと発酵を止めているところがあるからです。
現代農業の宮城さんの紹介記事にもある通り、近くに養豚場があるので、そこからの豚糞をもらってきて、種菌堆肥と1:1ぐらいの割合に混ぜて発酵をかけます。
その際、屋根のある堆肥場の中にいれるのではなくて、屋根のない堆肥場で発酵をおこないます。
(※屋根がなくても堆肥の上部にシートが覆われます)
発酵が進むと放線菌が表層で繁殖しはじめます。
表層から少し内側に入ったところに放線菌が繁殖するので、ある程度繁殖したらその表層をけずりとって種菌堆肥の中にもどします。
表層が削られると内部が表に出て酸素が供給されることによって放線菌の層が再びできます。そしてその部分を削って種菌堆肥場へもどす、その繰り返しで種菌堆肥を確保しています。
そのため屋根のある堆肥場の中は放線菌豊富な種菌堆肥となるわけです。
畑に入れる堆肥は新鮮な豚糞堆肥に種菌堆肥を混ぜて1週間ぐらい発酵をかけてから畑に入れます。畑に入れてしばらく時間をおいたり、太陽熱処理をしたりして、十分に土になじませてから播種をする流れになっています。
現在の種菌堆肥の温度は60度前後です。
乾燥残さの扱いが難しく、いかにうまく種菌を仕込むか、種菌の量と餌の新鮮具合がキーポイントになっているのではと思っています。
農学の先生がよく完熟堆肥を使いなさいと言いますが、現場の農家の方々は「完熟では力がない」とか「効かない」という声が多くて、どうしても生の力のある堆肥を入れたいと思う傾向があります。
宮城さんも同じ考え方です。
種菌堆肥をそのまま畑に入れても力がないと判断しています。
宮城さんの場合、生糞と種菌堆肥を混ぜて少し寝かせて施用することで活用しています。
(参加者に種菌堆肥を説明する宮城さん)
【宮城さん】
原料は籾殻入りの豚糞と乾燥残さです。これを混ぜているだけ。
(ここにある堆肥は)種菌堆肥だと思っています。
皆さんは堆肥は畑にまくもんだと思っているかもしれませんが、うちは種菌堆肥として使っています。あくまで土壌改良材をつくりたくてこれをやっています。
土壌改良材として優良な菌がふんだんにある堆肥を作りたくて、考えて考えて、四苦八苦してこうなっています。
最初はサカタのバイオ21という微生物資材から始まりました。
バイオ21は高温菌が主体だということだったので太陽熱処理と併用できるかなと考えたわけです。米ぬかと堆肥を使って増やして活用していました。
それ以降、自分で種菌を増やして活用する今のスタイルになってきました。
今では鉄、マンガン、FTEなども堆肥に入れています。
(※宮城さんの種菌堆肥は肥料成分の補給ではなく、中熟堆肥をつくる際の優良な菌の補給源として活用されています)
堆肥を作る場所が十分にない方は、種菌堆肥の(菌)密度を高くして、米ぬかなどを入れて発酵させてやればOKです。緑肥をすき混むときに一緒にやればすごくよくなります。はっきりわかるほど圃場の改善になります。
緑肥をうないこんだときにもさらっと土が変わるような感じになります。
この種菌堆肥でもいいんですけど、緑肥と一緒に入れてあげると全然違う。
春先から夏にかけてロータリーをかけて2日ぐらいおいて雨が降ったその後を見てみると畑の状態が変わります。
毎年毎年少しずつ良くなってきています
大きな間違いもなく改善できる、そう感じています。
住宅街の中では堆肥場はつくれません。
そのためこの種菌堆肥を少し持っていって米ぬかとまぜて少量ずつ堆肥をつくれば迷惑もかからない。
そして緑肥をすきこむときに使う種菌として使えば畑が変わってくると思います。
あくまで土壌改良をする堆肥を作りたいと考えています。
肥料的につかう生糞に種菌堆肥をまぜて使用していますが、自分が力を入れているのは種菌堆肥づくりです。
【質問】
土壌改良を目的にというお話でしたが、そういう気持ちになったという原因が圃場の方にあったということでしょうか?
【宮城さん】
あゆみの会、らでぃっしゅさんとのおつきあいをきっかけに有機栽培を始めて2年ぐらいはまあまあとれたんですよ。3年目からガタガタということで資材代ばかりかかって収入が少ないということに・・。
これで本当にやっていけるのかなというぐらいになったんですよ。
一時は有機栽培をやめようかなと思ったことも・・。
まわりに聞いてみると有機でうまくいっている人もいるので、どうにかしようと思いたって始めたのがきっかけです。
良い畑にしようと思って市販の菌体を買ったりもしましたが、それにお金をかけすぎるよりも自分で培養した方がよいと思うようになりました。
微生物って培養できるじゃないですか。
だからこのように始めました。
【質問】
堆肥の原料となる豚糞の窒素・リン酸・カリの成分比などは、どれぐらいのものを使っていますか?
【宮城さん】
低いよ。
自分の圃場にやってあうかどうか、やってみないとわからない部分もある。
百姓ならわかると思う。
肥料をあげたってそれだけのことができないし、逆に徒長しすぎてしまったり、良いものがとれなかったり・・。
やはり自分の観察、前回こうなったからこうだな、というようなことをやっていかないとうまくいかないと思うんだね。 ![]()
(宮城さん(右)と中部・関西のエコキッチンクラブを受けて入れている、ゆうき伊賀の里の福広さん(左)のツーショット)
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![]()
宮城さんの圃場見学
宮城さんの圃場で団粒の確認を行いました。
丸山さんが団粒の塊を参加者に見せながら、団粒化が進むと保水性、排水性が良好になり、根張りも促進することなどの話を行います。
また2mほどの棒を参加者自ら圃場に刺していただいて、宮城さんのふかふかで柔らかい圃場の様子を体験していただきました。
上の写真のように2mの棒がすーと全部入ってしまいます。
続いて宮城さんが実践している太陽熱処理についての話。
【宮城さん】
太陽熱処理につかうマルチは1m80cm幅のもの。
実際に張る幅は1m60cmぐらい(※両サイドは畝に沿って折り曲げるため)
マルチを張って太陽熱処理をしたところは草がなくて、マルチをしていない通路部分に少し草が残る感じになっています。
そのため通路は草取りをしています。
太陽熱処理したところだけに播種しています。
ニンジンとネギには堆肥を入れるけど、カブやジャガイモの前にには入れない。
主にネギとニンジンを交互に作付け(例:ニンジン2年やった後でネギ1年とか)
堆肥(生豚糞+種菌堆肥)の施用量は反あたり5t弱ぐらいです。
堆肥をつくるタイミングは自分の作業の合間を見ながら養豚農家さんから豚糞をもらってきて種菌堆肥とまぜて準備をします。
雨が降りそうだとブルーシートをかぶせます。
ブルーシートを直接堆肥にかぶせてしまうとたぶんウジがわくと思うので、風が通るように堆肥の上にシートをかぶせるようにしています。
作付けされているニンジンの品種は愛紅(あいこう)、パワフルレッドなど。
【丸山さん】
太陽熱処理で草取りがだいぶ省力化できています。
また宮城さんは発芽がそろうように灌水にかなり気を遣っています。
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区民センターにて
【丸山さん】
土の表層で団粒ができやすく、特に太陽熱処理をした後は団粒ができやすいと思います。
団粒は力を加えるとぽろぽろと崩れます。
団粒が増えることで保水性・排水性・根張りが良くなり、肥料成分もうまく吸着しています。
圃場視察質疑応答
【質問】
畑の耕盤ですが、あれは機械で崩したということはないんですか?
