ワザを極めよう!……農産畜産Blog このページでは、農産部会、畜産部会の技術向上についての活動、関連する情報を事務局より報告しています。

農産畜産Blog

【01 農産活動報告】

2011-12-16

栃木太陽の会訪問レポート

2011年12月2日Radix第4期研修生竹内は栃木県小山市の栃木太陽の会さんを尋ねました。

土壌の勉強会のなどで度々耳にする”信末堆肥”地元の畜産農家や稲作農家の方たちが持ち寄った飼料、牛糞、豚糞、鶏糞などの畜糞、麦わら、もみ殻、卵の殻、おからなどの有機物を50~70度の中温により完全発酵させて作られる信末堆肥。堆肥の名前は製作者である栃木太陽の会代表、信末清さんにちなんでいます。出来上がった堆肥をタネ堆肥としてこれから発酵する資材に混ぜ水分を調整して戻し堆肥として作ります。戻し堆肥は発酵したタネ堆肥をまだ水分のある資材に混ぜ込むため水分の調整がしやすくなるだけではなく、普通水分調節をする際使用するモミガラなどの資材の削減もすることが出来ます。また、タネ堆肥に含まれる微生物により普通の堆肥より早く発酵させることができます。ちなみに成分はN3.0、P2.7、K2.3、Ca15.6 Mg0.9(%)です。

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信末さんの堆肥場面積は 約1300㎡、個人の堆肥場では日本最大級でしょう。右の写真はエアレーション。ここから堆肥に空気を送り込み堆肥の発酵を促します。

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発酵中の堆肥、50~70度にかけて発酵するので湯気が立っています。発酵熱は資材の中にいる作物に害を与える病原菌、雑草の種子や寄生虫の卵も駆除する役割があります。

信末さんはこの堆肥に空気を送るための切り替えしや出来た堆肥の移動などの管理をパワーショベルや、バケットローターを使いほぼ1人で行っています。

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信末さんの作業を助ける重機たち。けれど最近の燃料の値段は重機や運搬車を毎日乗る農家にとっては頭が痛い話です。

発酵が終わった信末堆肥は重機によってビニールハウスの中へ移動し熟成させられ袋に詰められます。ちなみにハウスの面積は1200㎡です。

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水分が飛んでいる中熟の堆肥で、においもほとんど無く、堆肥場のものとは思えません。

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信末さんが栽培しているキャベツです。施肥は信末堆肥のみ。耕作放棄地の利用は今年から始めたそうです。このキャベツの圃場面積は185a。品種は輝吉、小山市は雪が降らないので収穫が11月~1月末までだそうです。雑草の発生を減らすため定植前に管理機2度を入れて、定植をした後にもう1度手で除草をするのですが、耕作放棄地だったため雑草の種子が多く残ってしまいました。耕作放棄地の利用は大変手間がかかりなおかつ条件の悪い圃場が多いいのですが、地域貢献や環境保全のために手間を惜しんで尽力されている姿には脱帽しました

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栃木太陽の会の信末さん。元Radixの会会長でもあり、生産者からの支持、信頼はとても厚いです。

 

堆肥作りは水分、使用する資材の割合、発酵させる温度、発酵の具合、水分調整、ph、成分の割合、管理方法等気を付けなければいけないことは枚挙にいとまがありません。水分を調節するにしても多すぎると通気性が悪くなり嫌気性微生物が繁殖して、好気性微生物が減ってしまい畑や作物に良くない影響を与える資材が出来上がってしまいます。かといって水分が少ないと微生物が繁殖できなくなってしまい、発酵が進まず発酵熱も上がりません。また、未熟な堆肥は畑に入れてからも発酵が進みアンモニア態窒素が出てしまい、作物の根に悪影響を与えてしまったり、窒素飢餓を引き起こす原因にもなります。それとは逆に中熟した堆肥は畑を肥沃にするのはもちろん、有益な微生物が増えることによりセンチュウ害やカビを防ぐこともできるそうです。

信末さん、お仕事がお忙しい中ありがとうございました。

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【01 農産活動報告】

2011-12-12

丹後ほっこり野菜組合訪問レポート

 

