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【01 農産会員情報】
2010-03-04
澤浦さんの新著 『農業で利益を出し続ける7つのルール』が出版されます!
3月5日、ダイヤモンド社から野菜くらぶの澤浦彰治さんの新著がでます。
タイトルはずばり『小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール』
(※澤浦さんは、この3月からRadixの新会長に就任されています。
一昨年から農業経営の勉強会の講師をお願いしています。
昨年11月に開催した北海道札幌での勉強会の概要は
こちらをクリック!→ 経営塾in札幌 開催報告 )
かなり詳細かつ具体的・実践的な内容になっていますので、(さわり部分を
お伝えしたいのですが)まずは書店でお手にとってみてくださいね。
(書店では、経営・経済・ビジネス書分野で販売されると思います 単行本: 238ページ 1,575円 )
小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール―家族農業を安定経営に変えたベンチャー百姓に学ぶ(←クリックするとAmazonにとびます)
【内容紹介 Amazonより引用】
これから始める人、小さな農家でもできる
安定した収益を上げる農業マネジメント
いま、日本の農業は転換期を迎えようとしている。
かつてアメリカの農業がアグリカルチャーからアグリビジネスに変わったように、日本の農業も農業ビジネスへと変革しようとし、最近ではくつかの成功した農業法人も現れている。
野菜くらぶ、グリンリーフなど4社の農業関連法人の社長である澤浦氏も、潰れそうな零細農家から農業経営で成功した経営者の一人。
農業がビジネスとして確立するためには、ほかの業種と同様にマーケティング、商品開発、流通、生産管理、ファイナンス、労務管理などをきちんと行い、それらをマネジメントする経営者が必要になるが、ただそれだけでは成功しない。
農業技術などの生産面のほか、人材、資金調達などは、農業独自のものが必要になる。
農業ではどのような運営を行っていけばいいのか――、澤浦氏の実体験を基に、農業をビジネスとして成功させるポイントを明らかにする。
新規就農者にとっても、既存の農家にとっても、これからの農業経営のあり方を示す新しい農業の教科書!
成功する人と、成功しない人の差は何か?
農業を続けられる人と、辞めてしまう人の差は何か?
それは意外に単純なところにある。
「仕事に対する志があり、未来投資費である〈利益〉を出し、経営として成り立たせている」
農業の成功のポイントは、ここにある!
好きな農業を続けるには、利益を出していくことが大切
個人から始められる、農業経営の成功法則!
ルール1 はじめての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ
ルール2 作物を商品化することで、利益は生まれる
ルール3 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める
ルール4 経営規模に合った自分のお客様をつくる
ルール5 できる農家は毎日欠かさず日記をつけている
ルール6 手元資金があっても、設備資金は借金をする
ルール7 個人と組織を活かす「方針管理手帳」で、利益を出し続ける
(Radxi事務局:成田)
【01 農産会員情報】
2010-03-01
小祝塾開催報告(※Radix会員の高生連さんからの報告です)
2010年1月27日、高知県の高生連さんがJBFの小祝さんをお招きして、
自主勉強会を開催されました。
(高生連さんは高知の自然を守ることを目標に、高知県に無農薬の耕作地を
広げています)
勉強会の概要について高生連生産者の畑さん・鍋島さん・坂本さんに
詳細なご報告をいただきましたので、以下にご紹介いたします。