サブソイラーなどを入れていますか?
【宮城さん】
サブソイラーはやります。
以前はトラクターが動かなくなるぐらいまで目一杯入れて引っ張っていました。
今は普通走行の1~2速ぐらいで十分です。
【質問】
連作・輪作の話などを聞かせていただけますか?
【宮城さん】
ネギ、ニンジン、ジャガイモとカブを栽培しています。
秋冬ニンジンと秋冬カブの前に太陽熱処理をします。
その後にネギ。うちらの方ではネギをつくると畑を荒らします。
畑をこわすので、その後に太陽熱処理をしたニンジンを作付けし、カブという流れです。
緑肥は入れます。
春夏ニンジンの場合はどうしても太陽熱処理ができないので、緑肥を栽培してそれを鍬き込む時に堆肥をいれています。
今年はヘイオーツなど。
緑肥は生長してくると自然と倒れてくるので、浅く軽くロータリーでうなってしまいます。(土の中に入れるのではなく、倒して少し土が被さるような感じに)
もうじき雨が降るなというタイミングでロータリーをかけると良い感じになります。
【福広さん】
宮城さんの堆肥づくりの話があるということで参加しました。
棒があそこまで刺さるのにはびっくりしました。
以前、浅く耕すだけの栽培方法だったんですが、新井さんの影響などもありまして去年プラソイラーを購入し深耕でやるようになっています。
入れた後は少し水はけが良くなります。徐々に目が詰まってくるというか、時間がたつとだんだんと雨が降って水はけに時間がかかるようになります。
まだまだ底の方は変わっていないかな。
うちの堆肥は肥料成分重視で窒素濃度が高い堆肥を使って、施肥設計をしています。
宮城さんの堆肥の成分ですが、何か分析結果などあるんですか。
【丸山さん】
分析はしてません。
炭素率的にはそんなには高くはないのかなと感じます。
宮城さんが緑肥を使って地力を維持しているのは必要なのかなと感じています。
堆肥だけだと地力を維持するには少し弱いかもしれません。
【福広さん】
堆肥+有機質肥料という組み合わせでやっているんですか?
【丸山さん】
はい、そうです。
【宮城さん】
今は8-5-3(※JBFの有機質肥料)を使っています。
【福広さん】
私もどの程度の炭素率で有機栽培をしていくのが理想なのかなと考えています。うちの堆肥の炭素率はだいたい9ぐらいです。
施肥設計でも炭素率9でやっていますけど、もう少し高い方がいいのか、低い方がいいのか・・。
普通は炭素率15ぐらいの堆肥をつかって炭素率5ぐらいの有機質肥料を足してやると、比率にも関係しますが、たとえば炭素率10前後になるとします。
そのあたりに炭素率をするのが理想的かなとも思うんですが、トータルの炭素率についてはどれぐらいが病害虫が出にくいとか、そのあたりについて感覚的にわかりますか?
【丸山さん】
一番怖いのが数値だけを見てしまって、熟度がどの程度なのか、菌体量がどのぐらいあるのか、畑の条件だとかも関係してくるので、なかなか一言では言えないと思います。
経験則から考えていかないと、イメージだけではわからない。
現実はどうなったのか、それに対してどうやったのか、そして検証しながら解決していく方があっているのかな。
現状は緑肥と堆肥を併用した方が土づくりにとって良いと感じています。
【津田さん】
私たちの圃場にくる方は皆、「こんなところで農業ができるの?」と言われます。
(※渥美半島の先端近くで砂利混じりの圃場)
大きな河川によって砂や石が堆積した地域なので、私のところは砂とレキばかりで開拓農家の親が麦を植えても全然生育しなかったほどです。
農業をやるには非常に過酷な条件で、ずっと有機物を入れながら土づくりをやってきました。
肥料と農薬をのぞいたら農業が成り立たない土地で、30代までは慣行栽培をやってきました。
今は20年近く化学肥料・農薬に頼らない農業をしています。
自立して後継者も育ってきています。
これまで機械的な深耕、プラソイラー・サブソイラー、ロータリーなどでやってきましたが、今日の見学で学んだことを取り入れることができたらと思っています。
有機肥料の8-5-3を使用されているとのことですが、それ以外の資材を使っていますか?
【丸山さん】
カルシウム、マグネシウム等は基本的に入れています。
カルシウムはハーモニーシェルを、マグネシウムはブルーマグかキーゼライト等を使っています。
鉄・マンガン、FTEとかホウ素系のものを入れています。
生産者の圃場を見ていると苦土が蓄積しているような感じがします。
ハウスの場合はク溶性の苦土は気をつけて施肥する必要があります。
宮城さんの場合、硫酸系の肥料があった方がネギがしっかりするということで、同じ苦土でもブルーマグよりキーゼライトのような硫酸根が入っている苦土の方がいいのかなと感じています。
作物を見ながら作物に適した肥料を入れていくことが、作物の健康にとってもいいのかなと思います。
【野口さん】
いい堆肥をつくっているというのが率直な感想です。
3ヘクタールを栽培されているそうですが、今日見た堆肥の量で間に合うのかなと感じたのですが・・・。
【宮城さん】
種菌堆肥をそのまま圃場に入れるのではなく、(豚糞と混ぜて発酵させることで圃場に入れる前には堆肥が)倍・倍に増えています。
種菌堆肥を直接畑に入れるわけではないので大丈夫です。
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以上で午前中の見学と質疑応答は終了です。
引き続き、丸山塾in千葉 開催報告【講義編】へと続きます。
(Radix事務局 成田)
【01 農産活動報告】
2009-12-25
『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【講義編・後半】
『めだかの学校』新井塾part4開催報告【講義編・前半】に続いて、甘楽町有機農業研究会の新井俊春さんの講義後半の概要をお知らせいたします。
それでは新井さん、引き続きよろしくお願いします。
(新井さんのミディトマト 2009-06-02写真)
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【新井さん】
病害虫防除の話に入ります。
病害虫防除を考える手順として、まず病原体を分類してみようというところから始めています。
まずはカビ(糸状菌)、細菌(バクテリア)、一部の放線菌、ウイルス、線虫。
この5つが土壌病害原因のほとんど100%を占めています。
(当日資料より)
まずどういう条件が揃うと繁殖するのかを考えてみます。
どんな有機物を好むのか?、生育しやすい温度は?、水分量、pH、酸素が必要な菌か?・・・。
次に作っている作物にどういう病気がでるのかを考えます。
それを5分類したどこにあてはまるかを見るわけです。
繁殖しやすい条件の逆の条件をつくれば発生しないということです。
このように考えると結構ヒントが生まれてきます。
ウドンコ病や青枯れ、萎ちょう病・・、その病気のもとになる菌がどういう状態だと繁殖するんだろうと考えて、その逆をやれば出なくなるという考え方です。
まずはカビ。
病害の約80%がカビによるものです。
