農産部会ブログ

2016/11/21

関東ブロック集会inさんぶ開催報告

10月27日(木)~28日(金)
集合 さんぶ野菜ネットワーク事務所
巡回 浅野さん、富谷さん、沼さん、各圃場 総勢約40名

今年の関東ブロック集会の受け入れ産地は、さんぶ野菜ネットワークさん。農協の部会から産声を上げ約30年、熟練された技術を視察させていただき、勉強会では甘楽町有機農業研究会の新井会長や徳江倫明氏の講演、除草ロボットの開発報告と多彩な内容のブロック集会となりました。

さんぶ野菜ネットワーク 圃場巡回

浅野さん圃場

一枚約3haの畑で、水菜、小松菜、人参、カブ、レタス等の栽培をされています。最初に訪れた視察圃場には小松菜が育っていました。9月の日照不足で例年より細身に育ったとか、、。少々細いものの、背丈の揃った綺麗な小松菜には、虫食いの痕跡も見当たらず、生産者一同から驚きの声が上がりました。人参、小カブと、ホウ素欠乏もでておらず栽培技術の高さを実感しました。

富谷さん圃場

富谷さんは、ハウス3反5畝、畑3ha、水田0.5haの広さで栽培を行っています。栽培品目は、ネギ、サニーレタス、人参、ミニ白菜、イモ、ミニトマト、レタス、おかひじきと多品目の作物栽培に取り組んでいます。堆肥場を持ち、もみ殻、植物、豚糞を混ぜ合わせた自作堆肥がありました。今後、収量を落とさず自作堆肥の割合を上げていくことを目標としています。

沼さん圃場

 富谷さんのすぐ隣の畑で、新規就農された沼さんの畑も拝見。実は沼さん、就農前は某大手自動車メーカーで管理職だったと伺いました。当日は時間が押してしまい作業場を拝見できませんでしたが、ホワイトボードで農作業をきれいに整理して進捗管理に使われるなど、跡継ぎ農家に無い発想に驚かされると、代表理事の富谷さんがお話されていました。新しい発想を学べるのは新規就農者受け入れのメリットのひとつかもしれません。

宿に移動し勉強会 新井さん講演

 今年は台風続きの上に大雨・長雨で、とろけを中心とした野菜の変質が多い年でした。そこで圃場見学の後、栽培技術と指導に定評ある甘楽町有機農業研究会会長の新井俊春氏に、野菜の品質向上に役立つ『野菜の変質抑制を考える~変質しやすい条件と予防策~』というテーマでお話し頂きました。

 野菜の変質は、病虫害、肥料要素バランス、輸送時の振動・破損などが要因となる。その中で一番重要なのが施肥(肥料要素バランス)。作物に合ったチッソ施用量と効かせるタイミング、肥料要素間の拮抗・相乗作用にも気をつけながら土壌pHを意識して栽培すること。強い野菜をつくるには石灰欠乏にならないよう気をつけること。栽培期間中は排水や防虫、収穫・荷造り時は痛んだ葉の除去や温度管理などにも注意すること等々。いずれも水分と傷がポイントであるということで、短い時間でしたが、多雨への対策を多数教えて頂くことができました。

 新井氏は「ネタがつきた」とおっしゃっていますが、新規就農者や若手生産者の中には初めて聞く方も多く、とても勉強になったという嬉しい声も。参加者一同、次世代向けの『めだかの学校* 2.0』を心待ちにしている様子でした。

*『めだかの学校 ~新井塾~』とは?
生産者同士が語り合い、お互い学びあう場として2007~2010年に各産地で計5回開催された。講師の甘楽町有機農業研究会会長の新井さんが「めだかの学校」の名付け親。有機農業の野菜づくりを語り合える場になってほしいとの夢を託し、毎回大人気の勉強会となった。



