農産部会ブログ

2015/07/06

北海道ブロック集会/報告:山口

 断面調査を始めて5回目となった、北海道ブロック集会。今年は三毛別羆事件で有名な場所、北海道苫前郡苫前でカボチャやジャガイモを栽培している関さんの圃場で開催しました。

 谷先生、生徒さん、The Earth Cafe鈴木さんは前日、畑を掘り断面を用意。穴を掘っている最中に警察が来たので不審者と思われ通報されたと思いきや、ヒグマ出没の注意喚起だったそうです。翌朝、熊が穴に落ちていたらどうしようかと冗談も飛ぶ中、断面を見た率直な感想もしっかり伺いました。

 今回の参加者は総勢28名(生産者14名)のご参加いただき、北海道では一旦終了となる断面調査をしっかり学びました。

断面調査

断面の写真≪クリックで拡大≫
 圃場断面調査が恒例となったのは、あるきっかけで麓郷生産組合の菅野さんの圃場を掘ったことが発端です。

5年間で、掘った土壌は「グライ低地土」から始まり、「多湿黒ボク土」や「台地褐色森林土」など。今回の関さんの圃場は「褐色森林土」で今まで掘った中で一番いい土壌だと谷先生がベタ褒めされていたのが印象的でした。

『注目すべき点』
通気性・排水性が抜群なところ!土壌の色、土を触ると分かるそうです。土壌の色は鉄の色が反映されているから、酸化されているなら「赤系」の色になり、酸素がない状況では、還元されて「青系」の色になる。関さんの圃場は黄色をしていることから酸素が十分下層まで行きわたっているとのこと。
また、下層部で構造ができていることから排水性もいいことが分かります。
構造ができている土≪クリックで拡大≫
谷先生のお話を真剣に聞き入る皆さん
断面を見てわかる問題点
 今回分かった一番の問題点は、昨年の残さをプラウですき込んだこと。有機物をすき込むと微生物が酸素を使って分解しようとし、残さ層の酸素が無くなり分解できなくなる。そうなると、嫌気性微生物が動き出し「硝酸」「硫酸」までの酸素を使い、アンモニア・硫化水素ができてしまう。
 一般的にも有機物をすき込むことは当たり前になっていて、一見、畑はきれいに見えるが、酸素の少ない所に有機物を投入すると、根にとっては危険な土を作っていることになる。

 また、残さの間に土がカチカチになっている所がある。それは、結果的にプラウで土を練ってしまっていることが原因で、土壌中の水分が多い時にプラウをかけるとこのようになってしまう。山中式硬度計で計るとこの畑の通常では15前後だが、カチカチの部分は30とかなり固い(25以上だと根が張らないと言われている)。

 プラウの使い方やタイミング、残さや緑肥のすき込み方をよく考える必要があることが指摘されました。
休耕地を次年度活用しようとした場合
 休耕地を次年度活用しようとした場合、大量の残さがありそのままプラウですき込むと窒素飢餓や異常還元を起こす。そうさせない為にも、夏の間で残さを分解させる方法を考えないといけない。
 案としては、尿素を捲いてからロータリーで10センチぐらいの表面を耕うんする。又は、周囲が酪農家なので生糞尿を捲いて一緒にロータリーで混ぜて土ごと発酵をするのもよいのでは。とのアドバイスいただきました。

The Earth Cafe鈴木さんの勉強会

The Earth Cafe鈴木さん
クリックで拡大
谷先生の窓口役でいつもお世話になっている鈴木さんですが、自身は農業コンサル会社を経営していたり、作業中の負担を軽減する着衣「スマートサポート」を販売する会社も経営されています。
 また技術士の資格をお持ちで、現在は地理的表示保護制度(GI)北海道ブロックの統括アドバイザーをやっておられるなど多彩な知識を持っていることから、今回は鈴木さんにも、以下の内容でお話をいただきました。

~これからの農業を考える~
・コンサルで感じた農家の問題
・日本の食と農の現状
・生産環境の変化
・家族形態の変化
・北海道のスーパーストア業界状況
・国産野菜を選ぶ理由
・海外でのオーガニック価値が高い
・「食」とデザイン・マネジメント
・GI制度

谷先生の座学

土壌分析の数値
谷先生の勉強会では、良い土壌のおさらいをしつつ、関さん圃場を化学的な面からお話いただきました。

CEC(塩基置換容量)はこの土壌にしては数値が低すぎるため、有機物が少なく腐食が分解されていると予測できる。CECを上げるには、緑肥や堆肥などの有機物を入れることが早いが、土壌断面調査の時に話したように未分解のものをすき込んでも意味がなく、酸素が十分にある状態で有機物を分解させることが必要。
また、カリより苦土が少なくバランスが悪いことが分かる。塩基飽和度を60-80%に高めるとともに交換性石灰、交換性苦土、交換性カリのバランスを適正に保つことが必要。目安としてカリより苦土は3倍、苦土より石灰が約3倍の量。今回は土壌診断で出てきた数値で交換性(石灰・苦土・加里)を荷電量に変える計算や塩基飽和度、石灰/苦土比・苦土/カリ比の計算方法、実際にどれだけ肥料を投入すればバランスが取れるのかを手を動かして勉強しました。

最後に、これまで話しで出てきたことのおさらいも兼ねて谷先生との質疑応答も行われました。

【2日目】らでぃっしゅぼーやより

会議中
2日目は、後藤 農産部長より始まりの挨拶として日本の有機農業の動きとらでぃっしゅぼーやの現状についてお話いただきました。その後、加川 農産仕入課長にマイクが渡され、北海道でどれくらいのクレームがあるのかを共有。写真を見てクレーム品の確認。生産者からの産地情報の共有が行わました。
北海道センターからは近況説明が行われ、会員動向の説明、限定チラシ、品質不良に伴うセンター作業、共配便の実績・流れ、最後に会員交流イベントの報告とこれからのイベント予定をお話いただきました。
天気が良かった為、参加者が帰ってもう一仕事できるよう、早めに閉会し、2日間の日程を終えました。
クリックで拡大
カタログ見てます。
全体の様子

動画

土壌断面調査

勉強会



2015/07/06

会員サイトへログイン

パスワードを忘れた方はこちら

 

Radix info on twitter

Radixオフィシャル動画

ブクログおすすめ本

らでぃっしゅぼーや コーポレートサイト

International Year of Pulses (English Site)