農産部会ブログ

2016/08/30

東北ブロック集会in庄内開催報告

 今年の東北ブロック集会は、7月29・30日の2日間、総勢32名。山形県鶴岡市で開催しました。1日目は、庄内協同ファームさんにお世話になり、メンバーの五十嵐さん、志藤さんの圃場を回った後、北上して遊佐町の遊農くらぶさんにお邪魔しました。

さっそく圃場巡回スタート

今年の作柄を説明する五十嵐さん
稲は順調に育っていました。
 五十嵐さんの水田には植え込み株数50、穂丈約75センチまで成長した稲穂がきれいに並んでおり、1株を根元までしっかり見ながら議論しました。多年生雑草が多く防除には紙マルチを使用しているようです。しかし雑草にも勢いがあり、1日一回人力での除草補助も必要で、イネの初期生育の悪さが、紙マルチによるものではないか、と気がかりのようでした。

枝豆の品種を説明する志藤さん
複数の品種を栽培している枝豆圃場
 2番目に圃場を見せていただいた志藤さんは有機栽培を始めて13年。4枚の畑(108アール)で9品種の枝豆を栽培している圃場を拝見しました。元肥の量を極力抑え、追肥として与えるぼかしで成長を整える管理手法が特徴です。元肥を減らすことで枝豆の株丈は低くなるそうですが、タイミング良くリン酸、カルシウムを効かせることで枝豆の鞘数は増え、虫の影響で多少の波は見られるものの、慣行栽培とさほど変わらない収量があるようです。

ホバークラフトの説明をする尾形さん
農薬散布用に開発されたものをチェーン除草用に改造!
 最後に山形県の最北端。遊佐町の遊農くらぶの尾形さんの圃場を訪ねました。経営面積約4ha(米3ha・枝豆1.2ha)。田植えを5月18日に行い、去年までの合鴨除草から、もともとは農薬散布用に開発されたラジコン・ホバークラフトをチェーン除草用に改造して実験していました。チェーン除草では7反ほどの水田を約2時間で作業でき、定植時から5日に一回のペースで5回繰り返した結果は良好のようでした。実機を見ながら除草以外の活用についてもアイディアや意見が交わされました。

山形大学農学部教授 江頭先生のお話

 宿に戻ってからは山形大学農学部教授の江頭先生(山形在来作物研究会・会長)から、伝統野菜の魅力と活用についてお話をいただきました。昨今は少量多品目生産が見直され、経済も物から情報の消費にシフトする中、改めて人や地元、自然とのつながりを見直す動きが盛んになり、従来作物や伝統野菜が注目を浴びて全国各地で栽培されるようになり、生物多様性や地域の個性といった社会的価値観にも合致して評価されていることが、具体的な事例を通して紹介されました。
農産部からの報告
らでぃっしゅぼーや「いと愛づらし名菜百選」取り組み報告
 江頭先生のお話を受けて、らでぃっしゅぼーやが2004年から取り組んでいる「いと愛づらし野菜」についての発表がありました。伝統野菜に目をむけ全国各地で埋もれている個性的で滋味あふれる野菜を100品目設定、毎年品目を入れ替える選定会議を実施し「ぱれっと」同様、「いと愛づらしセット(2~3)品」を販売しています。お客様にはストーリーや食べ方までしっかり伝えながら、より多くのファンを掴んでいきたいというお話でした。

ブロック集会2日目

宮城大学 谷口先生勉強会
 「有機農業消費・流通と海外の最新情報」
 世界の有機市場は15年間で約3倍に伸びている。対して日本では、有機食品を積極的に生活に取り入れたいと感じながらも購買にはつながっておらず、態度と行動の乖離が見られる。購買者が重視している価値は「博愛」「慈善」「安全」「自主独往」の4つに大きく特徴づけられるものの、その購買層での商品に対する価値観には大きな違いが見られ、多岐にわたる消費者目線による価値の提案が必要といったお話がありました。また質疑応答では、欧米で大手流通が「オーガニック」の扱いを始めたことで、コアな消費者が「ローカル」なものに価値をシフトし始めているという興味深い動向が紹介されました。

生産者からの報告

 どうしようもないことではあるが天気に関する生産被害は年々大きくなり、今までのやり方では通用しなくなってきている。また、有機資材の高騰・物流費の高騰から生産のコストが上がってきており、遠方へ運ぶことのメリットにも疑問を感じるようになってきているという声や、農地集約が進む中、耕作しづらい傾斜地などの土地が荒れていく現状があり、森に戻す技術も大切になってくるかもしれないという意見も出ました。
 また、栽培技術的には、過去に行った化学性中心の勉強会以降、新たな更新がないので、例えば、物理性とその改善のため、近年進化を見せている農業機械の勉強会なども今後は必要になりそう、といった意見や、気候変動に合わせた作物づくりを学びたいという声があがり、米作りについて言えば、除草などの労力や資材費がかさむ「JAS有機」栽培がそれに見合った売価とならないことから頭打ちとなっている実態が改めて複数の生産者から報告されました。
2016/08/30

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