【経営】
2010-11-01
計算書類について
前回もお伝えしましたが、会社の経営情報を、株主、銀行、取引先などのステークホールダーに正しく伝えることは、とても重要なコミュニケーションの一環です。
今回は、会社の経営情報の発信手段となる、決算書について、お伝えしたいと思います。
計算書類等の種類
一般に決算書と呼ばれる書類には、その用途や法律などに従って、いくつかの形式がありますが、会社法では「計算書類」あるいは「計算書類等」として、規定されています。
会社法の規定に基づき制定された会社計算規則では、以下の財務諸表を「計算書類」として定めています。(会社法第435条、会社計算規則第59条)
1. 貸借対照表
2. 損益計算書
3. 株主資本等変動計算書
4. 個別注記表
以上の書類に、以下の書類を含めたものを「計算書類等」といいます。
5. 計算書類の附属明細書
6. 事業報告
7. 事業報告の附属明細書
8. 臨時計算書類
9. 監査報告
10. 会計監査報告
他に重要な書類として、
11. キャッシュフロー計算書があります。
キャッシュフロー計算書は、金融商品取引法の対象企業で作成が義務付けられているもので、会社法では規定されていない書類ですが、現預金の入出金を内容別に取りまとめたもので、会社の経営状況をより正しく把握出来る上で、作成義務がない会社も、作成する方が好ましいものと考えられています。
貸借対照表と損益計算書の説明
計算書類の内、決算公告する必要があるのは、貸借対照表と損益計算書です。
会社法では、官報または日刊紙で公告することを定款で定めてある会社は、要旨だけ公告すれば良いとあります。(会社法第四百四十条)
電子公告の場合は、計算書類の全文を掲載しなければなりません。
貸借対照表と損益計算書の内容について、要旨に沿って、説明して行きます。
計算書類の要旨の内容の説明
貸借対照表の要旨の区分
(下記の各項目は、適当な項目に細分することが出来ます。)
一 資産の部・・・資産とは、その会社がお金を払って、所有 した物や権利などのことです。
1. 流動資産・・・短期間(通常の営業活動サイクル期間、 あるいは一年以内)に所有する資産です。
現金や預金などは、特別な契約がない限り、いつでも入出金できるので、ここに区分されます。
販売用の商品の在庫も、特別な契約がない限り、いつでも仕入れて、販売出来るので、ここに区分されます。
2. 固定資産・・・長期間(原則的に一年超)に渡って所有する資産です。
事務所や倉庫として使用する建物や、機械などは、通常は短期間で売買するものではないため、ここに区分されます。
3. 繰延資産・・・すでに支出したものの、その効果が、将来の長期間に及ぶ費用のことです。
例. 会社の創立費、開業費など
※各項目は、適当な項目に細分することが出来ます。
※公開会社は、固定資産の下記の項目の細分が必要です
① 有形固定資産・・・物理的に存在する固定資産
② 無形固定資産・・・物理的には存在しない、使用する権利など
例.ソフトウェア、商標権、電話加入権など
③ 投資その他の資産・・・投資有価証券、子会社株式、貸付金など
二 負債の部
1. 流動負債・・・短期間(通常の営業活動サイクル期間、ある いは一年以内)で支払い・返済をしなけれ ばならない、買 掛・借金などの債務です。
商品を賭で仕入れた場合の買掛金や、短期間の借入金が、ここに区分されます。
2. 固定負債・・・長期間(原則的に一年超)を超えて支払い・ 返済をしなければならない買掛・借金などの債務です。
建物の建設のために借り入れ、数年間に渡って返済する長期の借入金などが、ここに区分されます。
※ 負債に係る引当金がある場合には、当該引当金については、引当金ごとに、他の負債と区分しなければなりません。
負債に係る引当金とは、将来のある時点で、まとめて支払うことが契約や規約などで定められている場合、当期までに負担すべき分を積み立てている金額です。
例. 賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付引当金、役員退職慰労引当金等
※ 負債の部の各項目は、当該項目に係る負債を示す適当な名称を付さなければなりません。
※ 負債の部の各項目は、適当な項目に細分することができます。
※ 公開会社の貸借対照表の要旨における負債の部の各項目は、公開会社の財産の状態を明らかにするため重要な適宜の項目 に細分しなければなりません。
※ 公開会社とは、その会社が発行する株式のうち、1株でも譲渡制限のない株式がある会社のことです。
三 純資産の部
1. 株主資本
(1) 資本金・・・株主から出資してもらった、会社の元手資金 です。
(2) 新株式申込証拠金・・・株主から入金があったものの、まだ資本金組入前の資金です。