フザリウム、これが一番やっかいなものです。
萎ちょう病なんかです。あとキュウリ蔓割病、イオウ病なんかもそうです。
バーティシリウム、半身萎ちょう病の菌です。
次にリソクトニア、これは立ち枯れ病なんかを出す菌ですよね。
立ち枯れはリゾクトニアかピシウムのどちらかの影響が多いようです。
地上部の土1cmぐらいでくびれて倒れるのがリゾクトニアです。ピシウムは根を侵すために全体が枯れてきます。
次に菌核、疫病、根こぶ病菌。
あとは白絹病のコルティシウム。
土壌病害のカビはそんなところですね。
細菌の関係だと軟腐病系、青枯病系です。
放線菌だと、ジャガイモのソウカ病、サツマイモの立枯病等です。
土壌病害のウイルスなどはモザイク病、レタスのビッグベイン病などです。
線虫はネコブ、シストセンチュウ、ネグサレセンチュウなどです。
まずは糸状菌のカビから。
フザリウムによるダイコンの硫黄病。
フザリウムによる病害の場合、だいたい全体的に侵されます。
次にバーティシリウム。これは半身症状。
リゾクトニア、これは立ち枯れ病ですが、これは地上部が細くなって倒れるのがリゾクトニアの症状です。
これは地面に沿って繁殖する菌です。
ピシウム、立ち枯れとは違いますが、このカビによっておこる障害です。
菌核、最近深谷地方のネギ産地で出てきているのが黒ぐされ菌核病です。
水が留まるような畑に必ず出てきます。
次が疫病関係。
ネギ類の白色疫病。
疫病はトマトにもでますし、いろんなものがありますね。
先ほどサラダボウルさんが届けてくれたこれがネコブ病ですね。
これから出てくるんですが、どういう条件で出てくるかというと酸性土壌で水がたまりやすい場所に必ず出てきます。
「連作土壌」+「酸性土壌」+「水がたまりやすい場所」が繁殖条件ですね。
(当日資料より)
私も春・秋にアブラナ科の野菜を5種類ぐらい連作しています。
でもネコブ病は出ないんです。
というのは酸性土壌ではないからです。
pHも6.5前後で、そのような土壌ではネコブ病はでないです。
やっぱり酸性土壌ですね。pH5.5とかという土壌でつくると出やすいです。
次に白絹病。
畑のはじからだんだんと出てくることが多いですね。
作業道路の方から入ってくる、雨とともに流れ込む例が多いです。
次に細菌。
細菌の場合は多すぎる水です。
逆に言うと水がないと生きられない。
根のまわりに余分な水がたまらないような状態にしておけば発生しないものですね。
次に青枯病。
ナス科野菜にでやすいです。
排水対策が一番です。
プラソイラーをまず引いて降った雨を早く浸透させる。
そして畝を高くすることを併用する。
もう一つは団粒構造を増やしていくこと。
それらを改善していくのが一番いいと思います。
ソウカ病関係。
放線菌の一部ですね。
本来放線菌というのは抗生物質を分泌したり有害な菌をやっつけるほうに働くんですけど、ソウカ病の菌だけは作物に悪さをします。
次がウイルス。
緑斑モザイクという、左がウリ科野菜にでるカボチャなんかにもでてくる緑斑ウイルス病、これは土で伝染します。
こっちがレタスのビッグベイン。
これも土壌で伝染します。
(当日資料より)
昨年も話をしましたが、どのぐらいの深さまでそれぞれの菌が繁殖するのかというのを記したものです。
表面近くには白絹病とか疫病、あとネコブですね。
ネコブが出るのはだいたい20cmぐらいまでです。
あとはピシウム、リゾクトニア。
フザリウム以降はかなり深くまで繁殖をしていることを示しています。
この表が非常に参考になります。
病原菌がどのぐらいの温度を好むのかを表していますが、黄色がついているのが高温性の菌です。
疫病は低い温度で発生しやすいということです。
水分の状態。
カビですからほとんどが多湿の条件ででるんですけど、ソウカ病の放線菌だけは乾燥状態ででやすい。
細菌でもカビでも水分過多の条件ででます。
だから排水対策は大事、プラソイラーを使ってくださいというのはそういう意味です。
繁殖に適したpH。
酸性土壌で繁殖しやすいのがフザリウム。ネグサレの関係です。
あとはネコブ。酸性土壌ですよね。
白絹病も酸性土壌の方がでやすい。
ジャガイモソウカ病はアルカリ性。
ジャガイモをうえるところはpHがなるべく低いところが良いというのはそういうことです。石灰はなるべく控えた方がいいということです。
(当日資料より)
有害菌等がどこに影響を及ぼすかを示したものです。
根にこぶを出すというのは根コブ病ですね。あとはセンチュウ。
導管の通り道が侵されてしまうのが、フザリウムとか、半身萎ちょうのバーティシリウム、あとは青枯病なんかです。
根の地際、地面のすれすれの部分をやられるのが、ピシウム、疫病関係、白絹病、紋羽、センチュウの根腐れ関係ですね。
地面のすれすれの上がくびれて倒れるのがリゾクトニアです。
(当日資料より)
どういう状態がそろうと病気になるかという部分です。
まずは素因。
作物自身にどういう素質があるのかという部分です。
よく種の袋にウドンコ病耐病性とか、アブラナ科の野菜の抵抗性があるかどうか、耐病性があるかどうかが書いてあります。
こういう素質が植物自身にあるかどうかが素因です。
次に主因。
病原体の密度がどれぐらいになっているかということです。
(当日資料より)
誘因。
生産者自身が工夫するところなんですけど、栽培環境がどうなのかなという部分になります。
特に自然環境、雨が多いとか少ないとか、湿度が多いとか少ないとかです。
次に栽培環境ですね。
カビの場合には作物の残さだとか有機物を畑にもどしてすぐ種を蒔いて植え付けする。これはカビのもとです。
適期適作といいますけど、時期ですよね。
アレロパシー効果のある緑肥などを利用していますかどうですかということもあります。
土壌病害の病原体ごとに防除方法を考えていきましょうという内容に入ります。
ここからが大切な部分になります。
まずはカビ(糸状菌)。
連作をしているかどうかということですね。
カビの繁殖には未熟有機物が土の中に投入されていないかどうかが一番問題になります。
細菌(バクテリア)。
連作と根のまわりに余分な水があるかどうかが細菌(バクテリア)の繁殖のもとになります。
次に放線菌。
ソウカ病のような放線菌の場合はpHの上がりすぎがキーポイントです。
ウイルスは害虫が伝染しますので、害虫とpHですね。
センチュウは連作をしているかどうか、保護作物を利用しているかどうかがキーワードになります。
まずはカビから。
抑制方法は輪作、未熟有機物を入れない、あとは放線菌堆肥です。
雨水の停滞が一番良くない。あとはpH関係。
次に細菌。バクテリア関係は余分な水です。
抑制方法は輪作体系、排水対策、高畝マルチ、プラソイラー。
あとは放線菌堆肥等です。
佐藤さん、去年トマトに根こぶが出たと言っていましたよね。
それどのように対処したかをちょっと話をしていただけますか。
【佐藤さん】
基本的に(太陽)熱とたん水処理で嫌気にしてしまうこと。
今年は天気も悪かったこともあり2回代掻きをして土中の空隙に残る空気を抜きながら、たん水をしたままでビニールをかけて自然落水させて熱をかけるという方法をとっています。
【新井さん】
結果はどうでした?