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2010年1月27日安芸市長野氏(トマト準促成―キュウリ抑制)のハウス圃場にて7,8段目から軟化玉が顕在化する傾向にあるとのことで、この対策を主題に質疑応答をはさみながら小祝塾を開催しました。(参加生産者7名)
■堆肥編 安芸市乳牛50頭飼育の小松さん堆肥場にて
手はじめにすぐ近所にある乳牛農家の小松さん堆肥場で、対策に使用できそうな堆肥の評価と使用法を小祝さんに講義してもらいました。※1)参照
結果、エアレーション量が絶妙で太陽熱消毒用の基材、堆肥マルチ、長期の果菜類に良いのではとのこと。
この場合注意しなければいけないのは初期の肥料分としては期待できないので、必ず元肥をしっかりと入れることとアドバイスをもらいました。※2)3)参照
■トマト軟化玉対策編 長野氏ハウス圃場に移動
全国でも有数の園芸団地の中にある長野氏の圃場に移動し、定植直後の苗や土壌の状態、栽培環境などを点検し座学に場を移し本格的な講義と質疑応答。
圃場やトマトの詳細な状況については※4)参照。
■講義、座学のまとめ
最初に軟化玉のメカニズムの説明が小祝さんからありました。
小祝さんのテキストにも詳しく説明されているように、トマトの実が細胞優先(窒素優先)の生育になっていると軟化につながります。それを引き起こす条件を一つ一つ解決することが重要です。※5)参照
小祝さんがまず指摘されたのは鉄の重要性とその補給のこつでした。※6)参照その後軟化玉対策の具体的アドバイスを中心に植物生理の基本的事項の再確認となりました。
なにごとも基礎が大切だと参加者一同痛感した次第です。
■長野さんの圃場や栽培上の問題点と対策
・土壌の過剰乾燥対策
一度乾燥した土壌は硝酸値が上昇する傾向にあり、この状態で潅水を増やせばさらに細胞優先(窒素優先)生育の悪循環に陥ります。
この硝酸値がいったん上昇した状態での潅水には「酢」の炭水化物を利用することで好循、またチューブが中心に設置された一本タイプなので、畝肩をカバーするタイプに変更すればとのアドバイスがありました。※7)参照
・ 堆肥マルチ(低窒素 C/N比に注意)
酢の利用とともに堆肥マルチをフィルター的に使用する方法も提示されました。
堆肥を水が通過するときに有機酸を含み、炭水化物やミネラルを溶かし込んだ水を供給する方法です。この場合は低窒素、C/N比が高めの堆肥を使用することがこつだそうです。
・ その他
光合成による糖の合成、根からの炭水化物の吸い上げ、それらが配分(転流)されるメカニズムなどを把握し、植物生理的な視点からそのメカニズムがスムーズに動くような肥培管理が必須であると説明がありました。
その他具体的事項については※8参照
■ 研修会参加後
その後参加者とメールなどでさらに情報交換、考察をすすめているところです。
研修会当日に質問できなかったことで議題にあがったことは以下のとおりです。
・土壌分析値の苦土の数値の高さ
150以上ということはカリと比べても相当な比率で苦土過剰となっています。
このままの管理であれば慢性的カリ欠乏の症状が出て、糖の配分がスムーズに働かず、栄養成長気味、窒素優先の草姿になるのは必須ではないかということになりました。
堆肥マルチや追肥で草姿をみながらカリ補給をしていくのか、あくまで標準施肥量を固守するのか、生育の経過も継続で視察させてもらおうということになりました。
・ 光と温度環境
ハウスの設備の問題となりますが、屋根高が低く気温を下げることが難しいハウスでの、高温期、高段収穫の難しさがあると思われます。大きな設備投資をしないままでは、日中と夕方、夜間など生育の日ステージに沿った温度管理を厳しく行わなければならないと思われます。
さてその具体的方法は?と、これも持ち越しの宿題となりました。
光環境は二重被覆を早めに取ることと、次回の被覆資材の変更で対応できると思われます。
■ 以上,小祝塾の概要でした。(その他tipsは※8参照)
