食品部会ブログ

2013/11/10

新法:食品表示勉強会(東京編)開催報告

大規模な法改正を見据えた
勉強会ということもあり、
準備した資料のボリュームも
通常の勉強会とは比較にならないほどでした。


2013年10月18日(金)、東京千代田区のTKPガーデンシティ竹橋で
今後の食品表示に関する法律の改定に備えるための「新法:食品表示勉強会」を開催しました。
講師には、新法の策定に関わられている
消費者庁食品表示企画課企画官の平山潤一郎氏をお招きし、
法改定のポイントや進捗状況、今後の予定などを解説いただくと同時に、
参加者との質疑応答も時間も。
予定参加者数100名程度を大きく上回る161名の食品関係者の皆さまに
お集まりいただき、大変な熱気溢れる勉強会となりました。

※内容報告については、東京開催・大阪開催共に同じプログラムのため、
 東京開催の報告を持って、大阪開催の報告も兼ねさせていただきます。




当日プログラム
11:30~ 受付スタート
12:00~ 食品表示勉強会開始
12:10~ 講師講演「変わりゆく食品表示について」
      消費者庁食品表示企画課企画官 平山潤一郎氏
14:00~ 講師への質疑応答&名刺交換 (14:20〜休憩)
14:40~ 今後の商品戦略/商品開発・販売戦略・販売動向について
      らでぃっしゅぼーや(株)野田和也 取締役商品部長 (15:10〜休憩or名刺交換)
15:20~ らでぃっしゅぼーやの食品表示状況について
      らでぃっしゅぼーや(株)品質管理課&お客様サービスセンター
15:50~ 今後の食品表示についての取取り組み及び完全移行までの進め方について
      らでぃっしゅぼーや(株)倉嶋 誠
16:40~ ご挨拶
      らでぃっしゅぼーや(株)小関純代表取締役副社長
17:00~ 閉会のご挨拶
      らでぃっしゅぼーや(株)親跡博史執行役員品質保証部長
17:30~ 懇親会(20:00終了)
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星川理事
司会の根田課長。



開会宣言は、Radixの会食品部会の星川理事から。

「本日はこんなにたくさんの方にお集まりいただくことができました。
 みなさま、ありがとうございます。
 今回の勉強会は、新法:食品表示勉強会ということで、
 製造現場が今まさに必要としている
 生きた情報を得られるとても良い機会だと思います。
 この、食品表示に関する法律は、食べ物を扱う我々にとって、
 最後の砦となってくる法律です。
 ねじり鉢巻はありませんが、しっかり集中して勉強いただき、
 最後はさわやかにルンルン気分でお帰りいただければと思います」

何事もポジティブに楽しむ姿勢を忘れない
星川理事らしい、明るいご挨拶で、勉強会はスタートしました。


この日の司会進行は、
らでぃっしゅぼーや(株)の品質管理課・根田茂課長が担当。
常日頃、食品に関する表示や品質を管轄している立場から、
「食品表示に関する法律は、本年6月21日に可決し、
 これから2年以内に本格的に実施されることが予定されています。
 食品を扱うものにとって、無関心でいることのできない課題です。
 今回は、実際に食品表示の一元化に関わっておられる
 消費庁の平山さまに、具体的な概要と今後の方向性をお話いただきます。
 ぜひ、今回の勉強会を、
 有意義な時間にしていただければと思います」とご挨拶。
講師の平山潤一郎氏をご紹介し、勉強会は本題へと突入しました。






講演「変わりゆく食品表示について」
平山潤一郎氏
会場の様子
個別質問にも丁寧に解答
会場からの質問も相次ぎました
根田課長のご紹介で登場された、平山潤一郎氏。
1994年に東京大学法学部を卒業し、農林水産省に入省。
農林水産省を皮切りに、水産庁、環境省、金融庁で、
課長補佐などの役職を経験し、消費者庁へは2011年に入庁。
同庁で食品表示企画課企画官として、
今回の食品表示法の策定に携わって来られました。