【佐藤さん】
一粒もとれなかった畝も今は普通に生育をしているので、ある程度の効果はあったと思います。一方、疑わしい場所もちらほらあるんですね。
そういう場所もあることはあります。
【新井さん】
センチュウ自体というのは空気がないと生きられないですから、やはり空気を遮断するということですよね。
たん水と太陽熱消毒です。それを佐藤さんは実行したということになります。 ![]()
(当日資料より)
センチュウの抑制対策ということで緑肥利用。
空いている土地に緑肥作物、保護作物を蒔く例があると思いますが、センチュウに対して効果のあるものを選びたいですよね。
二重丸のあるものを選ぶのがコツかなという気がします。
空いているから何でもいいから蒔いてみようではなくて、どういうことを目的にして保護作物を利用するかを考えて利用してください。
夏場でおすすめするのがギニアグラス、ソイルクリーンです。
春とか秋であれば、エンバクの類ですね。
クロタラリアの場合にはネマキングなどはネコブに効くんですけど、初期生育が非常に遅いんです。
クロタラリアを利用するんであればギニアグラスを混播してまいたほうがいいです。そのようなやり方をした方が雑草も防げます。
(当日資料より)
地上部にいきます。
まずは糸状菌、カビ。
土壌病害と同じようにカビ類が一番多いです。
約8割はカビに関したものです。
症状だけを見てあとは解決方法に入っていきます。
最近多いのがネギのベト病です。
うちの団体でも3年ほど続けて出ているところがあります。
タマネギです。
春先の天候によって決まってしまうんですけど、収穫間際になって雨が降って前年に(ベト病が)出ている場合、土の跳ね上がりで葉について空気伝染してしまいます。
ベト病の症状は不鮮明な楕円形の症状が出てきます。
かならず出始めるのが畑の水がたまるところです。
やはり水に関係していることがわかります。
キュウリのベト病です。
日光を嫌うので裏側にカビが生えて表が不鮮明になってきます。
斑点細菌病とまぎらわしいのですが、ベト病の場合は葉脈と葉脈の間が明らかに変わってきます。
枠の中の色が変わってきます。
次に疫病。
ピーマンによる疫病です。
窒素過多と水分過多ででることがあります。
菌核です。
出荷するときにはカビはなかったはずが到着したらカビが繁殖してしまっている写真です。
キュウリの場合、菌核の始まりは花の場合が多いです。
キュウリの下にしぼんだ花が付いていますよね。
しぼんだ湿気った花から菌が繁殖するんです。
荷づくりをする際にポリで覆ってから出荷しますので、湿っぽくなっているところに菌糸がはびこってしまうわけです。
次は灰色かび病と葉かび病。
これはトマトです。
灰色かび病も葉かび病も比較的低温のところにでます。
人間が暮らすのにちょうどいい20度から25度くらいの温度、湿度が高い場合なので、灰色カビ病がトマトに出てしまった場合は侵された部分を摘んでですね、ハウスを一回締め切って温度を上げるんですね。
朝8時ぐらいに屋根を開放するのを1時間か1時間半遅らせると、ハウス内の温度がぐーと上がります。
温度が上がった後で一気に屋根を開けると、湿気がすーっと飛んでいきます。これを何回か繰り返すと灰色カビ病は乾いて死滅します。
温度を上げるというのがコツです。乾かすということですね。 ![]()
(当日資料より)
(当日資料より)
次に細菌、バクテリア関係。
バクテリア関係は根から入って内側から腐らせるものと雨の跳ね上がりなどで外から腐らせるものとがあります。
バクテリアによる腐敗はたいてい匂いがあります。
ネギの軟腐病。非常に臭いですよね。
ハクサイもそうですし、レタスも非常にいやな匂いがするのが特徴です。
斑点細菌病です。
ベト病の場合、このように枠の中でわかるんですけど、バクテリアの場合には区別がつかないですね。
全体的に枠の中だけでなく広がっていくのが特徴です。
ウイルスです。
コナジラミが媒介する黄化えそ病ですね。
こちらがカボチャモザイクウイルス。
これはアブラムシが媒介します。
これが今問題になっている黄化葉巻き病です。
コナジラミ関係です。
次に虫関係に入ります。
当日資料に虫とウイルス関係がまとめてあります。
キュウリの黄化えそ病、これはアザミウマですね。
虫の方はざっと読んで頂くとして、ここで質問を受けましょう。
【質問】
トマトで苗の状態でリン酸を効かせる必要があるんですけど、新井さんはどんな工夫で、リン酸を効かせているんですか?
【新井さん】
去年参加した方は私の堆肥場を見たと思うんですが、あの堆肥の中に米ぬかがかなり入っているんですよ。
育苗用につくった堆肥なんですけど、米ぬかですね。
赤土を混ぜて育苗土をつくっています。
【質問】
発酵させて?
【新井さん】
そうです。
【質問】
糸状菌(かび)の抑制のところで、前作残さ、未熟有機物の投入をしないという未熟有機物の種類なんですけど、特に籾殻とか落ち葉、ピートモスとか今日見せて頂いた竹などもこの悪い糸状菌の餌になりうるんでしょうか?
【新井さん】
なります。
【質問】
木質系であろうと草質系であろうと?
【新井さん】
なりますね。
入れた場合には期間をおけば問題はないです。
入れて時間もたたないうちに播種・植え付けをすると、必ずカビが繁殖します。
それを食べるカビがね。
糸状菌の餌というのは有機物、炭水化物ですから。
草だと草むしりをして山にしておくと下の地面すれすれのところにカビが繁殖するでしょう。あの状態です。
あれが土の中でおきるんです。
【質問】
ナスなんかで青枯れ対策としてプラソイラーをかけているんですけど、圃場に植えている期間が長いじゃないですか。その時にできる対策などがあれば。
【新井さん】
半身萎ちょうの場合はカビだし、青枯れの場合は細菌・バクテリアですよね。
好む物が変わってくるんですよ。
カビの場合は有機物。細菌・バクテリアは水なんですね。
カビの場合もほとんど水がからんできます。
途中でも抑制するのは難しいですよね。
放線菌の堆肥が十分入っていて繁殖できる状態であって、なおかつ排水対策を併用していくしかないですよね。
【質問】
堆肥の話がでたので聞きたかったんですが、堆肥は有機物を入れるためにどうしても入れたいんですが、あまり良い物が手に入らない。
それでも入れたいとしたら、いつ入れたら一番いいですか?
【新井さん】
完全に有効な放線菌が繁殖するまで追加発酵できないんですか?
面倒だからといって未熟な堆肥をもってきて入れると必ず糸状菌・カビが繁殖します。トラクターのバケットなどがあれば貝殻でも足して放線菌を繁殖させて圃場に入れることはできない?
【質問】
半分できるかもしれないけど、できない部分もあると思うので、できない部分をなんとかしたい場合には?
【新井さん】
入れてから期間をおくしかないですね。
【質問】
いろいろな種類があるかと思いますが、どれぐらいの期間をおいたらいいですか?