参加するたびに新しい考え方や技術が示されますし、普段気づかなかった問題点を明らかにすることができた有意義な研修会であったと思います。
その後の参加者の討議では、数値を重視しすぎ基本的な土壌や作物の管理がおろそかになる傾向であると反省しました。
また、会を重ねた参加者も多くなり、植物生理上の基本概念は会得しつつありますが、その概念を「営利栽培」の現場に移すときの「ずれ」や「概念」の一人歩きが課題であるのではとの共通認識を得ました。
それぞれの現場での最適解を導き出すのに、一人ではなく多数の目で考えることができる自主勉強会を頻繁に開催しようということになりました。
※1)堆肥の製造過程等
・基材は大鋸屑。毎日出てくる糞尿を大鋸屑と混合。
・エアレーションのある場所に積み込んで(堆肥盤の3分の1ほどはエアレーション用の溝がきってあります)冬場で65度~70度。
・夏場で上限75度ほどまで温度を上げて積み込み。
・日々の生糞が混入されるたびに軽く切り返し。
・その後エアレーションの無いストックヤードに積み替え。
・最終製品を薄暗い屋根下に移動し養生。
・水分は少なめ。アンモニア臭なし。
・切り替えし時に甘酸っぱいにおいになるように長年の経験から調整しているとのこと
・年間600トンほど
・エアーコンプレッサーは比較的小型のもの。電気代10000円配管は小祝さんの書籍にあるとおり、太いパイプから細いパイプ。トーナメント方式。問題なし。
・エアーレーション用のパイプは塩ビ管両サイドに丸穴明け。
※2)小祝さんの総評
・堆肥としてはC/N比20~25程度
・発酵温度が63℃程度で、大腸菌は死滅するがたんぱく質の組成は壊しにくい温度に調整しているところがポイント。
・エアレーションが強力すぎず、穴の間隔ともマッチングがとれている。絶妙なエアー量。
・このおかげでコントロールが難しい高温発酵系に移行せず、放線菌と酵母菌(好気性・嫌気性)のバランスが良い組成となっている。
・切り替えし時の甘酸っぱい香りは、放線菌と酵母が働いてセルース分解をしている証拠・窒素が少なめなので、アレンジ用の基材として秀逸。
・団粒構造を長期間維持するための基材として、このような荒物系が優れている。
・長期収穫の果菜用などに向いているが、初期の肥料(元肥?)は不足するので注意。
・太陽熱消毒用基材、堆肥マルチ等にも向く。
・その他 (堆肥の効能・夏作のインゲンへの応用)
・絶妙な水分管理によって酵母菌、放線菌が休眠状態になっている。条件が整えばそれらの菌が一気に増殖し、悪玉菌を抑えるだろう。
※3)参加者の感想
・生産者のあいだで「荒物堆肥」と言われるよく見かける大鋸屑系堆肥である。
・C/N比10~12程度の肥料系ボカシ堆肥と組み合わせると面白いかもしれない。
・中熟堆肥では息切れする長期栽培作物栽培のときに良いかも。
・ただし塩基成分は高そうなのでハウス等には慎重に。化学性も考慮しての投入。特に粘土質。
※4)トマトハウスの状況圃場は2ブロックにわかれており、半分が定植3日目、半分が定植スタンバイの状態。
潅水は塩ビパイプにノズルをつけたタイプ。高知県の施設園芸ではもっとも多いタイプ。軟質チューブと違って潅水範囲が安定しやすいのが特徴です。ハウス内は内張りをサイドと屋根に展開した二重被覆。小祝さん手持ちの照度計で計測すると屋外日向で11万ルクス。外張り下は9万ルクス。二重被覆内張り下で6万ルクス。(午後3時頃)トマトは7万ルクスは最低必要。土質は開墾地で粘土質。
土壌分析結果(ドクターソイルデジタル)
CEC20.9 水PH6.9 KCLph5.9
アンモニア態窒素 0.3 硝酸態窒素10.5
リン酸160 石灰251 苦土150 カリ56 鉄12.2 マンガン5.3
※5)トマト軟化のメカニズムの概要と診断フロー(参加者のその後の討議が加味されいています)
・ 見た目は同じトマトなのに何故軟化がおこるのか?そのメカニズムについて。
・柔らかい=皮が薄い→何故皮が薄いのか?