そんな、平山氏の講演とあって、会場の期待は高まる一方。
盛大な拍手でお迎えしました。

テーマは「変わりゆく食品表示について」 ご用意いただいた沢山の資料を紐解きながら、
特にポイントとなる点に重点をおきながらのレクチャーとなりました。

「一元化を具体的に進めるにあたり、消費者を対象に調査を実施したところ、
 そこで、8割の方が“言葉を整理してほしい”と解答されました。
 さらに“文字が小さくて見づらい”、“意味がいろいろありわかりずらい”など、
 さまざまなご意見も多く寄せられました。
 実際、制度も法律も複数あり、ややこしいという実情があります。
 これでは、消費者の皆さまも嫌になってしまい、
 生産者の側も適切なルールを理解するのに時間がかかる。
 いろいろな意味で、このままではよくないという背景がありました。
 後に消費者庁ができたことで、企画立案に関する部門がまとまりましたが、
 そもそも違う組織がそれぞれ担当してきたままでは
 どうしても制度がバラバラであり、運用でカバーしきれないため、
 2013年4月に国会に法案を提出し、6月に成立したという経緯です」

その後、一元化討論会がスタート。
月1回のペースで討論会が実施され、食品表示に関する考え方が検討され、
項目によっては将来的な義務化も視野に入れた調整が続いているとのこと。

その軸となるのは…
「新たな食品表示制度の基本的な考え方」
「新たな食品表示制度における適用範囲の考え方」
「新たな食品表示制度における栄養表示の考え方」の3つ。
基本的な考え方では、
○現行制度の枠組みと一元化の必要性
○消費者基本法の理念と食品表示の役割
○新しい食品表示制度のあり方、
○義務表示事項の範囲
に重点をおいた議論が進められています。
適用範囲については、
中食や外食におけるアレルギー情報をどのように扱うのか、
またインターネット販売に際してはどうするのかを。
さらに栄養表示については、
将来的には義務化も視野に入れた検討が進んでいるようです。
これは、国際的にはコーデックス委員会でも義務化していく流れにあり、
古くはアメリカで義務化され、近年ではアジア各国でも義務化の流れが
あることから、日本でも食品表示は義務化するべきという経緯のようです。

しかし、新しい栄養表示では
「すべてのパッケージされた加工食品」が原則であり、
家族経営のような小規模な生産者の場合、
設備投資に経営を圧迫されるおそれもあることから、
生産者の状況によっては柔軟な対応も、との意見もあるようですが、
義務化が始まるまでに、さまざまな意見を取り入れながら方向性を固め、
消費者に対する普及啓蒙も含めて実施していく予定のようです。

なお、新法:食品表示法については、現在進行形で検討が進んでいます。
詳細については、消費者庁のホームページで最新情報が発信していくとのことですので、
皆さまも、消費者庁のホームページなどで、情報収集を意識するよう、お心がけください。

★消費者庁:食品表示法一元化情報はこちら
★ご紹介した「食品表示一元化検討会の報告書の概要」は、消費者庁ホームページ内でPDFが公開されています。
 食品表示一元化検討会の報告書の概要はこちら



<質疑応答より>

Q.
栄養表示の際の推定値、設定根拠の保管は自社でとなっているが、
これは、第三者機関の承認が必要などのルールはあるのか?(醸造加工業)
A.
分析は各社で専門機関に依頼いただき、それぞれ保管ください。
我々が資料提出をお願いした際にご用意いただければかまわない。

Q.
原材料表記を消費者にわかりやすくというのは、使える言葉が制限されるのか?
例えば、天日塩は食塩に統一、丸大豆醤油は醤油としか書けないのか?
A.
ルールはまとめるだけなので、表記ががらっと変わるわけではない。

Q.
一括表示以外の部分で、商品を差別化できる言葉は使えるか?
以前、国産と入れたところ、誤解を招くということで外すことになったことがある。
A.
一括表示以外の部分での表示については、優良誤認、景品表示法の
範疇になってくるので、これに抵触しないようにお願いしたい。
表示の目安については、作成基準をオープンにしているので、
それを参考にしてほしい、また、周知期間の後、経過期間を設け、
軟着陸の流れを取っていく予定にしているのでご安心いただきたい。

Q.
栄養表示の対象となるのは、零細企業も含まれるのか?
A.
原則としては、全ての事業者となっているが、柔軟に検討している。
零細企業や水などあまり栄養が関係ない食品については、
対象から外れるものもでてくる可能性はある

Q.
栄養表示は表示順序がが変更になる可能性はあるのか?
A.
現在、5成分が表示義務化されているが、
これまで最後に表記されていたナトリウムを2番目に変更するという
案が出され、食品表示部会で検討された経緯はある。

Q.
製造元が表示を間違えた場合、販売者にも同様の罰則はあるのか?
A.
ケースバーケース。取引の状況を見ながら、判断される予定。

Q.
相談窓口は一本化されるのか?またどこになるのか?
現在、食品衛生法は保健所、JASは農政事務局と分かれているが。
A.
ワンストップサービスを目指して真剣に議論する必要がある。
質問は、具体的な商品になるケースが多く、実際の物を見ないと
判断できないケースも少なくないので、関係省庁と相談しながら、
改善策を探っている。