【新井さん】
C/N比の関係ですよね。
おが屑などC/N比が200とか300とかのものが入っている場合には、相当期間をおかないとムリですね。
【丸山さん】
次回、勉強会を行う宮城さんの堆肥ですが、もとは豚糞堆肥で、あとはらでぃっしゅさんから出てくる乾燥残さ、生のものです。
いかに菌体をつけて発酵過程にもっていくかというところがキーポイントになっています。
宮城さんのところでは太陽熱処理をしながら中熟堆肥を使うことで土壌団粒がつくられています。
このあいだ棒を刺してみると1m半とか2mぐらい刺さりました。
微生物をどう活かす環境をつくるかがキーポイントになってくるのではと感じています。
いかに根域範囲を広げていけるか、微生物がすむ環境をとれるかが安定した野菜づくりにつながるのではないかなと思っています。
【新井さん】
その中熟堆肥を入れて植え付けする場合、どのぐらい期間をあければいいんですか。?
【丸山さん】
そんなに長くはないです。
太陽熱処理をする場合は期間をあけますが、それ以外の時は少し寝かせるぐらいです。
【新井さん】
今年のトマトとキュウリについてお話したいと思います。
まずは播種から。
私の場合は30cm×60cmの箱にまきます。
ここ(上記写真のコテの部分)に1cmのコンパネが貼り付けてあります。
縁に沿ってコンパネを動かすと縁から1cm下がったところが整地できます。
この状態でキュウリの種をまきます。
トマトの場合は種が小さいのでもう少し浅く、縁から7~8mmほどを整地します。
写真が1cm縁が下がった状態でキュウリを蒔いた状態。
たぶん230粒ぐらい入っています。
こうするとすべての種が1cm、7~8mmに全部、おなじ覆土になるんですね。
これでスタートします。
ちょっと上をコテで押して灌水をして下がらないようにしてスタートします。
発芽の状況です。
キュウリの場合、かけるのはバーミキュライトを使っています。
というのは230粒もまくと土をもちあげちゃうんです、よいしょっという感じで1cmほど浮いてしまうんです。
バーミキュライトをかけるとほぼ100%、3日目にはこのような状態です。
土の温度は28度から30度。
ウリ科の野菜は3日。ナス科の野菜で5日です。
キュウリ、トマトの鉢上げ状態です。
播種が揃うので、ひとつひとつの苗がすべて揃います。
とにかく播種をそろえるということです。
温度・地温は28度から30度。
そして発芽したら25度。
鉢上げする場合は20度に下げます。
鉢上げする方の土の温度を逆に上げておくんですよ。
移動する先の温度を高め高めにもっていくと萎れずに活着が良くなります。
トマトです。
福広さんのところもそうですし、私のところもそうなんですが、産地担当の神保さんが見ても、すごくいじけた苗に見えるんですよ。
小さないじけた苗。
「こんな細いのに実がなるの?」とよく言いますけど、だいたいこんな細い感じです。
これが植えて二週間ぐらいです。
小さい実がついていますので、もう少したっていますね。
とにかく暴れさせない苗です。
リン酸中心の苗です。窒素優先になっていないです。
1mぐらいになっています。
細くて貧弱なトマトに見えます。
茎の細さ、葉っぱが混んでいなくて、向こうがすけて見えるでしょう。
茎に対して葉が直角に出るように水管理をしています。
(新井さんの今年のミディトマト 6月の写真)
実がついた状態。
向こうがすけて見える状態で実が鈴なりになっています。
トマトは無肥料です。
スタートが無肥料で連棟ハウスでは今年最後まで肥料を使っていません。
冬に葉ものを2回転して、それで整地しただけです。
なにも入れていません。
生長点を見ながら肥料が必要なら入れようと思ったんですけど、最後まで生長点が衰えなかったんですね。
下葉に欠乏症状が出ていないんですよ。
(新井さんの今年のミディトマト 実が色づいた時期の写真)
色づきが始まっている状態です。
葉を見ていただけるとわかるんですが、先ほど見ましたカリの欠乏症状、苦土の欠乏症状、出ていないですよね。
樹に対しての中玉トマトの大きさを見てくださいね。
昨日も話をしたんですけど、「土壌分析プラス何か」ではなく、私の考え方は『観察力プラス土壌分析』なんですよ。
もうここ3年ぐらい土壌分析はしていないです。
作物を見ながら次の施肥設計を考えています。
トマトの生長点が衰えない場合には追肥もしない。
欠乏症状が下葉にでてこないんですよね。
無肥料でやっちゃいました。そして最後まで水を入れていないです。
植える前にみっちり水をあげてから定植、12段とるまで全然水をあげていないです。
【質問】
前作の葉ものの様子を見て、無肥料か肥料を少し入れるかを決めたとのことですが、前作の葉ものの様子というのは、元肥を入れない時と決めたときの状態と肥料を入れようと決めたときの状態、前作の葉ものの状態ですよね・・。
【新井さん】
おもに窒素切れです。
葉ものというのは先ほどの施肥パターンでいうと、コンスタント、初期から後半まで効かせたい作物です。
とくに小松菜なんかはかなり肥料がいります。
後半切れてしまうと茎が赤くなってしまいます。
そうなってから葉をかくと繊維が強くなっておいしくないんですよね。
平均して水をあげているつもりでも、やっぱり灌水量が多いところは流れてしまいます。部分的に窒素欠乏が出ました。
その部分には特に入れて全体的に薄くいれたということです。
ミネラル、微量要素、すべてです。普通より少なめです。
症状を見ながら、観察しながら足せばいいという作り方。
樹があばれないしカビも繁殖しないんですよ。
実が太るときに効けばいいから生長点の下葉の様子を見ながら追肥をするというやり方をすればカビはでないです。
福広さんもそうだと聞いていますけど、最後のピークになってくるとウドンコ病が出てきます。
ただウドンコ病の場合は収穫を仮に12段までとる場合でも、そんなに気にならないんです。
取りきるまで繁殖していてもほとんど問題ないですね。
通常ウドンコ病は下部の葉から少しずつ上部の葉に移っていきますが、実の善し悪しを左右するのは、実のすぐ下の1枚の葉と上2枚の葉と言われています。
実が充実する際にこの上下3枚が健全であればОKということです。
【質問】
元肥を入れようと思ったところの葉ものの症状というのは、下葉がちょっと黄色くなっていたり・・ ?
【新井さん】
全体がかたくなります。
窒素切れになってくると繊維が出てくるんですよ。
小松菜なんかの場合、貝割れの葉と一番外の葉をかきますよね。
かいたときに繊維がでてくるんですよ。かたい状態。
ぱきんぱきんとみずみずしくかける状態が窒素がきれない状態なんです。
窒素が切れてくるとかいたところから繊維がずっとでてくるんですよ。
かたい繊維がね。それでわかりますよね。
食べてみたって美味しくないです。えぐみがちょっと強くなってくるので。
間口3間で長さ50mのパイプハウスが6棟あるんですけど、傾斜が少しあるので手前と最も奥とがおよそ60~70cmぐらい高低差があると思います。
だいたい欠乏が出る位置というのは決まっている。
この辺がいつも切れるよねという場所がきまっているんです。
チューブの関係かわからないですけど、その部分をちょっとだけ入れて全体を薄めに入れてあとは欠乏症状を見ながら足してやるというやり方です。
入れすぎると必ず茎が太くなって、葉っぱが垂れてきて、空気まわりが悪くなってカビがでてくるんです。そういう悪循環です。
【質問】
うちの生産者もウドンコ病がでて終わってしまうというパターンが何回か続いています。なにか対策は?