(3) 資本剰余金
①資本準備金・・・主に株主から出資をしてもらったお金で、資本金に組み入れていないお金です。
②その他資本剰余金・・・資本金及び資本準備金の取崩しによって生じる剰余金(資本金及び資本準備金減少差益)や、自己株式処分差益などです。
(4)利益剰余金
①利益準備金・・・会社が獲得した利益から配当を行う場合に、法律で、一定の金額を積み立てることが決められている準備金です。
②その他利益剰余金・・・これまで会社が獲得してきた利益の留保額です。
(5)自己株式・・・自社の株式を自社が購入した株式で、資本の部でマイナス表示されます。
(6)自己株式申込証拠金・・・自己株式の売却に当たって売却先から払い込まれた金額で、自己株式の売却処分の認識をす る前までここに計上します。
2. 評価換算差額等
①その他有価証券評価差額金・・・一定のルールに従って、保有していた有価証券の簿価と評価額に差額が生じた場合、計上します。
②繰延ヘッジ損益・・・一定のルールに従って処理される、ヘッジ手段に関る損益または評価差額で、当該ヘッジ手 段の損益が認識されるまで、計上します。
③土地再評価差額金・・・一定のルールに従って計上される、保有している土地の簿価と再評価による評価額との 差額金です。
3 新株予約権・・・一定の価格で新株を発行する権利(ストックオプション)を発行した場合に、一定のルールに従って 計上されます。
四 付記事項
当期純損益金額(ただし、損益計算書を公告する場合は、不要です。)
損益計算書の要旨の区分
1. 売上高・・・会社の本業の営業活動で実現した売上額です。
2. 売上原価・・・売上に対応する、商品の原価です。
3. 売上総利益金額又は売上総損失金額・・・=売上-原価 です。
4. 販売費及び一般管理費・・・売上を実現するために使った費用です。
5. 営業利益金額又は営業損失金額・・・=売上総利益金額(損失金額)-販売費及び一般管理費です。
6. 営業外収益・・・会社の本業以外の業務に基づき獲得した収益です。
7. 営業外費用・・・会社の本業以外の業務に基づき発生した費用です。
8. 経常利益金額又は経常損失金額・・・=営業利益金額(損失金額)+営業外収益-営業外費用です。
9. 特別利益・・・会社の通常の事業活動以外の事象に基づき、臨時的に発生する収益です。
10. 特別損失・・・会社の通常の事業活動以外の事象に基づき、臨時的に発生する損失です。
11. 税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額・・・ =経常利益金額(損失金額)+特別利益-特別損失です。
12. 当該事業年度に係る法人税等(法人税、住民税及び事業税)・・・税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失 金額に基づき計算された、当期分として課税される金額 です。
13. 法人税等調整額・・・税法上の税金金額を期間配分して、会計上の基準に合わせるための調整額です。
14. 当期純利益金額又は当期純損失金額・・・=税引前当期純利 益金額(純損失金額)-(当該事業年度に係る法人税等+法人税等調整額)
※営業外収益と営業外費用は、金額が重要でない場合は、区分せずにその差額を営業外損益として区分することができます。
※特別利益と特別損失は、金額が重要でない場合は、区分せずにその差額を特別損益として区分することができます。
※損益計算書の要旨の各項目は、適当な項目に細分することができます。
※損益計算書の要旨の各項目は、株式会社の損益の状態を明らかにする必要があるときは、重要な適宜の項目に細分しなければなりせん。
※損益計算書の要旨の各項目は、当該項目に係る利益又は損失を示す適当な名称を付さなければなりません。
以上が、計算書類の要旨の説明ですが、
以下に貸借対照表と損益計算書の全文のサンプルを掲載します。
損益計算書は、売上から費用を差し引いて利益を計算していますので、わかりやすいと思いますが、貸借対象表の方は、理解するのは、少しコツがあります。
先ず、左側の資産が記載されている側の一番下の合計金額と、右側の負債や資本が記載されている側の一番下の合計が一致していることを確認してください。
資産=負債+資本となっています。
つまり、負債で借金したお金や、資本金で入金されたお金で、全ての資産が取得されていると言うことが、表現されています。
これまで獲得された利益も資本の部に入っていますので、その利益もなんらかの形で、(例えば現金など)資産になっています。
次回は、どのような構造で、貸借対照表が成り立っているのか、仕訳の説明もまじえ、説明していく予定です。
【レポート】
2010-09-28
2010年 加工食品合同会議・無事終了!