・皮は主に石灰とホウ素から構成されている。どのような場合にそれらが不足するのか?
・土壌中に必要な養分が不足している場合→追肥
・土壌中に必要な養分がアンバランスな状態で存在する場合→バランスを整えるための葉面散布、単肥の投入。ただし
・ 土壌中に適正に含有されているのに不足が起きる場合
考えられる状況→水分不足や鉄不足による根の発達不足
・なんらかの根の障害(有機物の急激な分解、土壌CN比の低下、栽培環境の負因(高温乾燥、日照不足高温など)
根痛みすると窒素・カリ吸収が優先される⇔石灰等ミネラル類の吸収阻害
※6)硫酸鉄補給のこつ(ミネラル類ほぼ同等の考え方)
・むき出しで土壌に追肥するとすぐに酸化 して不溶化して効き難くなる。
・有機質(堆肥等)でくるんで必ずキレート化すること。有機酸。
・収量が上がれば上がるほど鉄は不足する。
・緊急の処置としての葉面散布は3日ほどで効果が切れる。(陸上植物の限界か?)
・よって必ず土から補給する。鉄の過剰障害は出ぬくい(マンガンは要注意。)
※7)一度乾かしすぎて硝酸過多になった場合のこつ
・水だけで潅水すると硝酸優先吸収の悪循環
・硝酸には有機酸。必ず250倍程度の酢水(有機酸)を使用すること。(生化学的説明あり)
・生育のステージにあわして濃度、量を調整すること
・炭水化物不足(セルロース不足)の印⇒成長点付近の葉露。(生化学的説明あり)
・欲しいのはH・日中に土壌を湿らす⇒過剰な酸素を土壌に入れない(硝酸形成のメカニズム説明あり)
・夜間、根先が酸素不足にならないように注意すること(養分転流に酸素消費が多くなる)
・言い換えると夕方から夜間に過湿にならない程度なら、積極潅水可。
⇒積極潅水できる土壌構造⇒団粒構造
・堆肥マルチのときはC/N比に注意。高窒素の堆肥は積極潅水が出来ず。
・水不足→ミネラルが溶けにくい→光合成能力の低下→軟化、大きさが揃わない
8)その他tips
■有機栽培は水。お日様代わりの有機酸(酢)
・長期果菜は特に。水のコントロールが栽培の肝となる。
・水がなければミネラルは溶けない。
・多すぎると根の腐敗。少ないと硝酸(その他塩基類)濃度の上昇
・日照不足は有機酸で補える。(一日の炭水化物消費量は決まっている)
⇒土壌を乾かしすぎないこと。有機物主体の圃場は特に。(塩基類投入圃場はなおさらに。小祝さんによると塩基飽和度は140ほどが限界値ではないか。)
・潅水チューブの選択に注意。根元ではなく根先。乾かしすぎない工夫。5mm程度の堆肥や籾殻マルチでも効果あり。この場合の堆肥のC/N比には注意。
⇒保水性と排水性のバランスの良い土壌構造(団粒構造)が重要
⇒いかにして団粒構造をつくるか、維持するか(良質の堆肥)という技術
■PHに引っ張られて硫化○○を使いすぎないこと
・たとえば硫化マグネシウムなどは成分の7割近くが硫黄ということを忘れてはいけない。
・硫化水素発生の恐れ
・自然界には水溶性のミネラル
・水溶性とく溶性のバランス施肥(小祝テキスト参考にせよ)
・ECをあげすぎないよう注意。植物体内と体外の濃度バランスが逆転すると漬物原理でしおれる。
■高pHなどで微量要素が不溶化している場合の過剰投入に注意
・太陽熱消毒などでpH下がった場合に急激に可溶化して過剰障害
■クリーニングクロップの活用(田村氏)
■PFメーター使用上のコツ(省略)
■塩基バランスの多少の崩れは大丈夫。それよりも良好な作土層の確保でカバー。(CECも含む)
■アミノ酸使用時の注意点
・慣行農法でも当たり前になってきたが土壌の「前提条件」がないままの使いすぎは逆効果