2011年11月25日(金)Radixの会研修生竹内は京都府京丹後市にある丹後ほっこり野菜組合さんを訪問させていただきました。

丹後ほっこり野菜組合は井上農産、中川自然農園、今井農園の3軒の生産者から成り立っています。

まず、訪問させていただく前に気になったのが団体名の“ほっこり”という言葉。

なんだか、ほっとする、落ち着くといったような意味だととらえていたのですが、調べてみると京都ことばで 「今日は仕事がんばったな~」といったような達成感を含んだ肯定的に疲れた様子を意味するそうです。

さて、一件目に圃場を見学させていただいたのが金時にんじんを栽培されている井上農産さんです。この日は代表の井上さんはいらっしゃいませんでしたが、副代表の坂口さんが今作付けしているハウスの案内をしてくださいました。

金時にんじんのほかにも水菜、ミニチンゲン菜、ホウレンソウ、春菊、わさび菜をハウスで栽培しています。従業員は5名。井上農産は直売所を経営されていて坂口さん達が作った野菜や地元の加工品を販売しています。取引先はらでぃっしゅぼーやをはじめ市場、スーパー、デパートなど更には農産物の直売所の経営、販売ルートは多岐にわたります。

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現在栽培している金時にんじんの様子を手に取り確認する井上農産副代表坂口さん。

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ミニチンゲン菜と水菜の圃場、今年も雑草に悩まされました。

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井上農産の直売所です。京丹後市内、京都市、神戸から新鮮な野菜を求めてお客さんがいらっしゃいます。

 

2軒目に圃場を見学させていただいたのが中川さんの圃場。

昨年耕作放棄地だった圃場を借りて日野菜かぶの栽培、違う圃場にピーマンなどを栽培しています。施肥は油かすのみです。

今年の京丹後市は猛威を振るった台風12号の被害によりピーマンなどの収量の低下、また雨が例年より多く雨が降ったため生育も送れてしまったそうです。更に夏になると気温の上昇により、今年の出荷する野菜にも影響があったそうです。

そして、雨のせいかカタツムリが発生して日野菜かぶの葉の一部が、食害を受けてしまいました。

中川さんも直売所を経営していて京丹後市で収穫した米や野菜、ぶどうや梨など果物も売っていました。

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中川さんと自慢の日野菜かぶ、辛味が無く圃場でおいしくいただきました。

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直売所”源ちゃん”中川さんが栽培した旬の野菜や地元の方が収穫した果物などが販売されています。

 

最後に見学させていただいたのが、今井さんの圃場。

今井さんは就農21年のベテラン。作付け面積は4町、レタスやブロッコリー、キャベツを栽培しています。息子の真也さんを継ぎRadixの海外視察や今年の関西・中四国ブロック会議&若者集会にも精力的に参加されています。

今井さんの圃場に到着してからぱらぱらと降っていた雨も強まり、濡れながらも圃場を見せてもらいました。

雨が降ると畑がぬかるみ中で作業をすることが難しくなり、キャベツなどの生育も今年は遅れが目立ったそうです。夏には、高温により定植したあと潅水しないと苗が枯れてしまったり。高温多湿によって作物の品質の低下、生分解マルチも収穫よりだいぶ前に分解されてしまうそうです。また、雨が一度にたくさん降ったあと晴れて急激に高温になることでレタスのとろけもあったそうです。

出荷するレタスの品質向上のため収穫後圃場から作業場に持ち帰り一つ一つ虫食いや病気が無いかチェックしてから箱詰めするそうです。

夕食は今井さんの親戚の方が経営しているレストランで丹後ほっこりの方と食事をしました。もちろん、今井さんの畑で取れた野菜を使っていました。

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今井さん雨の中カッパを着ての作業お疲れ様です。

 

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左は今井さんのブロッコリーこれから12月末にかけて収穫されます。 右の写真はレタスの圃場11月いっぱいまで収穫が行われる予定です。

 