あゆみの会 丸山さんからの発表
今年はとくに悪天候つづきで、5月頃から作物に痛みが出はじめ、台風9号の追いうちでさらに悪化、出荷前の葉物野菜の果肉は薄く、切り口は白く透明、ぎりぎりでの出荷となりました。堆肥づくりはしているが、窒素よりの堆肥が多く、C/N比を高めた堆肥づくりに取り組んでいきたい。地力窒素が高いところには、炭水化物高めな堆肥を与え、相対的な地力を高めていく必要があるのかなと感じました。全体的に水をあげるタイミングが少し遅かったような気がします。近年の読みづらくなっている天候から、与える水の量、タイミング、打ち方等、も工夫が必要だと考えています。
神奈川センター報告 井上さん
会員さんからクレームを頂き、農産アクションプランとして8項目の取り組みをしてきました。結果として3月~8月のクレーム数は徐々に下がってきています。しかしながら、その全体数はいまだ多く、さらなるアクションを起こして改善していきたいです。今後、追加リパックする中で検品をさらに心がけ、イチゴの品質強化等も進めていきたいと思います。
首都圏センター 村上さん
リパック率の向上、入荷時のサンプリング検品、情報の共有化に力を入れ、クレーム数減少につなげています。今後さらにリパック率を上げ、プラスして情報の添付を積極的に行うことで顧客満足度を高めて行きたいです。「赤伝を個人名で返してほしい」という生産者さんからの要望もあり、今後の課題として改善できるよう努力していきます。

2日目ブロック集会 徳江倫明氏講演

 今年は、徳江氏が仕掛けるOrganic Lifestyle EXPOが11月中旬に開催されるということもあり、これからの日本のオーガニック市場をどのように大きくしていくか、をテーマに、千葉における有機農業の推進役の一翼を担ってきた「さんぶ野菜ネットワーク」で講演していただくことは意義のあることと考え、講演をお願いしました。

 徳江さんらしい緻密な年表が用意され、Organic1.0からOrganic3.0への変遷を時代をおって振り返るとともに、実は、日本におけるオーガニック市場は大きくなりつつあること、そこで共に躍進するためには、社会的ニーズを注意深く分析することはもちろん、その時代に合わせて語ることばを持つことの重要性を語られました。詳しくは、以下の動画をご覧いただければ幸いです。



参加者意見交換会
生産者の世代交代が進んできているので、若者向けに再度ベテラン生産者による勉強会を復活させてほしいという希望が出ました。水管理、菌、虫、カビ、病気等分からないことはまだまだあるので、テーマを絞ったピンポイントの勉強会を希望するなど積極的な意見があがりました。過去の勉強会は、らでぃっしゅぼーやの農産部が主催するのが恒例でしたが、今年はこのような声が他のブロックからも聞こえており、Radixの会の農産部会としても検討の必要があると感じています。
らでぃっしゅぼーや日高副社長からの報告
小売店によるオーガニック食材の取り扱いが拡大しており、2020年にむけたオリパラ効果による需要増大が期待できます。今後、オーガニック農産物の国内需要は拡大すると捉えており、また、海外への販売拡大も期待できます。一方、課題として、コスト高から流通価格が慣行栽培に比べて割高であり、消費が拡大しない一因となっています。生産者が除草にとられる時間は長く、人件費に換算するととても高額となります。そういった有機栽培につきものの除草の手間をAIやディープラーニングを活用したロボットを使うことで解決につなげることができるのではとdocomo社のチームと開発に着手しています。

除草ロボットの開発について-docomo社・佐藤氏からの報告
人間の脳を模して、大量の画像から学習させる画像認識技術(ディープラーニング)を利用、応用し除草ロボットの開発に取り組んでいます。コンセプトは「頼りになる相棒」。生産者と一緒に働いてくれる自立した除草ロボットを目指しています。まだまだ、始まったばかりのプロジェクトで生産者の方々と共に作っていけたらと考えています。(生産者の畑で試作機を動かしている風景も映像として見せていただきました)。
らでぃっしゅぼーや農産部部長 犬塚さんより
売り上げの3割が定期品ぱれっとであるが、徐々に、ぱれっと離れが進んできています。ぱれっとの価値を再度磨き上げ、北海道センター以外の地域でも減少傾向を持ち上げたい。うれしい報告としては、外販の売り上げが昨年対比131.5%ととても好調で、今後さらに視野を広げ売り込みをかけていきたいと考えています。ドロップボックスの活用、検品検査等、生産者、らでぃっしゅぼーやともに歩み寄り、協力し合いながらクレームの数を減らしていけたと思います。
最後に、富谷理事より
全国的にゲリラ的な大雨が多発したり、台風が上陸したりと、今年は自然災害に悩まされた年となりました。今回、ブロック集会で圃場をお見せすることとなり、生産者のプロの方々訪れると、受け入れ側としてはヒヤヒヤでした。いざ始まると、とてもいい緊張感の中、鋭い指摘、ご指導がとてもありがたく、来年からの生産に大いに生かしていけたらと思います。現地での視察は、とても学ぶことが多く、今後も続けていきたいと考えています。
2016/11/21

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