・アミノ酸過剰投入⇒微生物活性化→急激な土中の有機物分解→土壌構造崩れる
・受け皿となる有機物の質とバランスが必要
・ソリューブルなどの追肥時には有機酸との組み合わせ推奨(例 ソリュ1 酢2)
■団粒構造の簡易測定方法
円筒のパイプで土壌を抜き取り、円筒内に一定水量を潅水し「水の抜け」具合で団粒の程度を判断する。
【01 農産会員情報】
2009-11-05
あゆみの会 宮城さん訪問記
2009年10月29日、丸山塾in千葉の事前打ち合わせをかねて、あゆみの会の宮城さんの堆肥場と圃場を見学してきましたので、その概要をご紹介します。
キーワードは「種菌堆肥の積極活用」と「太陽熱処理のススメ」です。
あゆみの会の宮城さんです。
勉強会ではお世話になります。
堆肥場で堆肥づくりのお話をうかがいました。
宮城さんは、らでぃっしゅぼーやのエコキッチンクラブの受け入れ生産者の
一人。関東のエコキッチンクラブの会員さんから集められた乾燥品が毎週ここに持ち込まれます。その量は週あたり300~400kgほどになるそうです。
上記写真が集められたエコキッチンに宮城さんの種菌堆肥をまぜて発酵させている状態です。(※エコキッチンに対して種菌堆肥をほぼ同量混合)
太陽熱処理のやり方として、事前に畝たてをしてから雨を待ちます。
エコキッチン堆肥の全体写真とクローズアップ写真。
匂いもすくなく、種菌堆肥によって発酵がうまく進んでいます。
堆肥の表面に手をやるとホカホカ状態。
あゆみの会の丸山さんがデジタル温度計で内部温度を測定したところ
68度でした。
こちらが種菌堆肥置き場となる堆肥舎。
気になるような匂いはほとんどありません。
写真が放線菌などの有用菌の密度の高い堆肥(宮城さん曰く、『種菌堆肥』)です。
さきほどのエコキッチン堆肥、しばらくしたら種菌堆肥の上にかぶせるようにしてのせます。そうすると種菌堆肥から有用菌が上がってきて、エコキッチン堆肥が次の種菌堆肥へとかわっていきます。つまり種菌堆肥が再生産されていくわけですね。
『種菌さえうまくつくれば、だれも堆肥づくりは失敗しない』と宮城さんは強調します。
『菌密度の高い力のある種菌をいかにうまくつくるかだよ。それさえ作ればあとは同じことを繰り返すだけ』
ムリせず継続できている秘訣がここにあるかもしれません。
実際に使用する堆肥づくりに、この種菌堆肥が大活躍します。
近所の畜産農家より半生状態の豚糞堆肥をいただいてきて、活性の高い種菌堆肥をほぼ同量を混ぜて発酵させます。すると3日ぐらいで発酵してきて、1週間たつと菌がまわって全体が真っ白に。
半生の豚糞であっても、乾燥している種菌堆肥により水分調整がうまくでき、菌の活性が高いことも相まって発酵が速やかにすすむわけです。
この中熟堆肥を畑に施用して土壌改良材的に活用されています。
(※現代農業10月号に掲載された記事はこの中熟堆肥の活用についてです)
宮城さんは3日に1回、種菌堆肥に手をかけています。
エコキッチン堆肥などを上に順次のせていくだけなので、切り返しの手間もいりません。
種菌堆肥の表面を少し削ると白い層がはっきりと浮き出てきます。
宮城さんは、この部分に放線菌が生育していて非常に菌密度が高く活性も良いと考えています。
菌密度が高く活性の高い部分をうまく活用するのが宮城方式です。
宮城さんが堆肥づくりをするきっかけとなったのが雑草対策と土壌改良につながる太陽熱処理です。
当初、太陽熱処理に使用できる高温耐性菌を購入していたそうですが、途中から自ら生産できる活性の高い種菌堆肥づくりに変更したそうです。