2010年9月17日(金)、18日(土)の2日間にわたって開催された、2010年食品加工合同会議。ご参加いただきました皆様のご協力もあり、大盛況のうちに終了することができました。ここでは、当日の模様をダイジェストでご報告します。
※詳細は、12月下旬発行のRadixニュースレター64号および会議開催報告書にてご報告予定です。
会議概要
■開催日
2010年9月17日、18日
■会場
芝パークホテル
■参加者数
メーカー様:65社・80名、らでぃしゅぼーやスタッフ:20名、Radixの会スタッフ:6名、計109名
会議スタート前
受付開始1時間以上前から、参加者が続々と集結!
あちらこちらで挨拶や名刺交換も始まり、スタート前から早くも大成功の予感。
13:00、いよいよ加工食品合同会議スタート
Radixの会オフィシャルムービーの上映からスタートした加工食品合同会議。
後藤事務局長の趣旨説明とご挨拶に続き、加工食品会議実現の立役者である
副会長の石川さんからも、当日の暑さに負けない、熱い想いのこもったご挨拶がありました。
14:00、らでぃっしゅぼーやからの発表
1日目会議のメインイベントは、らでぃっしゅぼーやからの発表!
山戸MD部課長からの会員数や販売動向の報告を皮切りに、浅田GL、藤巻GLも壇上に。
会員サービスセンターの発表では、会員さまの生の声やお手紙が紹介される場面も。
品質管理課は、交通標識をモチーフにしたクイズも盛り込んだ発表で、参加者の驚きを誘いました。
締めくくりはMD部の泉原部長。ここまで話してもいいのですか?!というほど
今後の方向性や商品開発の核心に触れる情報に、参加者の関心も一気に高まります。
会員サービスセンター・両角さん(左)、 藤ノ木さん(中央)、 根田センター長(右) |
16:30、参加メーカー様からの事例発表
2時間半にわたる、らでぃっしゅぼーやからの発表とつかのまの小休止の後、
メーカー様3社からの活動事例発表に。
各分野を代表するメーカー様からの詳細な取組み事例の紹介から、
今後の商品開発のヒントなどを得られた方も多かったのではないでしょうか?
庄内協同ファーム・小野寺さん |
17:15、締めくくりのご挨拶には、らでぃっしゅぼーや緒方社長が登場!
1日目の締めくくりは、Radixの会・澤浦会長が壇上に。
ご多忙な中、らでぃっしゅぼーやの緒方社長も駆けつけてくださいました。
長時間にわたった1日目の会議の後は、お待ちかねの懇親会。
会場では久しぶりの再開に喜び合う方、早速名刺交換に駆け回る方など、
さまざまな人間模様が繰り広げられていました。
Radixの会・澤浦会長 |
|
2日目、参加者のそれぞれの想いが熱弁を生んだ分科会
翌日は朝の9時から分科会がスタート。
醸造・発酵、惣菜、国産原料(小麦・大豆・こんにゃく)、国産原料(その他)の
4グループに分かれて、意見交換が繰り広げられました。
次回開催への課題と大きな期待を残し、
熱気覚めやらぬ中、日程を終えた今回の加工食品合同会議。
この会議から、新しい企画や商品が誕生するかもしれないという、
嬉しい予感をひしひしと感じた2日間でした。
ご参加の皆さま、2日間お疲れ様でした。
残念ながら今回は参加できなかった会員の皆さま、
さらに盛り上がること必須の次回会議には、ぜひご参加ください!