【新井さん】
ウドンコ病がでるということは葉の中のアミノ酸・硝酸濃度が高いという状態です。だから灌水ですよね。
水が切れてアミノ酸濃度・硝酸濃度が高くなるとウドンコ病。
ウドンコ病になる場合はアブラムシがつきやすい状態です。
後半になってでるウドンコ病の場合、樹が伸びて日陰になったことも要因だとおもいます。
ちなみにうちが出始めるところというのは連棟のトヨの陰から始まります。
日当たりの悪い場所です。
窒素過多だけでなくて、日当たりの悪い場所、株元に日があたる状態だとウドンコ病はでにくいと思います。
トヨの陰からウドンコ病が出るというのはそういうことなんですね。
水管理は初期からよく効かせるのですか?
【新井さん】
キュウリはそうですね。
一回でやらないで一日に10分でもまめにあげるということです。
とくにウドンコ病をださないようにするにはそうしますよね。
【質問】
こまめに水をやったほうが根がいたまない?
【新井さん】
そうですね。
圃場でキュウリの曲がりがあるという話をしましたけど、ストレスなんですよ。
一気に水をあげて幾日も放置しておいて乾燥し、また水をあげて乾燥の繰り返し・・。それが植物にとってストレスになります。
ストレスをなるべく出さないようにしていくと曲がりがでなくなります。
忙しくてキュウリの誘因ができなかった時、しばらくしてから誘因しますよね。
必ずキュウリが曲がります。ストレスが一番大きいです。
コンスタントに水が効いている場合は曲がりは少ないです。
【質問】
さっき見ていただいた圃場、けっこう水分多いんですけど、追肥した後はそれでも灌水は?
【新井さん】
水分多ければ大丈夫ですよ。
どういう追肥をしているかわからないですけど、たとえば有機の配合肥料をふって、そこからカビがでるようだといらない。
カビがばぁーと繁殖する状態だと水分があるということだから。
無理に水分を足す必要はないと思う。
【質問】
ナスもたまに曲がりが出てくるんですけど・・。
【新井さん】
やはりストレスがあるのかなぁ。
あとはカリウムだよね。
トマトの例なんだけど窒素の倍ぐらいカリウムが必要。
根の肥大にも必要、かたい状態だと伸びないわけだから、ゆるめる部分でカリウムが必要だと思うんですよ。
曲がりもそのへんがあるのかな。
仕上げに今回のまとめということで病害虫防除と有機質肥料の特性をいかした施肥体系ということでまとめに入ります。
野菜のどこを使うのかが非常に大事なことで、その部分が豊作になることを考えればいいんです。
窒素が優先に働いて、灌水や雨水が多かった場合に植物がメタボ状態、暴飲暴食という形になるので病害が出やすくなります。
肥料を入れすぎて窒素が優先になった場合で灌水不足になるとアブラムシなどがつきやすくなりますね。
それから作物ごとの吸肥特性を知りなさいということです。
特に窒素の効かせどころとC/N比です。
どのような肥料を使い分けているかということと施肥量です。
根張り促進として団粒構造、堆肥の関係ですよね、あとバランス、水管理、一番大事なのが水なんですよ。
上手にできるかどうかというのは施肥以上に水管理です。
特に排水対策です。
そして「土壌分析+作物の観察力」。
実を言うと私は逆だと思っているんですね。
『作物の観察力+土壌分析』と考えています。
最後に、予想もしなかった“台風”襲来の中、生産者の皆様に参加していただき、誠にありがとうございました。
*******************************
以上が新井さんの講義概要です。
長文にもかかわらず最後まで読んでいただいた方には感謝します。
それでは、当日参加された方も参加できなかった方も新井さんの講義から何か栽培上のヒントを得られることを期待しています。
(Radix事務局 成田)
【01 農産活動報告】
2009-12-25
『めだかの学校』新井塾par t4 開催報告【講義編・前半】
『めだかの学校』新井塾part4開催報告【圃場見学編】に続いて、甘楽町有機農業研究会の新井俊春さんの講義概要をお知らせいたします。
(※長文のため、施肥体系の話を前半、病害虫防除以降を後半に分けてアップしています)
今回のテーマは『高品質な野菜づくりのための再確認』。
過去3回の『めだかの学校』の総集編(+α)です。
最初に有機質肥料の特性を生かした施肥体系の話、次に病害虫防除の再確認、今年のトマトづくりの様子など、質疑応答を交えながら講義は進みます。
それでは新井さん、よろしくお願いします。 ![]()
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(当日資料表紙:当日資料はすべて新井さんの手作り)
【新井さん】
最初に「土」というものから確認していただきます。
基本は粘土粒子があるかどうかで団粒構造が決まってきます。
団粒構造が十分できていない場合、堆肥やゼオライトなどを活用して団粒構造をつくります。
腐植は堆肥中の炭水化物を微生物が分解してできる物質です。
堆肥を入れて8割ぐらい吸収されるのですが、残りの2割ぐらいは腐植として残ってきます。
粘土粒子と腐植を結びつけているのが、微生物が分泌する多糖類というネバネバです。
団粒構造をつくって肥料成分を中に閉じこめます。
これによって肥料成分が流亡しにくくなります。
(当日資料より)
土の主な化学性に、pH、EC、塩基バランス、C/N比があります。
pH5.5以下は一般的に石灰とか苦土が不足している状態です。
6から6.5ぐらいが、いろんな成分が植物に吸収されやすい状態です。
7.2を越えると微量要素が吸収されにくくなります。
ジャガイモソウカ病は土壌pHの上がりすぎが原因の一つ。
ソウカ病の原因は一部の放線菌。
この放線菌はアルカリ性の圃場に繁殖しやすい。
酸性圃場では繁殖しにくいと言われています。
だからジャガイモを植える場合、酸性圃場に植えてください。
堆肥にしても配合肥料にしても発酵鶏糞にしても、多くの有機資材はアルカリ性です。量を入れれば入れるほど、土壌pHは上がりやすくなります。
慣行栽培している近所の畑を見ると、ジャガイモ畑に石灰を入れているんですね。石灰を入れる場合にはpH確認をした方が良いと思います。
pHが上がれば上がるほどソウカ病は出やすくなります。
ソウカ病の原因となる有害放線菌が繁殖しやすくなるということです。
次はEC。
特にハウスで問題になります。
ハウスの場合、入れた肥料が雨ですべて流れることがありません。
EC値が高いということは硝酸濃度が高いということです。
硝酸濃度が高くなると土壌pHが下がりやすくなり、石灰の使用などを考えがちになりますが、石灰の使用+酸性肥料の使用(過多)などにより、更にEC値が上昇しやすくなります。
EC値が上昇する条件は過剰施肥+水分不足であり、EC値を下げるにはこの条件の逆の施肥調整+充分な潅水ということになります。
EC値の高い圃場で野菜を作るとアブラムシが寄ってきやすくなります。
(※葉中のアミノ酸・硝酸濃度が濃くなる→アブラムシを呼びやすい)
(当日資料より)
次に塩基バランス。
塩基バランスは苦土を中心に考えます。
苦土はリン酸の吸収を助ける働きがあります。
塩基バランスでは石灰・苦土・カリ比を5:2:1にするようにと言います。
この石灰・苦土・カリ比ですが、土壌分析結果の比率ではありません。
等量比になおす必要があります。
石灰の分析結果を28で割ります。
苦土の場合は20、カリの場合は47で割ります。
この割合が5:2:1になるようにしなさいということなんです。
この数値の石灰÷苦土の割合が6以下になればいいんですね。
苦土÷カリを2以上に、最終的に5:2:1がベストですということです。
また夏場は7:2:1という考え方もします。
石灰を少し増やすんです。
なぜかというと、夏の場合は地温が高くなるので雨が降った場合に石灰の吸収が重要になってくるからです。
雨が降った場合、窒素・カリの吸収が早くなります。水に溶けるからです。
そうすると石灰の吸収が追いつかなくなるために腐りがでやすい状態になります。そのため夏場は石灰を多めにした方がいいという考え方です。
細胞を強化するのは石灰の役割。
固めるというか、しめる効果があるということです。
土壌の生物性。
土壌に有用な放線菌が入るのは非常に重要。
放線菌が入るとなぜ良いかと言いますと、土壌病害軽減につながるからです。
『優良堆肥に含まれる放線菌は抗生物質を出して糸状菌の菌糸を溶かしたり、伸びるのを抑えたりなど、その抗菌作用が注目される。キチン質を好むため、キチン質を含むネコブセンチュウの卵を食べてしまう。フザリウム菌やピシウム菌などの土壌病原菌の細胞壁はキチン質でできており、土の中に放線菌が多ければ発病が抑えられる。カニガラはキチン質の宝庫で、これを素材に放線菌が豊富な堆肥やボカシ肥ができる』(当日資料P.4より抜粋)
写真は青カビ(トリコデルマ)がフザリウムを溶かしているところです。
このトリコデルマを発生させる堆肥は草質堆肥です。
牛糞とか籾殻などを混ぜて堆肥をつくりますが、炭水化物の多い堆肥ほどトリコデルマは繁殖します。
このような堆肥を使うことによって土壌病害を防ぐことができます。
次にC/N比の話をします。
ここまでに何か質問などありますか?