今回、丹後ほっこり野菜組合の圃場を見させていただいてやはり関西地方でも降雨による生育の遅れ、病害の発生そして、夏の高温での定植後の苗の枯死、病害虫の発生があると感じました。それに対する施肥の方法や病害、虫害の防除の対策を考えなければいけませんね。(Radixの会で虫害、病害に対する防除を企画させていただく予定です。より意義のある勉強会にするために配布させていただいたアンケートにご協力お願いします。)

また、関西地方の山間部には田んぼは多く見られるのですが規模の大きい野菜の圃場が少ないと感じられました。

逆に関西の圃場の利点は関東圏や他の産地で野菜が作れないときに出荷できるという点です。実家の群馬県北部に位置する昭和村の野菜くらぶでは今井さんの圃場のようにレタスは11月に収穫できません。しかも、3月に定植を行い5~6月にかけて収穫した後、もう一度10月~11月まで収穫できるということはうらやましい限りです。

こうして、産地間での野菜の出荷がリレーのように行われ消費者の方の元へ運ばれていくのだと改めて実感することが出来ました。リレーが途中で途切れないよう自分も精進していかなくてはいけませんね。

それにしても、ブロック会議や産地訪問の行く先々で雨に降られてしまう竹内ですが、水不足の圃場があるときは是非お声かけ下さい。(訪問先での降水確率は10/14で71.5%です。)

 

最後になってしまいましたが、今回圃場を見せていただいた坂口さん、中川さん、今井さんお忙しい中ありがとうございました。

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【02 畜産活動報告】

2011-12-06

食品・畜産合同セミナー 開催報告

2011年10月22日(土)、前日のトップミーティングに引き続き芝パークホテルにて食品・畜産合同セミナーを開催しました。

今回のセミナーでは、日本トップクラスの獣医師でもある、大井宗孝先生を
お招きして、『NonGMO飼料、口蹄疫の実情と今後、東日本大震災と福島第一原発事故の影響』について盛りだくさんのご講演をいただきました。
(豚インフルエンザについては時間の都合でさわりだけお話いただきました)
 
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※大井先生は養豚農場に獣医衛生・生産性のアドバイスを提供する養豚管理獣医師の
   クリニック『豊浦獣医科クリニック
』の代表をされています。
豊浦獣医科クリニックでは全国で母豚約25000頭のの診療契約、年間約70000検体の
豚疾病検査を受託されています。


大井先生のお話はとてもわかりやすく、畜産業界がおかれている状況について大変勉強になりました。

まずはセミナーの流れにそって感想を交えながら概要を報告いたします。
1)Non-GMO飼料について
2)口蹄疫の実情と今後
3)東日本大震災と福島第一原発事故の影響

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◆Non-GMO飼料について

日本で消費される穀物のなかで一番多いのは何だと思いますか?

主食である『お米!』と言いたいところですが、お米と小麦を足した分よりも
多く消費しているのがトウモロコシ。 

最新の数字を交えながらお話をいただいた大井先生も、
『日本はお米(瑞穂)の国ではなくて、トウモロコシの国と言ってもいいかも
しれない』とも。

トウモロコシは世界でもっとも生産量が多い穀物で、その生産量は年間で
約8億トン。(※お米の世界生産量は約4.4億トン)
日本が輸入しているトウモロコシは年間で約1620万トン。(※2010年実績)
輸入先でもっとも多いのがアメリカで輸入量の約90%を占めています。

世界一のトウモロコシ産地アメリカでは、食用・飼料用が42.5%、輸出が15.7%に対して、燃料用エタノールの原料用に32.1%も出荷されています。
(燃料用途がなんと輸出量の倍も!トウモロコシ価格が高騰するわけですね)

ということで、アメリカ産トウモロコシがないと日本の畜産、ひいては日本の
食も成り立たないという現実が厳然と立ちはだかっているわけです。
この現実を直視しつつ、遺伝子組換えの話に入ります。

アメリカでは遺伝子組換えトウモロコシの作付面積の割合が88%(※2011年)になったと報告されています。
反収が高く生産コストの面からも有利であることから、アメリカの生産者は遺伝子組換えトウモロコシを優先的に作付るため年々作付面積が増加しています。(その結果Non-GMOトウモロコシの値段が相対的に高くなります)