(報告:Raixの会・小川)
【レポート】
2010-09-27
らでぃっしゅぼーやトヨタ生産方式報告会
2010年8月25日、らでぃっしゅぼーや神奈川センターで、トヨタ生産方式の報告会が、開催されました。
らでぃっしゅぼーや㈱では、昨年の春から、首都圏センターを皮切りに、大阪センター、神奈川センターで、トヨタ生産方式の導入を実施してきました。
らでぃっしゅぼーやより、改善成果をRadixの会にもご覧頂き、ノウハウを共有して頂く機会としたいとのことでご案内を頂き、Radixの会からも数人の役員・会員、事務局員が参加しました。
トヨタ生産方式とは、トヨタ自動車で開発された生産方式で、ムダの徹底的な排除と、造り方の合理性を追求するシステム生産方式です。
その考え方は、「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」を基本としています。
「自働化」とは、異常が発生したら工程がただちに停止されて、不良品を作らない仕組みを構築します。各工程が責任を持って品質を作り込み、「次工程はお客様」と考えて、次の工程に部品を受け渡していくことで、最終的なエンドユーザーに、品質の保証された完成品をお届けすることが出来ると言う考え方です。
「ジャスト・イン・タイム」とは、各工程が、必要なものだけを、流れるように停滞なく生産することです。余計な在庫を持たずに、ムダなコストも掛からず、効率よく製造し、製品をタイムリーに、エンドユーザーにお届け出来ると言う考え方です。
クレームを無くし、お客様により信頼して頂き、安心してご利用頂ける様に、らでぃっしゅぼーやは、トヨタ生産方式を導入することにしました。
また、トヨタ生産方式を導入することで、職場改善が進み、人材育成にもつながります。
当日は、らでぃっしゅぼーやのトヨタ生産方式プロジェクトメンバーに、らでぃっしゅぼーやの緒方社長を始めとする経営陣、神奈川センターの協力会社であるサンインテルネット㈱さん、首都圏センターの協力会社の㈱全通さんも参加して、報告会が開催されました。(サンインテルネットさん、全通さんは、Radixの会の賛助会員でもあります。)
最初に、神奈川センタースタッフ、サンインテルネットさんからの取組み結果の報告が行われた後、現場のセンターの見学会が行われました。
報告では、ピッキングミスを件数、PPM数での目標値に対する実績値が発表され、共に目標達成の結果でした。
他には、2S(整理整頓)の達成状況も発表され、こちらは、問題のあった場所の、改善前と改善後の状況が、写真で発表されたため、具体的な改善状況を、分かりやすく知ることが出来ました。
センター見学では、センターの置き場がラインで明確に区切られ、物が整然と設置されていたり、汚れていた壁も、見る影もない程、綺麗に清掃されていたりいました。
ラインでも、ムリやムダな作業の原因が様々な工夫が行われ、各現場のパートさんから、しっかりとした改善状況の発表がありました。
今回のプロジェクトでは、なぜ改善が必要なのか、現場のパートさんまで巻き込んで、意識付けのための説明会が開催されており、その成果が確実に現れていると感じることが出来ました。
センター見学後は、神奈川センターに先行してトヨタ生産方式を導入していた、首都圏センターと大阪センターからの直近の状況報告がありました。
緒方社長からは、区切りの報告会を持って満足して安心してしまうのではなく、継続して活動して行くことが大切であるとお話がありました。
Radixの会でも、すでにトヨタ生産方式を導入している生産者がいらっしゃいますが、ムリムダムラを無くして、作業を見える化し、分かりやすくして行くことが、業務の効率化し、職場環境の改善と人材の育成になることが、実感出来た報告会でした。
このような視点で、業務を見てみたことのない生産者・メーカーの皆様も、是非この考え方を取り入れて、業務の棚卸をされてみたら、如何でしょうか。
※ TPS報告会の資料等をご希望の会員様は、下記までメールにて、「TPS資料希望」と書き、メールアドレス、連絡先、部署、氏名をご記入の上、ご送信ください。
送付先:らでぃっしゅぼーや㈱SCM部 桃井宛
メールアドレス:momoi@radishbo-ya.co.jp
送信メールの件名に「TPS資料希望」
本文に①ご連絡先
②部署
③氏名
④ご感想・要望等
締め切り:2010年12月末日
【経営】
2010-08-30
経営に関するあれこれ
なぜ交流ブログに、経営に関することが掲載されているのか、不思議に思われる方もいらっしゃると思います。
Radixの会では、各社(団体)が、関係者に経営情報を発信することも、とても大切なコミュニケーションの一環ととらえ、交流ブログに、主に経営を表現する手段となる会計に関する事柄を中心に掲載することになりました。