【質問】
硝酸が増えるとpHが下がりECが上がりますよね。
pHが下がっているところだけに注目して石灰をやると、さらに塩類濃度が高まる、ECも高まるということでしょうか?
【新井さん】
ECが上がると酸性に傾くんだけど土中には石灰はあるんですよ。
硝酸が増えるとpHが下がります。そこで、(石灰があるにもかかわらず)石灰を足してしまうと、こんどは石灰過剰になってしまう。
pHだけで単純に石灰を足すのは危険ということです。
つぎにC/N比の話。
C/N比という言葉をよく耳にすると思いますが、Cが炭素、Nが窒素のこと。
炭水化物のもとになるものです。微生物の好物です。
炭水化物というのは光合成によって植物がつくるもので、空気中の炭酸ガスを吸収し、根から水を吸い上げてCH2Oができ、余った酸素が放出されるんだよという話を小祝さんがしますが、その炭素と水とがくっついたのが炭水化物です。
炭水化物、タンパク質あるいはアミノ酸の割合によって肥料効果は違ってきます。窒素量が増えれば増えるほど、C/N比の数字が小さくなります。
C/N比が小さい肥料(窒素が多い=タンパク質・アミノ酸等が多い)ほど早く効く。だけど早く切れやすい(持続性がない)。
数字が大きな肥料ほど遅効き、または長く持続します。
8-8-8という(有機系の)配合肥料と4-4-4という(有機系の)配合肥料があった場合、数字が大きい肥料ほど早く効きます。そのかわりに早く切れる。
4-4-4の肥料の方が効き始めは遅いけど長く効くということです。
(当日資料より)
表の下ほどC/N比の数字が小さくなっています。
C/N比の考え方でいくと、上に書いてあるものほど効き始めは遅い、下にいくほど窒素の効き始めは早いということです。
各肥料成分、塩基が植物のどこで働くかという図です。
窒素は葉とか茎を作るのに有効な成分です。
マグネシウムは窒素とともに葉緑素のもとになりますね。
そしてリン酸は良質な花を咲かせるのに有効な成分になります。
苗にリン酸を効かせないと良い花が咲かないですよね。
一方、圃場とくにハウスの場合はあまりリン酸を入れすぎない方がいいです。
育苗期にリン酸を効かせることが大切であるという話をしましたが、トマトの場合、定植苗に、ほぼ5段目までの花芽が分化しています。
仮にトマトを10段まで収穫しようとした場合、下段5段目くらいまでは苗の質で決定されてしまうということです。
苗の床土でリン酸吸収を良くすることにかかってきます。
育苗が非常に大切になります。
カリウムは植物体をゆるめる働きがあると共に、根の伸びを促進させます。
圃場視察で里芋の葉っぱにカリ欠が出ているよと言う話をしました。
夏に雨が多かったので、かなりカリが吸収されているんです。
秋になって里芋がこれから伸びるという時期にカリが必要になるんですが、足りないために葉っぱに症状が出たんです。
葉のふちが枯れていると言うことはそういうことです。
五大要素の中で最も吸収されやすいのはカリウムなんですね。
次に窒素、カルシウム、リン酸、苦土という順番になります。
グラフから果菜類、根菜類にはカリが一番必要だということがわかると思います。
自分がトマト栽培をしていて、窒素の欠乏症状が出る前にだいたいカリの欠乏症状が先に出てきます。
下葉が黄色くなってくる症状では、苦土欠よりもカリの欠乏症状が先に出てくることも多いです。
(当日資料より)
作物毎に三要素とか五大要素がどのぐらいの割合で吸収されるかを調べてみました。
まずは豆。
豆のように種を利用するものは、粒の肥大に応じて窒素を要求するのがわかります。
次にカリ、そしてリン酸ですね。大豆も窒素、カリ、リン酸の順番です。
なぜ窒素が優先されるのか、わかりますよね。
豆がタンパク質でできているからです。
豆の場合、カリ優先ではなく窒素が後半効かなければだめだということです。
初期から窒素が優先に効いてしまうと樹勢ばかりが強くなってしまい、実の付きが悪くなってしまいます。
後半効くような作り方をしなさいということです。
次にほうれん草。
ほうれん草は他の葉物野菜よりも石灰を多めに入れて作ることが一般的になっていますが、一番吸収されている要素はカリウムのようです。
次に窒素、石灰、リン酸の順番です。
次にダイコン。
スタート時は窒素の吸収量が多い。
生育の真ん中あたりからカリを吸収してきます。
なぜカリを吸収すると思いますか?
根の生育に重要なのはカリ、根が肥大するときには窒素よりカリが必要なんです。
次にキャベツ。
キャベツはカリの次に石灰を必要とします。これはなぜだと思いますか?