日本はアメリカから 年間約1600万トン(飼料用は1170万トン ※2008年)を輸入しているので、相当量の遺伝子組換えトウモロコシが輸入されているといわれています。
(詳細は、ウィキペディアの『遺伝子組み換え作物』などをご参照ください)

Non-GMOトウモロコシが高いのは収量・生産コストの面はもちろん、日本に輸入されるまでの手続きが非常に煩雑で書類(証明書)が多いこともコストアップ要因になっています。
大井先生は煩雑な書類の例として以下のような証明書をあげられました。
1.NonGMO証明
2.I/Pハンドリング(分別生産流通管理)証明
3.PHF証明(残留農薬検査結果)

Non-GMO飼料の将来については以下のように予想されるそうです。
・一定の需要がある限り生産は続く
・契約栽培などプレミアムをつけて栽培する傾向が強くなる
・IPハンドリングにより価格が高くなる
・米国でトウモロコシと大豆の非遺伝子組み換え割合は10%を切っているが 
  量的には十分あるものの価格は高くなっていく

一方、遺伝子組換え穀物の功罪としての功の面を見てみると
・2009年産トウモロコシで2940万t、大豆で970万tの生産量増加がGM作物で
  もたらされた
・GM作物が利用されなかった場合
2009年 トウモロコシ・・563万ヘクタール、大豆・・382万ヘクタール
の農地がそれぞれ必要になる
(日本の農地は460万ヘクタール)

また、GM作物が導入された1996年以降に不作がない理由のひとつにGM作物の安定した収穫が貢献したともいわれています。
厳しい気象条件の中でも害虫などの被害を受けにくいため世界の食糧供給に対する安定の一助となっている現実も知る必要もありそうです。

以上のように、大井先生から
畜産物を安定して消費者にお届けする畜産業界としての責任を持ちつつ、 獣医師という立場から科学的な根拠を重視しながら遺伝子組み換え飼料についてのお話いただきました。



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◆口蹄疫の実情と今後
2010年宮崎で発生した口蹄疫を事例としつつ牛と豚の口蹄疫の写真を交えながら、口蹄疫の発生農場でどのようなことがおきていたのかをお話いただきました。 (痛々しく辛い映像と写真が続き、二度と起こしてはいけないという気持ちになります)

まず宮崎県の口蹄疫発生事例を時系列順にご説明いただきました。
・4月28日:川南町で豚の口蹄疫発生、豚の発症は国内で初めて
・ ~   :発生頭数が殺処分頭数を上回る、未処分頭数増加!感染爆発!
・5月18日:宮崎県が非常事態宣言発令
・5月22日:ワクチン接種開始(非常に効果あり)
(もし5月連休時に国がワクチン接種を決断していたら ⇒ 被害が1/3程度に
収まった可能性あり)
・7月27日:非常事態宣言を解除
・8月27日:終息宣言

最終的に殺処分されたのが牛・豚・ヤギ・羊すべてあわせて288643頭・・。
そのうち豚が最も多くて174132頭と殺処分の60%を占めたそうです。

大井先生も現場に直行し口蹄疫対策で奔走されました。
その現場で大井先生が感じたこととして、

・現地はとにかく混乱していた
・防疫意識の不足が目立った
・指揮および命令系統(国と現地)、情報伝達が統一されていなかった
・疫学調査の遅れ
・安楽死に関する規定(ガイドライン)がなかった 
さらには、埋却地が充分に確保できなかったなどの課題もあったそうです。
口蹄疫がこれほど広がって被害が大きくなったのは何よりも口蹄疫を甘くみていたことが要因であるとのご指摘もいただきました。

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また初発とされた発生農場・担当獣医師が犯人扱いされるなど、早期発見・早期通報に障害となるような風潮も問題視されていました。
大井先生曰く、『初発農場・発見獣医師は(被害者で)功労者です!いまのままでは早期発見・早期通報に障害となる』と警鐘をならされていました。

1例目の発生が確認された4月20日の時点ではすくなくとも10農場以上にウイルスが侵入していたと推察されていて、日本への侵入経路の特定は現時点では困難とも。(現在も空港などでの水際対策が不十分)
 
