交流部会Blog

【つぶやき】

2008-12-24

ダシと米を見直そう ~朝日新聞「私の視点」から~

先日、かつおぶしのタイコウさんからメールをいただきました。
『追い風に、・・・なりますか?』というタイトル、そして
『朝日新聞 12月8日12面 「私の視点」に京都大学大学院の伏木亨さんが 「ダシ」と「米」を見直そう という寄稿をしています。 読まれましたでしょうか? お知らせまで』とありました。

伏木教授の著書はずいぶん前に「ニッポン全国マヨネーズ中毒(講談社)」を購入しいろいろな人に貸していた(そして現在行方不明)。
いつかRadixの会交流部会関係で、講演していただきたいものだ、と密かに思いをあたためていた方。

自宅でとっているのは他社の新聞だったので、ツテを頼って記事を入手。

「年も押しせまり、間もなくお正月のお節作りで忙しくなる。そこで活躍する伝統のダシが、昨今の食をめぐる難局を解決する糸口になることが、われわれの研究で分かった」と始まっているその記事には、
「日本の国民の米離れが顕著だ」としてそのひとつに、
私たちの「嗜好変化にも米離れの原因がある」と指摘する。
そして「油脂や糖を豊富に使った欧米の食品は非常にうまい。うますぎる」と続いていく。

…確かに。そして伏木教授によると

油脂や糖に富む料理は接触抑制が難しい。
農の報酬系と呼ばれるおいしさの快感本能への強い刺激が、むさぼり食う肥満体を作る。

…それを「糖と油へのやみつき」というそうだ。伏木教授は実験を行なっている。

動物の嗜好の強さを測る装置を作り、実験した。タッチレバーを規定回数押すごとに飼育箱の窓が開き微量の餌溶液が1度だけ得られる。(中略)水に対してマウスは興味を示さないが、20&砂糖水には約50回、油脂には百数十回まで執拗にレバーを押し続けた。

…これが「やみつき行動」

米国の研究によると、病的に肥満している人たちは油脂と甘みに富むスナック菓子を手放せない。そういう人でも薬で油脂と甘味の快感を抑えてやると食べ方が減る。

…なるほど

こうした中、動物のやみつき行動が、日本の伝統的なダシのおいしさに対しても観察されたのである。

…おおっ

カツオダシに対してマウスは砂糖水を上回る60回もレバーを押した。
脳内メカニズムも油脂や糖と同じだ。
ダシのやみつきには味と香りの両者が関与し、駅蕎麦の香りにひかれる中高年の行動も説明できる。

…うんうん、駅の立ち食い蕎麦屋のアノ香りはたまらない

和食は欧米化した食の前でも無力ではない。
ダシのおいしさが食の欧米化に対抗できる武器となることが科学的に明らかになった。

…「科学的根拠」って強い後ろ盾ですな

食嗜好は遺伝ではない。
長い伝統のある食文化であっても、次世代に教育しないと消えてしまう。

…ですね。我が家にはもうばあちゃんの田舎の食文化は伝わってないや。

社会を挙げてご飯食とそれを支えるダシの教育が必要である。
食教育には幼児期が重要だ。脳のニューロンは幼児期に意味とつながりが整理されると脳科学は説明する。レバー押しとは別の実験だが、離乳期前後に餌にカツオダシを混ぜ、その味を小さいときから知っているマウスは、油脂に匹敵するほどダシを好むという結果も出ている。

…ダシの威力すばらしい

人の子どもの離乳は長くかかる。小学校の低学年ごろまでが自立への準備期間だから、その間に本物のダシを体験させたい。

…以前、ミクニシェフもそんなことをおっしゃっていたなぁ

大学のゼミで、料亭の主人に頼んでダシ体験を企画した。感激した学生は「食生活を見直してみたい」と述懐した。本当のダシのおいしさは今も日本人を感動させる力を持つ。伝統のおいしいダシを経験することは教養である。

…ほんとうにそうだなぁ

京都では老舗料亭のご主人らによる小学校へのダシの出張教育が始まっている。

…うらやましい

そして伏木教授は、「ダシの文化は日本の食を救うばかりでなく、世界の健康食となるポテンシャルを持っていると思う」と結んでおられた。

Radixの会とRadicleの会連携の出前研修では、かつてタイコウさんからかつおぶしの話をしていただきながらダシを目の前で取っていただいたことがる。私の生まれ育った家では顆粒の○○だしを常用していたので、このタイコウさんがとってくださったダシの香りと味には脳天直撃された思い出がある。
幼児期に本物のダシを知らずに育っていても、大人になってからでも遅すぎることはないはず。伏木教授がおっしゃるように「今も日本人を感動させる力を持つ」のだということは、実体験からも大きく頷きたいところだ。

そして、冒頭のタイコウさんのメールは
『世界の出汁は3つだけ。 西洋の「Soup stock」、中国の「湯」(タン) と日本の「出汁」です。 他より独自で独創的な日本の「出汁」』と、さらには『 漢字で「出汁」として書いて欲しいね』とも記されていた。
かつて「出汁」を「でじる」と呼んだ人も周りにはいた。
その味と香りだけでなく、文字もともに教養とし身につけ伝えていきたい。

Radixの会ができることは大きいはずだ。

タイコウさんお知らせくださってありがとうございました。 


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