石灰は細胞を強化し丈夫な体をつくるのに必要なんですが、かたくしまるキャベツをつくるために石灰が窒素よりも吸収されるんですよね。
窒素が勝ってくるとキャベツの巻きが弱くなるんです。
次にレタス。
前にJAへの出荷を予定している結球レタス圃場で、全然結球せずにサニーレタスのような状態の生産者の相談を受けたことがあります。施肥体系を確認したところ、夏場の休閑期にマメ科緑肥を播種・すき込み、レタス用の肥料を教科書通り投入してしまったとのこと。
結果的に窒素優先肥効となってしまい、石灰等の吸収が間に合わず結球できない状態になったと説明した例があります。
窒素が優先になってしまうと結球野菜類は巻きが弱くなると共に、軟弱徒長(軟弱細胞)となるために、とろけや日持ちの悪さにつながります。
次にサツマイモ。
これもカリ優先ですね。
根が肥大するにはカリが必要ですよということを示しています。
次にトマト。
窒素の倍ぐらいカリを吸収します。
実がゆるくなければ肥大しないわけで、実をゆるくするにはカリなんですね。
カリを吸収しながら窒素という順番になります。
窒素欠乏の前にカリ欠乏が先に出やすいというのはこういうことです。
次は欠乏症状。
キュウリのカリウム欠乏症状というのは葉のふちにでます。
ナスはふちではなくて葉脈の間、ちょうど葉ダニがついたような症状になります。
(当日資料より)
石灰の欠乏症状。
トマトの茎が扁平になってきて、ひどくなると真ん中が空いてきます。
窒素が優先的に吸収されて石灰の吸収が追いつかないとこのような症状が出てきます。写真上部左はトマトの芯止まり症状です。右が実の尻腐れ症状。
共通点は根から一番遠い部分にカルシウムの欠乏症状が出るということです。
トマトの先端部、あるいはトマトの尻腐れなんかそうですよね。
キャベツの場合、外葉が先についた葉で内側ほど後につく葉になります。
内側の方が養分のいきわたる時間がかかるみたいで、キャベツの石灰欠乏は一番内側のやわらかいところからでます。
なぜトマトの尻腐れが出るのかといいますと、主枝を通って養分が運ばれて、枝で曲がって、(トマトの実の少し前)ここが折れているんですよね、トマトの場合。
なぜ折れているかと言うと、農家のおじさんがトマトを取りやすいようになっているわけではもちろんありません。
トマトは自分の子孫を残そうと思って実をつけるのであって、熟してくるとここがポロっと折れて下に落ちるようになっているんです。
下からの養分の通り道がストレートでなくて途中で曲がっているため、これが植物体内の移動が緩慢な石灰の吸収移行を、更に手間取らせる原因になっているんです。
ストレートにずっといってくれれば吸収は早いんですけど・・・。
一番遠い(トマトの)尻に症状が出ると言うことです。一番遠い部分です。
里芋の例です。
苦土欠と違ってはっきりとでてくるのが里芋のカルシウム欠乏です。
(当日資料より)
次に苦土欠です。
窒素と苦土で葉緑素をつくっていくんですが、葉脈近くから外に向かって広がっていくのが苦土の欠乏症状です。
カリウムの場合は葉脈と葉脈の間が黄色くなるんですけど、苦土欠は葉脈から広がっていきます。
小松菜の苦土欠です。
一番下の葉っぱです。
葉脈の外に向かってだんだん黄色くなっていきます。
トマトの苦土欠症状です。
葉脈間だけでなくて葉の先端近くに向かって黄色くなっています。
葉脈の間だけか?葉脈から外に向かって全体が黄色くなりやすいのか?が、苦土欠かカリウム欠乏かの違いのようです。
これが里芋です。
初期の段階ですけど、これが広がると黄色い部分がより鮮明に出てきます。
コンニャクイモの苦土欠です。
(新井さんのハウス隣の)おじさんの畑にでています。
原因はわかっています。
おじさんは牛の肥育をしています。牛舎に麦わらを入れて堆肥をつくり、それをコンニャク畑に入れています。傾斜畑に畝をたてると土が流れるので、畝の低い窪地にも麦わらを敷くんですよ。
牛糞も藁もカリウム成分が結構高いんです。
そういう作り方を毎回繰り返しているとカリウムの過剰障害がでて、拮抗しているマグネシウムが吸収できない土になってしまうんですね。
カリウムが過剰に吸収されるとマグネシウムの欠乏症状が出てきます。
苦土があっても吸えない状態です。すべてこのような畑になっています。
特に畑のまわりに出やすいんですよ。コーナー(角)に出やすいんです。
「おじさん、苦土が欠乏しているよ」という話をしたら去年ぐらいから苦土石灰をふるようになりました。だけどコーナーまでふってないんですよね。
背負いでふるとどうしても角までふれない状態になるんです。
次にトマト。
右側が石灰欠乏。
左側のトマトは窒素と並行してカルシウムが吸収できているものです。
右側の場合は窒素優先。水を入れすぎるとどうしても窒素優先的になりがちになります。窒素は水に溶けやすいので優先的に吸収されます。
窒素に対して石灰の吸収が追いつかないのでこのような症状になってくるという例ですね。これが進むと尻ぐされがでてきます。
(当日資料より)
トマトの肥料成分過不足の例、窒素からホウ素までを調べてみました。
欠乏症状と過剰症状、けっこうトマトをつくっている人が多いので参考にしてみてください。
作物によって肥料の使い分けが必要となります。
葉っぱなのか、根っこなのか、実なのか。
その部分を豊作になるようにつくりましょうということです。
例えばトマトで初期から肥料を効かせると茎や葉っぱが大きくなりすぎて空気まわりが悪くなります。そうするとカビなどの病気が出やすくなります。
トマトの場合、実が肥大するときから肥料が効くようなつくりかたをしなさいということなんですよ。
(当日資料より)
それを3つのパターンにわけてみました。
後半に効かせた方がいいという作物が根物とカボチャの類。
初期にあまり効き過ぎると良くない作物です。
ダイコン、ニンジンの場合は根を利用する作物ですから、初期から窒素が効いてはだめなんです。
肥料を薄くめにしておいて主根がぐっと伸びていってから側根、こまかい根が伸びた時に効くような作りかたをしようということになります。
最初から肥料が効いてしまうと地上部の葉っぱが伸びすぎて垂れてきて太陽の光を遮る、雨が降って株元がじめじめして病気がでる・・、一方で根は伸びないという状態になります。
日当たりを良くして根を伸ばすのであれば生育初期は効かせないで後半に効かせましょうという作り方になります。
ダイコンの場合、炭水化物優先の肥料、たとえば牛糞と籾殻をつかった堆肥でつくる場合には籾殻の量が多い堆肥が良いということになります。
8:8:8という(有機系)配合肥料と4:4:4という(有機系)配合肥料があった場合には数字が小さい方の肥料がいいということです。
葉っぱを伸ばさないで、根を伸ばすという作り方というのは窒素の少ない肥料を入れてくださいということです。
たとえば10aあたり窒素を8kg入れる場合、8:8:8の肥料より4:4:4の肥料を倍入れた方がダイコンには良いですよという考え方です。
次にトマト、ネギ類です。
コンスタント型の野菜です。
スタート時はなるべく窒素の肥効をおさえて追肥で追っていきます。
基本的に濃度の低い肥料で回数多く追肥していくほうがいいですね。
前半に肥料を効かせた方がいい作物には、レタスやジャガイモがあります。
これは前半に効かせて後半切れるようにつくらないと絶対にダメです。
レタスの場合、後半に窒素が残った状態で雨あがりに収穫すると、だいたいとろけがでます。
窒素が多くて水が多いと細胞と細胞の間に隙間ができてくるんです。
いわゆるメタボ状態です。
筋肉の間に脂肪が入っているような状態なんです。
この状態で雨が降った後でレタスを収穫し隣同士がこすれて出荷されると、腐りやすい、とろけやすい状態になります。
窒素優先でカルシウムが追いついていない状態です。
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以上が『めだかの学校』新井塾part4開催報告の前半部分です。
引き続き『めだかの学校』新井塾part4開催報告【講義編・後半】へと続きます。
(Radix事務局 成田)