獣医師として今後の防疫訓練を考えると
「実際にやってみて『何ができなかった』『何に手間取った』を明らかにしておく
ことが重要」とのこと。
口蹄疫についてはまた発生することを前提にして、地域全体、全畜種で防疫意識を高めていく必要がありと強調されました。

最後に宮崎県では畜産再建に向けた新たな動き『新生プロジェクト』が始まっているそうです。(※
5月31日現在、復興状況は全体で51%、養豚で30%ほど)

(こちらも参考になります⇒ウィキペディア『2010年日本における口蹄疫の流行』)



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◆東日本大震災と福島第一原発事故の影響

東日本大震災では東北の多くの養豚場で地震被害、沿岸部では津波で甚大な被害をうけました。
大井先生の契約先農場も津波を受けて、信じられないような被害を受けました。(上記写真。太い鉄骨でできた豚舎もグニャリ・・)

福島第一原発事故の影響の話では、放射線の基礎的な内容から食品汚染と暫定基準値についても詳しくご説明いただきました。

放射線の影響についてのメカニズムでは遺伝子中の塩基の変化、二量体形成、塩基喪失、一本鎖切断、さらに二本鎖切断などの影響があり、特に遺伝子の二本鎖切断では修復しきれない可能性が高くなるそうです。
(修復が困難な二本鎖切断が放射線障害に大きく関与) 

被ばく線量と生物効果では、1mSv~100Sv(=100,000mSv:100%致死線量)
まで各線量での人体に対する影響についてお話をいただきました。
ちなみにチェルノブイリ事故では以下のように報告されています。
0.8-2.0Sv( 800-2000mSv) 140人中死亡者は0人
2.0-4.0Sv(2000-4000mSv) 55人中死亡者は0人
4.0-6.0Sv(4000-6000mSv) 21人中死亡者は8人

その他、下記の内容も詳しいお話をいただきました。
・放射性ヨウ素とセシウム、プルトニウム、ストロンチウムについて
・土壌-植物の移行率や海産物への影響
・放射性物質の食品汚染
・牛肉の放射性物質の汚染
・粗飼料(稲わら、牧草、飼料作物)中の放射性物質
・食品の放射性セシウム基準
等々

安全性の面からは、とにかく内部被ばくを減らすことが大切。
まだまだ予断が許されないですが、今後も最新の情報をもとに冷静に行動していくことが重要とのことです。

(報告:Radix事務局)

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【01 農産活動報告】

2011-10-31

関東ブロック会議 開催報告

2011年10月7日(金)、ほんのりと色づき始めたつくば山麓にて関東ブロック会議を開催しましたので、その概要を報告します。
(※当日のダイジェスト版動画も添付しましたので、あわせてご視聴ください)

IMG_0081  関東ブロック会議開会

関東ブロック会議の開会にあたり、Radixの会会長の澤浦さんからご挨拶。 
先に開催しました東北ブロック、九州・沖縄ブロック会議の様子などお話いただきつつ、関東ブロック集会を筑波で開催する意義やRadixの会の放射能対応(※分析助成)についてもご報告いただきました。


らでぃっしゅぼーや農産部からは、以下のご報告をいただきました。
1.第三者分析機関を積極活用した放射能分析体制(※自社分析含む)
2.東日本大震災後の取り組み
3.放射能に関するらでぃっしゅぼーや会員様の声
4.販売の取り組み
5.被災地支援の取り組み、不安に感じている会員様への取り組み
6.栽培に関して放射性物質について気をつけること 
(詳しくは下のダイジェスト版動画をご視聴ください)


らでぃっしゅぼーや会員サービスセンターからは、 震災後の経緯報告および会員様の声を時系列でご紹介いただきました。
1.食品からの暫定規制値超え、検出等の報道についてのまとめ
2.震災後1週目~4週目の会員様からの問い合わせ内容と推移
3.東北・北関東産の野菜・食品の取り扱いと会員様の意識と問合せ内容
4.らでぃっしゅぼーやのこれまでの対応
5.会員様からの代表的なご意見紹介
6.会員様からのうれしい声紹介 
(詳しくは下のダイジェスト版動画をご視聴ください)