『堆肥は肥料ではない、あくまで土壌改良材として作っている』
宮城さんはこの堆肥を入れても畑が劇的にかわることはないといいます。
しかし間違いなく少しずつ良くなっていることがわかるので10年スパンで土壌改良をするための資材として位置づけています。
(ちなみにネギ畑で約5t/反、ニンジン畑で1~1.5t/反ぐらいの施用量)
宮城さんの圃場は自宅周囲に3haほど広がっています。
すべて自宅から歩いていける距離にあります。
この時期、ニンジン・ネギ・カブなどを栽培。
ほとんどの圃場で夏場に太陽熱処理がおこなわれています。
太陽熱処理は実によく効いて、雑草はほとんどおさえられるとのことです。
太陽熱処理をした圃場写真です。
透明マルチで太陽熱処理した部分は、雑草がほとんど見あたりません。
太陽熱処理をしていない通路部分には雑草がちらほら見受けられました。
(※写真中の右田さんが指さしているのは通路部分に生えた雑草で、
太陽熱処理されていない部分です)
畑を十分に湿らせる雨がふったら新品の透明マルチをはります。
そして最低でも20日間は炎天下で蒸しこみながら雑草の種を殺してから
マルチをはいで播種します。
太陽熱処理をすることで除草対策の労力が軽減され、同時に品質も向上するなどのメリットもあります。
カブの圃場で棒差しの試験。
(写真は棒差し試験をしている、あるみの会の丸山さん)
写真のとおり、園芸用の棒がスッと入ります。
このお話は勉強会当日に宮城さんと丸山さんから聞きましょう!
ネギの圃場で棒差しの試験。
こちらの圃場では、驚くことに2mほどの園芸用の棒が全部入ります。
(※勉強会当日も参加者にやっていただく予定です)
生育途中のニンジン。
ここは梅雨明け後に太陽熱処理した圃場です。
収穫までもう少しです。
ニンジン畑の団粒を確認中
(※畑の土質は関東ロームの黒ボクです)
団粒の塊がポロポロと崩れます。
まだまだ伝えたい話はありますが、今回はここまで。
いろいろ工夫されていることなど、とても参考になる点がありますので
あゆみの会の丸山さんの集中講義とあわせて楽しみに待っていてください。
【丸山塾in千葉に車でご参加の皆様へ】
当日の集合場所は、千葉県香取市高萩1654-50の
「上の台区民センター」です。
地図は下記のリンク先をご参照ください。
Yahoo地図 → 地図 、 Googleマップ → 地図
県道56号線から会場となる上の台区民センターが見えてきます。
(※上記の写真は56号線から区民センターに入る道に曲がって撮影)
千葉名産の落花生の収穫後の畑が反対側に見えます。(右の写真)
勉強会会場となる区民センターです。
広い駐車場もあります。
宮城さんの圃場・堆肥場を見学する際、自動車を地元の公園の駐車場に止めていただきます。(※公衆トイレもあります。右の写真の建物)
この駐車場から宮城さんの圃場まで歩いて数分の距離です。
上記駐車場近くの「上之台神社」
勉強会当日の天気が良くなるよう祈願してきました。 (-∧-)
それでは勉強会当日、区民センターにてお待ちしております。
(Radix事務局:成田)
【01 農産会員情報】
2009-09-28
アップルファームさみず主催の「小祝塾」が開催されました
2009年7月21日(火)、長野県のアップルファームさみず主催の生産者勉強会「小祝塾」が開催されました。
アップルファームさみずさんより当日の模様について報告書をいただきましたので、以下にご紹介いたします。
(※産地主催の勉強会等の情報がありましたら、ぜひRadix事務局まで
ご一報ください。本ブログで紹介いたします!)