Q.
みりんの賞味期限について消費者庁から表示するよう指導があった。
現在、メーカーで対応が分かれているが、今後酒類においても、
賞味期限や消費期限表示が義務化されるのか?
保存方法で品質が大きく変動する醸造酒類にこの考え方を持ち込むのはどうか。
実際、輸入ワインは賞味期限表示などがないが消費者は意識していない。
A.
酒類についても、原稿の法制度をベースに検討する。その声質や経緯をふまえ
作り上げられてきた法律は基本的にはそれを尊重し進めたい。

Q.
実際の交付はいつ頃か?
A.
再来年には交付したい。具体的なスケジュールは、表示基準案の作成は
随時状況を公開しているので、ここでの流れを(消費者庁のサイトなどで)
ご参照いただきたい。また、交付後に周知期間と経過措置期間(5年)を設け、
無理のないように進められるように検討している。

Q.
今後の検討課題に、「中食・外食のアレルギー表示」「インターネット販売の取扱い」
「遺伝子組換表示」「添加物表示の取扱い」「加工食品の原料原産地表示の取扱い」
「食品表示の文字のポイント数の拡大検討」があるが、
これらに優先順位はあるのか?
A.
準備が整ったものから順次実施という考え方。現状、優先順位はついていない。
ただし、文字のポイント数については、食品表示基準の策定・変更に含まれるので、
実施は確定。


らでぃっしゅぼーやからの発表
会場の様子
平山氏の講演の後、小休止をはさんで行われたのは、
Radixの会の勉強会では、定番の企画となっている
らでぃっしゅぼーや(株)からの発表です。

今回は、品質管理課より「食品表示を適切に守るためには」、と
「リコール(お客様告知案件)と
 物流事故(現場で発見した表示事故)について」の
2テーマについての発表、
お客様サービスセンターからは
「お客様サービスセンターからの報告(お客様の声)」が
行われました。
また、野田和也 取締役商品部長より
「今後の商品戦略/商品開発・販売戦略・販売動向について」と題して、
らでぃっしゅぼーやが現在目指していることや今後の方向性についての
お話も行われました。





トップバッターで「食品表示を適切に守るためには」を発表したのは、品質管理課の中野さんです。
食品表示の目的からその難しさ、またそれらを踏まえた上で、
食品表示を守る上で役立つツールや方法についての発表を行いました。
食品表示は、消費者のためにあり、重要な情報源であるにも関わらず、
JAS法、食品衛生法、計量法、薬事法や景品表示法といった条例などが
複雑に絡み合い、判断が難しい場面が少なくない現実について触れ、
その上でも守っていかなくてはならない食品表示法にどう立ち向かうかを紹介。
その一助として「食品表示コンシェルジュ」(中央法規出版)のインターネット版をご紹介。
「今後、全国で広く販売していくためには、ますますルールに則った表示が必要不可欠になるため、
 適切な表示作成にご協力をお願いします」
と、ご参加の皆様への呼びかけで発表を終了しました。

続いて、
「リコール(お客様告知案件)と物流事故(現場で発見した表示事故)について」
を発表したのは、同じく品質管理課の清水さん。
26期上期に発生したクレームの内容に触れながら、
今回の勉強会の主題である食品表示と同時に、最も多く発生したクレームである異物混入にも言及。
これらを減らしていくための対策を、
例えば、日付チェックについては、一文字ずつ“レ点”をつけ、
さらにペンの色も変えてダブルチェックする方法などを具体的に紹介。
繁忙期を前に、
「ぜひ、『三現主義』(現場・現物・現実)で、
 念には念を入れた確認をお願いします」と訴えつつ、
お客様の笑顔のために一緒に頑張っていきましょうと呼びかけました。