休憩をはさんで、生産者の皆さんから最近の作柄や大震災および放射能の影響などのご報告やご意見をいただきました。 

今年は天災(地震、台風、気象変動および病虫害発生)と人災(放射能)続きで、産地のおかれた状況がとても厳しいということが浮き彫りになりました。

特に気象変動の激しさから病虫害(特に害虫)・雑草の発生が著しく、発生時期が早まったり、これまで見なかった病虫害が出たりして熟練のプロ農家でも対応に苦慮されていました。

また台風12号の直撃も追い打ちをかけ、暴風雨による直接被害、通過後の病気による二次被害が拡大し、生産者によっては今年の出荷がかなり厳しい品目もあったとの報告もいただきました。 

放射能問題(風評被害含む)についても不安の声が相次ぎましたが、一方で
農業資材販売業者に連絡をとり放射性物質の検査を実施したかどうかを自ら確認したり、生産物や自家製の資材や堆肥などを第三者機関に分析を依頼りしながら自主的に動かれている産地も多くありました
。 
(詳しくは下のダイジェスト版動画をご視聴ください)

      
 関東ブロック会議 生産者からの報告(その1)
発表者の順番は以下の通りです。
  1.明野早川グループ 早川さん
  2.アップルファームさみず 山下さん
  3.あゆみの会 丸山さん
  4.あゆみの会 宮城さん
  5.らでぃっしゅぼーや農産部 島田さん(※宮城さんの質問を受けて)
  6.アルプス自然農法研究会 大川さん
  7.上野商店 上野さん
  8.岡村グループ 常見さん
  9.オルター・トレード・ジャパン 黒岩さん




関東ブロック会議 生産者からの報告(その2)

発表者の順番は以下の通りです。
  1.甘楽町有機農業研究会 新井さん
  2.くらぶち草の会 横倉さん
  3.ぐんま古里農園 後藤さん
  4.謙信の郷 井沢さん
  5.謙信の郷 金谷さん
  6.埼玉県有会 吉田さん
  7.サラダボウル 田中さん
  8.さんぶ野菜ネットワーク 山本さん
  9.水郷おみがわネットワーク 岩立さん
10.那須よかっペ村 益子さん




関東ブロック会議 生産者からの報告(その3)
発表者の順番は以下の通りです。
  1.野ら実りの会 野口さん
  2.野ら実りの会 長浜さん
  3.野菜くらぶ 林さん
  4.夢市場 田口さん
  5.沃土会 矢内さん
  6.レインボーフューチャー 大和田さん
  7.和郷園 内匠さん


関東ブロック会議で全国5ブロックの2011年度の会議はすべて終了しました。
参加された皆さんからのご要望を多数頂いておりますので、次年度の活動に活かしたいと思います。
                                                                                              (Radix事務局)




(おまけ)
レインボーフューチャーさんのハウス横で飼われていたヤギ親子。(左が父さん、右が子供)
ハウス周辺の雑草をもりもり食べてくれて、かなりきれいな状態になっていました。
父さんヤギ、見事なヤギヒゲです。
 
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【01 農産活動報告】

2011-10-19

関東ブロック集会 堆肥場&圃場巡回報告

2011年10月8日(土)、関東ブロック集会にあわせて、つくば農業生産農事株式会社さんの堆肥工場およびレインボーフューチャーさんの施設と有機圃場の見学させていただきましたので、その概要を報告します。

それぞれYouTube上にダイジェスト版をまとめまてありますので、本文とあわせてご視聴ください。


【つくば農業生産農事株式会社さんの堆肥工場見学】

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つくば農業生産農事株式会社さんの堆肥工場見学では、代表の平子さんより施設の説明をいただきました。

つくば市内の広大な土地に、すでに稼働している堆肥工場(※上の写真)をはじめ、食品リサイクルのための堆肥化施設(※下の写真左)や次世代エネルギー生産にもつながる藻類研究の施設(※下の写真右)などがまさに建設されているところでした。

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つくば農業生産農事株式会社さんは農地を11町歩、山林を25町歩ほどを管理しながら、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ルッコラなどの葉物類をはじめ、カボチャ、ニンジン、シュンギクなどを生産されています。