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2009年7月28日
アップルファームさみず
2009年「小祝塾」実施報告書
開催日:2009年7月21日(火)
午前10:00~12:00 座学
午後13:30~16:00 圃場での勉強会
開催場所:アップルファームさみず圃場
(座学は近隣の公会堂を使用)
講師: ジャパンバイオファーム 小祝政明氏
参加者: アップルファーム 24名
サンファーム 3名(座学のみ)
まし野 3名
長野有機 1名
らでぃっしゅぼーや 1名(高平誉之氏)
ジーピーエス 2名(田村氏・鷺谷氏)
その他 1名
合計35名
内容:
【座 学】
植物の光合成によって作られる炭水化物は、植物の体作りの材料であると同時に、様々な活動のエネルギー源でもある。葉緑素によって光合成がしっかり行なわれれば、その生産物である炭水化物はたくさん製造される。糖やアミノ酸は炭水化物を材料に作られるので、炭水化物が多くなることは収穫量を多くし、収穫物を甘くすることにつながる。この葉緑素は中心に1つの苦土(Mg)と4つのチッソ(N)をもっている。この葉緑素がしっかり作られ、機能していることが植物の健全生育の基本である。そのためには苦土とアミノ酸肥料(有機チッソ)をバランスよく供給し、欠乏状態にならないことが好ましい。
また、施肥の基本ルールはミネラル先行、窒素後追いである。ミネラル(苦土・鉄・銅・マンガン等)により植物の食物繊維と細胞壁を厚く丈夫にすることで、害虫などの外敵から身を守ることができる。ミネラルが不足しているなかでチッソを吸収した細胞は病気・軟弱な育ちになる。ミネラルを吸いながらチッソを吸収することが重要なポイントである。そのためには、新芽がでる春先までに、苦土・鉄・銅・マンガンなどのミネラル分を土壌中に満タン状態にしておく必要がある。また、窒素を含む肥料が根に届くまでには時間を要するため、春先の芽が動きだす時期に合わせるためには、遅くとも雪解け前までに行なうことが最も効率的な施肥となる。
【圃場勉強】
雨の中、アップルファームさみず生産者の圃場を15箇所ほど回った。各生産者からの施肥履歴及び土壌検査結果が説明された。
実際のりんごの樹や葉の状態などから、欠乏成分の分析を小祝氏が説明した。全体的に苦土(Mg)・石灰(Ca)は足りているが、鉄(Fe)・マンガン(Mn)不足の圃場があった。葉が薄い、葉脈が透けて見える、葉裏がいくつかの点状に透けて見える、又先端の葉が黄色いなど鉄不足の症状を参加者全員で確認することができた。
【参加者感想】
以前、近郊産地の学習会で話を聞かせていただいた事がありましたが、そのときは難しすぎて理解できませんでした。今回の話でやっと植物の成長に影響する部分の話が実際の圃場や黒板の式にて理解する事が出来ました。
また、産地になるべく化学合成農薬を使わないで美味しいものを作ってもらうという立場から、すぐに農薬回数を減らすにはという話からはじめがちでしたが、今回の話を聞き、施肥設計をきっちり行い、上部な木や光合成をたくさんしてくれる葉を作る事が、病害虫の予防に繋がるとのお話はかなり参考になりました。
今後、産地へ行くに当たって、話の幅が増えました。
今回はどうもありがとうございました。
【01 農産会員情報】
2009-09-14
サラダボウル 訪問記
9月4日(金)、甘楽町有機農業研究会の新井さんと 『めだかの学校』 in山梨の事前打ち合わせを兼ねて、開催地となるサラダボウルさんを訪問しました。
まずは中央線の甲府駅で身延線に乗り換え。
(身延線は甲府駅から東海道線の富士駅につながるローカルな路線です)
一両編成でゆっくりと目的地の東花輪駅を目指します。
甲府駅を出発して8駅目となる東花輪駅に到着。
ここでサラダボウル社長の田中さんと合流。
最初に訪問したのがサラダボウルさんの事務所。
見た目は普通のマンションですが・・・・。
一階にある事務所は、とても活気あふれる場所でした。
実は、サラダボウルさん年間200~300名もの研修生を受け入れています。
(ホームページや農業人フェアを通じて集ってくるそうです)
日々、若いスタッフ、研修生たちが写真のマンションで共同生活をしながら、次の農業の担い手になるべく早朝からがんばっています。
下左の写真はサラダボウルさんの事務所風景。
下右の写真は新井さんと田中さんが打ち合わせているところ。 ![]()
さて、下の写真の棒状のモノは何でしょう?