そして、「会員サービスセンター」から「お客様サービスセンター」へと
部署名を改めた、お客様サービスセンターからは、長谷川さんが登場。
11月11日にリリースとなる新ECサイトでは、
らでぃっしゅぼーやの会員様に限らず、
誰でもらでぃっしゅぼーやの商品を購入できるようになること踏まえた
名称変更であることをご案内し、本題へ。
お客様サービスセンターに寄せられたご意見やご質問の全体における
本年度8月に寄せられた内容を見ていくと、
「産地」「放射能関連」「栄養・成分」の3項目で約6割を占めている現実を明示。
これらに対し、食品表示はお客様の疑問や不安の解決に大いに役立つことを示唆。
例えば「原材料の産地はどこか」「国産ではなく具体的な県名を知りたい」
「100グラムあたりのカロリーや塩分、タンパク質を知りたい」
「『よく火を通すように』では、どの程度火を通せばよいのかわからない」などなど。
会員様からすれば、わざわざ時間を割いて問い合わせ、
返事を待つという時間的な負担が発生し、
このことが会社や商品に対してのマイナスイメージの引き金になるだけでなく、
提供する側(らでぃっしゅぼーや・メーカー)からしても、
対応業務が増え、予防や改善を行う余裕を削られることになるため、
会員様目線での商品表示は大きなメリットにつながるという
提言で締めくくられました。

そして、発表は、野田取締役商品部長による、商品開発の方針のお話へ。

「社内で、我々のお客様は何を購入しているのか?と話すことがあります。
 それは、商品おのおののことではなく、何を求めているかということです。
 セオドア・レビット(元ハーバード・ビジネススクール名誉教授)の著書に、
 “ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく穴である”という
 マーケティングの名言があります。
 これに当てはめると、お客様が我々の商品で、どのような穴を
 満たしているのか、また、満たしたいと考えているのかが大切です。
 我が社は創業25周年を迎えました。
 この長い期間、商売を続けてこれたということは、それなりのベースがあるはず。
 穴とは、私たちが掲げる企業理念そのものなのではないかと」
と、いう、参加者への問いかけからはじまり、
今後の方針などを具体的にご説明いただきました。
※発表内容には、企業秘に相当すると思われる販売戦略などの
 話題が含まれるため、本ブログでのご紹介は割愛させていただきます。

そして、らでぃっしゅぼーやからの発表を締めくくったのは、
品質管理課で長年食品衛生と向き合い続けてきた、
首都圏センタ-の倉嶋誠さんでした。
これまでRadixの会で開催してきた食品衛生に関連する勉強会で、
倉嶋さんが発表してきたテーマ…
2010年 3つの視点で見る(見る目、見抜く目、見定める目)
2011年 食品衛生の7S
2012年 微生物対策3つの施策
これらを振り返った上で、今回のテーマである新法:食品表示法に関するお話へ。
平山氏にご教授いただいた内容を踏まえつつ、
必要に応じて、生産や小売の立場に立つものがすべきことについて、
補足や具体的な対応策なども交えながら、
新しくなる食品表示法について解説をいただきました。

発表が盛り上がり、予定時間をオーバーする場面もあったものの、
勉強会は滞り無く進行し、大きな遅延もなく終盤へ。

ここで壇上に登場いただいた、らでぃっしゅぼーや(株)の小関副社長からは、
現在のらでぃっしゅぼーやの状況と、
11月11日に予定されている大規模なECサイトリニューアルから始まる
今後の販売戦略など、今後の商品開発のヒントを大いに含んだご挨拶が。
「お客様があらかじめ想定している期待を、
 大きく上回る、いい意味で期待を裏切る商品を、
 皆さまと一緒に作り、一緒により多くの方に提供していきたい」と締めくくられました。

また、最後にご挨拶の壇上に立った、親跡執行役員品質保証部長からは、
今年の異常といえる暑さに起因した、クレームなどに触れながら、
「常識は常に変化している。リアルな現実を捉え、対応していかなくては、
 いいことをいくら積み重ねても通用しない。
 目に見えない“安心”“安全”“健康”といったものを扱う我々は、
 当然これらを守ることは伝統として大切にしていく必要があるが、
 さらに、目に見えるものも確実に、大切にお届けすることで、
 目に見えない“想い”や“信頼”が間違いではない、確かなものであることを
 感じていただけるよう、皆さまと一緒に進んでいきたい」と
ご参加の皆さまへのメッセージで、5時間に及んだ勉強会は終了となりました。


最後に参加者全員で記念撮影。



(報告:Radixの会事務局 田中)

2013/11/10

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