方針として『土づくり』を第一として考え、堆肥づくりを重視されています。
堆肥原料も地域資源(※肥育牛糞、おから、米ぬか、大豆かすなど)を積極的に活用されています。

堆肥工場では、完成堆肥の1/3を戻し堆肥として活用し、発酵促進を行うことで堆肥化時間を大幅に短縮しています。
(※堆肥完成まで約80日、完成時のC/N比15)
また生産者向けに圃場特性にあわせた『ぼかし』も製造しています。

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完成した堆肥は『つくば堆肥』として販売しているのを始め、フレコンバッグや要望に応じて圃場散布まで対応するなど幅広いサービスも行なっています。

地域産業として農業の可能性や底力をこれからも発信していきたいと平子さんは力説。同時に次世代の若手育成にも力を入れていきたいと今後の抱負を語って頂きました。

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堆肥工場見学では、生産者同士の活発な意見交換が行われ、参加者一同いろいろと勉強になりました。


【動画】つくば農業生産農事株式会社さんの堆肥工場見学(23分31秒)




【レインボーフューチャーさんの施設見学 &有機圃場見学】

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レインボーフューチャーさんの施設見学と有機圃場見学では、代表の大和田さん(※上の写真中央)より説明をいただきました。


施設見学では、設備投資のコスト計算を2年間かけて練りに練って実行されたお話をいただきました。計画的な設備投資で通常1億円ほどかかるところをなんと6000万円(!)に抑えることに成功。
新品はもちろん中古品を適材適所でメリハリをつけて活用したことが良かったそうです。

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作業場には縦ピローと横ピローのパック機械をそれぞれ導入して、作業能率を向上させています。
レインボーフューチャーさんの工夫が随所に見られるオリジナルな機械です。

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ベビーリーフ収穫機と種まき機を前にしてベビーリーフの収穫のポイントなどを説明しただきました。ちなみにベビーリーフは播種から収穫まで2-3週間とのこと。(※詳細については下記動画をご視聴ください)

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有機圃場では、今年は初めてという露地の太陽熱消毒の成果を見せて頂きました。今年の成果は十分ありとのことで、見た目にも雑草が少なくきれいな圃場でした。

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上のニンジン圃場では、夏場に太陽熱消毒を約1ヶ月ほど行った後に播種し、同時にマルチを通路側に敷き直して通路側も太陽熱消毒を行っています。
(※写真は通路側にマルチが張られている状態。収穫の際には剥がします)

これは雑草抜きの人件費が非常に高くつくのと、通路側の雑草に害虫が生育して作物に被害を与えるからです。
とくにニンジンの場合はヨトウムシの被害を減らすために、通路の雑草を少なくすることが重要。太陽熱消毒を導入したことで被覆材をかけないでニンジンの生産が可能となり、雑草対策の人件費も半分になったそうです。

おなじく太陽熱処理したタマネギ畑では、ちょうど芽が出始めたところでした。
直播きタマネギは初めてとのことでしたが、うまくいくかやってみなければわからないということで、今年果敢にチャレンジするそうです。
(今年はさらに堆肥も入れないでやってみるそうです)

大和田さんは収穫された生産物はとにかく無駄なく活用(出荷)することに心がけています。(※最後に残ったものは自家用で消費)

今回の圃場巡回では、大和田さんのノウハウを惜しげもなく披露していただき、参加者からも質問が飛び交うなどかなりよい刺激になったと思います。

そして、最後に圃場をバックに記念写真をパチリ。
皆さん、お疲れ様でした。

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【参考情報】
つくば農業生産農事株式会社さん、レインボーフューチャーさんについての詳しい情報は、それぞれのHPをご参照ください。
(レインボーフューチャーさんは、らでぃっしゅぼーや農産部のウシオダさんによる紹介記事もあります。
  『
風評被害に負けるもんか!トウモロコシを無農薬にするには?』 )


【動画】レインボーフューチャーさんの施設見学(19分  8秒)


【動画】レインボーフューチャーさんの有機圃場見学(17分22秒)




(Radix事務局:成田)

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