これまで、Radixの会では、農業技術勉強会、衛生講習会などの技術的な勉強会を行って来ましたが、農産部会では、Radixの会会長で、野菜くらぶ代表の澤浦さんを中心とした経営セミナーにも力を入れて来ています。
どんなに素晴らしい栽培技術や製造技術を持っていても、それが経営に結びつかなければ、事業を継続することは、出来ません。
また、経営者が目指しているビジョンを理解し、共有するためには、従業員の方々も、ある程度の経営を理解するための知識を持っている必要があります。
Radixの会では、各社(団体)が、関係者に経営情報を発信することも、とても大切なココミュニケーションの一環ととらえ、交流ブログに、主に経営を表現する手段となる会計に関する事柄を中心に掲載して行きます。
会社の決算書について
会社を経営するにあたっては、お客様はもちろんのこと、仕入先、金融機関、従業員、株主、行政機関など、様々な方々との関係があって、会社の経営は成り立っています。
これらの関係者は、ステークホルダー(利害関係者)と呼ばれます。
企業としての社会的責任を果たす為に、ステークホルダーに対して、会社の経営状態を知って頂くための、決算書は、とても重要なものです。
会社の決算書は、会社法、上場企業の場合は、金融商品取引法で、その作成方法は、一定のルールが定められています。
経営に関する情報も、共通の、同じルール(言葉)でコミュニケーションが行わなければ、その会社に対する理解を誤まらせることになるからです。
インターネットを通じて、世界中の情報が、益々手軽に入手出来るようになり、国際社会が進む中、会計の世界でも、各国で同じ会計基準を導入しようと、国際会計基準の導入が進んでいます。
日本でも、金融庁の企業会計審議会が、2012年までに国際会計基準を導入するか決定し、早ければ、2015年から強制適用される見通しです。(2010年3月期から任意適用は開始済み。)
このような経済環境の中、正確な決算を正しく公開することは、社会的にとても大切な事です。
みなさんは、日本では、株式会社の決算の公開方法について、会社法で規定されており、守られない場合は、罰則まであると言うことは、ご存知でしたか?
決算公告について
株式会社の決算は、決算公告と言う形で、発表されなければなりません。
これまでは、決算公告を実施していなかった会社も多かったと言われていますが、電子公告が認められ、官報や日刊新聞紙に掲載するよりもコストが掛からなくなったこと、また、インターネットによる高度情報化社会の発展で、様々な情報が入手し易くなったため、会社の決算公告の重要性も高まり、企業への法令順守が、より強く求められるようになって来ています。
日本では、全ての株式会社が決算公告をすることが、会社法に定められています。(会社法第四百四十条)
公告を行わなかったとき、不正の公告を行ったときは代表者等の役員が100万円以下の過料に処されます。(会社法第976条第1項)
以下、決算公告の要旨を記載します。
1. 公告する時期
毎期、定時株主総会の終結後遅滞なく。
2. 掲載する決算書(計算書類)の種類
貸借対照表
大会社は、貸借対照表に加えて、損益計算書
※大会社とは、最終事業年度末時点で、資本金が5億円以上、
あるいは、負債の計上額が200億円以上ある会社のことです。
(会社法第二条六号)
※金融商品取引法の規定により、有価証券報告書を内閣総理大臣に提出する株式会社については、あらためて決算公告をする必要は、ありません。(会社法第四百四十条4項)
3. 決算公告の掲載方法と内容
下記のいずれかを選択し、登記する必要があります。
①官報・・・計算書類の要旨を掲載
②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙
(例.日本経済新聞など)・・・計算書類の要旨を掲載
③電子公告・・・計算書類の全文
※掲載するホームページアドレス(URL)の登記が必要です。
※5年間掲載しなければなりません。
次回は、決算公告する財務諸表の見方について、説明する予定です。
【レポート】
2010-08-27
農業経営者定例セミナー 参加レポート
農業経営者定例セミナー
日時:平成22年8月17日(火) 16時~18時
場所:農業技術通信社内セミナー会場
テーマ:おいしさの科学-食の原点-
講師: 山野善正
《講師プロフィール》