実はこれ、ドラえもんもあっと驚く秘密の道具。
農作業をしているスタッフの体が楽になる、とても工夫されている逸品です。
キーワードは「体メンテナンス」です。(答えは勉強会当日に)
事務所での打ち合わせが終わり、作業所と圃場へ向かいます。
作業所でも驚きの連続。
新井さんも私もうなってしまいました。
そのほんの一部をご紹介すると・・・。
写真は高床で管理機が保管されている様子です。
床が軽トラックの荷台の高さにあわせてあるので、積み下ろしがとにかく楽。
農業の素人集団だからこそ楽に作業ができる工夫が随所に光ります。
(プロ農家と違い、体の使い方ができていないので無駄な力を使ってしまうなどムリ・ムダ・ムラが多くなりがちです。いくら若くても疲労が蓄積しすぎると体を壊してしまい、それがもとで離農ということも。そうならないように体の使い方のコツを学ぶことはもちろん、作業や管理でもムリ・ムダ・ムラをできるだけ省きます)
右の写真の道具も「なるほど!」と思う、作業ミスを防止する手作りの品です。
(この答えも勉強会当日)
作業場では5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)管理がされています。
下の写真のように鎌も定位置管理されていて、個々の道具の管理者も決まっています。道具の紛失予防にもつながっています。
写真紹介はほんの一部なので、勉強会当日を楽しみに待ちましょう。
一昨年に建設された堆肥舎です。
さて、いよいよ圃場へと向かいます。
まずは中玉トマトのハウス。
連棟ハウスに華クインなどの品種が栽培されています。
このハウスからサラダボウルさんの農業が始まった思い入れのある圃場でもあります。(※一番最初に借りた圃場)
地域的に真夏は越えられないため、トマトが年2作(お盆定植と2月定植)栽培されています。
写真のトマトは10月中下旬から収穫が始まる予定。
やや砂質でCECは13前後、そのため追肥を重視する栽培管理をしています。
Dr.ソイルなどを活用し、トマトの様子を見ながら効率的な施肥をおこなっています。
新井さんも絶賛のナス圃場。
ナス担当2年目のスタッフが管理しています。
10t収穫を目標に10月いっぱいまで収穫。
今年は4回ぐらい穴肥をいれて調子がよくなっているそうです。
キュウリ圃場。
キュウリは年2作(春、夏定植)
11月からは小松菜と水菜を作付けします。
現代農業でも紹介された竹チップの堆肥場。
孟宗竹のチップで、10t車で20車以上!
竹チップの話もお楽しみに!
地元のビール糟を活用したボカシづくり。
まだ時期ではないので、本格的な準備は始まっていませんが、勉強会当日にどのようなボカシになっているのか腕の見せ所です。
プラソイラーの幅について新井さんからアドバイスをいただいている様子。
刃の間隔をもう少し狭くしたほうがよいことを指し示しています。
(勉強会当日はプラソイラーの効果を知るために実演を予定。プラソイラーを
かけた圃場の断面調査もあります)
訪問日にいろいろと話を聞いたので本当はもっと詳しくご紹介したいのですが、勉強会当日のネタバレしてもいけないので、とりあえず話のさわりまで。
今年の「めだかの学校」、とにかく盛りだくさんです。
ぜひ楽しみにしてお待ちください!
(Radix事務局 成田)