1938年滋賀県生まれ。京都大学農学部農芸化学科卒業後、食品包装会社に勤務。レトルト食品の開発を担当し、手がけた崎陽軒のパック入りシュウマイはロングラン商品となっている。1968年より香川大学農学部で教鞭をとり、食品学科教授、農学部長として活躍した後退官。2006年より生活協同組合コープかがわ理事、2007年よりおいしさの科学研究所の理事長を務める。香川大学名誉教授。農学博士
《著編書》
「おいしさの科学事典」、「おいしさの科学」、「食品の物性」、「フィルム包装食品」、
「レシチン」など食品感性学、食品物理学、応用コロイド学などに関し30編
研修生の高橋です。
普段の生活の中でおいしさについて考えるということはなかなかありません。私の場合はさっき食べたあれはおいしかった、ぐらいのものです。
そんな私ですがおいしさに関してのセミナーに参加してきました。テーマはおいしさの科学。講師の山野先生は、食は人を作る原点であり、おいしい食は魅力的な人間を育むと考え、食べ物やおいしさの研究をしているそうです。
以下にセミナーの内容を個人的にまとめます。
おいしさの科学
―食の原点―
1、おいしさとは何か
2、おいしさの3要素
3、おいしさの評価
4、調理とおいしさの科学
5、まとめ
1.おいしさとは何か
食べ物の品質には3つの要素があり、それは栄養、安全性、おいしさです。栄養と安全性は食品に因るものですが、おいしさは同じ食べ物でも食べた人の感性によって変化するように、相対的なものなのです。
おいしさの要因は下記の4つ
①生理的要因
欠乏による生理的な欲求が強い場合、それを満たす食物はおいしい。
②文化的要因
民族や集団の中で発達した食文化に合致するものはおいしい。
③情報要因
情報(TV、思い込み)がおいしさを規定する場合がある。
④薬理的要因
欠乏していなくても本能的な報酬の会館を強く刺激する特殊な食品がある。
そして人の好み、嗜好の要因もいくつかに分けられる。
① 先天的要因
人種、民族、性別、体質
② 後天的要因
生活様式、地域の風土・習慣、宗教、教育
③ 現在の状態
年齢、健康、経験、職業、時代
このように、人の嗜好はもちろん、おいしさの要因というのも人によって大きく変化しうるものです。
2、おいしさの3要素
次に、おいしさとはどのような要素で構成されているのかということ。一般的には食べ物を口に入れて感じる「味」ですが、それはあくまで狭義の味です。
おいしさというのは、味、匂い、テクスチャー(食感)の3つの要素で構成されています。この3つはどういうものなのか、そして私たちはそれをどういう風に感じているのかを、それぞれ説明していきます。
【味】
先に述べたように味の感じ方や好みは人によって様々です。そもそもどんな味があるのかというと、各民族で認識される基本味としては、以下のものがあげられます。
日本: 甘、酸、塩、苦、辛、渋、旨
インド: 甘、酸、塩、苦、辛、渋、淡、不了味
中国: 甘、酸、塩、苦、棘(辛)、鮮
欧米: 甘、酸、塩、苦、アルカリ味、金属味
各地域ではこのような種類の味があると認識されていたが、その中の「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」の4つ、これをドイツのヘニングは4原味と名付けました。ヘニングはこの4つの味の組み合わせであらゆる味を作ることができるという説を唱えました。
しかし、今では食品には5つの基本味があるといわれています。日本の学者が「旨み」を発見し、発表したものが世界でも認められたからです。旨味はヘニングの4原味説だけでは説明できなかったのです。
味は舌の表面にある味蕾によって感じることができ、グルタミン酸、イノシン酸やグアニル酸というアミノ酸が旨味をもっています。これらのアミノ酸は一緒に食べることで、相乗効果によってよりおいしくなることがわかっています。例えば、日本のだしはグルタミン酸を多く含む昆布と、イノシン酸を多く含むかつお節が使われています。
【匂い】
食事の際に感じる匂いというのは実は2種類あって、食べる前と後で分けられます。匂いを感じるセンサーは鼻の奥の上の方にある嗅粘膜という場所にあり、外部の匂いだけでなく、体の喉の方からも匂いを感じているのです。
食べる前に感じる匂いによって私たちは食べるものを選別したり、食べ物の味を予想したりしています。匂いの種類は多様で、味にあるような基本味といえるようなものはありません。
また、食品の香気成分数を見てみると、
ブドウ 466、チェダーチーズ 213、かつおぶし 280、
などの固体に対し、液体はコーヒー 789、白ワイン 644、紅茶 537、と総じて固体よりも香気成分数が多い(香りが強い)傾向があります。
【テクスチャー】
テクスチャーというのは食品の物理(化)学的性質の総合的食感、または構造及びレオロジー的性質の食べるときの感覚(外観、噛む時の音、温度を含む)のことです。
舌で感じる味、鼻で感じる匂いは科学的なおいしさで、それに対して食感は物理的なおいしさといえます。おいしさに貢献する化学的なおいしさ、物理的なおいしさの割合を調べてみると、米や豆腐、ようかん、団子などではこの物理的な要因がおいしさの大部分を担っていると考えられています。
日本では外来産の食材を生で食べることが多く、テクスチャーを感じやすいため、それを表現するオノマトペ(擬声語)もかなりの数になります。
3、おいしさの評価
おいしさを評価する方法としては、官能検査と測定器を使った検査があります。
官能検査というのは人間が実際にモノを食べてそれについて評価するというものです。
測定器には、食味計、粘度計、匂いセンサーなどがあり、それらによって品種ごとのおいしさの評価や、生のときと調理したときの評価などができます。これによって目に見える形での客観的な品質評価、そして差別化ができるようになります。
4、調理とおいしさの科学
人が先天的にわかるおいしさには、砂糖の甘味、旨味、油のおいしさがあり、これは他の動物たちも当てはまります。
では、この味覚はいつごろから発達するのでしょうか。基本的な味覚機能は出生時に備わっていて、3歳頃から浩二の味覚機能は完成していくが、その程度は個人差があり、いかなる食生活をつんだかに依存します。
逆にいつから衰えたのかといえば、味覚の老化ははっきりとはしていません。60歳ぐらいからあるかもしれませんが、たいていの場合、味覚の衰えは薬剤性や亜鉛欠乏症といった病気などが原因で味覚障害となることがほとんどです。
では次にどのようにしたらよりおいしく食べられるのかを考えて見ましょう。
私たちが普段からしている料理もその方法の一つです。その時には香辛料や油、旨味物質(出汁)、発酵食品やアルコールといった味覚増強物質を使っています。
吸い物の塩分は0.8~1.0%が好まれますが、これは血液中の塩分濃度とほぼ一致しています。他にも、合わせ味による旨味の相乗効果などで体に良く、おいしく食べる方法を私たちは気づいていないうちに実践しているのです。
5、まとめ
農林水産省は食生活指針を定めています。これも正しいとは思いますが、もう少し付け足したいこともあります。
「癒しと健康の食生活指針」
1・毎日3回規則正しく食事する
2・食事の前後で「いただきます」、「ごちそうさま」を言う
3・できるだけ多種類の食材を食べる
4・日本の伝統料理や食材を大切にする
5・国産国消
6・自ら料理する
そして食事の作法として、重要なこともあります。
A・正しい箸の使い方をする
B・ひじをつかない
C・バックミュージックの廃止
D・「いただきます」「ごちそうさま」を言う
こういった正しい食生活、マナーが日本人には必要かと思います。
そして、生命の原点である本物のおいしい食の生理的・心理的充足により、心豊かな人間的な生活の達成を目指したいのです。
しかし今は日本全体での味覚の均一化が進み、人間の多様性もなくなっていると感じています。
種の多様性と同じように、食・味覚の多様性も重要なのです。多様なおいしい食事により、多様な魅力ある人が育まれる社会を作るべきなのです。
これは山野先生のセミナーを受けて、私がこんなことを言ってるのかなと思ってことを書いています。なのでこの記事を読んだだけで山野先生にケチつけたりしないようにお願いします。
ここからセミナーの感想
味覚の均一化というのは、作られる作物、食べ物が皆甘いものを目指していることだそうだ。全体的な傾向として、甘いものが増えている。
野菜の食味を計るときには糖度を見るものだし確かにその傾向はあると思う。その結果として苦いものや昔は食べていたものを食べなくなってきているだろう。
とはいえ、糖度や甘さを重視するようになったのは皆が甘くておいしい食べ物を望んでいたからではないのか。苦いものと甘いものでどちらかを選ぶなら甘い方がいいと思うし、野菜・果物に限って言えばおいしくなるのは良いことだろうと思っている。人が変わってきたのではなく、甘いものの入手のしやすさが変わってきたということではないでしょうか。
苦味・渋みのある野菜だって変わらずあるのだから認められなくなったわけではないはずだし。
味覚の均一化ということであれば、コンビニやファミレスなどの全国で同じ商品を出すチェーン店の方が問題はあるように思う。しかもこれらは大変便利でよく活用していて、なくなってしまったら困る人も多いだろう。
だから山野先生が言っているように食育、食生活の改善が必要になる。特に子供の内から進めるのが肝要だと思う。子供の食生活が変わり、大人になれば、それをターゲットにする飲食業界にも変化は出るのではないか。
地方からこつこつと変えていくことがまず必要なことだと感じます。


